◆2009年2月20日(fri) グラスだらけで打ち上がる

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表紙、渋かわいい
渋谷さんからのジャック・デュフランスなめの石井新刊本なめ〜〜の、わたしの版画3枚。





サプライズ〜!まさかお誕生日祝いしてもらえるとは!
メルシー・ヴォ〜ク〜

● 『鉄道でめぐるー英国・自然派ホリデー』
 石井理恵子さんの新刊が発売になりました。今回わたしは、まえがき、あとがきの見開きと、5点のアイコン風を描かせていただきました。わたしは大変な作業はなかったのだけど、デザイナーさんは不眠不休が数日続いていたようで、本当にデザイナーさんには頭がさがります。ついに出来上がって、今もう大きな書店や通販でも買える状態になってます。おめでとー

 きのうは石井さん主催の打ち上げ。場所は赤坂。ビストロ「ラ・ブロシェット』

 なんでもかんでも驚くほど繋がっていたりするものだけど、まったくの偶然の出会いというのもわたしにはよくある。このお店は、昨年暮れに石井さんがたまたまランチをとりに入った店で、偶然にもわたしの絵が飾ってあった、という巡り合わせです。
  『デギュスタシオン(小学館)』という本(中の絵=わたし)の著者ソムリエの渋谷康弘さんの最初のビストロ『ル・セップ』に卵の版画が3枚ほかいろいろ飾っていただいてました。渋谷さんはその後どんどん有名になっていって、ほかにも下北沢に『グラン・クリュ』というお店を出しました。ここへは3回ほど行かせてもらいました。よく練習しているスタジオのそばで、行きやすい。それから、銀座の大きなレストランの総支配人にもなられて、いよいよ凄いことになられてました。赤坂のこのお店が一番新しいお店のようですね。おめでとーございます〜!

 そんな巡り合わせなので、ここで是非打ち上げを、ということになったのでした。メンバーは通訳(ドーモ先日はWHOにて〜)、デザイナー(ドーモ本当にお疲れさまです〜)、カメラマン(ドーモ、風邪大丈夫ですかあ)、表紙のCGアート制作者(ドーモドーモ、EELPIEにつづきご一緒でうれしい)、わたし、と、ゴチになりました!石井さん。
 『ラ・ブロシェット』とは 串焼き料理という意味で、ボルドーのぶどうの木を暖炉にくべて焼く、田舎料理なんだそうです。以前から渋谷さんはフランスの田舎の料理の店を開きたいとおっしゃっていたので、チャクチャクと理想のお店に近づいているような気がしました。わたしの卵の絵『Egg in the City』 がカウンターの後ろに並んでました。

 着いたとたん、渋谷さんからシャンパンがプレゼントされていると聞き、お祝い気分が高まります。ありがとーございました!お忙しくて来れそうにないということでしたが、あとでメールも頂き、久々にフレンチ気分でした(意味不明)。

 サイトのトップに載っていた甲州の白ワインのデギュスタシオンセットというのをみんなで頼んでしまい、三種類なので(串焼きのディナーセットが野菜やカジキマグロやホタテから始まったので白にしてみました。)、その前に出ていたシャンパングラスと合わせてテーブルには24個のグラスが並びました。壮観。全部白いのできれいで思わず写真撮ってしまいました。1000円なんだけど、それぞれ しっかり量があったので、結構酔ったす。そのあと、ロックバンド通訳さんとわたしはどうしても赤ワインにいっちゃいまして・・・・彼女はユーゴスラビアやロンドンで育ち、大物来日ロッカーの通訳やってるしでおもしろいなー。また遊びましょ。


 リラックスしたとても楽しいパーティになりました。おいしかったし、こじんまりしててイイ感じです。それから、渋谷さん仕込みなのか、ル・セップもグラン・クリュもそうだけど、お店のスタッフがみんな感じが良いんです。グラン・クリュには女性のソムリエさんがいます。あ、それから、いつも思うのは、渋谷さんのお店はどこもシャンパンのグラスがいいです。2本の泡だったり3本の泡だったり。ロンドンのサヴォイのアフタヌーンティで出たシャンパンのグラスもきれいな泡が立ち上ってたなあ、といつも思い出します。
 最近いつも不思議に思ってるのだけど、ホストが出てくるドラマなんか見るとクープ型という平ぺったいワイングラスのような形のものでシャンパンタワーとかシャワーとか言っちゃってもったいないことするけれど、実際には今はフリュート型といって、細長いタイプのでしか出てこない。何故かウチにもクープ型が箱に入ったまましまい込まれてるけど・・・・ね。泡がきれいに見えるから、変わってきたのかなぁ。

 ホエ〜っと酔ったので、帰りは線路際の公園をEelPieの歌をうたいながら帰りました。 日本のワインで、重たい・・・と思ったものに巡り会ったことがありませんねえ、そういえば。きのうはスルッとしたものが多かったので、爽やかに帰りました。
 とにかく、新刊おめでと。たくさん売れますようにね。そして、共著のロンドンの横山さんにもお疲れさま〜と声をかけたいと思います。中の風景は横山さんが撮ったそうで、とても美しいです。


◆2009年2月18日(wed) 蒸し器、続編

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薫製用のため薄汚れてる。が、網の形が良い。

● 続・鍋
 フランス製ガラス蒸し器リュミナルクに心奪われつつ、ギャラリーを覗きに行った新宿高島屋の鍋売り場で、ル・クルーゼの新色を見る。
 それはそれはかわいらしいペイルピンクでした。が、ブルーか赤かステンレス、と決めているので見ないようにする。例のステンレス蒸し器がセットされているものも見る。これは美しいです。しかし、24cmのでは小さいと思った。せめて26cm。水を入れて、直に茶碗蒸しの容器など入れてもできるけれど、なんか嫌だ。
 
 さて、問題はなにか、決め手はなにか、と考えてみたところ、これまでの経験で蒸し器において一番問題なのは、わたしの場合熱々になった鍋から、容器(お皿など)を取り出す時のイライラ感であることを突き止めた。簡単に手が入るのであれば問題ないが、鍋と容器の隙間が狭いと取り出す時に「アチィ〜〜〜!」となる。これがどうも嫌なのだ。

●蒸し器=容器
または、
●手の入る隙間が大きい

これが条件ということになる。

中華せいろは蒸し器=容器なので、便利だけれど、中華以外で使った場合にこれをテーブルに出す気になれない。(要するにわたしは中華の食器も和の食器もほとんど使ってないのだ)そうなると、ガラスの蒸し器そのままで火から降ろせて、さらにそのままテーブルにも出せるリュミナルクは良いなあ、とまたまた心が動くのでした。

 この、蒸し器=容器の条件が満たされなくても、取り出しが楽であればそれで良い。オーバル型の鍋の良さは、ココにあったのだ!と気づくのだった。デパートの店員さんに「このル.クルーゼのオーバル型で蒸し器がセットになってるものというのはないのですか?」と試しに聞いたところ、ル・クルーゼは一つ一つ手作りのホーローなので、ピタッと隙間なく作ることがオーバルの場合は難しいから、ココット型(丸い)しか作ってないのです、ということだった。さもありなん。

 そこで、我が家にある20年物(もしかしたら30年物)の鍋は、条件を満たす非常に良い鍋なのではないか?と思うに至るのでした。写真のような網がついているのです、コレ。大抵下の網だけですよねえ、でも、これには持ち手がついてまして、蓋をする時にはパタッと内側に倒れるので、蓋もキチッと閉まるし、とにかく取り出しが「アチィ〜」にならなくて良い。
問題は水をいれるところが低い、というだけのことなので、 これを改良するのが一番良いという結果になった。

 とりあえず毎日使っている。水の量は少なめになってしまうけれど、大きいので一気に蒸気が回るからなのか、時間があまりかからなくて今のところこれでうまくなんでもできている。

 リュミナルクにはいまだに心が奪われている。しかし、この鍋2コ買えるスパークスのチケットを購入したので、しばらくは考えないことにしました。スパークス、まさかまたやってくるとは思わなんだ!前回見た人たちの楽しそうなリポートを読み、ああ、あ、と思っていたので、今回は行く事にしたのでした。そのため、ハイ・ラマズもあきらめる。というかどうせ予定が入っていたので行けなかったのだった。また来るかな・・・


◆2009年2月16日(mon) わたしは楽天家のアマゾネスなのさ

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薫製に使っているホーローのオーバル鍋。20年以上前の

● 蒸す
 蒸し器を買おうと思っている。先月美容院に行った時に見た雑誌でたまたま紹介されていた蒸し器3種について熟考したが、それらは却下することにした。一つはル・クルーゼの新色できれいなペイルピンク。これにステンレスの蒸し器がセットできるのだ。これは素敵。しかし、鍋は33000円。蒸し器は11000円するらしい(ネットだともっと安いけど)。24cmのタイプ。これはいいなあと一瞬思ったが、高いしなにしろ重たいのがもう嫌なんでやめた。こんなかわいい色で作ったところで所詮鍋だ、こんな重い物をヒョイと持てる女にならなくてもイイ。重いものは男が持つのだ。そう決めてるのだ。

 次は、ティファールの電気で蒸すもの。二段になっていて透明で簡単でよい。が、プラスチックがなんともおままごと然でやめた。もう一つは先日デパートの鍋売り場で実演をやっていたスペイン製のシリコンのもの。色がカラフルでバナナの皮を模したふろしきのように包んで電子レンジで使うもの。これも便利そうだけれど、シリコンがどうもおいしさにつながらないのでやめた。そうなるともう土鍋かタジンか、中華せいろということになる。これらはとても良くできている。しかし、どうもわたしのイメージに合わないのだ。土鍋は実はよく使うし、お世話になっているにもかかわらず、だ。かかわらず、わたしはできたら持ちたくないのだ。悲しいかな日本人なんで手放せないんだけど、奉行さまも一切放棄している。鍋料理はしても、こだわりがまったくないので、郷に入れば郷に従う。その方がらくちんだ。せいろは持っていたが1回しか使ってない。パスタ鍋は蒸し器になるような付属品がついていて、それが使えるのだが、中身がとりにくい。

 さて、それではどうするか・・・・ということでネット通販で見ていたら、フランス製の二段重ねのガラス製のものがあり、これが美しくて良いではないか!とほぼこれに心を奪われている。リュミナックなんだけど、どなたか使ってましょうか?
  しかし、発見してしまったのだ・・・・家にホーローの鍋があることを。これはマツキヨが独身時代から薫製を作るために持っていたもので、大きな魚も鶏もまるまる入る大きさなのだ。鍋の下にチップを入れて付属の取手つきの網を置き、上に材料を。
 これで良いではないか。と思い、きょうは菜の花やらキャベツやら蒸しに蒸してみた。すぐに蒸し上がり、いい感じ。ただ難は網の位置が相当下にあるため、水の量がちょっとしか入らない。時間をかけるものはこれでは駄目だなあ・・・やっぱりリュミナルクかなあ。楽天家通販で7000円ちょっとでありました。

● どこぞの街からの通販
 そんなこんなでわたしは家にいるとアマゾネスになったり楽天家になったりしています。どんだけアマゾネスだろう・・・・どんだけ楽天家だろう。日々アマゾネスの箱が増え、「これって使える」と思う時もあるけれど、もう十分だ。楽天家からは日々メールが来る。買い物すればするほど来る。ほとんど迷惑なものだけど、たまに見てしまうのでムゲにはできない。その他、セブンアンド〜さんとかビックカメラマンさんだとかiチュンチュンさんとかノーマネーノーライフさんとかからもガンガンお便りが来てゴミ箱いっぱいです。毎日毎日お便りする筆まめたちですねえ・・・
  一度だけ購入した危ない古本屋さんからも時々危ない本のお知らせがきます。これはちょっと面白いのでとっておいたりもする。楽天家のアマゾネスのわたしにとって、おもしろいと思える時というのは、多分一生行くことがないだろう地方の街にあるCD屋や古本屋からの袋で届く時かもしれません。袋に押してある店のハンコを見ながら、どんな店構えなのかなあ〜、ほかにはどんな物が置いてあるのかなあ〜、街のどんな人が見に来るのかな〜、なんてことに想いを馳せるのであります。


◆2009年2月15日(sun) わたしはBitter & Sweet なのさ

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下:黒ビールのチョコレートケーキ。上チョコレートファッジケーキ。そのむこうはK太郎の骨折した指。

なんの飾りもせず、シンプルにチョコを味わう。



ファッジケーキの中は、こんな感じ。シットリしてます。

● ファッジとフォンダン
 今年の誕生日はずいぶんと落ち着いたモンで、先頃まで戦国時代だったので精神的には「徒然草」または「方丈記」のごとく。頽廃と刹那を超えて自然体に突入。そんなこんなが見えてきたのか、きょうシミジミと感じ入るようなハッピーバースディメールを数通いただき、稀に見る平安な誕生日となりました。ありがとう。本当にありがとう。こうやっていつも見てくれている友人が数名でもいるのだわ〜、わたしには・・・と思うと嬉しいです。声をかけてくれてありがとう。お察しの通り、きょうも自然な一日を過ごしましたよ。ご飯を作り、片付けをし、本を読み、音楽を聴き、工房で版画を刷りました。ね、普通。でもそれが気持ちイイ。

 毎年のことですが、ヴァレンタインディと誕生日がつづくので、わたしの誕生日はたいていチョコまみれとなります。

 今年は、チョコのケーキを2個作ってしまった。一つはわたしのために。もう一つはK太郎のため。というのも、その前日にK太郎くん(ウチの男衆は全員頭文字が『K』。子どもは是が非でも『K』と考えていたのは、カフカと倉橋由美子の『Kは言った』・・・みたいな文が好きだからでありました)が助っ人でやっているバスケ部(本当はサッカー部だが、少子化のため借り出される)の朝練で右手親指剥離骨折してしまい、せっかくKちゃんに続きベスト4まで勝ちすすみ、きょうの試合もはりきっていたから、落ち込んでしまっていたのだ。「ドーハの悲劇じゃなくて、朝練の悲劇だよ・・・・」と病院の待合室でブチブチ言っていたので、せっせと作ってみた。

 女の子からのチョコは何故か貰えてたようなので、ここまですることもなかったが、たまには良いよね。今回はイギリス風を2個。
●チョコレートファッジケーキ
●黒ビールのチョコレートケーキ

の2種です。

二つともイギリスのお菓子の本『イギリスのお菓子。クラシックレシピから』に出てた通りに作りました(バターと砂糖の量は少なめにしました)。この本はとても役にたつ本で、書いてる方は文献調べるのが好きなようで、由来などくわしく載ってるところがとっても楽しいです。ほとんどのイギリスのケーキは『〜〜プディング』と名付けられています。プディングは日本人が思っている「プリン」とは違うんで、なんだよプディングって、カッコつけるなよ〜と思ってる人もいるでしょうが、そうゆうわけじゃないんですよ。プディングと名がついて、一番「プリン」とイメージ違うのは豚の血が入った「ブラックプディング」でしょうねえ。全然デザートじゃないし。詰め物ってことみたいですが。いっぱい中に入ってるとか。イギリスのお菓子(料理)は素朴でおもしろいですねーいまだに興味が尽きません。

  黒ビールは当然ギネスを入れてます。写真の下の四角いのがそれ。表面ブチブチしているのは、泡が残ってるからですね。泡が落ち着かない内にオーブンに入れちゃってるのでこうなったんでしょう。こちらは粉とベーキングパウダーを入れているのでフワッとしていてほのかに苦いです。チョコは入ってなくて、ココアだけです。でも、もう1個のチョコケーキのボールとゴムべらを使いまわしたので、少しチョコも入っててよりおいしくなってます。
 もうひとつのファッジケーキですが、こちらは粉はいっさい入ってなくて、チョコチョコチョコ〜〜〜ひたすらチョコ〜であります。バター、卵、ココア、チョコレート、砂糖のみでできてます。フランスのお菓子「フォンダンショコラ」は中からトロ〜〜ッとチョコが出てくるものですね。そこまではいかないですが、ほとんどあれみたいな感じです。表面はパリッと焼けてるのですが、中は半生みたいになっていて、シットリしてるんです。超ビターなチョコレートを使ったので大人の味になりました。クルミも粗くみじんぎりにして入れてます。4センチ角くらい食べただけで鼻血ブ〜ッしそうです。

<改良点>
改良しなくてもいいものですが、あえて。
 これをおフランス風フォンダンショコラにアレンジする・・・というか、もう少しトロ〜リ感を出すためには、型を少し深いものにすればいいってことですよね。わたしが使ったのは、普通の丸い型ですが、プリン型なんぞに入れると、火の通りが遅くなるので、中が生っぽくなるよね。わたしはそこまでトロ〜リしてない方が好きだけど、そうゆうのも「あると思います」。

 カロリー相当高いです。気をつけてね!
K太郎くんには、骨を強くするために牛乳を3杯飲ませました。わたしは勿論ギネス(缶はやっぱしおいしくないです・・・・生が飲みたい)。
 


◆2009年2月11日(wed) ウマとロマ『ジンガロ』

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仕事を終えた馬たちのねぐら。数ヶ月をここで過ごすのね。都美術館の隣です。外に出てるところが見られたりするのかしら・・・



エスメスの小さなショップがありました。どれも目が飛び出るお値段なので、見るだけです。が、美しいです。これは木の馬ですよ。

●ジンガロ
 馬と人が魅せるフランスの騎馬スペクタクル、ジンガロの 『バトゥータ』をみてきた。
 木場公園内にテントが三つ。会場とカフェ、ショップのあるブースと馬舎。サーカスというよりも、演劇に近いような歌ってないけどオペラを見てるような総合芸術の域に達しているもので、とてもすばらしかったです。

 今回はルーマニアの10人編成のロマブラスバンドとトランシルヴァニアの5人編成のロマ弦楽隊が、会場の上手下手(円形なのでなんとも言えないけど)に陣取り、交互に演奏していくのでした。ブラスバンドの方はファンファーレ・チョカリーアと同じ村の出身で、彼らの曲を3曲やってました。クストリッツア監督の名作「アンダーグラウンド」からもあり、花嫁のフライヤーを見た時に思った通り、やはりこのあたりが土台になっているようでした。

 衣装も馬も美しい。疾走感とバルカンブラスがピッタリ合っていて、「ジプシーの時」のオペラは見られなかったけれど、それに匹敵するような舞台を見せてもらった感じがしました。
 12人くらいの騎手たちが次から次へと現れる。馬上で、クストリッツアの映画のように恋があり、喧嘩があり、怪しく踊り、仲間との狂乱があります。馬車もシトロイエンもおばあさんも、マリア様や棺桶も出てきます。結婚、誕生、葬式、ロマのくらしを人馬のみによって生き生きと表していました。 バルタバスは今もトレーラーハウスに住んでいるそうで、物を持たず、そしてひたすら馬を愛し、独自の美意識と精神世界を音楽と共鳴させ表してきた。今回のものしか見てはいないけれど、多分、今回の楽しさがたくさん見られた『バトゥータ』が、彼のたどり着いた見せ方なのだろうと思う。クストリッツア映画同様に、深淵で重たいものをすべて内包し行き着いた先の表現ほど、軽やかで明るくなるものなのだ。大人のサーカスであり、子どもでもきっと楽しめたハズだ。

 馬具作りから堂々とした歴史が始まったエルメスが 特別協賛。エルメスの皮は美しいです。でも、馬はもっと美しい。つやつやしていて、そして、筋肉が躍動し、たてがみがなびきます。そこにまた美しい騎手たち。彼らの着ている衣装も、白いブラウスやガウチョパンツなどどれもカッコよく、ブーツなんぞはエルメスなのか?やっぱし?足がみんな長いので似合うのよねー。馬に乗る時は、姿勢が良くなければならないので、とにかく騎手たちのたたずまいが美しい。しかも、美男美女揃いでした。男も髪を長くしている人が多く、馬の尻尾のようになびいていました。いや〜〜カッコいい!
 感心したことはたくさんあるのですが、馬も人も小道具もすべてが丁寧に磨き上げられて手抜きがないんですよねー。数種類出てきたベールもそれぞれがデザインが凝っていて、きれいでした。

 馬たちは揃って毛を同じようなデザインに刈り込んでいて、背中は長い鞍のように五分刈りになっており、その下は短く刈り込んでました。その鞍のように見える毛並みがツヤツヤしているのですが、運動量が多くなってくるといよいよエルメスのなめし革のように輝いてくるのでした。

 馬たちはどうやって演技を覚えるのやら・・・・これは本当に演出通りなのか?と思ったのは、ほとんどの馬が退場したあとに、水場に残った3頭が、1頭づつ、間隔をおいて、しかも演技してるかのように、砂の上に寝そべったり、水浴びをしたりしながらゆっくりと退場していくのです。普通のサーカスだったら、必ず人がムチを持って指示するのに、そうゆうのがないんですよね〜。バルタバス、凄い!

 ジンガロというのは、パンフレットによると団長のバルタバスの愛馬の名前だったのですね。99年に亡くなったそうで、一緒にダンスをした伝説のシーンがあるそうです。見たいなあ。
 イギリスに行った時、ウエールズでポニーライディングに挑戦しました。こうゆうのは初めてで、一番驚いたのは、意外に馬は背が高いってことでした。エイッと一人で乗るのもやっとで、立ち上がるなんてことは到底考えられんのでした。しかし、ジンガロの騎手たちはいとも簡単に飛び乗っちゃうんだよね〜

 クマも出てくるんです。ちょっと見ほんもののクマで、エルメスが作ってんのかしらん?と思うほどよくできてます。これに入った人は相当の人ですよねえ、クマのきぐるみのまま馬に乗って曲芸しちゃうんですからね〜。
 サーカスといえば「クマ」というくらい、クマのサーカスがわたしは好きです。誘ってくれたIさんとも言ってたのですが、アービングの「ホテル・ニューハンプシャー」みたいなのでした。わたしはこの小説が大好きなんです。しかもクマがいい(映画ではナスターシャ・キンスキーが入ってました)。今回のジンガロはわたしの大好きなクストリッツア&バルカン音楽とアービングの世界になっていて、本当に夢の中にいるようでした。

 馬って本当にきれい。
スタンディングオベーションで終わりました。



中澤になれなかったKちゃん。ライン、ギリギリ追いつかず。

●中澤になれなかったKちゃん

 きょうの夜は、絶対負けたくない全日本VSオーストラリア戦ですね。その前に、息子のサッカーの試合に行ってきました。結果は・・・・1対1となり、PK戦。残念ながら、ウチのKちゃんが蹴る(最後に蹴ることになってました)前に試合が決まってしまいました。それでもベスト8まで行ったのはすばらしい〜。褒めてあげました。キーパーの子はやっぱし泣いてました・・・・かわいそうだなあ。PKって辛いよねぇ。Kちゃんもしょげてるかと思ったら、ミーティングのあとはすっかりご機嫌になり、もう遊びにいってしまった。(まだ帰ってこない・・)


 『徹子の部屋』に出ていた中澤は、やっぱりイイ男だった。
さ、次、次!ビール飲みながらテレビで応援しよ〜〜っと!


◆2009年2月9日(mon) 中澤に見えたキミ

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フィンランド戦では、この軍手とホカローンが配られました。

 11日はサッカー、日本VSオーストラリアです。このチケットはとれなかったのですが、4日のフィンランド戦は家族で行ってきました。ヨーロッパ組は温存、ということで、一番好きな大久保は出てませんが5対1で快勝(中澤はこの1点が悔しかったようだけど)。寒くても勝てば爽やかであります。

  サッカーは、子どもはやっているのでよく見に行くし好きです。しかし、子どものサッカーはなかなか盛り上がらない。なぜなら、まだまだサッカーになってないからだ・・・・と思っていたところが、日曜日に行われた区長杯(小学校6年生が出る最後の大きなゲーム)で、無失点で二つの試合で勝ちすすみ、ベスト8までなったのでした。しかも、フォーメイションもきちんとできていて、サッカーやってる。ウチの子はキャプテンで、ディフェンスの要にいるので、だんだん我が輩は大好きな中澤に見えてきちゃうんですよねえ〜〜、親ばかのようですが、コレが本当にカッコよく見えちゃうんだから仕方がない。ずっと試合を見にきてなかったので、こんなに凄いことになっているとは知らず、相手の監督ほかにも褒められ、さらに母は喜ぶのだった。最近はいつも遅くまで練習をしている。仲良しのMくんとのコンビで、Mくんがコーナーキックをし、息子Kがディフェンスから走り込んできてヘディングでゴールする。このシーンが何度もあり、おしいシーンもあったのだけど、なかなか決まらず。これが決まったら本当にワシうれしいケンね。こうゆうことを考えながらサッカーをやるようになったのは成長だなあ。
 
 恐ろしいもので、ついその前日に、テレビで中澤を見て「すてき〜〜、どうしよう、息子がこんなにカッコ良かったら毎日うっとりしちゃって大変〜〜」と言って、子どもに鼻で笑われていたところだったのに、今は、この息子にもうっとりなのだった。恐ろしい・・・・。とても不思議な気持ちになるのは、おこちゃまだと思っていた子どもが、チームメイトに指示を出している姿やコーチらに「松本!」と呼び捨てにされているのを見た時なのだった。もうおこちゃまじゃないのね・・・あさってはいよいよベスト4をかけての試合で、とても強いチームとあたるらしい。負けたら泣くんだろうなあ〜〜〜
 また、応援に行きます。 息子二人ともサッカーやってるんで、靴を見るのが楽しい。絵もうまいんですよ・・・音楽も得意なんですよ・・・・でも、そんなのはやらなくてもイイからね〜〜〜!
 わたしはスポーツが得意な男が一番好きなんじゃ〜〜〜


紙版画の数々。6年生の作品です。


卒業式の招待状に使います。

 先週、先々週と小学校の図工の時間に紙版画を教えに行ったわけですが、インフルエンザと受験で20人ほどができなかったので、最後のおつとめだ!!と3回目の授業に行ってきました。全員がなんとか刷ることができてホッとする。
 さすが6年生、と思うのは、先週刷った子が、もうしっかりと学習していて、やってない子にインクの詰め方や拭き取り方を要領よく教えてあげることができた時です。どうやったらうまくできるのかをわかっているというのもすばらしいけど、それは、おもしろかった、と思ったからであって、しかも、それを友達のために一生懸命やれるというのが気分が良い。わたしと図工の先生も、学習できたために、きょうはとてもスムーズに進み、衣服の汚れで騒ぐ子もなく、後始末も要領よく進みました。
 版画は「ツメが甘い」と駄目だ、ということがよ〜〜〜くわかった。感覚の良い子でも、最後まで集中力が保てない子のはなかなかうまく刷れない。版画の70%くらいは技術だと思っていて、キチンと真面目に細かな作業をしないと、うまくは刷れないのだ。あきらめずに最後までしつこく丁寧にやった子たちのものは、やはりそれなりに完成度の高い作品になりました。勉強になりました!!みんな、ありがと〜〜〜!!!

左のは作品の一部です。自分なりに多色刷りに挑戦してうまくできているものもあります。絵自体がうまい子もいるし、紙版を切り抜いて、富士山の雪の部分を白く残すようにしている子などは、感心してしまった。


 ここんとこわたしは母&版画家生活に徹しております。それを同じ場所で発揮できる場が続いて、とてもイイ感じです。

 それにしても、日曜はずっと寒いグラウンドで立ちっぱなしで疲れたし、きょうも、4時間、たくさんの子のインク詰めと刷りを手伝い、足も肩もガタガタであります。でも、あしたは、「ジンガロ」見に行くのでウキウキです!ルーマニアのロマバンドと馬です。クストリッツアの「アンダーグラウンド」がベースになっているそうなので、本当に楽しみ〜〜〜〜ヒヒ〜〜〜ン


◆2009年2月7日(sat) 迷った時はこうしろ!

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Boulangerie Bonheur のパン 。 梅屋敷店のもの。三軒茶屋店あります。





the(EC) nudes 『Vanishing Point』

 本を読む、CDを聴く、サッカーを見に行く、うたた寝する、ランチをする、人に会う、買い物する、パソコンの設定をする、絵を描く等々の日々を過ごす。

 すべてに言えることは、ロックに生きてるか?ということねえ。あるいは、ロックじゃないことをしてないか?ということにあるのかしら?と思ったりする。
  年末にテレビが壊れ、最新型のテレビにしたら見られるようになったBS番組等々。たまたまみうらじゅんの番組を見ていたら、「ロックに生きてるかどうかで飲み屋で殴り合いのケンカになるくらい熱くなる。これをバカじゃないの?と思う方たちはたくさんいるだろうけど、これが一番重要なんで、これで良いので・・・・」という話を「その通りだわ』とわたしも思うわけで、ロックをやっててもロックじゃない人はたくさんいて、パンクだと言いながら、全然パンクじゃない人もたくさんいて(もう〜〜〜すごくイヤッ)、こうゆうことはまったく関係ないと思う人も多かろうとは思いますが、ココんとこがイッチャン!!重要ではないか、ととても真面目に思うわたしでありました。
  何か迷ってしまう時に、ハタ、とこうゆうことを考えると迷いがスル〜ッッとなくなりますねえ。絵を描いてる時もそうで、イイ感じだわい、と思っても、最後のところで「ロックじゃないやんけ〜〜〜!!バカバカわたしのバカ!」と思ったら没にすることにしてます。
 そんなこんなで生きてますが、そんなわたしでもたくさんの「ああ、ロックじゃなかったわ」という事をしています。今後はそんなことがないようにしたいと、誕生日を前に肝に銘じるのだ。
  本当にパンクだなあ、この人、と思う人は周りには数人しかいないと思うケンね。「パンク」ということばはわたしの場合は、相当肯定的に使っておりまして、どんな「たいした事」にも勝ることになっております。うまいとか下手とか、いい人とか極悪非道とか、そういった事も超越し、周りがどうの、稼ぎがどうのも超越し、へこたれたり泣いたり、文句いったり言われたり、踏みにじられたり、踏み台にされたり、でも自分のやってることに自信をもって突き進む情熱のある人、のことを言う。これに宮沢賢治の「雨にも負けず魂」の爪の垢がササとふりかかった程度の人に、わたしはなりたいものだと思っている。
 
 なんでこんなことを思ったかというと(いや、常日頃こんな事バッカ考えてるんだけど)、 もうホトホト重箱の隅をつつくような仕業には関わりたくないという気分になっているからで、重箱の隅に栗きんとんのネロリが多少くっついて残っててもイイじゃん、と今だから言うが、わたしは何事も死ななきゃいい、というくらいにしか考えてないんで、もっとおもしろくて大事なことはいっぱいある、そんな事はつまらん事で、今後いっさいこうゆうつまらん事に頭をちょっとも使うことをしないことを決めたのだ。


 しかし、そうは言っても世に流されるわたしでありました。大きな意味ではロックに生きていると自負しているが、細かいトコでは怪しい。怪しい場合は、その都度ロックな方向を選ぶ、というやり方にしたい。
 たとえばきのうは梅屋敷のパン屋『Boulangerie Bonheur 』のおいしいパンを食べた。実はおとといも食べた。食べ物のことばっかり考えるのはとてもロックとは言えない。父は早死にしたのだが、常日頃「食べ物の事を考えるのは嫌いだ。薬ですむならそれが一番いい」と言っていて、『ロックだなあ」と思ったものだった。しかし、死んでしまっては仕方がない。
  しかしパンは買ってきちゃったし、おいしいし(疑問符だらけ)。で、おいしいから子どもにもとっておいてあげようか、と思ったが、おいしすぎて残さなかった。どうせなら証拠隠滅した方がみんな幸せだ。おとといは分けてあげたから、もうよいだろう。というやり方はロックになる(疑問符)。このように非常に曖昧模糊としながらも、細かい選択がなされ、その基準はロックかそうじゃないか、ということになっておる。

 だから勿論「ロック」という言い方は、音楽のジャンルを超えて使っているわけで、たとえば即興のギター演奏についてなども、よくそんな事を思いながら聴いている。最近マイミク(っていうのがどうもロックじゅあないね)I氏が良く音源をUPしてくれてるのでフレッド・フリスのギターソロを聞き直したりしてたが、先日の来日の際の演奏でもそうだったけど、ダラッと休むことがないのがイイ。緩急はあるにしても、間断なくロックなテイストにあふれていた。奇をてらった「間」というのがほとんどなく、緊張感が漂う(昔の方がよりそうだった)。わたしは演奏でも実生活でも休むのが嫌いなんで、そうゆうのがイイ。まったくスローライフなところがない・・・・というところでは今井和雄さんがそうだと思っていて、今井さんはわたしの中ではジャズでも即興でもボサノヴァでもなく、「ロック」な人なのだった。良く書いてますエイミー・デナイオもそうで、少ないながらも手持ちのCDを聴きながら、「ホントに捨て曲のない、間断なくロックしつづける、目一杯やるだけやってるエラい人だわ」と思うのでありました。
 今書きながら思ったのだけど、「ロック」というのは「策を弄さない」ということではないかなあ?策を弄さないで生きていきたいもんです。

ここからは音楽話なので、興味のない方はゴメンネ。
 
 エイミーのアルバムは手に入りにくいものが多いですが、ソロのもバンドのもみんなそれぞれ良くて、溢れる才能と、その明るさで、わたしとしては心の中で「師匠」と呼んでおるのです。師匠のアルバムで一番良く聴いているのは「Birthing Chiar Blues」です。わたしの中ではこのタイトル曲はものすごいヒット曲になっていて、マドンナくらい売れてもいいと思っているのだけど、実際はそうでもない。一体どうなってるのだ・・・。こんなにいい曲なのに。このアルバムにはかの有名な(わたしには)『DishWasher』という食器洗い機とコラボしてる曲も入ってます。これはもう現代音楽と現代美術の狭間にある作品で、わたしのハートをギュッとつかんで離さないものでありました。こういった『物』を使った音楽というのは、美術でいえば、いわばデュシャンの「レディ・メイド」の考え方と同じ方向を示していると思う。家電製品などを使う、街の音を使う、というものは現代美術ではこのように古くからやっていることで(ダダやフルクサスを)、音楽の方が明らかに立遅れている。その中でもサティは20年代にすでにこういったことをアッケなく取り入れていて(アッケなくだったために一部の人にしか理解されなかったが)、しかも、現代こういったことを大袈裟に「どうだい、この美術とのコラボレーションは」と嘯きやっている人たちをとうの昔に置き去りにする自然な感覚でやっちまっているのだ。このロックはどうだ!この事実をいつもわたしは思っている。思っているのだ。本当に。だからほとんどのことを実はつまらなく思ってしまっているのだ。自分のことですらああもう本当につまらない、としょっちゅう思っているのだ。思ってはもちなおすんだけど、またこんなにつまんないことはない、とか思ってしまうのだ。やりつくされている、と思うことばかりだ。

 あ、興奮しちゃった。元に戻ります。エイミーの話。

  それから、マサカーもいいけど、こっちもいいのよ、という気分で紹介したいのが、the(EC)nudesというAmy Denio(sax,acc,vo,b)、Chris Cutler(ds,elec,radio)、Wadi Gysi(g) 三人の『Vanishing Point』。 I氏が Pale Nudesの『Wise to the heat』を紹介してくれたので思い出した。 こちらもとても好きだけれど、前者の方がかなり好きだ。エイミーはいろんな楽器をやるけど、このアルバムでのサックスは攻撃的でおもしろいし、アコーディオンのようなメロディ楽器はずっと鳴ってるとわたしは嫌になってしまうのだけど、この人のは明るくさわやかで気持ちがいい。ベースもアグレッシブだし、歌がまた声もきれいだし歌い込まないところが良い。彼女がやると、相当のことをやっていてもポップスになるところがわたしの好みです。やっぱ師匠は偉大だなあ。ほかにもエイミー師匠のものはいくつか聴いているのだけど、サックスばっかりになると興味がちょいと失せてしまいまして、やっぱり最初の頃のティアックのMTRを駆使して一人で作ったものはおもしろいですねえ。「Birthing Chiar Blues」もそうらしいけど、一人でできちゃうんだよね。というか、一人でやった方が良かったりする場合は多々あり、多分師匠も、バンドでやったあとは一人になりたいのだろうな。そして一人で気が済むまでやり尽くすと、またバンドでやりたくなる、という具合なのではないかなあ?と想像している。この気持ちはよくわかる。

 きょうは工房でクロッキーをした。クロッキーはおもしろい。1本の線で短時間で人を描くのはおもしろい。2時間有志のみ7名でやる。順番に5分づつポーズをとる。人をちゃんと見る。個性があふれていて楽しい。


◆2009年2月3日(tue) 学校のレトロプレス機

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昭和42製のプレス機


こちらも施しもあるようなレトロで美しい糸ノコです。図工の先生の宝なんだそうです。

 きのう2日は、小学校の図工の授業の特別講師2回目をしてきました。前日の大人なワークショップと一番違うところは、とんでもない「しでかし」であります!!

 チューブからインクがドバ〜〜〜ッと飛び出す。衣服についたインクをとろうとして、さらにベタベタ〜〜〜!友達が刷ってる最中のローラーに自分の版をはさんでしまってグルグル〜〜ッ!!ヒャ〜〜〜の連続であります。
 でも、みんなかわいいの。この6年生の中に息子がいるので、それなら是非卒業前に版画を教えてほしい、ということでこうゆうことになったのだけど、息子がいるってことで、わたしも子どもたちも顔見知りだから、とっても楽しかったです。「松本くんのおかあさんのお仕事って、どんなこと?」とか「先生って呼んでいいんですか?」とか「どうして絵を描いてるんですか?洋服も作れますか?」とかいろいろ質問されます。「先生よりも名前で呼ばれる方が嬉しいの」「絵を描くのが好きだからずっとそうやって暮らしてるの。物を作るのが好きだから洋服も作るの」とか答えます。だいたい質問するのは女の子です。

 最近の子どもたちはとてもオシャレしてます。6年生ともなると、ウチでもそうだけど、洋服の趣味がうるさくなってきて毎日毎日とっかえひっかえ。それがインクで汚れると、もう〜〜大騒ぎなんですねえ。図工なんだから汚れて当たり前!と先生が言っても、悲しそうな顔をして「どうしよう〜、おかあさんに叱られるし・・・」なんて言う子もいるのでした。(漫画家のおかあさんチの子がいるのですが、シッカリTシャツ姿になり、シッカリ汚しまくり、そしてそれを何とも思わず笑いとばしてて、楽しかったです。そうゆう子もいます。)わたしもたまに凄いことになった服を見て「ナンジャこりゃあ〜!」と青くなることもあるけど、やっぱし今の子どもはきれいッコなんだよね。窓際の10個ほどの蛇口に始終ズラッと並んで手を洗いつづけてました。わたしが持っていっていた油性インク用のハンドクリーナーを前に「ください!」「ください!」と・・・・アッという間に半分になりました。
 でも、なかなか良い作品もできていたので、ホッとはしているのです。紙版は紙に傷をつけたり穴をあけたり、表面の1枚をはがしたりしてできるもので、版を作るのは簡単です。でも、やはりインクを詰める、拭き取る、という作業がむずかしい子も多いかもしれません。いろんな意味で反省点もありましたが、とにかく経験が大事、との先生のことばにすがるのみです。それと、子どもはかわいいんだな、やっぱし。それが救い。

 さて、先生が使ってなかったプレス機があるのを発見したのと、わたしのような者が父兄にいるということで実現した授業です。そのプレス機は昭和42年製の本当にレトロなもので、手入れもずっとされてなかったために。ローラーにはガビガビになったインクはついているし、ベッドプレートは錆びています。ハンドルの取手ははずれ、バネ部分はギシギシいってます。でも、ちょっと磨いてみたらなんとかなりそうなんですよね〜。もったいない!是非ちゃんとメンテナンスして使ってくだされぇ。
 とにかくわたしが知ってる限りのメンテナンス方法をお教えしてきました。近所なんで、わたしがやりに行けばいいんですけどね。大事にして欲しいと思います。いらなくなったらくださいっ!!

 10名ほどが、中学受験や風邪でお休みしていたので、来週ももう一度、やることになりそうです。人数が少ないので、今度はゆったりできる・・・・ことを願う。
 


◆2009年2月2日(mon) ワークショップ報告/記事も見てね

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真剣です

 1 日のワークショップ、終了でございます。みなさん、ありがとー!ギャラリーの水越さん、一緒に講師をしてくれた時任さん、ありがとー!

 たくさんの人が参加してくれて嬉しかったです。結局2回にわけて、総人数20名となりました。ギャラリーのある大田区のWEB新聞(というのか)「羽田経済新聞」さんが取材に来てくださって、さっそくきょうUPされていたので、ご紹介します。当日の様子や参加者の方々の作品も少し紹介してますので是非ご覧になってくださいませ。
http://www.satomin.jp/info/exhib/0902firstws.html

 準備は大変なんですが、今回は時任さんという強〜〜い見方がいたので、わたしは結構楽させてもらったかもしれません。しかも、彼女はわたしよりもずっときめ細かいアドバイスができるのでした。いろんなタイプの人がいるので、教える方もいろいろの方が良いと思うので、時任さんがいて本当に充実したものになってように思います。
  参加者の方々もいろんな職業の方がいらっしゃったようで、おもしろかったです。ライター、画家、書道家、デザイナーのかたもいれば、まったく絵を描いたことのない方もいます。でも、みんな最後にできあがったものは立派な作品になっていて、本当にワクワクするワークショップでした。
 遠くは山口から来てくれた方もいるんですよ(たまたま東京にくる用事がおありだったようですが)。それに、嬉しいことに、京都の個展にも来てくれた大阪のKさんもまたまたやってきてくれて、ワーオ!とても美しいオウム貝の版画ができてたのでした。写真がなくて残念!!年齢もさまざま。親子参加あり、と楽しかったです。全員女性だったんですが、男の方もきっとやりたいだろうなあ・・・と思うので、いつか「男だらけの銅版画」というのもやってみたいと思います。わたしは勿論ヒゲつけて、時任さんは王子の格好になるでせう。

 午前も午後もみなさん意識が高かったのが印象的でした。しっかり良い作品をつくりたい、という意識ですね。モクモクとどん欲に作業する姿は美しい!お茶する時間も惜しんで制作してました。おもしろいですからねえ、版画は。

 それから、わたし自身にとっても技法など新たな発見もあっておもしろかったんです。

 関係者数名で鶏鍋で打ち上げ。ハア〜疲れたけど、楽しかった!と乾杯。コラーゲンたっぷりとって話がはずみました。でもって、きょうは小学校の図工での特別講師に行ってきましたよ〜。こちらは紙版です。いや〜〜、2クラス約60名は大変でした!!!なんたってもうベタベタブチャビチャで・・・でも、凄くおもしろかったです。これはまたあした〜!
 









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