◆2008年10月31日(fri) こうゆう声だっけ?

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 またまた、きのうのつづきのような

●誰の声だかわからない
 レナード・コーエン『I'm your man』のことで言いたい放題言った(そうでもない)ANTONYさんは、ルー・リードの映画『Berlin』に出ていて感動を呼ぶのだそうで、全然知らなくてゴメンネ、ゴメンネ〜(栃木弁でね)。そして、ふざけた名前だぜえ、と思っていたThe Handsome Familyとは、なんとニック・ケイヴ&ルーファスくんだということを聞き、ビックリしたなあ、モゥ〜。教えてくれたレンコさんありがとー!先週のアメトークの「ハンサム芸人」思い出してしまった。アレはおかしかった。涙が出た。
 でも、こうゆうのってちょっとおもしろい。松山晋也さんが雑誌でやってる〜耳アワ〜みたいな(なんだっけ?)感じで。わたしは輸入盤は勿論のこと、国内盤でも、ライナーノートは先に読まないことにしています。その方が驚いたり、ヤッタ!と思ったり、楽しいから。聞いたあとは、ちゃんとついていれば、だいたいちゃんと読みます。輸入盤は歌詞もなかったりで、あとから「やっぱり国内盤にすれば良かった〜」と思うこともあるけれど、思い違いや勘違いも結構おもしろいもんよ。どうしても知りたいことがあれば、今はなんとか調べようがあるし、いいのだ。この曲に関して言えば、ルーファスくんの歌声は好きなのに、聞いてもわかんなかったんだよねー、誰だ、この低い声は・・・とあまりにも低い調子がつづくので飛ばしてもうたよ。きょうは、そうかそうかそうだったか、とちゃんと聞きました。なんだろうか、この感覚は。同じ人でも、個人的に「この人の声」という思い込みがあるんだろうか。これがまた、映像で見たら何の疑問もなく聞こえてしまうのかもしれない。


きょうまた病院に行く。ここ数日非常に体調が良く、結局ちゃっかりとわたしは丈夫なんだな、と思った。クラクラ具合もそうでもなくなってきた。この医者が「MRI撮ってきなさい!」と言ったから行ったんだけど、きょう「MRI撮りました」と言ったら、即「なんでもなかったでしょ?」と自信たっぷりに言うので、「????・・・・・???」と心の中で思うのだった。脅かさないでくれ。ノミの心臓だって。血圧が低いからと運動不足でそうなるのだろう、と言われる。そんなに低くはないと思います。低い方が高いより素敵感はあるねえ。でも、さほどのことでもない。なにやら好調だ。なのに、この医者が「来週もきなさい」というのだ。好きなのか!?

では、またあした

 


◆最近のインフォメーション

『詩と思想』9月号<特集/ロックンロールの詩学>
 「ゼリーの中の個人的創作風景」というエッセイを書いています。
 購入先は、書店、通販、または土曜美術社出版販売(株)http://www5.vc-net.ne.jp/ ̄doyobi/
 または、立ち読み。
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FM豊橋『STEP ACROSS THE BORDER」(牛田牛蔵さんの番組)で、4月に3週にわたって放送された『松本里美 Bronze &  Willow特集」の全放送(3回分/1時間チョット)を短めにまとめてUPしました。MUSICページにUPしましたので、そちら
  からお聞きください〜
 ココです。
 しばらくはUPしておきますので、聞いてくださいね。

ラジオ放送とエッセイ、両方合わせると、『Bronze & Willow』が見えてくる。

●10月6日〜11日、表参道画廊で『画廊選抜二人展』

◆2008年10月30日(thu) パイソンとコーエン聞き比べ(ることはない)

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 きのうのつづきのような一日

●クエイ『人形展」
 ハンズに用事があったので、ついでに渋谷の帽子屋さんの2階で展示されているクエイ兄弟の撮影セットを見に行った。この帽子屋さん自体の床や棚の感じがちょっとゴスロリ風だったので、「ああ、お好きそう」な感じ。セットは大きいのが2つと、レンズのついた覗き窓つきのが一つだけです。でも、「ピアノチューナー〜〜」の中に出てくる「木こり人形は、血の吹き出る(こう描くと残忍な感じですが、クエイ兄弟のものは案外ユーモアがあって、斧が足を切ってしまうのだけど、その血しぶきが漫画のようなマッチの先っちょみたいになっているので、そんなに怖いわけでもありまぬ)場面の状態になっていました。回りは拾って来た切り株や松の枝などで作られていました。見たことのないほど大きな松ぼっくりもあったりして。しかし、「ストリート・オブ・クロコダイル」の中に出てくる仕立て屋のセットが見られるとは思わなんだ!その朽ち果て具合はおぞましい。白い長手袋も映像そのままに張り付いていた。あの独特の光る人形の目は、どうなっているのかと思ったら、くりぬかれた頭の部分に綿が入っていて、それがライトをうけて眼球のところにも反映して柔らかく光っているようになっていたということがわかった。良いわ〜、と思ったのは、ただのミニチュアにこだわることがないところでもある。人形の大きさと関係なく、実際の大きさの指ぬきやハサミが置いてある。でも、そんな大きさの問題などはドールハウスを作っているわけではないのだから関係ないわけだ。世界感が出ればそれでいいわけだ。しばしため息。

●ポポタムにて丸木俊『ろしあのわらべうた』購入
 
そこから出直しということで副都心線にのって池袋へ行き本屋「ポポタム」へ。が、しかし!副都心線が便利だと思ったら大間違いだった!歩く距離が半端じゃなく、池袋についたはいいけど、メトロポリタンホテル側までのナビが不明瞭すぎて、変な所に出てしまった。ドッと疲れてしまって、中華料理屋で麻婆茄子定食を食べてしまった・・・中国人の客がたくさんいて、いっせいにしゃべりだすは、たばこ吸う人だらけだは・・で、マフィアの巣窟かと思った。でも、おいしかった。池袋のその方面、たばこ率高しと見た。

 それは良いとして、きょうは清算も納品補充もできてよかった。また数冊置かせて頂きました。ありがとうございぃ〜。店主と話す。こうゆうお店の店主はもの静かな人が多くて、わたしのようなおしゃべり女はちょっと情けない気持ちになったりする。わたしもこうゆう静かな人になりたいです。きょうも丸木俊さんの猫の展示を一巡り。やっぱいいなあ。鉛筆の生き生きした線が本当に豊かなんだなあ。
 丸木美術館・・・という字を見るたびに、大昔その近くの河原のロックフェスティバルみたいのに出た時のことを思い出す。まだリッケンバッカーのコピーモデルのギターを使っていた。『ろしあのわらべうた』は小さな歌の楽譜もついていて、かわいい本です。フジコ・ヘミングがロシアの絵をたくさん描いているけれど、そんな感じの暖かくてかわいらしい絵の数々で手触りも良い。ポポタムも復刻に関係してるみたいですね。いい本だな、と思いました。

●もの凄く久しぶりにCD購入
 
渋谷でクエイ展を見たあと副都心線までの間にタワーレコードがあり、嫌だなあ、と思いながらも珍しく入ってしまった。たまにかわいいヘッドフォンがあるから、壊れてしまったものの替りを捜すつもりだったが、特によさそうなものもなく、クエイのサントラでも見よう、と思い・・・・ああゆうもんは普通のサントラのコーナーには多分ないので、やっぱり面倒になってしまい、フと50%OFFのワゴンの中をみたらモンティ/パイソン『Meaning of the Life/人生狂想曲』とレナード・コーエン『I'm your man』サントラ。パイソンの方は大好きなものなので、DVDも持っている。これは実はとってもエロいけど哲学的で、かつ、ミュージカルとしてもすんばらしぃ作品なので、好きなのだ。もっとも有名なのは多分テリー・ジョーンズが子だくさんお母さんの恰好をして歌うもので、まるっきり「オリバー!」なのだった。これが大好き。ほかにも亡くなったチャップマンが歌う『Christmas in Heaven」 が好きだな。この中に今回のクエイの映画のプロデュースもしたテリー・ギリアムの「語り」というのが入ってる。内容はどんなんだっけ?忘れた。あんまりおもしろくはないのだ、この人の語りは。でも、いいのだ。アニメーションがいいから。
 レナード・コーエンのこの映画のことは知らん。知らんのだけど、1曲以外はルーファス、マーサのウエインライト兄妹だとか、テディ・トンプソンとか(最近もう二世の方たち多し)、U2、ケイト&アンナ・マクギャリグルほかほかほか。みなさんいい感じなんだけど、一人ANTONYという人が気持ち悪い歌い方で・・・・つい飛ばす。
 レナード・コーエンを知ったのは70年代後半のことだったと思う。すでにいぶし銀状態だった。レコードは自分では買ってないけど聞いていたので、多分渋谷のブラックホークあたりで聞いていたのだと思う。ああ、もう、また古いことになってしまった・・・。カバーしてる中にジャービス・コッカー という人がいる。有名なのかもしれないけど、わたしはこれまた知らんのでした。最初はケヴィン・エアーズみたいな低い声で、胸のあたりがくすぐったいのでキモいなあと思ったのだけど、ちょっとヘロホエ〜とした感じがおもしろいなあ、と思ったりした。もうひとつ名前からして変なハンサム・ファミリーというのは何なんだ?これも飛ばす。悪いけど。どんだけ飛ばしてるんじゃい、という感じだけど、そうでもないです。パイソンの方が飛ばしまくって聞きました。

買ったレタスの中に青虫がいた。

では、またあした

 



◆2008年10月29日(wed) クエイ新作と「鋲」とすき焼き

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QUAY BROTHERSの新作
『PIANO TUNER OF ERTHQUAKES』
それと、スイス製馬蹄釘

 

 きょうは、映画を見て、雑貨屋に行って、本屋に行きました。盛りだくさんのため、4日分くらいあって長いけど、いいのだ。思い出しながら書いたものというのは、日記とは言わないし、フレッシュさがなくて全然おもしろくないから、長くても良いのだ。
というわけで、まずは・・・

●ブラザーズ・クエイ『ピアノチューナー・オブ・アースクエイク』
  イメージフォーラムへ。客5人。今回はテリー・ギリアムが制作プロデュースで、クエイ兄弟ファンなんだそうだ。幻想的な部分は共通していると思うけれど、同じアメリカ人でも、クエイ兄弟はドップリとヨーロッパの歴史的文化に埋もれるべくして埋もれていった感がある。ただ、どちらもわたしの中にある「ロック」なイメージが根底にあり、そこのところがやはり何かにつけてのキモとなるのではないか?と思ったりする。
 物語が難解だとかなんとか書いている人には、こうゆう作品は最初っから見る必要もないことで、どうしてそうゆう人が見ちゃうんだろう?ということがわたしには実は疑問だったりする。なーんか、ちょっと嫌だったんで、そんなことも書いてしまったけれど、わたしにとっては、わかりやすいもの・・それはカフカやセリーヌや東欧のどんよりと湿った空気感だったり、錆び付いた金属や無表情の人形や、不安定な揺れる光や動きなど、『死」を漂わせた終わりの無い憂鬱さとそれに身を委ねる恍惚感とでもいったものかな。いやー、でも、ハッキリ言って一般受けするようなシロモノではないんで、誰にも薦めないけど。

 映画のストーリーは、キ印博士が、入れ込んでるオペラ歌手を誘拐して、自分の作っている自動演奏装置の中に組み込んで破滅的に楽しむ、というもんです(ちゃんと書いてるサイトもあるので、そちらで見てね)。水の使い方やゆらめく光と空気と狂気の感じは、「ああ、これってルドヴィッヒとワグナー」とかぶる。要するにあんな感じでありまして、わたしはビスコンティとヘルムート・バーガーも好きなんで、そんなことを思いながら見ておりました。
 好きなモンがいっぱいなんで、よかったです。たとえば、目隠しする姿。衣装は最後のテロップでチラと目の端に映ったんだけど、アルマーニのものだったみたい。フランス人やドイツ人が英語を話すのが、また独特で、わたしには美しくわかりやすく聞こえた。黒い雲と銀鼠の湖。人形の不気味な動きと、ねじ巻きオモチャのような光の動き。そしてなんといっても、自動演奏装置のカッコよさ。これにつきる。
 ピアノの調律師は、博士の島に呼ばれ、この博士の作ったいくつかの装置の調律を頼まれる。そのそれぞれが良いのだ。シンセサイザーも良いけれど、ネジや糸や歯車(!)や、人形の手を使って音を出すシステムが良いのです。金属的なものと体温を感じるもの、という組み合わせが好きです。ちょっと間違えるとゴスロリチックですが、いやいやそうじゃないけんね〜、違う感じでのロック感なんで・・・そこんとこよろしく。フリッツ・ラングやデヴィッド・リンチとかね・・ああいった『硬質なアナログ』の魅力を感じます。クエイのは、すべてが朽ち果てたような色と質感で、アメリカ人だけれど、独特のヨーロッパ的美意識が漂う。音楽もいつも良いです。サントラが欲しくなる。

 という感じで、ドップリと「イケナイ」もんに浸ってしまった90分でした。また見たい。現在61歳の双子。

●FALL『釘』と『鋲』
 二人展での作品『70 seeds」の壁に留めるのに使った釘は、西荻窪の雑貨屋『FALL』で購入したものでした。たくさんの人にこれは何か?と聞かれ、そのつど説明していたのですが、きょうもう一度確かめたところによると、1941年に作られたスイス製の馬蹄釘であります。使われていたものではなくてきれいなんですが、古いもの。欲しい、という人もいたので、再度仕入れる。それからポストカードを数種類納品。このお店に行くと、わたしのポストカードは全種類買えるんですよ。
 いつもは静かな店で、ゆっくり展示商品を見ながら、店主と最近感じている違和感場所やらについて語るのだけど、きょうは展示されている陶芸家さんとお客さんがいっぱいきていたので、あまりゆっくりはできなかった。とはいえ、また魅力的な新商品を見つけてしまい、一部は購入。一部は突然ドハ〜ッと記憶を呼び覚ますものであった。
 それは、馬蹄釘を購入した時に少し迷った鉄製の丸型の『鋲』で、ボコッと大きい。その時は絵などを留めるものだろうと思っていたのだけれど、もう一度見た時に、きょうのクエイ映画ではないけれど、『いつかわたしはこのようなものを普段使っていたような気がする」と、感覚を辿っていったら、思い出したのであります。それは、昔子どもの頃の畳の茶の間に敷いていた花ゴザや、札幌にいた時には、ストーブの下に敷いていた赤いチェックのビニール製のシートなどの淵にずれないように刺していた直径1センチちょっとあった長めの鋲だったのだ。店主にそのことを話しながら、どんどん記憶が蘇る。それは、見た目の記憶だけではなくて、それを花ゴザごと引き抜く時の畳から抜ける時のグググという音と手の感触とともに蘇ってしまったのだった。そうなのだ、この鋲は、畳に刺すものだったのだ!
 わたしより大分お若い店主には、いくら説明したところでピンとはこなかっただろうけれど、そうなんですよ、それなのよ。
丸く碁石のように膨らんでいるのは、足がつっかからないために違いない。よくできている。とってもレトロな品だった。店主とはそれでも最近行ったという出雲大社の話なんぞして楽しかった。例の連ドラがあのあたり中心なので、予想通り混みあっていたらしい。神様の話はおもしろい。わたしも三種の神器のあるところへいつか行ってみたいな。でも、鳥居が怖いので、なかなか難しいのだ。

●ポポタム『丸木俊の猫展」
 クエイのパンフレットを読みながら、目白へ。池袋との丁度中間にある本屋『ポポタム』へ。納品&清算に行ったのだけど、店主と入れ違いで残念。でも、丸木俊さんの猫展はいいもの見ました〜という感じで、よかったです。かわいらしい女の子とか、とても魅力的です。猫はたくさん飼っていたようで、シャム猫が多かったのかなあ。ちぃちゃんという猫もいた。動きのあるたくさんの猫を見ていたら、わたしもスケッチがしたくなった。猫は実家を離れるまでは生まれてからずっととぎれることなく飼っていたので(犬もだけど)、見なくてもなんとなく描けるんだけど、こうやって見てみると、やっぱり実際に見てかかなくちゃこんな風な生きた線では書けないなあ、と思ったのでした。写真にとったものを描くのも駄目で、素早くクロッキーするのが生き物は断然良いと思う。絵本も原爆のもの以外のはとてもかわいらしくて、色もハッとするようでよかった。また出直さなくっちゃいけないので、再度ゆっくり見ようっと。

4日分、すんごく長くなると思ったけど、案外そうでもないね。

●畳で食事する
 
なんてことはすっかりなくなってしまった。きょうFALLで『鋲』のことで昔の茶の間が蘇ってしまったら、また別の記憶が蘇ってしまった。家の畳の茶の間には、四角い木のテーブルが置かれていた。家族5人、サザエさんの食卓の状態。サザエさんでは波平さんの部屋はとっても立派ですよね。床の間があって掛け軸が下がってる。寝る時にはデンと真ん中に布団が敷かれ、枕元に布製のシェードのついた電気スタンドがある。我が家もそんな感じのところに住んでいた時があった。部屋数が少なかったけれどいい家だった。客人を通す部屋は普段は両親が布団で寝る部屋にもなれば、オーディオセットやピアノもある部屋だった。なので、そこにはテーブルはなかった。
で、その部屋でたくさん人をよぶ場合は別のところからテーブルを持っていくのだけど、一人二人の本当のお客様となると、テーブルは出さず、茶托にのせたお茶は畳の上に直接置く事になる。あれは、今思えばとてもいいもんだった。お茶の席では今だってそうな訳で、全然おかしいことじゃないのだけど、あまりにもそうゆう生活を長くしていないので、なんだかちょっと違和感があるではないか。でも、その部屋でやった姉の結納の式も、そうゆう具合にテーブル無しで、風情があってよかったな。
  父の両親の家(もう祖父母も家もないけれど)では、わたしの子どものころには、おひな様か武士か、という感じで、一人一人お盆の上(お盆といっても高い台になっているヤツ。あれは何っていうのだっけ)に料理をのせて、並んで食べていた。禅寺みたいだ。直に下に置くのから発展していったのでしょうね。「夢で会えたら』の中で松ちゃんとウッチャンが扱いが酷くて直に畳の上で食べていたのが思い出される。

 昔の小説の食事風景は好きだな。内田百間(日のところが月なんだけど)の食べ物の本はいいなあ。品があって風情があって。帰宅したらきのうの鶏の鍋の残りがマツキヨの手で濃いめのスープだけが残されていた。その味見をしたら、「鋲』のこともあってか、内田先生が食べた「すき焼き」のことを思い出した。当時牛を食べるのは珍しいし、戦時中のことだったか、とにかく手に入りにくいものだった。それがまた淫美な描写なんだなあ。薄暗い和室で、たしか一人で食べるんですよ。七輪かなにか、そんなものの上に鍋を置いて。テーブルは無かったと思う。家族は食べられない。「ああ、うまい」「ああ、うまい」と言って。なんともいえないですわぁ、このくいんしん坊、バンザイ。

 案外短くなった、と思ったら、「すき焼き」が長くなっちゃって、ゴメンクサイ。きのうの鍋の残りを再利用して、牛肉もあったし豆腐も春菊も舞茸もねぎもしらたきもあったので、すき焼きのような鍋にした。わたしだけ先生の真似をして日本酒をいただく。
 きょうはいい気分だ。できたら枕元に薄緑色の布のシェードのついた電気スタンド(布は日焼けしている)とお盆の上に置いた水差しセット(江戸切り子の)があったらいいのにな。

では、またあした

 


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  からお聞きください〜
 ココです。
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●10月6日〜11日、表参道画廊で『画廊選抜二人展』

◆2008年10月27日(mon) MRIのち「里美っ」とする

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こんな感じ
 

 先週近所の総合病院の脳外科に行って来た。という話はもう書いた。脳腫瘍かもしんないし・・・と最悪の事態を考えつつMRIの検査を受けることになった。みなさん、やったことありんすか?勿論わたしは初めてだす。

 頭部だけ撮るので、着替えも何もないですが、化粧はしない方が良いのでした。頭を軽く固定されて、筒の中へ。ガ〜ゴ〜ピ〜とうるさい。20分くらいで終わります。その後30分くらい待って、診察室へ。脳の中の血管の写真が15カットくらいと、脳のいろんな方向からのカットが30個くらい。眼球がきれいに丸く見えているものや、血管が海藻のようになっている画像がきれいでした。
 これで何事が発覚してたら、勿論こんな事については書かないです〜。結局何事もなかったので明るく書くことにします〜。

 最悪のことしか考えないので、「何も異常はないですよ」との言葉で、一気に食欲が湧くわたしでした。でも、そうなると何が原因なのかなあ?これはまた内科で聞いてこよう。病院からの帰り道、遺伝について考えてまして、結局わたしは丈夫なからだなんだなあ、母親に感謝しなくっちゃなあ、と思うのでした。母の体質が本当にわたしに似ているので、ハッキリ言って、母の死に様がわたしの死に様になるだろう、と予想している。母は60歳くらいから段々足が衰えてきていた。まだ当分あるけれど、覚悟をしておこう。母は70になってもまだ車の運転をしていたので、それで足が弱ったような気もするから、あまり車の運転をしないわたしは、もうちょっとマシかもしれないな。母は白内障になっている。これがやはり70過ぎてからで、多分、わたしが白内障になるころには、今よりももっと簡単で確実な手術ができることになっていると予想しているので、これも大丈夫そうだ。そのほかには母はちょっ糖尿なんだけど、それに関してはまずわたしはならないと思っているので、ほかはいつまでもしゃべり続けている、という恐ろしい状態が残っているくらいだろうと思う。母が100まで生きれば。わたしも100まで生きてるような気がする。

 ホッとしたので、病院のそばのギャラリー「ファーストライト」にカフェオレを二つ持参して遊びに寄った。そこでオーナーの水越さんと最近のアレヤコレヤを話す。

 さてそこで出たハンドル名とか呼び名の話なんですが、数年前にわたしが掲示板などで使いだした「里美ん」について、ある方がメールをくれたことがあります。わたしの年齢も顔も知らないけれど、よく日記を読んでくださっていた方で、
  「もしかして40代の方でしょうか?そのくらいの年代の方がよく〜〜ミン、とつけるので」との事だった。

  それは明らかに「ユーミン」世代ということなんですねー。確かにその年代だったのだけど、わたしが「里美ん」としたのは別のわけがあったのでした。それは、ある時あまりにも金運がないので、名前のせいではないか?と思った時があり、たまたま誰かのネット占いのサイトの紹介があって、そこを見たところ、わたしの名前がもう一画多ければ、ウッハウッハの金運の名前になる!と出ていたのでありました。そこで、自動的に占えるそのサイトで、「里美つ」「里美ん」と入れてみたら、どっちでも一画増える状態となり、どちらかと言うと「サトミン」の方がかわいいわよね、っつーことで、そうしちゃったわけです。ところが、そのあとこうゆうのにうるさい人に「、というのは仁鶴、じゃない二画だ」と言われ、ドッヒャ〜ンとなったのでした。でも、もうイイヤ、とそのまま使っていたわけです。しかしながら、やはりその後もわたしの金運はちっとも良くなりません。なーんてことをギャラリーで話して、さっき画数を調べていたら、やっぱし「ん」は二画なんですねー。ネット占い、間違っとるぞ〜!なので、きょうからわたしは「里美っ(っは小さい)」に改めることにしましたので、よろすく

 実は、昔占い師修行をしていた(サラリーマンだけど)父が、わたしに改名を勧めていたことがある。呼び方は「サトミ」たけど字を「紗斗光」(だったと思う。「斗」は違ってるかもしれないな)にしろ、と言うのです。「これじゃあ、戦国時代の武将じゃ〜ん。サトミツじゃ〜ん、ヤダピョ〜ン」と言って言うことを聞かなかったのでした。しかし、今思えば「サトミツ」が良いのかも〜、と考え込んでしまうのでありました。導かれているのかもお。

 父のそうゆう気持ちは今になってよくわかるのだ。姓名判断による画数ごとの吉凶(性格)によると、名字は今のも旧姓のもとてもおおらかで良いのだけど、「里」「美」7画、9画、というのは半吉、半凶なのであります。どちらも尖っているのだ。ちなみに

●7 自立 (半吉) 思い込みが激しく、わが道を行くバイタリティが皆を引き込みます。ただ独断専行に走りやすいところが反感を呼んでしまうので、他者との和を学べば鬼に金棒です。

● 9 知力 (半凶) 非常に直観力に優れている画数です。鋭敏な感覚が知性を匂わせますが、不遇、逆境がついて回る暗示があります。他の画数との組み合わせ次第で、逆境をバネに鋭い知性を活かすことが出来るようになるでしょう。

というのを見てしまった。

名字がとても着実な画数だったので、ちょっと尖ったものにしたのだ、と言っていた。しかし、成長すると共に、これが表面に現れてきたため、二十歳すぎたころになって改名を勧めたのでありました。

わたしは、一応子どもの名前も姓名判断でつけました。

●LINK増えました。
 きのうのつづきです。
Bronze & Willowを置かせてもらっている本屋「ポポタム」から、きょうDMが来ました。丸木俊さんの「丸木さんちの猫」という絵画展が11/8までやっているのです。休館日もあるのでお気をつけてね。嬉しいことに「Bronze & Willow」は全部売れてしまったとのお知らせもあり(数冊ですが、ありがたいことでございます〜)、今お店にはない状態です。来週あたり、絵画展を見に行きがてら納品に行くことにします。

  「月光茶房」のレジの後ろ側には「スルメンズ」がそれとなく飾られていますが、多分今行くと「夜釣り」という今回の隠れた傑作作品がさらに飾られていると思いますので、もし行くことがありましたら、ご確認を!帽子作家さん「かとうひろみ」さんは鎌倉にお住まいです。お手紙をいただいたのですが、その中に「北鎌倉「匠の市」」のお知らせが入ってました。北鎌倉ウォッチングとかお寺でのコンサートとかいろいろあって楽しそうです。行けるといいんだけど・・・。

では、また、あした


 



◆2008年10月26日(sun) 温野菜を食べ天然酵母パンを食べ

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普通に温野菜。最近この立っているスプレッド用ナイフが気に入っている。置き場にいつも困るバターナイフ。これだと、汚さずに、しかもかわいい。315円という安さも良いでしょ。

 

現代美術話をすることが結構多い。
 きょうは、「詩と思想」の11月号が届き、特集の現代美術が半分以上のページをしめているので、読み応えがありそうだ。きょうは本当なら横浜のトリエンナーレに行く予定だったのだけど(チケットもゲット済み、予習も済み)、体調の関係で断念。来週なんとか行かなくっちゃ。1回目は楽しかった。2回目は終わったあとで、まだ展示されてたものをたまたま見て、感動。やっぱりこうゆうの、好きなんだなあ、次回はやっぱしちゃんと見に行こう〜っと、と思ったのでした。今年は、横浜の数カ所と、三渓園でもやっている。三渓園の方は多分行けないと思うけど、仕方がない。今年は勅使河原三郎、田中泯 、小杉武久等々の参加もあり、楽しそう。ただ、実際のライブなどはもう終わってる。残念ながら、無理だった。

 現代アートというわけではないけれど、数カ所ほかにも行きたいところがあって、うまく回れるように考えるのが面倒なれど、行く努力はしてみよう。

 というわけで、家で絵の仕事をずっとする。今回は英国からフランスへ頭を切り替えてホンワカしたものを描く。そうこうしながらも、ライブのためにギターにも頭を切り替えねばならないわけで、また同時進行をいろいろやっていると、以前のようなテンションの高さには今はないので、具合が悪くなってしまうんじゃないか?という恐怖が少しあり、とにかくいっぺんにすべてを解決しようと考えないように、グズグズとちょっとづつやることにしている。でも、本当はそうゆうのが嫌いなんだ・・・・ああ、本当に嫌いだなあ。ガガーンといっぺんにすべてを同時進行し、ダイナミックにやることでクラクラとトランス状態に持って行くのが好きなのだ。でも、ずっとそれをつづけていると頭がおかしくなることがわかったので、我慢することにしたのだ。回りにも迷惑がかからないから、その方がいいのだ。

 一番良いのは、料理をすることで、料理というのはガガガとやっても、やはりおいしくないということが嫌っていうほどわかり、何かまた突っ走りそうになったら、料理をすることにしたのだ。ゆっくりちゃんと料理をすると(というほどやってないけど、最近マシな状態)、頭がとっても休まっていることがわかった。とりあえずはサラダもただの冷たい葉っぱだけにはしないで、茹でる、ということをできるだけするようにする。温野菜は身体にも勿論いいし、一手間かけるということが、心身共に充実感を与えるということがわかった。
 最近気に入っているスプレッドはジンジャー&レモン味のクリームチーズで、これがフランスパンに合っている。そして、最近よく雑貨屋で売られているスプレッド用ナイフも気に入っている。バターナイフやジャムに使うナイフですが、使っている最中、置く場所に困る。ベタッとお皿やクロスにつくのも嫌だし、パンくずなどがつくのも嫌なので、この自立型のは良いアイディアだなあ、と思うのであります。色は6種類くらいあったかな?わたしのは赤とベージュです。料理ついでに奥にあった大きめの鍋を2つ捨てた。とたんに豚汁に使うほどよい鍋がないことに気づき、仕方無くマツキヨがどこかから手にいれてきた魔法のランプみたいな銅鍋を使った。全然似合ってないけど、おいしかった。鍋を見るとどうしても和風の豚汁と思えない・・・というのがおかしい。

 サッカー、フロンターレファンのマツキヨ&K太郎が、ホームの等々力競技場に行ったので、最寄り駅「武蔵小杉』にあるパン屋「Saison des Pain」で天然酵母パン数種類を買って来てもらった。粉の味、油の味がわかる。キチンとできたパンであります。是非お試しを〜
これをつまみながら、赤ワイン。Oui,セ、ヴォン!

●LINK増えました。プロフィールに予定を追加しました。
 休みながら、サイトの整理を少しづつ進めております。きょうはリンクをいくつか増やしました。
食べ物話が最近多いので、「月光茶房」。二人展をした「表参道画廊」。帽子を作ってもらった「かとうひろみ」さんのブログ。絵を描かせてもらった「nu」。Bronze & Willowを置かせてもらっている本屋「ポポタム」。「詩と思想」を出している出版社。です。LINKのページでドーゾ〜

 それからプロフィールも新たな予定を追加しました。12/13日、円盤ライブ。12/14日、伊勢丹府中店の企画展の中で塩ビによる版画のワークショップをやる予定です。続けざまですが、ブッ倒れないように栄養つく料理しておこ〜と思います。

では、また、あした


 



◆2008年10月24日(fri) 横溝静の言葉に感じる爽快感について

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 局地的局所的大雨に大当たりしながら恵比寿の東京写真美術館へ日本の新進作家展vol.7『on your body』 を見に行った。
 
横溝静さんの作品がある。きょうは、いただいてしまったチケットがあり(チケットがあったから行ったわけじゃないよん)本人のレクチャーがあるというのででかける。横溝さんはとてもすばらしい世界的コンテンポラリー・アーティストだ。ロンドン在住。そして、なんといっても2005年に『英国フード記A to Z』の取材(&探求?)でロンドンへ行った際に、お会いしたのだった。その時は、市場で会って、ブラブラと「ジェリード/イール」で有名だというお店に行き、気持ちの悪い薄緑色のソースのかかったハッキリしない味のうなぎを一緒に食べた。それからおしゃれな今流行のご飯も充実したカフェ(パブのようだけどカフェに近い雰囲気)に行った。そのあとサックス奏者のロル・コックスヒルに電話をかけてもらったりして、たくさんおしゃべりをして観覧車近辺で別れたのでした。パンクというのかノイズミュージックなんぞも好きで、インディーズ話で盛り上がったり、ロンドンでアートをして生きる大変さなど、たくさんの話を聞いて、本当におもしろかった。

  写真やヴィデオの作品が多いとは思うけれど、それが目的というわけではなく、ようするにコンセプチュアル・アートなのだ。数年前にも新宿のギャラリーでヴィデオ作品を見た。説明するのは難しいけれど、ジッとカメラを通して見えている風景も人物も、やはりそれが目的なのではなくて、それと自分との関係性、時間の流れなどを見る、というものが多いように思う。見えているものは自分の存在を確かめるためのヒントなのかもしれない。しかし、その時は、現代アートで感じる無味乾燥な感じにとらわれたことも否定できない。ただ、このドライな感じは嫌いではなくて、なんなんだろうか、と思いつつ、あまり考えないように見た。しかし、彼女自身の言葉を聞いて、その「なんなんだろうか」という気分がサーッとなくなってしまった。
  きょうの2面で見せたヴィデオ作品も前述のようなものであるということをレクチャーで話していた。ピアノを弾く老人は昔ピアニストだった方ばかりだそうで、過去を孕んで今この演奏となる、その佇まいと空気をジンワリと思う。レクチャーは昨晩書いたという原稿を読む、というかたちだったけれど、その内容がとても心地よく聞こえた。それは、あとから思い出したのだけど、彼女もわたしと同じ4年生普通大学の哲学科に行っていたという経歴があり、そうゆうところで学ぶ哲学の中でも、自分にとって興味のあるものの指向生が同じ向きを向いているな・・・だから、選んでいる言葉が似ているな・・・と感じるわけです。結局4年間何をやっていたのか、と問われたら、人間にとって大事なことは、自分が何故ここにいるのか?ということを真摯な気持ちで考えて生きて行くこと、そして、そうすることによって、絶望的なものを感じるとしても、それを受け入れることで、未来を能動的に受け入れることができるだろう、ということがわかった、と答えると思う。(実践はなかなかできないけどね)
 横溝さんもそう答えるかどうかはわからない。それでも、やはり、真面目に自分と他者との関わりを見つめることに取り組む態度というのは表現の仕方は違ってもよくわかるのだ。質問した男性が言っていたように、エモーショナルなものは感じない。あえて排除しているといっても良い。それも、わたしにとってはとても小気味が良い。そういったコンセプトを「発表する」という行為に対しても、しっかりとしたコンセプト内の問題として考えていて、ヒトに見せることでの関係性、そして、さらに、売り物として発表されている場合に生まれる他者との関係性についても語っていた。アートというのが売られていく時に生む、ナニカ、見えないメンタルな繋がり・・・について、ベタッとした言葉ではなくて、理論的に聞いた気がして、とても心地よかった。共通する言葉が垣間見える気持ち良さだったのだと思う。
 
今回のヴィデオ作品は5年前のヴェネチアヴィエンナーレで評価を得た作品だそうです。そして、彼女はこの作品について、「作った時の気持ち」から5年たって、やっと自分の中で自分がこれを作ろうとした動機を昇華することができた。と語っていた。作品というのは、できたてホヤホヤの時には、そのパッションによっての魅力がある。でも、作者自身の中では、それはひとつのとっかかりに過ぎず、作る前、作っている最中、そして作った後においても、ズルズルと引きずっていき、解釈していくものなのだ。「今わたしはこれを作らねばらならない!」というパッションがある。それが何によって突き動かされるものなのか、作っている時には実はあまりわかっていないものなのだ。
ああ、やっぱり横溝さんもそうなんだな、5年かかって完成したと感じているのだな、よくわかるな、その感じ、と思った。

  先日までのわたしの二人展での作品について、多分わたしが本当に理解できるようになるのは、今ではなくって、数年後なのだろう、と思うのだ。今回のような、「目の前に見えたものを描こう」と、意味もなく描いたものは、だから勿論今は意味がないのだ。わたしにとって、これが意味を持つようになるのは、もっと先の話なのだ。ということを、キチンとした言葉でもって横溝さんから聞いたような気分で、彼女を通してわたしは自分のやっていることを説明できた、というなんとも不思議な爽快感をきょうは感じてしまったのだった。

 家に帰る途中、違和感を感じてブーツを見たら、大雨のせいで靴底が半分剥がれていた。なんてことだ!でも、ブーツより価値のある話を聞いたのだから、善しとしよう。

また、あした


 


◆最近のインフォメーション

『詩と思想』9月号<特集/ロックンロールの詩学>
 「ゼリーの中の個人的創作風景」というエッセイを書いています。
 購入先は、書店、通販、または土曜美術社出版販売(株)http://www5.vc-net.ne.jp/ ̄doyobi/
 または、立ち読み。
          ◆全文MUSICページに載せました。◆

FM豊橋『STEP ACROSS THE BORDER」(牛田牛蔵さんの番組)で、4月に3週にわたって放送された『松本里美 Bronze &  Willow特集」の全放送(3回分/1時間チョット)を短めにまとめてUPしました。MUSICページにUPしましたので、そちら
  からお聞きください〜
 ココです。
 しばらくはUPしておきますので、聞いてくださいね。

ラジオ放送とエッセイ、両方合わせると、『Bronze & Willow』が見えてくる。

●10月6日〜11日、表参道画廊で『画廊選抜二人展』

◆2008年10月23日(thu) 七つぼくろコロッケ

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 工房の友人3人と一緒に目黒から表参道、個展巡りをする。どれもよかった、充実の個展めぐりでした。

 目黒では、ヤマダナオスケくんの銅版画。犬ばっかり描いていたのは今は昔の話で、今も犬はところどころにいたけれど、アメリカのシカゴあたりで(ただのわたしの妄想)起こるヒッチコックサスペンスのような世界がスマートに描かれてました。おもわせぶりなシチュエーションが、想像を膨らませてくれておもしろかったな。
 表参道の骨董通りにある「ビリケンギャラリー」ではむらいゆうこさんの個展。岩絵の具をつかった大正ロウマンのような世界観がいいのだ。澁澤、赤色エレジー、ドグラマグラが入ってる感じ・・・。でも、そんなに暗いわけでもなくて、とにかく彼女の世界観は密で好きです。特に青が発色がよくてハッとさせられるのだけど、話していて、やはりそれは、天然石を砕いたものが使われているからなのだ、ということで納得する。目黒美術館で「青の展覧会」を見た時、鉱物がドカンドカンと置かれていて楽しかった。岩絵の具は宝石と変わらないなあ。
 ビリケンギャラリーといえば、たまにおもしろそうなイベント等でネットでヒットするので、前から行きたかったところだった。先日、ファンファーレ・チョカリーアのクアトロのライブに行った時、出口でスズキコージさんがDMを直接くばっていて、そこにもビリケンでの展示のことが載っていたので、ネットで見たばかりだった。絵本もおもちゃもそそられるものが多い。ネットで見ていた「小屋」の写真集も実物が見られてよかったわい。
  そこで、かかっていた曲がピアノの現代音楽のようなもので良かったので、店員さんに聞いてみると、なんと、円盤でも売っている、ほら、あの人・・・タイのアニメーターの人・・・のものでした。前に、nestのライブを見た時にも(その時にはボクシングのアニメーションを流していて、生で音をつけていた)、ちょっといいなと思っていたのでした。2回も「あ、いいな」と思ってしまったわたしは、きっとこの人が好きなのだろうと思うので、今度円盤に行ったら、必ず購入しよう、と心に決めたのでした。
 
そこから靴の展示を見にいって、ブラブラと4人でしゃべりながら工房そばのパニーニ屋でランチにする。
なぜかきょうはNHK の朝ドラの話で盛り上がるのでした。中心はわたしとAちゃんだったけど・・・・。今の「だんだん」はツッコミどころ満載で、止まらなくなってしまったのだった。双子は好きだが・・・これは・・・・。ミステリアスなはずの双子が・・・全然違うんでどうもこうも・・。驚きの時の表情がどうも・・・こうも。あ、もういいです。
  おかあさん(鈴木砂羽さん)の首の7つのほくろのこととか、栄作の最近についてや、あのストリートライブはいかがなもんじゃい、選曲はなんとかならんのか、とか、いろいろいろいろだろうが・・・。でも、さんざんっぱら話しているうちに、もう見ずにいられない状態になってしまったので、あしたも見ることにします。
 松江の宍道湖が舞台で、吉田エーサクはしじみ漁師だけど、今朝はエビを採っていた。松江といえば竹内まりあってことで、主題歌。あとは出雲大社も双子の出会いの場面で出て来たなあ。神と人間の間のような場所。いつか行ってみたい。しじみは好きだ。肝臓にもいいから、できるだけ食べるようにしているけれど、エーサクが採っているのはアサリくらい大きいので、あれで7つほくろの色っぽいおかあさんがつくるしじみコロッケはおいしそうだ。あのドラマを見ている人の50人くらいは作ってると思う。わたしも作ってみたいと思ったし・・・・
 あ、表参道でピーコ目撃。ミステリアスな双子。きのうはオリラジとハリセンボンも目撃。原宿って芸ノー人だらけだなあ。

 という具合で、このドラマの話が、そのあとの工房でもつづいてしまい、ノンストップになってしまった。二人展が終わって緩んでしまってイカンね、ゴメンネ。別に好きでもないのに、つい考えてしまうほど、話に違和感がアリアリなのであります。でも、別にそれでいいんだけどね。あしたは老人ホームで「しじみ汁」がライブをする。な〜んか、展開が見えてしまってるんだけど、でも怖いもの見たさで見るのです。

 島根といえば、昨年に島根の益田市にある素敵なギャラリー「草花舎」で個展をさせてもらった。2回目もやりましょう〜、海まですぐだから、泳げる頃に〜などと話していたのだけど、忙しさと体調不良によりズルズルになってしまって残念。ギャラリー、海、出雲大社、宍道湖〜〜〜なルートで行ってみたいな。蕎麦としじみ汁は食べようって、ことで。

また、あした


 


◆2008年10月21日(tue) ボンジュ〜ル

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 二日前、この『R月』初の牡蠣を食す。勿論生で。
レモンだけでもいいけど、折角なので「塩ぽんず」をかける。塩ぽんずはあれからいろんなところで数種類発見。意外とポピュラーなようですね。どこの特産というわけでもなさそうで、倉敷だったり金沢だったりラジバンダリだった(しつっこい)。

 食べ物がおいしい季節に食べ物関係のお仕事をいただいた。しかも、わたしの大好きな天然酵母ガッシリ実直パンで、さらにすばらしいことに担当者が「おふらんす」人だった。シェ〜
 直接はお会いしてないが、ムッシューの趣味を漏れ聞くところによると、わたしの抱いている田舎風またはビストロ風の雰囲気を漂わせているようで、最近のわたしのテンションにピタリンコとあっていたため、ヒジョ〜に嬉しかったのでした。おふらんすというと、どうしてもイヤミか財津一郎になってしまう、お年頃ザンス。しばらくは頭の中をフレンチにするザンス。
 さきほど、テレビを見ていたら、髭男爵が貴族料理と称して「七面鳥の赤ワイン煮」を作っていた。これは見るからに酷かった。なぜなら生のまま鍋に入れて赤ワイン(1本4万もするのを3本!)を注いで煮ていたからで、これは最初にこんがり焼いてからじゃなきゃ、美味しくないのだ。んもォ〜〜〜、もったいない。七面鳥は、最近は普通にスーパーでも手に入る。そんなに高級でもない。美味しいのはやっぱりニワトリだと思う。

 工房で、わたしのクラクラ&病院顛末話をしたら、極端すぎる、と言われる。死ぬか生きるかしかわたしにはないのだった。でも、本当はそうでもないわけで(当たり前)、そう簡単に死なないし、拘束衣を着せられて閉じ込められるわけもないし、ロボトミーにあうわけでもない。あまりにも変態映画や小説に触れているため、ちょっとしたことでそうゆう運命に押し流されるのではないか??と震えてしまうわけでして・・・・棺桶の中には鈴や太鼓を入れて欲しいとか(生きてるぞ〜!と知らせるため)、なんだかんだと追いつめられることばかり考えて病院の前ではやくも卒倒しそうになってしまうのであります。
 きょうは数人しかいなかったけれど、どの人もなにかしら身体に対しては不安なところがあり、どの人もちゃんと対処しているので、感心してしまった。わたしはこの機にマンモグラフィもしようと思っているが、あれは胸のない人には相当痛いらしい。「誰も騒がないの?」と聞くと、痛すぎて声も出ないらしい。「子ども生むよりマシだから大丈夫」と言われたが、子どもを生む時にわたしは「もう死にたいです」と言ったような人間なので、マンモ〜でもあらぬことを言い兼ねず、いろいろ想像すると大変なイベントになってしまいそうで恥ずかしい。何事もなくおわりますように。
 いろいろアドバイスをいただく。ありがたや。

 食べ物の仕事はたのしいが、食べ物は最近は怖いことばかり。昔駄菓子屋の怪しいものを食べていた世代が今身体にきている、と誰かが言って、それならわたしは関係ないな、と思う。駄菓子屋が好きじゃなかったので、子どものころは色変わり玉というキャンディ以外は口にしてないのだ。駄菓子屋の猥雑な雰囲気が生意気にも性に合わず。どれを見ても食べ物に見えなかったし、エプロンのおばちゃんも水木しげるチックだったので怖くて駄目だった。エプロンが黒ずんでいた。ちょうどわたしの顔の位置にエプロンがあり、生々しくて近寄れなかった。今は好きなゼリーが特に毒々しくて嫌だった。この頃のは確かに怪しい着色料とかチクロとか使いまくりだったのだと思うけれど、現在の駄菓子屋は特にそうゆうことに気をつけていると何かで聞いた。ウチの子どもは気がつくとそうゆうモンを袋から出してペチャペチャしているので、キモチ悪い。この駄菓子屋のものが実は安心できるものだというのは驚きだったけど、わたしの作るペペロンチーノより美味しい、といって子どもが もっと好きなサイゼリヤのピザが危なかったというのにはゾッとなってしまった。イタリアンじゃないんか〜〜い、チャイニーズピザか〜〜い!ボンジュ〜〜ル!


 


◆2008年10月20日(mon) ビストロ料理

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 病院に行ってきました。しかも3軒。ど〜だい、凄いだろう〜。ひとつ目は近所の内科で、区民検診がてら最近のクラクラ具合について相談する。感じの良い院長で、わたしの生活から考えられる要因について説明してくれる。脳に異常がなければ、多分血圧が低い(4月ころは普通だったが、きょう計ったら相当低かった)のが原因だろう、自律神経の具合も血圧も運動することでだいたい治るから、云々。しかし、脳の異常の場合もあるので、調べた方がよい、との助言のもとに、もう少し離れた総合病院にその足で行き、「MRIを撮ってくれ」と唐突に言ったところ、「紹介状は?」ほか、意地悪い物言いをされ、挫折。さっきのところで貰えばよかった・・・・、とって返す気にもなれなず(人生振り返らない)、もう少し歩いてもっと大きめの総合病院に行き、直結、脳外科へ行く。脳外科の医者は、「クラクラするんですけど〜、MRI撮ってください」と言うと、フッと鼻で笑うのだった。なんだかんだ話してから結局はMRIを撮る話に至るんである。だから直結「撮ってくれ」と言ったまでだ。でも、そうはいかないのね。予約して終了。目も問題なさそうだった。
 頑強なためほとんど病院に行かないわたしは、同時に妄想癖なため、いざ具合が悪くなると「もうこれで最後かもしれない」と極端な方向へいってしまうため、「もうこの風景も見れないのね」「あ、バイバイじゃなくてさようなら〜って言ってわかれとこう」「お礼も今のうちに言っておこう」などと、明日死んでもいいように心がけたりするのだった。こんな話をするのも、病院に早く行け!と言ってくれる人が何人もいたからで、申し訳ない&ありがたい、何も問題がなければそれで良いしね、ということで、報告まで。
それにしても、フッと鼻で笑われてしまった医者に、変なモンが見える、とか・・・そこまではやっぱり言えないよねえ。で、言わなかった。その場合、脳じゃない科に連れていかれるかもしれない、と思うわけで、やめてしまった。


『コック・オ/ヴァン』『じゃがいものガレット』『アンディーブとビーツのサラダ』ほか
モッツアレラとトマトはイタリアンだけど。

 きょうはマツキヨの誕生日だったので、料理をすることにした。最近なにかとビストロの話題があり、フレンチにしようと思った。赤ワインがたくさんあるので、『コック・オ・ヴァン』。それとあまり使わないけどフレンチによく出てくる野菜を使おう、と思って『アンディーブのビーツのサラダ』『ルバーヴのパイ』を作ろう!と思ったが、ルバーヴの缶詰が見つからず、パイは挫折。もう少し遠くのスーパーにあるのは知っているが、3つ病院行ったあとではカッタルくて行けなかった。ほかはなんとかすべて調達できた。

『コック・オ・ヴァン』は、鶏の赤ワイン煮(直訳ですね)で、フレンチといっても田舎のポピュラーな料理で、簡単です。きょうは鶏の骨つきモモ肉の良いのがあったのでそれを使う。きのこも今たくさん出ているので、一緒に煮た。
『アンディーブとビーツのサラダ』。アンディーブは、母がよくパーティの時に「カッコがつくから」といって使っていた。なので、わたしも真似をする。カッコがつくから。母はチコリと言っていた。どっちも同じ。ビーツはおいしいと思わないけど、子どもが食べるかと思って作ってみた。といっても缶詰のものなので、なんとも・・・残った分はシチューに入れてしまえ。オリーブオイルとヴィネガーで、と思ったが、やはり子どもはウヘッと言った。かろうじてマヨネーズをつけたら食べられたようだ。
『じゃがいものガレット」 と言えばおしゃれな感じだけど、千切りにしたじゃがいもに溶かしバターと塩とパセリをくわえて混ぜて、フライパンでジュージュー両面焦げ目をつけて焼いただけのもの。これもビストロ風で良いかと思う。
これと、モッツアレラやアボカドが冷蔵庫にあったのでサラダとする。あとはシェ・リュイのバゲット。駅ビルにできたのでたまに買うけど、昔からあるサンジェルマンでも十分わたしは満足。品川駅内にPAULも出来たので、ここでもバゲットをたまに買うけど、どうも「絶対コレ!」というほどに感じない。表参道駅の改札のそばにあるパン屋は高いけどちょっとおいしいと思った。むか〜〜しパリで食べた味がした。

結局デザートは駅ビルに新しくできたケーキ屋で、マロンのロールケーキにした。最近ロールケーキは流行だな。高級ハンバーガーと共に。

 最近のわたしの中のビストロブームは、パリィ〜なものへのブームでもあり、あらあら英国ブームはどうなったんかい?という感じですが、そうゆうわけではなく。今も昔も、英国はその伝統とパンクとパラノイアが好きなのでした。でも、生活に関しては、パリィな雰囲気の方が女子としては気分は良く、ビストロやカフェに行くと、やはり居酒屋よりもずっと居心地が良い。フレンチに限らず、何の創意工夫もないものがわたしは好きで、昔ながらの伝統のままが好きだ。英国本の時にも思ったけど、そうゆうものは本当におもしろい。バブルの頃に流行ったヌーヴェル・キュイジーヌは嫌だった。また、和食器でそうゆうものを食べるのも好きじゃなかったし、お箸でフレンチを食べるのも好きじゃない。コテコテにそのままの方が好きだ。
というわけで、フレンチな料理の日は勿論気持ちもフレンチだった。きょうはそんなわたしにフレンチ関係の仕事で電話があり、気持ちがフレンチになっていた買い物途中だったので、Oui Oui、まかしといてぇ〜、と思うのでした。

 きょう、久しぶりに男の料理みたいなことをしようと思ったのには訳がある。週末ずっと家で寝たり起きたりして休みながら、過去の日記の1999年から2001年の分を削除する作業をしていたのです。写真の量が多いので、たくさん消している内に、その頃のキャンプでの料理が異常なほど充実したフレンチであったのを再確認。うわ〜、暇だったんだなあ、ガトーショコラまで作ってるよー、と我ながらビックリしてしまった。家では普通のことしかしない。外でだとハリキル、という男料理だった。もっと料理したい〜、と思ったのでありました。
  このあたりの日記はとても平和な感じで、懐かしくなってしまった。持っているものの中の気に入ってるギターやカップなどの写真もたくさんあった。その中にあったエスプレッソマシーンがついているコーヒーメーカーがついにきのう壊れた。こんなにエスプレッソが流行る前のもので、随分長持ちした。今度はどんなのにしようか、物色するのも楽しい。



◆2008年10月17日(fri) クエイ、ミレイのちファンファーレ・チョカリーア

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 おとといのつづき。ジャン・パンルヴェのおとうさんは数学者と、おととい書いたけど、見てきたSくんの話だと、この方大統領にもなっていたのだった!フランスの大統領の記憶は、ドゴールからしかわたしには無いので、全然知らなかった。で、お金に全然こまらなかったため、自分の思う通りの科学映画を撮り続けていたのだそうな。ドキュメンタリーといっても遊びがかなりたくさんあり、そうゆうおおらかさというが、お坊ちゃんお嬢ちゃんにはあると思う。
 きのう工房でもたまたまお金持ちのアーティストの話になり、思わず「ハッキリ言って、大金持ちの子に生まれたかった!」と口走ってしまった。

 ハングリーじゃなくてもいい。


SATOMI in Jelly

 ハングリーじゃなくてもいいけれど、何か満たされないものがあることが、創作に強く影響を与えることは確かだと思う。しかし、二人展に来てくれた写真家の本田晋一氏に言わせると、そんなこんなによる悩みなんちゅーのはアーティストの悩みであって、とにかく仕事しなくちゃならない自分にとっては、そんな悩みなどはないね、ただ、撮るのだ!とピカァ〜〜ッと発言するのでした。

それはそうだ。わたしだって、仕事になったら何も悩まないすよ。とにかく目的に向かってやるだけだからねー。
 本田さんがブログに会場での写真を載せてくれてました。本田さんは「Bronze & Willow』の表紙や、中扉にあるJELLYの中のわたしとギターの写真を撮ってくれている人です。それから、「詩と思想」の表紙に使われているわたしのオブジェの写真も撮ってくれた。これが、「Bronze & Willow』の中に入ってる写真。
わたしと、わたしのギターと、わたしが作ったJELLYの写真を融合させています。
さんざん、出来上がり写真の雰囲気の説明をしたのだけど、本田さんは言ってることをすぐに
理解してくるので、何の問題もなくこんな風にわたしの理想の形を作ってくれました。

 これが昨年の8月の写真で、今はこの時よりも4キログラムは体重が減っているんですよ。不規則な生活習慣あらため、居酒屋のようなところに一切行かないので、ようやく以前の体重に戻った。ベストはあと2キロ減。でも、希望の箇所がうまく痩せる可能性は低いので、特にどうでもよい。


パリよりパリィ〜なビストロ

カルチェ・ラ・タン風のブラッセリー。
ゴダールの映画風で好き。また行こうっと。
石井氏が持っているDMはナネット林陽子嬢個展の案内。
詳しいお知らせはサイトで。

どちらの店もわたしの好み。ブラッセリーではポットコーヒーで3杯。2時間以上いたと思う。飲み過ぎてコーヒーが嫌いになりそうだ・・・・

 きのう、渋谷イメージフォーラムにて、石井氏とブラザーズ・クエイの旧作3本を見る。まずアダム・クーパーが踊るものが2作で、1作目は女の人と踊る「デュエット」2作目は数名人物が登場する「サンドマン」。最後はクエイ独特の暗い中ボンヤリと棺桶の中の人形がうごめく「Song for dead children」。木で粗く削って作られた人形の身体の中。この雰囲気はシュバンクマイエルの解剖学と通じるものがあるのだけど、クエイ兄弟のものは、耽美的であり、シュバンクマイエルのものはドライでシュールだ。どちらもそそられる。音楽がアカペラと打楽器で、この打楽器の使い方が彼ら(双子)は独特だと思う。金属的な響きだ。2作目はおもしろかった。おもしろかった、と言っても、ほとんど変態映像で、人形(ダンサーなんだけど)とラブラブな死神みたいのが出てくる。この死神みたいのが、ベッドで瀕死の状態の老人の目をくりぬき命を奪うシーンが驚愕かつ興奮。画面の右端からマントを翻しドドドとベッドの上を走り一気に手を老人の目に(ハッキリとは映し出されてはいないが、顔にシーツをかけると、そこから血が滲んでくるのでわかるのだ)グリッと差し込む。この恐怖とダイナミックさ。ほかの動きがゆるやかなだけに、ゾゾゾとなるのだ。このデカダン。これを鵜呑みにしてはいけないゾ、若者、とわたしは思うのであります。これは現実ではないのだから。現実にしてしまっては美しくはないゾ。朝11時からの映画としては、ソーヘヴィーであります。このあとのプログラムは見たことのあるものが半分あったのでやめて、近くのパリよりもパリらしいビストロでランチとする。ビストロは量がタップリで腹がたたなくて良い。元気だったらグラスワインもたのむところだけど、普通にコーヒー。豚肉。その下にサツマイモがあって、おいしかった。店内はロートレック趣味で、女子っぽい。このあたりはいい店が並んでいて、イメージフォーラムは会員になったのでこれからも楽しめるな〜。会員になると1000円で見られる。わたしの映画変態趣味はここで結構満たされることが多いので、無駄にはならない予定だ。

 次の目的地はBunkamuraのミレイ展。かの有名な「オフィーリア」の画家ですね。子どもの頃家にあった画集で見た時は、このシェイクスピアのお話は、本当のお話なんだろうか?とアホな子どもだったので、そのリアルさに頭がクルクルパア〜になってしまったものだった。
  英国の画家は概してわたしには気味が悪いものが多い。写実的、細かい、かと思うとぼんやりした風景・・・・偏執狂的な感じがするので、とてもおもしろいのだけど、やっぱり好きとは言いがたい。先日MUSICページにUPしたエッセイにも書いたけれど、英国のロックバンドが大げさな物語をアルバムにするように、英国には(初めて知ったけど)物語のワンシーンを丹念に写実的に描くというジャンルがあったのだそうで、それがもう動きだすかのようなリアルさなのが不気味なほどなのだった。Bunkamuraのミュージアムショップをブラブラ。前から思ってたんだけど、バナナマンの日村はオスカー・ワイルドに似ている。ワイルドも好きだし日村も好きだし・・・・きのうは変態なモンばかりを見てしまったが、わたし自身は変態ではない。
 音声解説を使用してる人が多くて、解説のある絵の前が混雑していて疲れた。目が悪くなってるから解説もよく見えないし、暗いし(これは仕方ないけど)目が疲れてしまった。大きな絵が多かったので、後ろからみてもよかったので、まだしも。

 疲れたのと、次の予定までに時間がたっぷりあったのでお茶。わたしもこんなにゆっくりと過ごしたのは久しぶりだったけど、石井氏もそうだったようで、ゆっくりと打ち合わせがてら。まだわたしの担当部分は始まってないのだけれど、石井氏は1月ころ出る本と4月ころでる本のために毎日恐ろしい状態らしい。身体にはくれぐれも気をつけて・・って言っても、どうしようもないんだな、コレが。やらねばならないんだから。わたしも、今後の予定を考えるとソラ恐ろしい。楽しいお仕事がいくつかあるのだけど、どうしてこんなにも重なってしまうのだろう・・・・何もない時にはマ〜〜〜ッタク無いのにな。それに、わたしはゆっくりするハズだったんだよ。なのに、やっぱりそうはいかないのかなあ。疲れた。いや、でも、やるけどサ。

 その後、わたしは夜クアトロでSくんとルーマニアのブラスバンド、ファンファーレ・チョカリーアのライブ。石井嬢は別のライブに行くことに。わたしは風邪気味&クラクラ気味の上に朝からヘヴィーな映画やら絵画を見てしまって、スッカリ疲弊してしもて、ブラッセリーでそのままそのあとも1時間以上休む。隣の業界人の話をジックリ聞いていたら時間は過ぎた。人間がメロディを口ずさむようになった起源について・・・・とかで、おもしろかったけれど、またまた頭が疲れた。少しノートに絵を描いた。


大好き!ファンファーレ・チョカリーア。そして怪しい魅力のクイーンハリシュ。

終わってからも練り歩いて演奏するのだった。

 クアトロはSくんのおかげで早目の番号で入れたので、朦朧としながら数少ない椅子に座りことができた。だんだん具合が悪くなってきたので、始まるまで約1時間ウーロン茶を飲んで休む。イザという時のためにトイレとかいろいろ確認。その内にSくんも来て、パンルヴェの話なんぞして笑う。というのも、パンルヴェの海洋映画が、あまりにも人工的なきれいさなので、もしかして水槽なんじゃないのか?潜ってるんじゃないんじゃないのか?お金持ちだから、水族館が家にあったんじゃないのか?なんてことで。ただ、タコは知能も高く、飼育するのはむずかしいと何かで読んだので、どうなのかなあ??なんて。ウニも飼っていたらおもしろいな。

 いよいよライブが始まる。今回は前にやっぱりSくんと見に行った(こんなんバッカリ。でも楽しい。また誘ってね〜)「ジプシー・キャラバン」に出ていたインドの驚異のダンサーが一緒にツアーをしていて、それも見たいと思っていたのでした。あの映画では、期待してなかったインドもんやらスペインもんが、やっぱし感動的だったわけで、長くつづいている伝統音楽や舞踏というものは、やはりすばらしいもんだということを思い知ったのでした。このダンサーは男なんだけど、女。一緒にゲストで出ていた女のベリーダンサーよりも色っぽい。ベリーダンスの方は、リズムに合わせて踊ってるだけ(失礼だけど)の感じで、わたしは全然おもしろくなかった。インドのこのダンサークイーン・ハリシュは伝統的な動きとこの人独特の膝でクルクルするダンス(クアトロでは人が多くてわたしのところからは見えなかったけど)と、ジッと動かない時にも目だけで観客を魅了する。これがもう鳥肌モンで、観客もそれをやられるたびにウオ〜〜ッとなるのでした。インドのダンスは奥が深いのねえ。
 勿論ファンファーレ・チョカリーアは最高でした!!
 前回よりもヴォーカルのシャレものおじさんの出番が少なかったのは残念でしたが、得意の「ルマニ、ルマニ」は歌ってくれたのでよかった。最初にチューバとアルトホルン4本だけでアンダーグラウンドの曲が演奏されて、惚れ惚れしてしまいました。クストリッツア映画からの「ブバマラ」などおなじみの曲がやはり一番好きだ。先日見たノー・スモーキング・オーケストラとは同じ曲でも違う土臭いドライな感じがイイ〜〜〜んですっ!
ブッパブッパに感情移入なんてない。とわたしは思ってる。それでいいし。そして、やはり高速でつっぱしるトランペットの演奏やもうひとりのヴォーカルのおじさんのまさに「ヒバリ(チョカリーア)」な歌い方に、途中から朦朧としていた気分もすっかり晴れて、結局わたしはずっと椅子から立ち上がって最後まで見てしまいました。アンコールが終わったあとは、タラフの時もそうだったけど、客の間を練り歩きながら演奏。ロビーまで出てずっと演奏。わたしたちもついていって、しっかり横で並んで聞きました。
 会場は超満員で、熱気に満ち、みんな笑顔で楽しかった。シャキンと具合が良くなった途端お腹がすいてしまった。台湾料理屋で味気ない台湾ビールと、海洋モンついでに海鮮もんを食す。

 一日濃厚なモンばかり見てしまった。 そういえば、クアトロの出口でスズキコージからDMを貰った。こうゆうのがお好きなんだね。新宿のアート・コンプレックスでワークショップやライブがある。12/13は原さん、12/24は荒井良二がライブとなっている。13日はわたしもライブだ。でもって、次の日は版画のワークショップをすることになり、そのほかイラストの仕事と、来年の4月末の伊東屋個展の準備もあり、今年も結局年末まで忙しいことになってしまった。できるだけ何もない時は(という時がないので困っている)寝たい・・・。

 なんてことで、きょうは午後夕寝した。

では、またね〜



◆2008年10月14日(tue) パンルヴェ&ヨ・ラ・テンゴ/ルーファス&ジュディ

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 まったくもって最悪だ。何がって、体力がメッキリ衰えていて、二人展のあと風邪と貧血で家から動けなかった。本当はクエイ兄弟の旧作の上映を前から愉しみにしていたので、それに行くつもりだった連休だったのサ。こんなのとかアンなのとかよく一緒にでかけるSくんが、ついでにきのうアテネ.フランスでやっていたジャン・パンルヴェの海洋ドキュメントフィルムを誘ってくれていたのだけど、まったく動けなかった。お見舞いに送ってくれたyoutubeの映像を見て、ああ、やっぱり行きたかった〜と悔しいですっ!!
動けなかったので、随分youtube見てしまった 。

 しかし、クエイ兄弟の上映はまだギリギリ間に合うので、行けることになった。新作(テリー・ギリアムがプロデュースした)は18日からだ。
たくさん上映される中、わたしが見たいのは、ダンサーのアダム・クーパーが出るもの。双子のクエイ兄弟の作品は、本当は人形をつかったアニメーションが一番好きなのだけど、やはり、見てみたいのだ、いろんなものを。また、クエイ兄弟のものは映像だけではなく、音楽もズシンと来る荘厳かつ硬質なものが多く、好きです。見てないものすべて見たい。でも体力的経済的に無理かも。
 デカダンというのは、わたしはとっても好きなのですが、だからといって自分がそうなわけではなく、デカダンものを楽しく見るのが好きなのだ。そのまま嵌ってしまう人は、あまり友達にならなくてもいいな・・・。でも、好きなの。

 パンルヴェのタツノオトシゴの映像は、どこかでチラと見た記憶がある。優雅でおかしな海の生物が音楽にのって美しく表れる。ドキュメントといっても学術的なわけではなくて、ショートストーリーのように見える。コウモリの出てくる『ヴァンパイヤ』では、人間のヴァンパイヤも出てくる。そんな感じ。あとで調べたら、お父さんは有名は数学者なんですねえ。楽しいなあ。そのパンルヴェの映像にヨ・ラ・テンゴが音楽をつけている。数年前来日した時見に行けばよかった。このコラボというのをラフォーレでやったらしいんですよねえ。ああ、もう、残念。しかもDVDは出てるけど、在庫ギレとかばっかりだった。

 残念だったものとして、ルーファス・ウエインライトのライブにも行き損ねた。きのうはそんなわけでまた映像を捜してしまい、そして見てしまった。口紅を塗ったルーファスくんは、「GET HAPPY」を、ジュディ・ガーランドと同じ衣装で歌って踊っていた。見たかったなあ。ジュディ・ガーランドはライザ・ミネリのおかあさんだけど、わたしとしてはもっともっと古い、フレッド・アステアとジーン・ケリーとミッキー・ルーニーのお相手として見ていて、わたしとしては、清純派であまり魅力的じゃないので好きにはなれなかったけれど、やはりハリウッドの一時代を築いた天才だったと思う。どう誰ががんばっても、彼女以上の「虹の彼方に」はないだろうと思う。
 アイドルなのだ。和田誠や淀川さんのアイドルだった。和田誠が描いた「GET HAPPY」を歌うジュディ・ガーランドのイラストが、何故かとても印象的で、焼き付いている。そのまんまの恰好のルーファスくんは、キモイという感じでもなくて、なんちゅーか、娘のライザ・ミネリが「キャバレー」で歌う時の、あのデカダンな感じが漂っていた。わたしはそうゆうのが好きなのだ。

 ちなみに話題になっていたルーファスくんのジュディ・ガーランドのカバーアルバムも聞いてませ〜〜ん!

では〜〜



◆2008年10月13日(mon) エッセイ載せました。

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 二人展が終わりました。楽しくないことが多いなか、反動なのかなんなのか版画がドンドン楽しくなる。
そちらの方は、ギャラリーページに少しづつUPして行きたいと思います。11日に搬出して、きのうはクラクラしてしまったので、きょうは予定していたクエイ兄弟の上映会にも行きそびれてしまった。座っていれば大丈夫だったので、動かないようにしてパソコン作業をする。ギャラリーページの枠組みをやり直してほとんど終わってしまった。あとはスキャンまたは写真を撮るのみ。それと、「詩と思想」9月号に書いたわたしのエッセイをMUSICページに載せました。もう、売ってないと思います。通販だとあるかもしれませんね。雑誌と同じように図版は入れてはいませんが、読んでね。今読むと、書いた頃の朦朧具合がわかり、途中息切れしてるなぁ〜、とも思いますが、最近の真実が書かれているとも思っています。

 というのは、今回の二人展において、わたしが一番考えていたのは、抽象のように具象を描くこと、わたしにしか見えないわたしの風景を描く事、そしてそれが、誰にも何か特定の印象を強要しない事(みたいなことを書いている)、などだったからです。そしてこのエッセイを書いている頃に、わたしは同時にそのような版画を描き始めていて、版画と文と自分自身に確かめながらキチンと制作できたことは、驚きでした。危うい気分の中で、そうやって向き合えたことは、嬉しいという気分ではないなあ。何故そんなことができたのだろうか?人間って、悲しいもんだ、と思うわけです。やめようと思えばやめられる。でも、やめないんだから情けない、と思うこともある。
 そんなこんなで、みんな悩んで大きくなった〜〜〜と。版画を制作することが、それほどわたしには楽しくて有意義なことである、ということなのだろうと思います。

では〜〜



◆2008年10月6日(mon 二人展初日

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しばし、忙しいので、展覧会中はUPが簡単なブログに書きます。http://eggdays.exblog.jp/
いちいち面倒ですみません〜、わたしも面倒です・・・・



◆2008年10月5日(sun 新作見てくれ。

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チィちゃんと「表参道画廊」


ヒノクチミワのJOY展「HBギャラリー」
何故か同じようなポーズで看板になっているのだった〜

 きのう、搬入が終わりました。チィちゃんも一緒(何の役にもたたないけど)。自慢じゃないけどチィちゃんはきれいなので、表参道似合いますー

 30点ほど持参して、26点にしぼりました。16点は新作です。5月に企画のお誘いを受けて約4ヶ月半。いろんなものと戦いながらですが、ちょっと今までと雰囲気が違うと思うので、不安な気持ちも半分であります。ただ、とても正直にはできたかな?と思ってます。見に来てくださった方には、忌憚の無いお言葉をいただきたいと思います。

 搬入はマツキヨが荷物をせっせと運んでくれたので、助かった。地下なので大変です。
そうだ!ここは地下なので携帯電話は圏外なのでお気をつけてくださいね!!
何か緊急事態があったら、画廊の電話
03・5775・2469
へお願いします。


 
 マツキヨはオサンドンがあるので、先に帰宅。そのあと一緒にやる前大道さんとモクモクと展示をすすめる。今回は画廊が大きいので、わたしはできるだけ大きめの作品でがんばっておりました。なので、額が重い。額をつけないものもあり、それは、脚立を使って展示しなければならず、上ったり降りたりキツイ。前大道さんの作品はもっと大きいし、額が鉄で作ったカッコイイ自作のもので、これもまたとても重そうでした。でも、男だし、いいよね。わたしは痛切に感じました!もう一人で搬入なんかできない・・・・できると思ったのですが、きょうになって身体がガタガタになっていたので、わかってしまったのでした。もう、イカンです。
 しかし・・、展示はおもしろいと思います。前大道さんの力強い・・というか力づくの勢いのある版画と、わたしのふにゃふにゃしたゼリーの中のカラフルな作品が対照的ですが、よーく見ると、硬派な印象とおかしなところが共通しているようで楽しいです。
 火曜日5時から7時までのプチパーチーにもいらっしゃるようなので、愉しいですねー。エー、パーティですが、ワイン少々、バゲット、サラミ、チーズ、くらいですが、みなさんワイン片手に版画見てくださいね。マジな作品ばかりですので、マジに見てやってください!!
 あ、差し入れ歓迎です〜、手伝いも歓迎ナリ・・・・(弱音)

 昨晩はガタガタの身体だったので即就寝。今朝9時まで寝ました。昼ころ、子どもを連れて原宿へ。子どもがジャンクなシェーキーズに行きたいというので、キディランド鑑賞後行く。ハタチ頃は良く行っていたシェーキーズ。あのポテト、昔はお皿大盛りで食べれたのに、2切れで胸がいっぱいになってしまった。子どももさんざん食べ過ぎてグッタリ。もうこのあと2年は行かないと二人で話す。
 HBギャラリー「ヒノクチミワーJOY』展へ。たくさんのフェイバリットグッズがバーミリオンで並ぶ。
線の美しさ、展示の美しさ、それと、モチーフを選ぶセンスの良さがいいのだ。鮭をくわえた木彫りの熊も、ヒノちゃんが描くと、ポップで愛らしい。しばし、おバカ話とともに鑑賞しておいとまする。子どもは「考える人」が気に入っていた。タイトルは「The Thinker」。

 何故か足が筋肉痛なので、家でゆっくりする。
そういえば、出掛ける途中に学校関係のおかあさんに会った。「松本さん、新潟に引っ越しするんですって?」と言うので、「エエ!?」とビックリ。「ご主人の会社が倒産で引っ越すとか?」。会社員でもないし、新潟に親戚一人もいないし、一体全体どこからそうゆう話になってしまうのか、不思議で仕方がない。最近ずっと学校の行事に参加してないわたし。おかあさんたちは、一体学校で何を話して盛り上がっているのだろうか。どうでも良いことなので、「今はいかないけど、そのうちいくかもしれませんねえ」と答える。否定する気力も無し。
 
 ガタガタながら、始まります。ガタガタでもいいじゃないか〜!そろそろライブもするんですが、ガタガタになりながらも、いいじゃないか〜、と思ってます。

 では、では、あしたからの二人展みなさまのお越しをお待ちしております!ゆっくりとお茶のできるギャラリーなので、ブラブラと遊びに来てくださいね。

 



◆2008年10月3日(fri) ハッキリ言って感動的な終わり

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On the clouds(部分)

 Mさんが、こう言うのだ。
「松本さん、10月からブログ休筆するんですか?つまらない・・・・」
なので、また書くことにしました。
 というのは違ってて、休筆宣言したことはないのだ。Mさん〜!そんなこと一度も書いたことないですよ〜勘違いですよぉー、ホラヨッ
また、書いてるでしょ。

 日記を書いてる人といっても、書いてる理由はそれぞれ違う。わたし個人の中でも、ある時はメモだし、ある時は人に何かを知らせる時だし、また、おもしろいことがあったとか、いろいろ。忙しくて書けない、ということはあまりわたしにはなくて、忙しいと逃避で書く、ということはある。元気なので書く、ということもあれば、苦しいことが、書くことで整理されて少しはマシな状態になるから書く、ということもある。だから、元気なのか元気じゃないのか、忙しいのか忙しくないのか、なんてことはほとんどわからないと思う。でも、たまに、わかってしまう人がいるようで、そうゆう人が一人でも二人でもいて、よかったなあと思います〜

 でも、おととい、きのう、と、もう駄目なんじゃないか??!!と、実は思いました。最後の1点を制作していたわけですが、だんだん体調が悪くなってきていて、ついにおととい久しぶりの「かなしばり」にあってしまいました。足をお腹を何かに押され、疲れすぎて開けっ放しだった口が塞がらなかった。さすがに駄目だ、と思いました。それから、額屋に行ったり仕事したり制作以外の用事がいっぱいあって外出ばかりしていたら、貧血になってしまった。なってしまったというか、なる前兆がわかっているので、「ああ、このままだとバッタリ行くな、まずいな」とわかるわけです。だから、椅子からはゆっくり立つ、とかしとく。

 それでも、土曜日の搬入前にしなければならないことはたくさんあるわけで、持ちこたえるしかないのでした。そうそう、表参道画廊にもでかけていったのでした。今回の企画の別バージョン、リトグラフの中村未来さんを見にいった。モノクロームの美しさ。ご本人とは一度会っている。大きな作品なので、展示の仕方など勉強になる。わたしは額にたいていは入れているし、額込みで整える感じだけれど、抽象画の場合は、額にいれないことも多いように思う。わたしも数点額に入れないものがあります。難しいです。展示方法というのは。

きのうは暑かったので、工房に戻る時にはフラフラしてしまった。きのう、このお出かけの間に最後の版を腐食し、別の技法を加え、2版目の制作もする。フラフラ。大きな版を3日でやるのが結構きつい。でも、やるのだ。いつも、これ以上のピンチはない、と思っているけれど、毎回必ず前回を上回るピンチがやってくる。

 きょうも額屋に行き、家にもどりチキンカレーを作ってから工房へ。きょうは夜まで工房だ。きょうできなければアウト!なのです。とにかく、作業するも、ニスの臭いほかクラクラしてしまい、また貧血の前兆が漂うのでした。こうゆう時には早いうちに手を打たなければ駄目なので(慣れている)、倒れる前に近所の薬局に行く。ここはいつも親切だ。時々ドリンク剤を飲む。
「即効で効く、貧血・疲労のドリンク剤ください」というと鉄の入ったドリンク剤を選んでくれた。ほかにもおまけでビタミン剤をくれる。「とにかく今飲んで!」というので、その場でしゃがみながら飲む。ほかにもユンケルの450円のを1本とコラーゲンもついでに1本。これらを数時間おきに飲んでいたら、だんだん具合が良くなってきた。ドリンク剤は凄いなあ〜〜。
 とにかく無言でがんばっていたが、途中、草◯ギくんの話に何故かなってから(工房では時々急に何かの話題でとてつもなく盛り上がることがある)、罵詈雑言を言ったら、元気になってしまった!なんてこった。わたしはこの人にはまったく興味がなく・・というか、なんでテレビに出てるんだろう・・・と思っていたのだ。しかし、Aちゃんが「ああゆう人もいなくちゃ駄目なのよ。芸能人がみんなキム◯みたいのばっかりじゃ駄目じゃない」といったりするのを聞いて、そうゆう見方もあるのか・・でも、嫌なもんは嫌じゃけんね、などと思うのでした。つまらないことながら、忙しいのに何故か興奮してしまった。
そうだった、ジュリーとかスター錦野みたいなキラキラしたスターが最近はいない、という話からわたしがつい草◯ギほど、それに遠い芸能人はいない、と言ったことからこうなってしまったのだったわ。

 しかし、わたしがそれから元気になったのでAちゃんが「ほら〜、松本さんを元気にしてくれたじゃん、草◯ギは。そうゆう役割なのよ、凄いじゃな〜い、フフフ〜〜ッ」というので、なるほど、そうかもしれない、草◯ギに感謝しよう、と思うのでした。罵詈雑言言わせてくれてありがとう。しかし、誰も草◯ギについてこんなに討論したいとはツユとも思っていないのだった。

 そんなこんなの末に、最後の作品がまたもやギリギリの時間にできあがった!!しかも、結構良いんです。良い出来なんです・・・・ああ、本当によかったです〜〜〜1回ティーブレイクしたりしてたら、できなかったくらいギリギリでした・・・・

●人を描く

 ところで、最後にわたしは必ずといって良いほど、人を描きます。制作も最後の方になると、どうしたわけか人を描きたくなるんですねえ。今回は特に、新作のほとんどに人が描かれてません。なのに、描きたくなるのは、最後の方になると、人に対してこみ上げてくるものがあるからなんですねえ。毎日毎日の制作の場や家庭や、仕事場において、どれだけ人に助けられているか、ということが、切羽詰まってくると、どんどん感じてくるんです。一人でやってるんじゃない、一人じゃできない、あの人この人のやさしさによって、ここまでわたしはできた・・・・ということをヒシヒシと感じてくるんですねえ。特にわたしは大まかで感覚的、本能的なヴィジョンだけで行動しているので、細かいことを助けてもらうことが多いんです。いつも頭の中がパニックになっているわたしに手を差し伸べてくれる人たちがいて、制作の最後の方になると胸がいっぱいになってくるんですよねえ。人に対する愛情を急激に感じることが多いです。だからなのか、最後の作品に人を・・たくさんの人を描くことが多いです。そして最後にそういった作品を作ると、勢いがついているので、生き生きとした線が描けることをわたしは知っているんです。だから、人を楽しく描くことができます。きっと、見る人にもそれが伝わると思う。人を描くことが楽しいのは、きっとわたしは人が好きだからなんだと思います。誰にも会いたくない、と思うこともあるけれど、喜びは必ず人との間にわき上がりますもんね、だから、人は人に会わずにはいられないのでしょうね。

●でも、まだあるの・・・
 と、〆の言葉なんぞを書いたものの、まだ1点も額装してませんっ!!しかも、タイトルがまだ無いものが3点!!でも、日記を待っているMさんのために、それはさておき、きょうは日記書きましたよぉ〜〜〜

 貧血はドリンク剤のおかげでガッと盛り返しました。きょうはガガッと寝て、あしたすべての額装をして、夕方の搬入に臨みます〜

 今回は、3月以降の新作が多いです。これらは、それまでとは意味が違っています。なぜかというと、わたしの中にとても大きな変化があったからです。制作順に気持ちの変化がわたしには見えるようです。それは、波のように満ちたりひいたりしていました。でも、最後の最後に輝くような人物たちを描けたことが、わたしにとってはとても意義のあることだったと思っています。
 結局5作、没にした作品は、とても嫌な絵でした。この嫌な絵を修正して完成させる、なんてこと、しなくて本当に良かった。これらは、版ごと捨てる。

 見に来てくださいね。

 あ、それから、ずっと一緒に苦しみながら制作していたヒノクチミワさんの個展がきょうからHBギャラリーで始まりました!おめでとー!一緒に制作できて本当によかったです。LOVE
こちらは表参道画廊と5分くらいのところなので、是非、合わせてごらんになってくださいませ!わたしの友達です。

 いや〜ん、涙が出てきちゃう〜〜



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