◆2009年6月30日(tue) 濱中くんのリト、のちバブルスくん

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松本里美の『銅版画集&CD』制作日誌はコチラd0905


5年ほど前の作品。
『たこ男 くねり』足下だけマイケルを意識してました。



 工房でリトグラフをやっている濱中大作くんの個展を渋谷アップリンクのギャラリーに見に行った。ここはライブや映画もやっているところだし、彼の絵はミュージシャンやアップリンクでやるような映画を見にくる人に合ってるような気がするから、いい場所なんじゃないかと思っていますが、それらしき人もこのBARコーナーにあるギャラリーについては、あまり認識がないようで、ああ、勿体ない、と思ってしまいます。濱ちゃんの絵は、イマジネーションに溢れていて、西洋絵画を真剣に学んだ様子も見受けられ好感が持てるし、人間の形や表情、洋服のひだや雲の流れ、波の流れなど、動きがダイナミックで見入ってしまいました。
http://www.zabohouse.com/exhibition/20090624_hamanaka.html 7/6まで。『異郷の数秒/濱中大作リトグラフ展』

●バブルス
 マイケルが天国でやすらかに楽しく過ごせますように〜、とノー天気に思いながら工その後は工房で8時まで作業。あのファッションとあのダンスは希有であった・・・と、あの短めパンツに白靴下に愛を込めて描いた絵があったことを思い出す。「たこ男/くねり」の足下がそれ。まっすぐな膝、長い脚、じゃないと似合わない。バブルスくんの行方を案じていたのですが、彼は2005年から農場だか動物センターだかで元気にくらしているそうで、写真を見つけたら立派なおやじ殿になっていたので、ビックリした。子どもの頃は本当にかわいいチンパンくんだった。バブルスくんと一緒だったマイケルは楽しそうだったなあ・・・・でも、やっぱ孤独だったんだろう。


●ひとつ完了

 伊勢丹の新宿店のオリジナル品となる版画2点が、完成。あした渡せる。しかし、多分ギリギリセーフ状態なのだろうと思います。まだ湿ってるので、ソォ〜〜ッと手渡しします。

●PUB
 8時まで工房にいて、疲れ果てたので、ナネット嬢と久々お茶でも・・・と思ったのだった。最近できた明治通りの「HUB」にチョコッと寄って、フィッシュア&チップスとエールを。オリジナルのエールは、サッパリしていた。バスのエールにすればよかったかなあ。今度はそっちにしよう。以前は工房のすぐそばにアイリッシュパブがあってよかったのにな。ここのHUBは音楽が駄目でした。だって、泣きのギターがなっててさぁ〜〜〜、全然ブリティッシュじゃないんだもーん。アイリッシュパブ求む。



◆2009年6月27日(sat) 最近はこんな具合

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サマーカットのチィちゃん。
ハダカ犬とハダカLittle K



**追記**
この写真を見て、数名の方が
「エエ〜ッ!松本さんついにヌード!?」
と、思ってしまったようで、お騒がせいたしました。
たしかに、この息子写真、わたしに似てますよねえ・・・・・
少年なんで、まだポヨンとしてるから、ちょっと女の子にも
見えちゃうんですよねー
すみませんねえ。

ほかにもきっと「松本のヌード」だと勘違いしてる人がいそうなので、ここでお詫び(一応詫びておく)&ご説明させていただきました。(まさか、こんなに反響があるとは思わなんだ!)
ーー7/2 記






●ジャクソンファイブのマイケル

 マイケル・ジャクソンが亡くなったと報じられたきのう、工房では8人が作業をしていたのだけど、そのうちの4人が東京ドームのコンサートを見に行っていたのだった。半分だから、凄いことだなあ。その中にわたしも入ってました。母が好きだったので、チケットを買いに行ってあげて一緒に行った。母とはこのバブル期にずいぶん一緒に大掛かりなコンサートに行った。ポール・マッカートニーも母と一緒だった。リチャード・クレイダーマンはNHKホール。眠くて船を漕いでしまったが、まわりのマダムはウットリだった。母は見たいと言ったいいけれど、実際に聞いてみたら「ちょっと退屈だった」と告白。母はジュリーやトシちゃんの方が好きだった。ユーミンの大スペクタクルも一緒に行った。あとはオペラ。母が元気だったので、結構ラッキーなものをおごりで見られ、幸せでした。

マイケルのことを思いながらもわたしはアンディ・ウィリアムスショーの事を同時に思い出してしまっていた。
60年代から70年代に放送されていた。アンディ・ウィリアムスを知らない方も多いと思います。でも、「ムーン・リヴァー」を聞いたら、みんな「知ってる〜!」と言うと思う。当時ウチではみんながこの番組を楽しみにして見てました。なんで思い出したかというと、アンディさんは元は兄弟数名のコーラスグループの人で、末っ子でリードをとっていたからで、ジャクソンファイブでのマイケルの位置と同じだったから。そして、このアンディ・ウィリアムスショーで、わたしが一番鮮烈に覚えているのが、ジャクソンファイブがゲストに出た時のことだったからです。
 このミュージックショーは、アンディ・ウィリアムスの歌をメインに当時の華やかなミュージカルやポップスやコメディ(アメリカのコメディアンはみんな歌がうまいから歌番組にドンドン出る)のスターがこれでもかと出てきて、たくさん歌を歌うのでした。アンディ兄弟はいつもカッターシャツにVネックのカーディガン、コットンパンツというアイビースタイルで、いかにもアメリカのナイスな青年たちという印象でした。まだかわいらしかったオズモンド・ブラザーズがたしかアシスタントみたいによく出ていて、一緒に歌ったりもしてた。とにかく多産な時代よねえ。5人6人当たり前。
 そこにモータウンからジャクソンファイブですよ!これが子ども心に「カッコイイ〜〜!!」だったわけです。抜群のリズム感に、抜群の歌唱力で、歌い終わったあとアンディが拍手をして出てきて(というかいつも拍手をして出てくるんだけど)マジで「すばらしい・・・・・すばらしい」と何度も繰り返し、マイケルの肩を抱いた。マイケルも嬉しそうに微笑む。マイケルはわたしと同じくらいの歳だから、本当にわたしもぶったおれそうだった。
 この番組でたくさんのアメリカのスター歌手を見ることができ、持ち歌じゃないスタンダードなんかも歌うわけで、これが楽しかった。のちのタモリの「今夜は最高!」のような(お笑いはなかったけど)ものの元になっているのではないかと思う。

 男性コーラスが昔は流行っていたけど、日本ではダーク・ダックスのような生真面目な直立不動スーツの4人組であって、同じスーツでもスタイリスティックスやフォートップスのようなファンキーさはまだ皆無だった。スリー・ファンキーズが出てきて(もう〜〜〜、全然知らない人の方が多いと思うけど、当時はスターだったんよ!!)ーーちなみにメンバーの一人は水戸黄門のうっかり八兵衛の高橋元太郎ーー日本にもポップスコーラスグループが生まれた(と、わたしは思う)わけですが、彼らの格好はビーチボーイズ風の太めのストライプのボタンダウンシャツとコットンパンツで、寒くなると、アンディ・ウィリアムス風のカーディガンだったのでした。これが、にっちもさっちもブルドッグのジャニーズとなっていく。この系列にエグザイルは関係ない。

 東京ドームでのマイケルはあまりにも肉眼では「小さい」のでした。なので、記憶も薄い。わたしの中では、実際に小さかったマイケルの記憶の方が濃厚かもしれない。気高い歌声は、天国というシチュエーションにあまりにもピッタリだ。

 
●最近はこんな具合−1


◆ 「きもちのいい暮らし」
会   場 Teand-ティアンド(仙川)
会   期 平成21年6月27日(土)〜7月5日(日)
調布市仙川町1−16−24

始まっております。きょうから。くわしいインフォメーションはhttp://www.satomin.jp/info/work/work68.html

今回はわたしは友情出演というつもりなので、奥の方にヒッソリと小さいものを数点だしているのみです。が、ほかの作家さんのはみんな充実してますので、是非お越しください。きのう銅版画の参加者の三階朝子ちゃんと中井絵津子カチョさんと搬入してきましたが、なかなかおもしろいです。なにがおもしろいかというと、普段わたしたちが普通にやっているギャラリーでの個展とちがって、1点1点に各自でコメントを書いたからなのです。奥にあるテーブルに座って、展示が終わってからそれぞれが部活動のようにキャプションつくりやコメント書きをしました。これが結構大変なんだけど楽しかったです。わたしはそこまでやってませんが、二人のは物語が見えてきていいんです。絵というのは、解説なしで見るのが良いとばかりはいえないと思います。たくさんの想いをこめてみんな制作しているわけで、わたしはそれを作者が語ることは、ちっともつまらないことだとは思ってない。むしろ親切だと思うくらいです。抽象であっても、だまってる必要はないと思ってます。彼女たちのは、字も趣があるし、内容も「へえ〜」というもので、これこそ是非読みにきてもらいたいもんだ、と思ってしまいました。
 仙川はお店がずいぶん増えて、楽しい。帰りはグッタリ疲れて地元の中華屋さんへ。とてもおいしい海南ラーメンを食す。



●最近はこんな具合−2

 8月の末から伊勢丹の新宿店で英国展に合わせての作品展があります。そのため、伊勢丹オリジナルの作品を2点制作中です。これは四苦八苦の末、きょうなんとか先が見えた。今月中になんとか完成できそう。
 8月末には石井さんの英国制服本が出版されます。そのための13体の銅版画はまだ実は1体も完成してません・・・・・銅版画は行程がいくつもあって、すべてが途中の段階。ドキドキしますが、いつものことだす。

 そんな具合で毎日のように工房へ行かねばならんのですが、それにくわえて、我が家には思春期、受験期、反抗期&病気持ちがいて、わたしは1分も休む時間はございませんのでした。

●最近はこんな具合−3
 てなわけで、きょうは久々にナンガシマさんとデートでしたが、長くもいられず、ランチ後は即工房へ。その時に話に出た秋のロフトでのかなり大きなライブ企画のことなんですが、春ころ出演依頼の電話があったんですよねぇ。でも、こんな具合でお断りしたので、わたしは出ません。無理すれば出られるとかそうゆう問題でもなくて、80年代の人たちを集めた企画と聞いたような記憶ですが、今そうゆう気分はまったくないので、そうゆう意味も実はあります。もういいんじゃないの・・・・という気分なんで。出てた側とか聞いてた側とかも別に関係ないです。もしかしたら見に行くかもしれないし・・・いや、多分行かないと思います。誘っていただけたのは嬉しかったのです。たまに思い出していただければ嬉しいかな、という感じです。やりたい時にやる。やりたくない時にはやらない。聞きたくない時もある。それしかわたしにはない。誰に何をいわれても関係ない。これが1年つづくのか5年つづくのか、それもわからない。その内たくさん聞きたくなるかもしれないし、たくさんやりたくなるかもしれないし、今までもそんなことを繰り返してきています。繰り返しているからわたしにはわかっていて、やらない時にはまったく耳もふさぐし目も閉じてしまうけれど、やる時にはヒトの何倍もやるんです。そうゆうやり方しかできないので、これからもそうゆうことです。
 昔はこういったネットもなかったので、口を閉じてしまえばいつのまにかスウ〜〜ッといなくなっておしまいですね。口を閉じるのは簡単ですが、閉じていてもヒトの思考は止まることはなく、閉じているわたし、止まっているわたし、であっても、勘違いしてはいけないのだ。止まってはいない部分があるということを。でも、今はこんな時代です。ネットに表れていない部分を段々見なくなってしまうかのように、人の心の中も見る努力をしなくなる。だからといって、わたしはそれを批判する気はサラサラなく、あくまでもネットの味方であろう、と思ってます。ハードがいくら変わっても、人を思う努力を怠らない人は大勢いるという変わらない事実を信じている。

●最近はこんな具合−4
 犬のサマーカットをした。「だましたわね〜」といった顔をして、帰宅するとふて寝。フワフワの毛がなくなって屈辱的だったのだ、多分。いっぱい「かわいくなったね」と言ってあげたら、ちょっと救われたような顔をして遊びだした。



◆2009年6月23日(tue) 『きもちのいい暮らし』展/仙川ティアンド

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 急遽参戦。
だって、なんだかわかんないけど手伝わなくっちゃいけない気にさせる友達の、初めての企画なんだも〜ん〜〜〜

てなわけで、半日奔走してインフォメーション作りました。
かわいいお店屋さん風になるような感じがしてきた。

http://www.satomin.jp/info/work/work68.html

◆『きもちのいい暮らし』展◆
仙川/ギャラリー・ティアンド(茶安土)
2009:6月27日(土)〜7月5日(日)(月曜定休)

前川かおる、中井絵津子、三階朝子、松本里美、かとうひろみ、ミシュラ京子、高晶子、庭野薫、きむらななえ ほか

am11:00〜pm6:00

東京都調布市仙川1-16-26   電話:03-3326-6827

ジメッとしてイラッとしますね。







◆2009年6月22日(mon) わたしは柳模様の中にいる

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アヤメ

ハスはまだかいなぁ〜

 


テキTトだけど素敵なピクニック

玉瀾庁と雄の獅子

九曲橋と湖心亭と睡蓮の池




●三渓園ハスツアー今年も空振り
 金曜日、昨年にひきつづき三渓園にガールズで行ってきた。
 運転するのはシルクスクリーン作家時任王子で、王子と版画仲間の朝子ちゃんとわたしは数年前からハスツアーを計画していたのだけど、昨年はちょっと早すぎてしまい、まだ全然咲いてなかった。睡蓮も。今回は版画仲間の(お笑い班)中井カチョさんが新加入となり、ドライブも散策もずっと大笑いではじまり、大笑いで終わったのでありました。でもって、実は今回もチト早かった。桃色の大きなハスはいくらか見られたけれど、けっきょく花が咲いている時間というのは早い時間なんで、なにをかいわんや。でも、睡蓮は奥の運河にカーペットのように広がってみることができました。
 この南門の奥というのは、本牧の公園なのですが、この睡蓮の池に、わたしが卒倒しそうな建物があったのでした。

『こ、これは・・・・・・・・』と興奮してしまいました。それは、わたしがずっと描いている「柳模様/Willow Pattern」に描かれている楼閣そのものだったからです。
これはまさに上海の湖心亭ではあるまいか!?

 何事も人生はタイミング。つい最近読んだ本に、この上海のティールーム(茶館)湖心亭の事が描かれており、写真も載っていたために、わたしにはすぐにわかってしまったのだ。「柳模様」の原型の風景が、まさか日本で見られるとは!つい最近読んだその「柳模様の世界史」という東田雅博さんの本によれば、ちょうど19世紀の中頃にできたこの湖心亭とその周辺の様子は、そのころ中国にのりこんできた西欧人にとっての「中国的」風景となってすりこまれていったというのですねえ。実際にはこれ以前にすでに「柳模様」の陶磁器は作られているし、わたしが「Bronze & Willow」の1曲目に英文のみお借りした「Weeping Willow」というわらべうたのような詩も、18世紀末にはできていたらしい。19世紀の中頃までは柳模様といっても中国の山水楼閣図に似せたという程度のものだったのです。が、それ以後、わたしが絵にしているような、二羽の鳥、橋と3人の人、船、ジグザグの橋、楼閣、東屋、といったアイテムが基本としてそろうようになる。それらが揃ったものが、やはりすばらしくよくできているし、物語性があって引き込まれてしまうのですが、最近は、そこまで考えてないで作られたもの・・・・アイテムが揃ってないもの、もなかなかおもしろいもんだなあ、と思っているのでした。柳模様のお皿やカップ&ソーサーで有名な(たくさんの会社がこの模様の食器を生産しています。日本でもニッコーなどが今も作っています)スポード社には、「MANDALIN」という柳模様のようで橋もジグザグの塀もないものがあります。先日国立のアンティークシップで見つけ、買い求めたのですが、これはついきのう銅版画作品として完成したばかりなのです。

これがわたしの最新作の「MANDALIN」
スポード社の柳模様は明るめのブルーのものが多いです。これは1900年ころに作られたカップ&ソーサーです。
鳥もジグザグの塀も橋も3人の人影もありませんが、同じ味わいがありますね。

●上海の湖心亭と本牧の横浜上海友好園

実際に上海にある湖心亭はこんな感じです。
http://www.shanghainavi.com/spot/goods_article.php?goods_seq=30&category_id=03
**ヒトのサイトからちょっくらコピペ*
竹垣の門から入って九曲橋を渡っていくと、正面に特徴的な姿をした朱塗りの湖心亭がありますが、この時には腰かけの背もたれが弱くなっているとのことで、柵で閉ざされていました。右手へ曲がっていくと玉蘭庁があります。九曲橋・湖心亭・玉蘭庁から成るこの上海横浜友好園は、横浜市と上海市との友好都市提携15周年を記念して、上海市より横浜市へ寄贈されたものだそうです。
上海横浜友好園
この友好園は、横浜市と上海市が昭和48年友好都市を結び、 15周年を記念し横浜市から「横浜上海友好館」を上海市に建築寄付したお礼として、横浜市に贈られたものです。建設にあたっては、約3,000uの敷地内に中国から大部分の資材を運び、建築の職人など13名が建設チームを編成し、約3ヶ月かけ平成元年4月に完成したものです。この庭園と建築は、江南様式といわれ、落ち着いた雰囲気をもった造りで、北方式庭園の皇帝の権力を誇示する意図をもって造られた華麗で重厚な造りと区別されています。庭院入口は非常に細かくしたレンガ細工で門を構え、玉蘭庁の正面には一組の太湖石を配置し、舗装は卵状の石やレンガを用いた花模様を形づくっています。池中にある石灯籠は大理石で、連絡道となっている曲橋は花崗岩造りで、曲がる度に違った景観を楽しめるよう配置されています。玉蘭庁内には、背もたれに山水画を配した椅子や家具を始め上海市から贈られた、香炉や壺、書画などを展示しています。また、竹門楼の屋根はシュロの皮で葺かれ、その先には六角形の湖心亭があり、女性的な曲線をもつあずまや造りとなっています。中国の趣きを感じさせます朱色の建物や庭園と、広大な歴史の深い中国に思いを寄せてはいかがですか。

*******************


とゆうわけで、わたしはスッカリ舞い上がってしまいました。まさにまさに、「わたしは今自分が描いたり歌ったりしている「柳模様」の中にいるのだわぁ〜〜〜!!」てな感じ。
九曲橋を渡ったところにある玉瀾庁の中にはほこりをかぶった高価そうな置物があるのですが、上海からの贈り物なんで、もうちょっときれいにしてあげたらいいのになあ、とちと心配になりました。


●獅子なのよ、コレ。ああ勘違いの英国人
  この建物の入り口には中華料理屋さんなどでよくみかける狛犬のような置物がヒッソリとたたずんでました。
これは狛犬とは実は違うんですねえ。中国ではこれは雌雄の獅子なのであります。
 向かって右は雄で繍玉を踏み、左側は雌で小獅子を踏んずけてます。狛犬とはまた別であり、しかし、ルーツは中国のさらに西方にあり、同じなんです。これは、門番というか魔除けとなり玄関・・・旅館など・・・・に置かれたりしますね。このハスツアーは最後は中華街での食べ放題でのガールズトークに終わるのでしたが、中華街ではこの獅子たちがたっくさん見られました。これだけ見てもおもしろいもんです。
 中国でも獅子は王者でありまして、栄達を意味します。踏んずけている鞠は雌雄が戯れているうちにできた毛玉といわれていて、その毛玉から勇ましい子獅子が生まれた、という伝説があるのです。この獅子たちは牡丹が好物で食べちゃう。そこから唐獅子牡丹なんちゅーもんも生まれたわけでして、こんなことを思いながらの三渓園から中華街へのワンデイツアーはとても楽しいものでした。

 さて、話はまだまだ続きます。
 この獅子たちを見て、またまた「なんてタイミングなんでしょう!」とわたしは自分がやってることがいつもいつもいろんな物、事を引き寄せている気がしてならず、ラッキーガールなのやら、悪運が強いのやら、不思議な気持ちです。ま、これも、日々の好奇心と研究心の賜物であるぞ!と自負はしているのだけどね。

 実はわたしはちょうど上に載せた「MANDALIN」のほかにもカップ&ソーサーのシリーズを描いていたところで、それはウエッジウッドの「チャイニーズ・タイガー」なのでありました。
『Chinese Tiger』は100年ほど前に作られたもののようですがグリーンは比較的最近のもののようで、ブルーやレッドもあります。もう廃盤になっているので、アンティークでしか手に入らず、一発もうけたら買いたいもんだわい、と思っておりますが、ベラボウにお高いわけではありません。現在はダイナスティというシリーズにリニューアルされて、店頭にたくさん出ています。

制作中の「チャイニーズ・タイガー」グリーン

わたしが思うに、多分これも「Willow Pattern」同様、英国人の「ああ、勘違い」の産物なんだと思います。だって、これ、「Tiger」じゃないもん、「ライオン」だも〜〜ん!
 そんなわけで、これを制作しながら、笑ってたわけですよ。いろんなことを考えながらね。たとえば、この虎という動物について、または象なんかでもいいんだけど、南方のこれらの獣たちは昔は日本では見ることができなかったわけで、昔の日本画に表れるこれらの獣は実にキッチュなデフォルメがされていておもしろいわけですよねえ。若冲もそうだったでしょ。結局、誰かが描いた虎の絵を見て、模写するんですねえ。模写は日本画では当たり前のことで、風神雷神のように、あからさまに模写して、ちょっとはしょったり構図を変えたりしたくらいでバーンと発表しちゃうわけですよ。M上某のように、「パクったな!うったえてやる!」なんて狭境なもんじゃなかった。
 わたしはこうやって堂々と売られているカップ&ソーサーをアレンジして発表してます。これは一つの作品だと思ってます。わたしのいろんな意図が入ってます。おかしかったり、きれいだったりといった。
 このチャイニーズタイガーさんは鞠をくわえてます。じゃれてるんでしょうか。描いているうちに、ただくわえてるというよりは遊んでるように見えてきたので、鞠の部分をもっと楽しく描きたいな、虎(本当は獅子)も動きが出るように影をつけて飛び跳ねているようにしたいな、と思い、現在途中の状態なのです。
 三渓園に行ってからと思っていたのが良かったですねー。わたしの意図は、さらに明確になったということです。

 この獅子の置物についても、最近読んでいた『身辺図像学入門」という新書にちょうど書かれていたから知ったことで、本はあまり読まなくなってしまった昨今ですが、たまには読んでてよかったわい、と思っちゃいますよねー。わたしの場合、小説は面倒なんでほとんど読まない。小説は若いうちにたくさん読んだからもういいのだ。今は新書ブームだそうだけど、わたしはもうかれこれ20年くらい新書バッカです〜(オヤジみたい)

●中華街
  三渓園ではピクニック気分でランチしました。家からデミタスカップとコーヒーとピクニックシートを持参。途中ワインとチーズも買って行く。三渓園のそばでパンも手に入れ、園内の茶店でおでんも。しっかり準備するのではなく、適当に持ってきたり、買ってすませるというのが気が楽で良い。そんな中でもわたしのこだわりはありまして。カップはプラスチックや紙コップではないものじゃなくちゃ嫌なんすねえ。機能的というのはすばらしいが、機能のみというのは大嫌いなのだった。
 テキトーに座って、テキトーにしゃべって、テキトーな準備で最高に楽しいです。
 中華街では食べ放題のお店に行き、さんざんしゃべるのでした。笑い話だけではなく、有意義で真面目なお話もたっぷりして、最後はカフェで「レッド・スネーク・カモーン」の人がなんて名前が考えることで終わった。「東京コミック.ショー」ばんざい!

 しゃべって笑って、食べて、帰宅後爆睡す。




◆2009年6月13日(sat) 6月はひたすら参加する

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1週間に2回行くカフェ
英国食器ながら、雰囲気はフレンチで、好み。





●いろんなお知らせ
 人に会ったり、仕事したり、ビール飲みにいったり、サッカーでイライラしたり、子どもと熱く語ったりの楽しくて濃厚〜な日々を送っております。

さらに、いくつかのお仕事のための制作を同時進行しながら、いくつかの作品展に参加、参加準備をしております。お知らせする時間もなく・・・・・

◆ 「第3回 ぽち・タマ展」
会   場 伊勢丹府中店 7階 アートギャラリー
会   期 平成21年6月10日(水)〜15日(月)
時   間 午前10時〜午後7時30分(最終日は午後4時閉場)
気がつけば、もう明日で終わりだった!失礼しましたー。猫出してます。


◆ 「もっと知りたい地元作家シリーズ(2) 森原明良の額」
会   場 ギャラリー.バザレ(広島)
会   期 平成21年6月20日(水)〜7月11日(土)
時   間 午前11時〜午後7時、日・月曜日定休。
http://bazarez.exblog.jp/11215932/

森原さんの額が主役です。その額の中に版画が入ります。版画に合わせて作っていただけるようで、とても楽しみ。
場所は3回個展をさせていただいている広島のギャラリーです。これまた猫だしてます。


◆ 「きもちのいい暮らし」
会   場 Teand-ティアンド(仙川)
会   期 平成21年6月27日(土)〜7月5日(日)
調布市仙川町1−16−24

洋服のデザイン、制作をし、お店の経営もしている友人が、お店の隣のアトリエをギャラリーに改装しました。ぼちぼち企画展を初めてる。そこで、彼女の企画第一弾がありますです。帽子のかとうひろみさんと、器作家の方。ほか壁はわたしと数名が担当する予定です。時間や参加者についてはちゃんと決まってからお知らせいたします。

●コーニッシュ・ウエアのカフェ

 木曜日は勿論工房に行っていた。8月に始まる伊勢丹新宿店の作品展のための制作と石井さんの新刊本のための版画を同時進行。その石井さんが次の本のための取材旅行にそろそろまたでかける。1ヶ月帰ってこないのでその前に工房そばのカフェにお誘いする。だまっていたが、このカフェは石井さんが集めているコーニッシュウエアでお茶が出てくるで、サプライズのつもりだったのだ。案の定喜んでもらえてエカッタわ。微々たるおごりで、英国土産をリクエストするわたしはセコいでしょうか。コーニッシュウエアはコーンウォールの海を表してるそうな。アンティークらしからぬモダンさです。キャニスターなんかがよくアンティークショップに置かれてますね。でも、こうやって(アンティークではないにしても)このシリーズでお茶を出すところってのは日本では相当めずらしいと思うので、コーヒーが薄いのにもめげず、わたしはしょっちゅうココでお茶したり、ケーキ食べたりと、工房の前に、工房での中休みに、と利用しているのでした。オーナーがコーニッシュウエアのコレクターだそうだ。それにしては「フレンチっぽくもある内装、音楽、ですね」とちょっとおしゃべりするようになって言ってみたら、「そうなんです、いろんなモンが混ざってるんです」という普通の返事でした。コーヒーがオーガニック系なんですよね。わたしはオーガニックじゃなくっていいんで、もう少しハードなタイプも置いてくれると嬉しいなあ・・・・
 混むと嫌だからどこにあるかは内緒。でも、あんまり人入ってなくって・・・きょうもこの近くの店はどこもいっぱいだったり行列だってのに、ココはわたししか客はいなかったのでした。つぶれたらもっと嫌。つぶれないように週に2回通うのだ。

●ザボハウスの堀内先生の個展
 工房の主宰:版画家の堀内先生の個展が、あしたから銀座の櫟(くぬぎ)画廊で始まります。
http://www.zabohouse.com/info.html
いつもお世話になっちょります。銅版画の可能性を見にいきましょう〜




◆2009年6月8日(mon) 『ウェディングベルを鳴らせ!』

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『ウェディングベルを鳴らせ!』





●クストリッツア監督の新作に学ぼう
 先週の金曜日、銀座のアップルストアでお勉強1時間。しかし、この日は教えてくれる人が外国人で・・・・・よくわかってないわたしの質問に加え、よくわかってない日本語と英語の説明の応酬となり、結果的にわたしが聞きたかったことと彼が説明してくれた事は平行線というかすれ違いのような感じで終わるのだった。自分で勉強する時間があれば、こんな効率の悪いことにはならないと思うのだけど、シャーナイのだ。お昼前に終了したので、まっすぐ渋谷へ。シネマライズでとっくに始まっていて、きがつけばもう終わってしまうエミール・クストリッツア監督の最新作「ウェディングベルを鳴らせ!」をやっとこさ見る。

 最近はどんどんドタバタコメディの部分が膨らんでいくクストリッツアさんです。今回のは全編そんな感じ。でも、やっぱり本当はそうじゃない。解説はどこぞで読んでいただきたいと思いますので割愛。http://www.weddingbell.jp/この公式サイトで、楽しい予告編など見られますです。

 クライマックスのドタバタの最中におじいさんがこんな台詞を言う。
「ヒトラーの時代は憎しみで侵攻した。今、力のあるものは、愛を持って侵攻する」
 この台詞で、やっぱりクストリッツア監督はただのドタバタに終わらせてない!と目が覚めた。
その通りだ。世の中そんな具合で戦争はおこっているのだ。

 この日本語訳は、字幕ですが、パンフレットにやはりその言葉が違う文章で書かれてました。ちょっとニュアンスが違うような気はする。
「ヒトラーの時代は憎しみながらポーランドに侵攻したが、今日の戦争は愛ゆえに起こる』
旧ユーゴに関しては複雑なんで、どうもいまだにわたしはちゃんとは理解してなくて情けないのだが、アメリカを中心とする介入は、まさに「愛」を盾にとっている、と以前から思っていた。前回の日記で書いたわたしの曲『モリー・ゴングの一生』につづき、今回は『化石を見たかい?』を引き合いに出したい。

 この『化石を見たかい?』という曲を作った時は、まさに湾岸戦争の頃だった。戦争の舞台となった土地の当事者は民族や土地への愛ゆえに戦う。そして、介入するものもまた、「愛」を振りまかんとやってくる。ちょうどきのう見たNHK『天地人』において、直江兼続が兜に『愛』の一字を(エラくポップに)くっつけたのを見てしまい、何か胸の奥がモヤモヤとした。まさにそうゆうことではないか。誰に対しての、何に対しての、『愛』か。傲慢になった時の、言い換えれば『上から目線の『愛』」をいつもいつもアメリカに感じてしまうわけで、この曲のサビの部分でそうゆう歌詞を書いた。
『見知らぬ人は言った
 「愛してあげましょう」
 『袋の中はなぁに?』
 「おいしいものだよ」
 木の上に座って、灰を撒く』


 さて、そんなクソな世の中でも、それでも、彼はポジティブに表現しつづける。クストリッツア監督自身が語っているように、映画が人々にポジティブなエネルギーを与えるということを信じているのだ。わたしはこの監督のこの姿勢、この哲学が好きなのですよ。今回の映画は映画としては、わたしは前作ほどおもしろいとは思わなかったし、音楽もいまいち魅力的ではなかった(サティのグノシエンヌがアレンジされてたねえ・・・・前に聞いたイノウラさんの曲でもこれがチラと使われていたけれど、サティの曲は東欧の雰囲気を出しているのはおもしろいと思う)けれど、この哲学がやはりジンとさせるのだな。わたしもそうだし、誰でもそうだと思うけれども、クソッタレな事が多いじゃないか。クソッタレなやつがいっぱいいるじゃないか。エラく絶望的なことが次から次へと起こるじゃないか。でも、少し先、いや、もっと先の先でもいい、未来のことを考えてみたいのだ。わたしは未来はそう悪くない、と思っているのだ。今までもそうだったじゃないか、悪いなりにも人は乗り越えて笑顔を取り戻すではないか。だから、その未来を思えばクソな現実もわたしは一跨ぎだぜぃ〜、と思えるのだ。哲学の無い者は跨げない。と、わたしは信じているのだ。それは悟りとは違うのよ。哲学というのは、自分についてもっと考えるということなのだ。到達することではなく、考える、という行為にある。誰にでも未来はやって来る。だけれど、考えない者にポジティブな未来はないのだ。人間は『考える葦』by パスカル なのよん。

 映画は、バックトゥザ・フューチャーのような仕掛けベッドのシーンから始まり、いつもの役者、いつもの動物、いつものグラマーな女、いつもの空飛ぶ人間、いつものブラスバンド、いつもの結婚式がミックスされて進む。役者に中に「ドリー・ベルを捜して」の女の子がすっかり熟女になって出ていてビックリだった。今もきれいだし、脚がスラッとして素敵だった。それと、「アンダーグラウンド」のあのわたしがセルビアの高田純次と呼んでいるミキ・マノイロヴィッチ氏も出ていて、今回は本当に高田純次状態のダダイストぶりで、ひどいもんだった(褒め言葉)。クストリッツア・ジュニアで音楽も担当しているストリボルはどんどん恰幅がよくなってきて、顔もお父さんにソックリになってきていた。彼は明るくていいな。イイ親子です。次回はやっぱりズシーンとくるものも見たいなあ。でも「アンダーグラウンド」のような傑作はなかなか簡単にはできないだろうな。「アリゾナ・ドリーム」のようなアメリカの俳優、アメリカが舞台のものもわたしは見たいのだけど、もうアチラでは撮る気はないのかしらね。それは仕方ないかもしれない。


●サントラが消えていく

 この金曜日は、朝ベーグルを食べ、昼も映画館のそばのカフェでベーグルを食べたのだった。ベーグルを食べると映画館の中でお腹がグゥと言わなくてイイのだ。見終わったあと、さほどよくはなかったにしても「ノー・スモーキング・オーケストラ」のサントラは買おう、と決意していたのに、売ってなかった。そこで、テクテク雨にうたれながら(英国人ではないが、ちょっとした雨でわたしは傘は持って歩かないのだ)タワーレコードまで歩いた。しか〜〜し!最近サントラのコーナーが縮小されているのだ!一体どうゆうことだ。わたしはサントラが一番好きなのにぃ〜。棚一個分は縮小されてると思う。変なもんばかり増えてよぉ(アニメのこと)〜

 「サントラオカナイCD屋ハ、トットトシブヤカラキエテシマイナッ!」と、悪態をキル・ビル風につきながら(最近ずっとユマ・サーマンの日本語で悪態をついている)帰宅。土曜日も日曜日も子どものサッカーを見に行ったり、日本代表のウズベキスタン戦を見たりして、またまたユマ・サーマンとなる。そうだ、土曜日に、150点のイラストが終わり、日曜日は工房へ行って銅版を10枚ほど切ったのだった。今月中に本のための版画15点を制作する予定。


 きょうは大森のギャラリー「ファーストライト」へ。帽子作家のかとうひろみさんの展覧会に行く。2時から5時まで毎日いるというので、14日の最終日までの間にあと1回は行こう。夏らしい涼しそうな帽子がたくさんあった。ユマ・サーマンの悪態の真似をさんざんして、笑って帰る。





◆2009年6月3日(wed) 料理をする子の横で150点描く

ブログ● +P里美の『Bronze & Willow』はこうして作られた
松本里美の『銅版画集&CD』制作日誌はコチラd0905


K太郎の夜食作り『サモサ』

エラく器用に具を包むのだった。フォークできれいなヒダができている。


●いい加減飽きた
 延期につぐ延期で、月曜日に無事終わった中学校の体育祭。現在二名中学校にいる。そのため、ほとんどどの種目も見逃せず。自分の子が出てなくても、昔から知っている女の子の変わりようなんぞ見て楽しんだりできるのだ。ただ、親たちを話すのが面倒、というのがネックで、できるだけ小さくなって見つからないように見るのでした。
 その翌日、K太郎15歳が、
「ドライカレーを作ってくれ」と、唐突に言うのだった。そのドライカレーにじゃがいもとチーズを入れて、餃子の皮でつつんでサモサを作るというのだ。どこで覚えたのかは知らないけれど、ドライカレーの夕飯を食べたあと、セッセと作ったのだった。じゃがいもはちゃんとマッシュされ、チーズもほどよく。わたしが仕事をしている横で作っている。ついつい見とれてしまうフォークさばきで、激写してしまった。素早いが丁寧。それをオーブンに入れて、お風呂へ。あがってから一緒に食した。カリカリッとして美味でありました。な〜んか器用なんだなあ、この子は。できあがりが美しいのが感心なのだ。

 毎日毎日ご飯作って、いい加減飽きました。楽しい時もありますが、こう3食3食(昼はたまに作らないけど。いないので)作ってるといい加減旅にでも出たくなります。でも、やらねばならないんだから、もう、やんなっちゃうのだ。旅に出そうになる母がわかるのか、K太郎はいいタイミングで食事を作ってくれるのだった。動物的勘なんだろうか。


●英国人のこうもり傘

 月曜火曜で石井さんの新刊本のイラストを128点ペンで描いた。まだあと10点はペン画は残っている。それらのほとんどが衣服に関するアイテムで、その内20点くらいが英国人の全身イラストになってます。これを石井さんが今月また渡英する前に仕上げてしまわねばならない。さらに、14点ほどの銅版画の人物も7月初めにはやっておかねばならない。それと同時に9月1日からの伊東屋での個展の作品も制作するのだ。
 できるのか・・・・・なんて。いつもそう言ってるけど、できなかったことはない。なんとかいつもできることになっておる。今度の個展は人、人、人となる予定です。楽しい完成図はほとんどできている。でも、1点も手もつけてない。三ヶ月で伊東屋の壁は埋まるのでしょうか?怖いですねえ〜
 新刊本はとてもおもしろい企画なのですが、細かい調べものが多くて、関わっている人全員がここんところ消耗しきっています。本というのは締め切りがあるので、大変なのだ。わたしも、絵を描きながら、未だにネットで資料を捜してたりする。きのうは英国人のこうもり傘について調べていて(別に絵と関係なかったんだけど)、おもしろかった。ジェントルマンの持っているビシッと細くきまったこうもり傘というのは、クリーニングに出しているのだそうで、驚きー。それが大変なんで、大雨でもなかなか傘を開かない、なんて書いてあるのを見つけた。わたしも大雨じゃなけりゃ、あまり傘はささない方だけれど、たしかにロンドンで傘を実際にさしている人は少なかった。ピクニックで雨が降ったとしても、彼らは逃げ隠れはしないのだ。平然と濡れながらワインのグラスなんぞを持つのであります。こうゆう話がわたしは好きだ。昔のメンズクラブにはこうゆう話がよく載っていた。あの当時のメンクラのイラストといえば、穂積さんだった。丸い大きな顔で、4頭身くらいのわかりやすいイラストで、アイビーアイテムがよくわかるように描かれていた。わたしの絵は全然こうゆうのではないです。もっとロマンチックです。でも、英国の服は、やっぱりアイビーの元になってるものがいろいろ出てくるわけで、おもしろいですよ。学生も軍隊も、制服は日本はみんな英国に習っているのでした。

 きょう一日パソコンの仕事をする。あまり興味はないものの、やらねばならないので一日がかりでFlashを使って。アップルで少しお勉強し、あとは自分でやるのですが、できなさそうでなんとなくできてしまうのがMacの良さではないか(これはソフトが良いのか)、と思う。8ミリフィルムでコマ撮りアニメーションを撮っていたわたしのようなものには、なんだかスルスルとできてしまうのは「違うんじゃ〜ないんかい?」と思うこともしばしばですが、この最新のソフトは、感覚的に作れてしまう要素があり、いちいちコンテの横に細かくビッシリとコマ数と時間を書いていたことが信じられない。でも、考え方はフィルムアニメーションと変わらないとは思う。
 しかし、多分もっとも初歩的なものしかやってはいないと思うけれど、時間はたっぷりかかってしまった。ああ、疲れた。










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