◆2005年3月31日(thu) わたし好みの「ロスト・チルドレン」だった

松本里美&突然段ボール&おにんこ!の関西ツアー『JUNE-2005 TOUR』のフライヤーはコチラです。
来週からの工房展のインフォメーションはコチラです。

額の手配をしようとしたら、目当ての額屋が臨時休業!なんてこったい!
兎に角あしたにはなんとかせねばならない。
月末なので銀行に行ったり、事務仕事をしたり、大嫌いなことばかりしなければならない。こうゆうことをしなくて済むのならどんなにか楽しい毎日だろうか。
午後工房へ。「僕におやつを」(仮題)の制作。きのうの夜中に数時間腐食していたのだけど、液が弱っていたようで思ったように腐食できていなかった。急遽もう一度腐食。

きのう腐食している間に「ロスト・チルドレン」を見ていたのだけど、あまりにも眠くってやっぱり見られなかった。きょうはテレヴィもおもしろいものがなかったので早めに見る。

これは、わたしが好きそうだ、とお薦めされていたので見ることにしたのだけど、やっぱり好きでした。
チィ〜見透かされてる〜。
何がわたし好みなのかというと、たくさんあるんだけど、まずフ○ークスっぽい人のオンパレードで、こうゆうのにどうも弱い。そうゆう類いではないけれど、巨人というか怪力男は本当に好きで、ただデカいだけで泣けてきます。ああ、肩に乗りたい。フェリーニの「道」のザンパノよりもこちらのワンの方が良いなぁ。キャラとしてはノミ使いのマルチェロが良かったです。ノミがしまってあるロシアの入れ子人形とかアイテムがやはりこの監督さんのはかわいくて良いですねえ。ノミ最高だ!メタリックでかっこいい。「アメリ」のアイテムは婦女子好みの可愛さ爆発でしたが、こちらの映画は硬質な感じがしてもっとわたし好みでした。硬質といっても、まったく科学的ではない実験設備なんかがよくって、アナログ機械の美しさとレトロな柔らかさが魅力的でした。現実じゃない世界や水の色、鉄塔にボート・・・・こうゆうのがどうも好きで・・・しかも全体的に色合いが暗いのに、ビビッドカラーが点滅。巨人のゴルチエスタイルもかっこよかった。男のファッションは50年代がピークだと思っているんだけど、ゴルチエのはその頃を意識している時のものが良いと思う。でも、スタイルがねえ・・・・着る人を選ぶとは思います。是非デカい人に着ていただきたい。
最後の歌がマリアンヌ・フェイスフルで、アンニュイで良かったです。「アメリ」のヤン・ティールセンははやり婦女子に人気爆発だったのですが、結局やっぱりわたしはあまりのめり込めず・・・。違うものを求めて他作品を買ったがそんなに聞かなくて、棚にしまってしまった。「ロスト〜〜」の方が興味をひいたんだけど、ツイン・ピークスの曲の人らしいのね。実はツイン・ピークスは買ってました・・・。はまってました。行きたい、とすら思いました。丸太が欲しいと思いました。こんな趣味です。
「アメリ」見てなかった、という話しからこんな風に自分の好きなメルヒェンの質を知ろうとは思わなかった。メルヒェンにも質の違いというものがあって、わたしが一概にメルヒェンな女じゃないとは言えないってことを認識。ただ、「アメリ」なメルヒェンを素直に受け入れられる女の方が良いなぁ、わたしもそうだったら良かったのになぁ・・と思うのでした。丸太を抱いてる女よりクリーム・ブリュレを突く女の方が普通はかわいいもんね。

しかし、これも運命。

そういえば、水槽の中の脳ミソの叔父さんの声はジャン・ルイ・トランティニアンとクレジットされてましたが、渋いですねー、わたしこの人好きなんです。神経質そうな病弱そうなヒョロヒョロした感じが好みなんで好きでした。女優だった娘さんが亡くなっちゃって、かわいそうだな。こんなこと言っては申し訳ないけど、悲しみに沈んだ顔もきっと素敵なんだろうな・・・


◆◇お知らせ◆◇

■4月28日(木曜日)
『2 Species 8』タイトル「湯浅学サティを謡う」
高円寺「円盤」 
チャージ1000円(1ドリンク付き)
開場:19:00 開演:19:30
出演
サボテン(松本里美・宮川いづみ)/ゲスト:湯浅学、田口史人
松本里美のソロ
ミヤカワイヅミのBONSAIt/「10 WORDS」:詠み人:松本里美

【松本里美8mmフィルムアニメーション作品 DVDR『+P』発売!】
■12月23日(木曜日) 高円寺「円盤」にて発売中です。
1987年と1992年の個展の際に製作した8mm フィルムアニメーションに新たにヴィデオアニメを加えてDVD-Rにまとめています。
音楽もたくさん聴けて楽しいヨン様。
1500円(クリスマスカード付。あ、もうお正月だから、1月予約の方には年賀状も差し上げます。)
円盤で販売いたします。なお、松本HPからも通販できますので、こちらもご利用ください。送料込みで2000円です。
「円盤」東京都杉並区高円寺南3-59-11 五麟館ビル201 TEL/FAX 03-5306-2937
松本里美:satomi@m-bros.com


では、今年も「Satomi Matsumoto 8mm Film Animation "+P"」よろしくね。
今までの制作日記をまとめたものはこちらです。


◆2005年3月30日(wed) Lesson 3

松本里美&突然段ボール&おにんこ!の関西ツアー『JUNE-2005 TOUR』のフライヤーはコチラです。
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きのうはE先生の英会話レッスン第三回目でした。
前半は調子よかったんですよぉ〜。前回までは予習といっても紙に書いていくわけでもなく、「柳ホテル」の絵の説明をなんとなく頭の中だけで考えて行くだけだったので、途中で詰まってしまって真っ白になったりしてましたが、きのうは簡単な文章を作成して絵を見てもらいながらそれを読みました。きのうの絵はホテルの従業員が飼っている動物4匹の絵の説明だけ。


「Great Duddy」


「Good-bye home」

鳥の絵ふたつだけご紹介です。さあ、みんなも勉強しよう(といってもわたしのはものスッゴク単純な文章です)。
まず始めにシェフのアントニオが飼っている雄鶏です。これ、関西ツアーのフライヤーにも使いました。『Great Duddy』
Every morning when chef Antonio goes to the chicken cage bihind this hotel,the cock usually thireatens him. He is the Great Duddy that guards many eggs. Antonio and he are very nice friends, but sometimes they are very bad enemies.

thireatensってのは『威嚇する』って意味です。ものすごく発音が難しくて「フ〜〜〜ッ!!」って言った方がはやいです。enemiesは『敵』。

下のはハウスキーパーのシシーの小鳥です。『Good-bye home』
This bird belongs to the hotel housekeeper, Sissy. Usually the bird is with her.The bird desires happiness for Sissy. But when Sissy finds true happiness, the bird will fly away.

我ながら良いお話だと思います。泣けるなぁ。小鳥はケージから出ても必ずシシーの元へ戻ってくるのですが、シシーが幸せを見つけたらそっと去って行こう、と決心しています。

この日は「belong」について目からウロコ。これはE先生がこれを使うと良いと言って直してくれたのですが、昔、パット・ブーンという偉大な歌手がいまして「You belong to me」というヒット曲がありました。我が家にもシングルレコードがありましたが、これはずっと「あなたはわたしについてくる」と直訳して考えていて、曲はいいけど、魔法でもかけて「ホラホラあなたはわたしについてくるんだよぉ〜」という詩、と思ってました。でも、これは「あなたはわたしのもの」という意味ってことが今にしてわかりまして、魔法の歌ではなかったのねぇ、バカみたい。情けない。

ここまでは良かったんだけど、その後「the Passive Voice」ってんで恍惚となってしまいました。「受動態」ね。
この「Good-bye home」の文章でE先生一生懸命「受動態」の説明をしてくれていたらしいんですが・・・

E先生とはその話しの前に「integration」という単語について話していまして、「ようするに、あなたはartとmusicをintegrationしているのよ」なんて説明があったとですよ。融合とか結合って意味ですねぇ。でもって、その言葉が書いてあるタロットカードが出てきちゃって、そこに陰陽マークが描かれていまして、これの説明に入ってしまったのじゃぁ〜〜。ワシ恍惚となってもうたよ。でも、まあ、これについてはなんとかついていけたんですよ、「Integration is a Process of change and growth」なんちゃって(本当はよくわかんなかったんよぉ〜)、いやはやE先生の英会話はとても哲学的なんすよね。どうやらE先生は大学で東洋哲学やっていたらしい(ほかにもアートセラピーとか心理学とかやってたらしい)。そんなわけで、とてもスピリチュアルな話しが多いわけなんですよ。危ないのは一回目でわたしが大学の哲学科卒だったということがバレてまして・・・・そこを突っ込まれるとさらに恍惚となってしまうのではないか・・・・あんまり真面目にやってなかったことがバレバレになってしまうじゃんか〜〜、だから、今のところ哲学話しはできるだけ避けてます。が、空海の話しまで出ちゃったんですよ。なんで出てきたかというと、「revelation」という「啓示」という単語が前回出てきて、それを使って文章を作らねばならなかったからで、つい「realization」とはどう違うのか??と聞いてしまったのが運のツキであった。空海が富士山を見て啓示を受けたというのはよりスピリチュアルで強い表現であって、realizationはとてもポピュラーな言い回しなんだねー。あまりスピリチュアルな言葉が使いたくなかった(突っ込まれたくなかった)もんでつい「realization」の方がいいわ!と言ってしまった。それも思いっきり日本語で。
あ、そんなわけでスピリチュアルだらけだったので、「Passive Voice」について「受動態」だなんてまったく思いもよらず、『またまた来たな〜、受け身の声??う〜〜〜ん、どうゆう意味だぁ??』と考えてしまったら、もうそこから出られなくなってしまい、一生懸命E先生はいろんな文例を書いてくれたんだけど、今見ればとても普通の文章なのに、その時は全部呪術的な意味があるのかと勘違い。ニコニコ笑っている先生だったが、笑顔も凍り付き恍惚となってしまうわたしであった。
その例「わたしは髪を切る。これはわたしの行為でしょ?でも美容師さんに髪をきってもらう。というのは受け身な行為よね」と説明していて、この文法の違いを書いてくれたのねえ。これって簡単なことなのに、もう頭の中は「受け身の声・・・」にとらわれていたのでおもわず「ネガティブってことですか?」と聞く始末。「まぁ、そうね」とお答えになるのだが、実はまるでお呼びでなかったのでした。たしかに美容師さんに髪の毛を切ってもらうのは受け身・・・まな板の鯉、ってことでネガティヴだけどね。ワッハッハ

帰りの電車の中でやっと恍惚の人から脱することができて、「な〜んだ、文法の話しだったのね〜」ってわけで汗をかいたのでした。道は険し。

きょうは一日家にいて犬の版画を制作。「猫かぶり娘」と対になっている絵なので犬のことわざを考えていたが、「犬」は「犬死に」「負け犬」などよろしい物がありません。「犬が西向きゃ、尾は東向く」ってのが絵になるかな、と途中まで森の中磁石もった犬の絵を描いていたのだけど、急遽変更して「夫婦喧嘩は犬も食わない」にしました。現在腐食中。あさってには完成して水張・・・日曜日の搬入日に乾いているのかなぁ?またギリギリになってしまった。

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■4月28日(木曜日)
『2 Species 8』タイトル「湯浅学サティを謡う」
高円寺「円盤」 
チャージ1000円(1ドリンク付き)
開場:19:00 開演:19:30
出演
サボテン(松本里美・宮川いづみ)/ゲスト:湯浅学、田口史人
松本里美のソロ
ミヤカワイヅミのBONSAIt/「10 WORDS」:詠み人:松本里美

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■12月23日(木曜日) 高円寺「円盤」にて発売中です。
1987年と1992年の個展の際に製作した8mm フィルムアニメーションに新たにヴィデオアニメを加えてDVD-Rにまとめています。
音楽もたくさん聴けて楽しいヨン様。
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円盤で販売いたします。なお、松本HPからも通販できますので、こちらもご利用ください。送料込みで2000円です。
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◆2005年3月28日(mon) 「アメリ」は「あみん」ではなかった


また三日たってしまった。
多忙を極めております。そのため三日たったことにも気がつかなんだ。
何をしたのかわからなくなったので新しいところから思い出してみることにする。

きょうは雨がシトシト降っていて、春休みに入った子どもと買い物後は勉強を見てあげることにした。あんまりこうゆうことやれてないので新鮮だった。前日から6月の関西ツアーのフライヤー制作をしていて、やっときょうの午後完成。
絵を入れた方が良いという意見があったのだけど、新たに描くのも大変だから今制作中の作品の一部を流用。「猫かぶり娘」を使う。もうひとつ、去年描いた作品の中の「GREAT DUDDY」というにわとりの絵を使う。こうゆうのは慣れているから早いことは早い。面倒なのは、それをWebにあげることとか、プリントアウトして送ったりすることで、それはまたこれからやらねばならない。さらに、工房展のDMができてきているので、これもWebにたちあげる作業。これも面倒なのだ。というのも、スキャナーが別の部屋にあるからで、わたしのマシーンとは繋げてないから。でも、兎に角HPに載せるまでに至ったので目出たい。

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ふぅ〜〜〜っ

手紙を数通書く。手紙は手書き。悲しい手紙、嬉しい手紙、もっとも嬉しい請求書(これはパソコン)など・・・。英語の復習。CD-R作成。梱包作業。「不機嫌なジーン」最終回。最近見ていたドラマはこれだけ。竹内結子はあまり好きではなかったけど、ジーンははまり役だったなぁ。愛せました。衣装もいつもかわいくて、見るたびに同じような服が欲しくなった。


「マメジカ」だったかなぁ

モリーの絵。

きのうは良い天気だったので上野動物園に行った。桜はまだ数えるほどしか咲いてませんよ。
「小獣館」が好きです。大こうもりと一緒の場所に世界で一番小さいヒズメを持つ動物がいました。名前は・・・たしか「マメジカ」だったと思うんだけど、とにかく小さいシカという意味だった。大きさ30センチくらいでとてもかわいらしい。全然動かなくて、人形みたいでした。

おもしろいのは象やゴリラ。上野動物園はゴリラが良いです。それから鳥。鳥の種類はとても多くて、きのうはたくさんクロッキーをした。かばもサイも立派なお方がおります。爬虫類・両生類館も楽しいゾイ。ここのゾウガメは上野動物園長寿第一位です。75才くらいらしい。

そして第二位がオランウータンのモリーです。50代後半くらい。左はモリーの絵。たくさん飾ってあります。きのうは部屋の外にいたみたいで会えなかった。わたしのソロ曲に「モリー・ゴングの一生」という曲があります。50年前にボルネオから連れてこられて以来、ずっとここにいます。とてもきれいな毛を持っています。

土曜日は・・・と、そうだ「アメリ」見ましたよ、ついに!
さて、これがどうしたらよいものか、あまりにもたくさんの意見を聞いていたために感想が書きにくいです。好きなところと嫌いなところがあるので、それを書こうかな。あ、映画としては好きでしたよ。でも、アメリという女の子についてはそうもいかなかったです。

好きなところは赤と緑の現実的ではない色使いと、パリの風景や、原付バイクのかっこよさ。宝箱の中身のブリキのおもちゃやトランプも好きだったし、移動遊園地もわたしは好きです。飴の機械が良かったなぁ。あの動きはずっと見ていても飽きない。嫌いなところは・・・エ〜ト、言いにくいなぁ・・アメリの行動が、内気だからとかそうゆうこととはまったく関係ないと思うのですが、ブリッコなんで嫌でした。女の子も男の子も好きな人の気を惹きたいと思う時には嫌らしい手を考えてしまうのは仕方ないとは思います。「恋」ってエゴイスティックなもんなんだもんね。「ストーカーの映画かも」という意見もあったけど、「ストーカー」というのは『積極的内気』と言え、そうであればアメリもそうかもしれない。ストーカーはエゴイスティックな恋の表れだから、恋する人は程度の差はあれストーカーみたいになるのは仕方ないと思う。小学生の時、好きな男の子の背中を授業中ずっと見つめていると必ず視線を(殺気だったりして)感じて振り返るので、オオ、と思ったものだけど、これはストーカー行為なんだろうか。違うよね。家がどこか知りたい・・・とつける。これは?
アメリは工房に以前いたT講師に似ていまして・・・見ながらかぶってしまって仕方がなかった。まちぶせして偶然を装ったりして。「まちぶせ」って曲ありましたが、ユーミンの詩だったかな。ユーミンの詩にはストーカーすれすれ女のものが多くて辟易するものがあるが、そうゆうところが女の人の胸にグサッときて大ヒットになっていたと思うので、アメリの大ヒットは当然だと思った。でも、アメリのは「作戦」だから・・・いや、作戦なんだよね、まちぶせなんだから。)
でもやっぱり、矢印とか手紙をポケットに入れてもらうとか(映画参照)・・そのほかの彼女のした数々のエゴイスティックラブアクションは、わたしにはかわいいとは思えないんだけど(ルノアール模写のおじいさんも「卑怯だ」って言ってたけど)、男の人はこうゆう女の子のこと、かわいいなぁ〜なんて思うもんなんかねぇ?この監督はかわいいと思ってそうしたのか、それともブリッコな感じを表したかったのか・・・。そのへんはどうもわからない。それにしても女の子のこの感じ(わたしにだってまったくわからない感情と行動ではないです)をいやらしいほどちゃんと描いているし、小物がコジャレていてかわいさ爆発なんだけど、この監督さんってもしかしたらゲイなのかなぁ(と、決めつけるのはイカン?)。

「アメリ」を見て、昔の日本の少女漫画のパターンのひとつを思った。凄くかわいい顔に描かれているのに「駄目駄目子ちゃん」ということになっている。で、内気だから卑怯な手を使ったりするんだけど、それがまた男の子には最終的に「かわいいことするジャン」てことになったりして・・・。「ア〜ン、ごめんなさい、でも、でも、わたしこんな風にしかできなかったのぉ〜」なんちて。でも、アメリはかわいいという設定になっているし、内気といいながらも違う男の人と2度も経験しちゃってるんだよ!これはどうゆうことだ!日本とフランスじゃ内気の程度が違うのか?わたしの方がよっぽど内気ジャン!!なんちて・・・
いろんな人が出てきますが、その中で一番おぞましいのはカフェにいりびたるストーカー男だよね。あれは犯罪だし胸クソ悪し。アメリも犯罪してるけど(不法侵入ほか)ね。アメリのしてることって、あなたにはそんなことする権利ないってくらいヒドイこと三つと良いことひとつ難しいと思うものひとつ。ヒドイとわたしは思っても、思わない人も多いと思うので余計なお世話だから言わないけど、わたしはきっとメルヒェンな女じゃないんだな・・・とつくづく思いました。とても難しい問題だと思ったのは、亡くなったご主人の手紙を偽造して残されてうなだれている奥さんに氷河から発掘されたとして届けられるエピソードで、幸せな気持ちになれればいいじゃないか・・・とわたしには片付けられないもの・・・。それでも良いかもしれないけれど、わたしはそんなものいらないと思ってしまうから。悲しみは悲しみのままで放っておいてもらいたい、とわたしなら思う。それもあっての---辻褄合わせなんかしなくていい---人生だ。きょう最終回だった「不機嫌なジーン」のジン子の方が愛せる。較べる対象ではないのだけれど、同じ泣くなら、コッチの方から捨てて行く(いろんなシガラミを)、ということに対しての涙を流す女の方が好きだからだ。

でも、最後のシーンはよかったです。イライラしなくて。昔の少女漫画とはここが違いました。おフランス式で。彼氏役の俳優さんが好みだったので、良かったわ。この映画、上映時にはやはりこんな感じのいろんな感想が出たのでしょうか。出ただろうなぁ。

「地下鉄のザジ」をなんとなく思い出していたのだけど、それと同時にラップのCMの女の子も思い出した。髪型がワカメちゃんカットのせいなのかわかんないけど、悪戯っ子という共通するものがあるからかも。とゆうか悪戯っ子はワカメちゃんカットにするべし、なのか。ザジはかわいいと思える。ラップのCMの女の子はザジをイメージしてあんな風になったのかもしれないけど、かわいいと思う。アメリは・・・細い棒のような足とデカい靴がかわいかったです。(これも典型的ブリッコパターンだと思うけどサ。陸奥A子が描いてた女の子の格好みたいの。ブリッコではないと見せかけた真のブリッコ。)

ブリッコのつもりじゃなくやっている行為かもしれないけどブリッコに見えてしまう、というわけで、わたしはメルヒェンじゃない女だった・・という悲しい真実が浮き彫りにされてしまったのでした。映画って怖い。
きょうはこれからmy funny funny englishの予習なので「ロスト・チルドレン」はまだ見られないかも。さらに多忙。

◆◇お知らせ◆◇

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出演
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松本里美のソロ
ミヤカワイヅミのBONSAIt/「10 WORDS」:詠み人:松本里美

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1987年と1992年の個展の際に製作した8mm フィルムアニメーションに新たにヴィデオアニメを加えてDVD-Rにまとめています。
音楽もたくさん聴けて楽しいヨン様。
1500円(クリスマスカード付。あ、もうお正月だから、1月予約の方には年賀状も差し上げます。)
円盤で販売いたします。なお、松本HPからも通販できますので、こちらもご利用ください。送料込みで2000円です。
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◆2005年3月24日(thu) 鳥男の魚釣り



ティーポットもカップ&ソーサーも渋いです。


今話題のフジテレビの深夜にやってる「UK JACK!」見る。
といっても3時からなのでHDに録画して朝見たのでした。ロンドンの紹介が楽しい。
きのうのはアフタヌーンティが紹介されていて、お茶の正しい入れ方なんぞやってました。そのお茶のセットがとても美しいではないか・・・と思ったらやっぱり「Willows Pattern」でした。それも、東洋風というよりももっと西洋色の強いデザインになっていて、かなりすばらしいものでした。いいなぁ、こんなの欲しいなぁ。
映画の紹介もおもしろいです。

しかし、UK ROCKの紹介はヒドイ!あんなの無くてもよい。普通にチャートをやってくれた方が良い。うるさい男女のDJが「これは売れないね〜」とかひどいことばかり言うのだけど、多少でもやってる身としては、『嫌なら紹介しなきゃいいじゃん、オメェなんかに言われたかネェヨ』とつい思ってしまう。
最後のコーナーではロンドンのストリート紹介。きのうはKINKSの「Waterloo Sunset」がバックにかかり、橋が映り、そのあたりのギャラリーやパブなんぞが映りました。勿論夕暮れの景色で、これはとても良かったですぞ。

きのうは京浜東北線が停電で、わたしも非常に無駄な時間を過ごしてしまい腹立たしかったのだけど、きょうも、電車に乗った途端田町の信号故障・・・・もしかしたら東京都の元国鉄路線は全部危ないかも。ガタきちゃってるかも。

渋谷のTSUTAYAに久々行く。少し前に日記と掲示板で話題になった「アメリ」「ロストチャイルド」を借りる。工房でその話しをしたら、「アメリ」についてはいろんな意見があり、「ストーカーといえばストーカーだね」「パリの街がきれいだから良いのよ」「フランスの映画ってイケスカナイ女が出てくる物が多い、『ショコラ』の方がマシ」「色がきれいだった」「アメリの固執する物がいちいち良い」など・・・・。見るのが楽しみ。

大きな版画「Fly-Fisherman」が完成。きょうは夜までがんばって3枚刷り、やっと1枚うまくできた。1枚刷るのに2時間もかかっている。でも、満足できる良い仕上がり。あしたは額屋に行く予定。ずっと刷りつづけていると体力を消耗するのでとてもお腹がすく。グゥ〜〜〜


◆2005年3月23日(wed) メイヨというかトムを見る

1:日曜日、吉祥寺スターパインズカフェでメイヨ・トンプソンのライヴ
2:月曜日、休日のため家族DAY。東京湾運河沿いにてヴァーベキュー。
3:火曜日、英会話レッスン2、そして工房での作業。
について思い出しながら書くよん。


出演は岸野雄一とフォルティータワーズ、突然段ボール、メイヨ・トンプソン。


さて、時を元に戻そうかな。
日曜日、吉祥寺スターパインズカフェでメイヨ・トンプソンのソロを見ました。10日の初日はレッド・クレイオラヴァージョンで、この日は1970年のソロをアコースティックギターを弾きながらということだったけど、数曲やったところでメンバー出てきてほとんど初日のような感じになってました。やっぱ、この方がいいな。途中「トリ!」と呼ぶので何かと思ったら、工藤冬里さんが1曲入ってた。わたしは開演過ぎてから入ったために2階の奥の方にいたために、ちょうどステージの右は死角となっていて身を乗り出さないと見えなかったのよね。この日も満員でした。
ステージの右側はギターのピーター・セラーズではなくてトム・ワトソンさんがかっこよく足を広げてギターを弾きまくってまして、わたしはそれが見たいので(ほとんどそれさえ見られれば良いという感じすらあったとです)前にいた湯浅学(敬称略)の頭を押すようにして見てたとです。
ア、湯浅さんは4月の円盤のゲストですので、よろしくです。

その後ろというか横は岸野雄一さん。この日は最初に登場。実は5月に岸野さんが講師も務めている映画美学校でフェルディナン・リシャールさんがレクチャーをされるのですが、そちらが先なのかライヴが先なのかそこまでは知らないのですが、数カ所でライヴが行われるそうで、その東京ヴァージョンでサボテンが一緒に出ることになっています。ようやく日が決まりました。5月22日の日曜日です。渋谷のネストです。
えっと、フェルディナン・リシャールは元エトロン・フー・ルルーブランのベーシストです。6弦ベースだそうです(わたしはそこまでシランかったとです)。エトロン・フー・ルルーブランについては知ってる方も多いと思いますが、フランスのバンドで、CDも5枚出てます(と思う。フリスプロデュースだったかな)。それから、フレッド・フリスのアルバムにも数曲共演してます。という関係風。
岸野さんとそのへん少し話したりなんかして・・。久しぶりに会う人もあり・・・いろんな人客できてました。2番目は突段で、湯浅さんではなくてギターの方が一人加入。五時夫はスーツ姿でマフィアみたいでした。最後は最近「ホワイトマン」をいつもやっているのかな?やっぱり印象的な曲だな。

やっぱりレッド・クレイオラは良いな。1曲1曲違うんだよね。飽きない。岸野さんとも話したんだけど、今回は対バンがいろいろで、わたしは初日のはあんまりおもろい対バンとは思わなかったけど(ゴメンネ。でも、飽きたんで寝た)、それがアリだったのは、このバンドの幅の広さで、ポップでありアヴァンギャルドでありパンクでありということだからアリなんだよね。こうゆうバンドはそうはない。
さらに惹き付けるのは、ギターのトムさんで、なんて良い音なんだろうか!なんてかっこいいフレーズを弾くんだろうか!あの足の広げ方はなんとパンクなのかしらん、と湯浅さんの頭ごしに覗いて見てました。
初日はハードに弾きまくっていて途中弦が切れたくらいだった。こうゆう時に残された者は辛いものがあり、メイヨさんはどうするのかと見ていたけど、やっぱり「マダ?もういい?日本語できないし」と困った風だった。でも、弦の張り替え素早かったなぁ。


ソロアルバムにサインしてもらいました。

こちらにはハーレーさんとワトソンさんのを。アルバムの裏のご自身の名前の横に書いてもらいました。
ホントにミーハーですみません。左トムのテレキャスター。右メイヨ&わたし&"+P"。

わたくしハッキリ言ってミーハーですよって、CD持っていきましたよん。勿論サボテンのCDもわたしのDVDも持っていきまして、さらに2枚の彼等のCDも持っていって楽屋でサインしてもらいました。左がそれ。
英会話を駆使し・・・というほどできなくて悲しかったんだけど、記念写真も撮りまして、ミーハーとしては嬉しい。とても気さくなオジサンでした。隣にドラムのハーレイさんもいましたが、この方もやさしそうなオジサンで、なにやらおにんこちゃんたちをお酒に誘ってるじゃん。おにんこ二人はこの日着物着ちゃってさ〜、全世界的に男は若い女が好きだなぁ。でも、わたしはそこにとどまっているわけにはいかなかったのでした。若くないし。いや、そうじゃなくてさ何故ならギターのトムにどうしても会いたかったから。やはりギタリストは一癖あるのが良い。トムさんはちょっと離れたところにいたのだけど、さっそくサインをしてもらいました。でも、今思い返せば、わたし、自分の紹介もしてないんだよねー。わたしもギターを弾いているのだけど、あなたのギタープレイはアーティスティックでかっこいい!と言えばよかったのだけど、メイヨには言ったがトムさんには自分のことは名前すら言わなかった。嬉しかったもんで・・・これは結構失礼だった。
本当は3人揃っていたら、「基本はロック、but ノンポジション!のサボテンです、あなた達とおんなじかも」と言おうと思っていたのでした。

わたしが英会話をやろうと思ったのは、いろんなわけがあるのだけど、案外外国人と話す機会が多いということがあるのでした。そのたびにガックリきてしまうんだもんね。そんなこんなでやろうと思ったんだけど道は遠い。
トムさんのフェンダーのテレキャスターはなんと200ドルですって。弘法筆を選ばず。エフェクターも見てしまった・・・・

兎に角楽しいライヴでした。久々のヒットでした。

次の日は麗らかな一日で、運河沿いでしいたけとか海老とか焼いたくらいの簡単なヴァーベキューをしました。しいたけは美味しい。わたしは肉はいらない。しいたけとピーマンと玉ねぎで良いです。犬も走り回れて、みんな幸せでした。

そいで次の日になるのですが、英会話第二回に行ってきました。これがまたおもしろかった。
E先生の部屋で二人きりでやるシステムで、自分でやりたいことを考えて会話する方法をとってます。紹介してくれたHさんは日記を英語で書いて持っていってるらしいし、テキストを使っている人もいるらしい。わたしは自分の絵のファイルを持っていって絵の説明をしています。なかなかこれがお勉強になるのです。何故なら、自分の絵の説明なので、わたし自身の考え方をキチンと述べるということに最終的にはなるわけで、これは英語ではなくてもとても有意義なことだと思う。

でも、この日はまず上のメイヨのサインCDを持っていったんですよ。実は好きなミュージシャンにサインを貰ったが達筆で判読できない。教えてくれないか?と言うと、親切に紙に書いてくれた。そこから話しを始めて話題はどんどん広がっていく。欧米の人は必ず「何故なの?」とか「わたしはこう思うけど、あなたはどうなの?」と聞く。ちゃんと説明する、という習慣が子どもの頃からあるのだと思う。それは英語の特性かもしれないけれど、普段曖昧模糊に慣れている日本人にはかなりきついものがあります。それでも、まだ、わたしは説明好きな方だと思うし、好きか嫌いかなどを話す時にはその人や物の名誉のために必ずその理由が言えなければいけないと思っているので頭の中で理由をまとめてから言う。これは大事なことだと常日頃思っている。それでも、やはりいちいち「あなたはどう思う?」と聞かれると使ってない脳細胞がブチブチいいだして、沸騰しそうになります。メイヨさんについても「どうゆうミュージシャンなの?」と問われたので、その説明をしなければならない。そしてどんなところが好きなの?と聞かれる。あ、どうゆうとこかなあ・・・「クレバーでアーティスティックな曲とギタープレイが好きです。そして、ロックです」こんな風に答えねばならない。面倒だけど、とても有意義だとわたしは思ったのでした。そうだ、わたしはそうゆうのが好きなのだ、ということがわかる。わかる事は良いことだ。なぜなら前へ進めるから。

その後E先生がニューヨーク出身のモダンダンサーだったということを聞いていたので、マース・カニングハムの本を持参していたのでそれを見せる。知っていますか?と聞いたら、勿論よ、「彼のスタイルは親指を手のひらの中にいれる日本スタイルよ、わたしは彼のメソッドをとったことがある」、とのことだった。そこから「ジョン・ケージが一緒にやっていますね」という話しになり、さらに旅行英会話とはまったく違うスピリチュアルな話しに移ったりする。これって、実用的だろうか・・・??こんなんで良いのだろうか??と疑問を持ちながらもその方が楽しいのでそんなこんな・・。

この日のわたしの目論みは、このジョン・ケージの写真を見せてから、わたしの「柳ホテルシリーズ」の中の庭師「ジョン」についてのくだりに移ることでした。「庭師ジョン」はケージがモデルなので、ダンガリーシャツを着ている。と説明。「ダンガリーデニムシャツ」が正しいんだそうな。そんな重箱の隅をつつくような会話をしていて良いのだろうか?もっと文法とかやった方が良いのではないかしら?(相当滅茶苦茶なわたしの文法。中学生並)と頭をよぎるのですが、さらに「星を貰う」という絵に移るのでした。これはジョンが若かった時の絵で、森の中で突然鳥から星を貰うのだけど、それが「何かの啓示」で、「ケージ」と「啓示」をかけたつまらないダジャレなんだけど(ホントに馬鹿馬鹿しいですが)、ここまでわたしの英語力で説明できるもんかどうか??これを試してみたかったのサ。しかし、そこまでには到底いたらないわたしの英語力の無さ!しかもE先生はスピリチュアル物がお好きなので、「啓示」という単語で止まってしまった。仕方ないので、この説明については次回またトライしてみよう、と思うのでした。1対1というのは良いと思うのですが、困るのはスケジュールのことで、来週はどうするとかこの日はいないとかそういったことがキチンとわからないと大変なことになるでしょ、これがなかなかどうして曲者で、とんでもない誤解をしている場合があるので緊張いたします。

きょうは練習日。イヅミ宅へ急ごうとしたら京浜東北線が停電でストップ!品川の駅までバスに乗ったら、家から品川駅までなんと1時間20分もかかってしまった。普通に行ければ15分なのに!京浜急行に乗ればよかったっ。電車の中で読もうと思っていた漫画「モンスター」第四巻、そのバスの中で読了だい。五巻目も読了できたかもしれないくらい長かった。疲れた。


◆2005年3月22日(tue) 「人類レコード」の宝田さんへ

三日ぶりの日記になってもうた。
忙しくて何したのか思い出せない・・・

忘れないように箇条書きしておこう。

1:日曜日、吉祥寺スターパインズカフェでメイヨ・トンプソンのライヴ
2:月曜日、休日のため家族DAY。東京湾運河沿いにてヴァーベキュー。
3:きょう、英会話レッスン2、そして工房での作業。

どれもおもしろ話満載なのですが、しかし、実はちょっときょうはこれらについて書く気分になれなくなってしまいました。というのも、きょう帰宅後心斎橋のレコード店「人類レコード」の宝田さんが癌でお亡くなりになったと連絡を受け取ったからです。
本当に悲しいです。 慎んで御冥福をお祈りいたします。お若かったんですよ・・・いつも派手で、それでいて細かく気を遣われる方で、小さな字でいっぱい書かれたお手紙を貰ったこともありました。手紙が好きだったようでした。

「人類レコード」は、世界で一番サボテンのCDが売れたレコード店です。店に飾られている多数のレコードのセンスの良さに惚れ惚れしていたので、わたしはサボテンで大阪に行った時、旅行で大阪へ行った時、ソロライヴで行った去年も必ず伺って、宝田さんとは随分お話させていただきました。
美術にも詳しい方で、個展できて演奏もできる会場をあれこれ知っているとのことだったので、今度相談する予定でした。去年の春に伺った時には突然段ボールの蔦木栄一さんが亡くなったことなど話していて、「若いし、ああいった才能のある人はそういないのに惜しい人だったよね」と話しておられたのに・・・その時にはまだとても元気そうでした。
宝田さんは、サボテンの大阪ライヴにいつも来てくれていたのですが、店の都合でどうしても遅くなってしまい、サボテン聞かずじまいでした。でも、外で待っていてくれているというやさしい方でした。昔、大阪に行った時にはご自分のライヴと重なっていて、やはりサボテンを見ることができなかったそうで、お会いするたびに「今度こそ」と笑っておっしゃってましたが、叶わぬ話となってしまいました。
サボテンのCDをいつも見えるように並べてくれていて、ラベルにとても素敵なコメントを書いてくれていた宝田さんに、生で聞いて頂きたかったです。 今年も6月に伺うのを楽しみにしていただけに、言葉もありません。
本当に残念です。
天国でもきっとレコードに囲まれていますね、その派手な容姿で!
本当に今までお世話になりました。
ありがとうございました。


◆2005年3月19日(sat) 苦労を共にした人は忘れない

おかずが多いといって(といっても2品だった!)80才の夫が73才の妻を殺してしまった。なんだかとってもショック。

以前数カ月ほど真面目な仕事をしてい
まして、きょうはその時に知り合った方達3名と久し振りにお会いしました。同窓会みたいなもん。
二人はわたしより年上の女性で、一人はわたしより少し下。みなさん先生の資格のある方達で、わたしは異端みたいなもんですが、何故かみなさんおもろい方達で、その上シッカリ働き、シッカリ子育てをしていて、シッカリ自分の道を進んでいて会っていて大変前向きな気持ちになれるので、楽しい気持ちで再会できるのでした。ランチをしながらだったのだけど、結局夕方まで楽しく過ごしました。

今はそれぞれ違う職場だし、生活環境も全然違うんだけど、新しく立ち上げた事業になんだかわけわからず参加した仲間なので、妙な連帯感が生まれてしまったのでした。

その中の一人は今は中学校で英語を教えてらっしゃる。兎に角英語が好きで、英語に関わる仕事を続けている。きょうはわたしのファニー英会話を披露して笑った。でも中学校の英語教育ではなかなか楽しさまでは教えられないだろうとの事だった。それよりなにより、キチンと先生の話しを聞く、など、基本的な生活態度がまったくできないからだそうで、そこんところを何とかするのに忙しくて楽しい英語の授業にまでは至らないのだそうだ。最近の学校は、必ず授業と関係ないことを急に喋りだしたりする生徒がクラスに1人はいるのだ。勝手に教室でていっちゃう子もいるしね。


夜、探し物をして机の引き出しを引っ掻き回していたら、イギリスの不思議度爆発の「イワシのパイ」に関する記事のFAXが見つかった。探し物は見つからなかったが、これが見つかってまた笑った。送ってくれたのは5月に一緒に二人展をするグラフィックデザイナーの相馬さんで、雑誌に載っていたものらしい。では、記事を書き写してみましょう。
『イワシたちが星を見つめるイヴ前夜。
---イワシのパイ 〜イギリス〜----
クリスマス・イヴ前日、イギリス・コーンウォール半島の港町マウゾール村のパブでは不思議なパイが振る舞われます。オワシなどの魚、ジャガイモ、玉ねぎなどで作ったパイ。面白いのはいくつものイワシの頭が突き出していること。「星を見つめるパイ」というその名の通り、イワシが夜空を眺めているかのようなこの幻想的なパイには、その昔、村に繁栄をもたらしたイワシに感謝する意味があるそうです。その夜、子供達は魚の形の提灯を手に、歌いながら練り歩きます。』
英語のものを和訳したものです。タイトルは『Sardines Gaze at rhe Stars for Christmas---Sardine Pie(U.K.)』

よ〜く考えてみたら、これはパイなんだから、そんなに魚と合わない、ということもないのかもね。わたしはコレ読んだあとちょっと勘違いしていたようで、スポンジケーキに生クリームでデコレーションされている中にイワシが突っ込まれているとずっと思っていたのねー。それだとどう考えてもキモイ。魚に生クリームとスポンジケーキ・・・。でも、パイだものね。お肉のパイや魚介類のパイなどはメインディッシュにしたりするものだし(『パイ包み焼き』ですね。あんまり好きじゃないけど)、イワシが中に入っていてもそんなに不思議ではないかも・・・あんまり食べたくないけど、そんなにマズくないかもね。

また「ピアノの本」のエッセイのためのイラストのお仕事。今回は名前素性を隠していたオペラ歌手の話し。バリトンで出ていた歌手がその後名前を変えてテノール歌手として大活躍。別人として活動していたらしい。声は訓練していくと段々高い声が出てくるものだから、バリトンからテノールになっても不思議はない。どんな絵にするかツラツラ考える。締きりまであと1日しか余裕無し。
あしたはレッドクレイオラのメイヨさんのソロが吉祥寺で。これも前売りを買ってあるので出かける。バンドの方も楽しかったし、期待している。アコースティックやるらしい。わたしもソロ活動の原点に戻り、次回ライヴではまたアコースティックギターも弾こかなと思ってる。そんなこんなで楽しみ。できたらサインなんか貰いたい。
先日工房展のDMができてきた。4月4日から9日の土曜日まで。短い。4日の初日は5時ころからパーティがあります。誰でも参加できますので、是非おいでください。食べ物も飲み物もたくさん出ます。さらに二次会も楽しめます。わたしの演奏は多分今回はありません。
インフォメーションは来週載せますよん。

◆◇お知らせ◆◇

■4月28日(木曜日)
『2 Species 8』タイトル「湯浅学サティを謡う」
高円寺「円盤」 
チャージ1000円(1ドリンク付き)
開場:19:00 開演:19:30
出演
サボテン(松本里美・宮川いづみ)/ゲスト:湯浅学、田口史人
松本里美のソロ
ミヤカワイヅミのBONSAIt/「10 WORDS」:詠み人:松本里美

【松本里美8mmフィルムアニメーション作品 DVDR『+P』発売!】
■12月23日(木曜日) 高円寺「円盤」にて発売中です。
1987年と1992年の個展の際に製作した8mm フィルムアニメーションに新たにヴィデオアニメを加えてDVD-Rにまとめています。
音楽もたくさん聴けて楽しいヨン様。
1500円(クリスマスカード付。あ、もうお正月だから、1月予約の方には年賀状も差し上げます。)
円盤で販売いたします。なお、松本HPからも通販できますので、こちらもご利用ください。送料込みで2000円です。
「円盤」東京都杉並区高円寺南3-59-11 五麟館ビル201 TEL/FAX 03-5306-2937
松本里美:satomi@m-bros.com


では、今年も「Satomi Matsumoto 8mm Film Animation "+P"」よろしくね。
今までの制作日記をまとめたものはこちらです。


◆2005年3月18日(fri) 王道を外し損をつづける。補填なし。

きょうの天気は一体何だったのか。
分ごとに変わるようなロンドン風。

工房で作業しつつロック話映画話。こうゆう話しをするのはHちゃんが多い。きのうは「デッドマン」はよかったという話をしていて、普段あまりこの映画のこと言っても反応がないからきょうは嬉しいわい、とHちゃんとコアな映画の話しとなった。きょうわたしはカミングアウトしたことが三つもあった。ひとつは今だに「アメリ」を見ていないこと。「北の家族」(居酒屋じゃなくてドラマだけど合ってる?「北の国から」だっけ?本気でわからなくなってしまった)も一回も通してみたことがないこと。尾崎豊生前中は名前だけで演歌歌手だと思っていて、亡くなった時ワイドショーで初めて存在しったこと。「アメリ」を見ていない、というと「エエ〜ッ」と軽蔑の眼差しで見られそうなのだけど、上映中にかわいいイラストレーターのNさんが「見てきたよー、わたしみたいだと思った・・・」と言っていて、わたしの頭の中ではNさんの物語としてインプットされてしまったので何故か見た気になっているのです。きっと夢みがちなかわいい女の子なんだろう・・・と思ってるんだけど、本当は全然知らないのサ。しかもカフェPIGAでさんざんサントラがかかっていたので、同じヤン・ティールセンの違うアルバムを買ってしまった。へそ曲がりにもほどがある。これ、2回くらい聞いたけど、そのくらいだった・・・。スマン、「アメリ」のサントラの方が良かったヨ〜。バカだった。

「英語の上達は好きな映画を繰り返しみるのがよかろうね」とHちゃんが言う。たしかにイギリスのラブコメみていたらそれなりに覚えるような気がしたのだが、いかんせん、あんまり繰り返し見れない、と言ったら、「だから自分の好きな映画サー」と言われ考えてみたが、わたしが好きな映画がきれいな英語とも思えなかったし、何が良いか考えてみたけど、好きな映画のほとんどが英語圏ではないことがわかってしまったのだった。英語のものであってもとても勉強になるとは思えない。「何のDVD持ってんねん?」「え・・・モンティパイソンしかないよ、これで覚えたらヤバいじゃん」「そんなことはない、それで勉強しなさい!」「エエ〜〜???」といった会話をしておりました。
そういえば、見てないDVDがある。それは銀座の本屋で見かけた500円DVDで、「第三の男」と「チップス先生さようなら」のピーター・オトゥールじゃないもっともっと古いもの。どうせならピーター・オトゥール盤にすれば良かった。それなら勉強のしがいもある。へそ曲がりはこうやってつまらない損を繰り返すのだった。王道を押さえるべき時を間違えてしまうのだった。

きのうの「moog」の話しから始まって、どうもアメリカもんよりもどうしてもイギリスもんの方がバンドは好きなわたしたち(とゆうかアメリカが好きじゃない)。彼女のテレビのお薦めは深夜にやっているUKもん。「見てヨォ〜」と何度か言われているのだけど、わたしは丑三つ時には完璧に口開けて寝てるのでその番組見たことありません。
「それからサー、イギリスのドラマで村にひとりだけいるオカマの話ってのがあるんだけど、それがおもろいんだけどなんやねん、あの主役はどうゆう人なんかシランかのぉ〜」と小倉弁で聞くのだったが、わたしは見てないってばよ。村にひとりだけのオカマ・・・っていっても、ほかにも隠してる人がいるかもしれないじゃん、と言ったら、それはドマラじゃけ〜そんなもんはシランよ、と言われた。
行ったライブで自慢できるもんはなんかのぉ。「ボブ・マーリーみたんよー、自慢やねん」。そうか・・・わたしは何かなぁ、そのクラスのメジャーな人で言えば・・・プリンス横浜球場かなぁ。いつレゲエを知ったか?やっぱりボブ・マーリーだったんだろうか?いつのまにか浸透していたのだけど、一番強烈に入ってきたのはやっぱり「ハーダーゼイカム」の映画だったとです。あれって誰だっけ??と帰るまで思い出せなかったのに、原宿の駅の手前あたりで「ジミー・クリフ」のなまえがやっと出てきた。ドレッドヘアーが水をはじくシーンしか覚えてないんだよ、ホントは。でも、強烈だったとです。ボヨヨ〜ンって何本もの束が帽子から現れて海の水をはじくシーン。

あれを見てジャマイカとかレゲエとかやっとわかったような気がしたのでした。

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■4月28日(木曜日)
『2 Species 8』タイトル「湯浅学サティを謡う」
高円寺「円盤」 
チャージ1000円(1ドリンク付き)
開場:19:00 開演:19:30
出演
サボテン(松本里美・宮川いづみ)/ゲスト:湯浅学、田口史人
松本里美のソロ
ミヤカワイヅミのBONSAIt/「10 WORDS」:詠み人:松本里美

【松本里美8mmフィルムアニメーション作品 DVDR『+P』発売!】
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1987年と1992年の個展の際に製作した8mm フィルムアニメーションに新たにヴィデオアニメを加えてDVD-Rにまとめています。
音楽もたくさん聴けて楽しいヨン様。
1500円(クリスマスカード付。あ、もうお正月だから、1月予約の方には年賀状も差し上げます。)
円盤で販売いたします。なお、松本HPからも通販できますので、こちらもご利用ください。送料込みで2000円です。
「円盤」東京都杉並区高円寺南3-59-11 五麟館ビル201 TEL/FAX 03-5306-2937
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◆2005年3月17日(thu) 「moog」でジャック・ワイルド

充実の一日。
工房にて作業。大きな版にとりかかり2日目。1版目をなんとか試刷りするまでに至る。水辺の感じがうまくいったので良かった。また、鳥男の顔がなかなかの出来で、こちらも満足。あしたはさらに細かいところのツメを。2版目で水を描く。タイトルはYさんが言った一言をヒントに「FLY-FISHERMAN」にした。『FRYFISHING』というのは毛針で何度も水面を叩くようにして魚に虫がいるように見せて釣る方法で、その『Fry(ハエ)』と飛んでいる鳥男をかけて(なんでこんなオチを考えねばならないのか!でも、ちょっと良いでしょ)付けてみました。鳥男は自分の羽根を水面に落として魚を釣ろうとしています。そんな絵。


「moog」シブヤシネマソサエティで上映中。
木曜日に行くと何故かスミノフブラックICEが貰えます。後ろはMOOG使用マニー・マークの『push the button』アナログシンセのツマミはお好きな方多し。


8時、工房を閉める時間まで制作。工房からYさんと一緒に渋谷まで歩き。マークシティの裏の映画館へ。「moog」。一応整理券を貰いました。17番。入場時間までお茶しながら次の作品のためのラフスケッチ。非常に充実。9:05入場。
木曜日は上映前にトークショーがあり、きょうは川勝さんとデザイナーのお二人。楽しい写真やレコード紹介、MOOG博士と会った話しなどで、和む。こういった映画に来る人というのはどんな人かというと、シンセ好きに限ったわけではなくて、音プラスビジュアルで来ている感じ。どうもデザイナー風(グラフィックの)が多く、マニアックといっても秋葉原風ではなくて、お客さんがみんなかっこいいのでした。できたらわたしも秋葉原の客よりこちらの客と仲良くなりたいもんだと思いました。
トークショーのある木曜日は何故かスミノフが貰えます。小さいのかと思ったら、大きいボトルでした。映画はタイトルといい最初のアニメといいファンキーな作りでかっこいいのですが、内容もファンキーでした。順にMoog博士の半生を語るというものでははくて、関わった人がコラージュされている感じ。
Moog博士は『回路』に「
感じる」ものがあった・・・そこから始まったと語っていましたが、わたしの回りにいる人にも回路好きが多く、松本氏もそういえば子どもの頃一番欲しかったのは「マイ・キット・オールマイティ」というキット(ラジオなどが作れるキットだと思う)だったと言っていた。その後美学校で小杉武久さんの音楽教場に行くのだけど、その小杉さんも美術手帖のインタヴューで最初はラジオでした・・・と語っていた。そこに参加していたミネギシさんはBONSAItとHIKUIYAMAでアナログシンセをしているし。向井千恵さんも小杉さんのところの人だったんだけど、回路とは関係ないかも。
わたしのDVD-R"+P"の最初に登場する立体楽器作品の裏側にはセンサーのための回路がついています。これも松本氏がハンダ付けしてくれたシロモノ。

さて、映画の最初に出てくるミュージシャンはマニー・マークで、わたしが持っている「push the button」の印象とは違ってヒップでした。とゆうか、何人(ナニジン)?わたしこの人好きです。このCDしか持ってないけど。いろんな音を出している間Moog博士も楽しそうでした。こうゆうところが科学者の好きなところ。嬉しそうなんだもん。

おもしろい部分はいくつもあったのですが、最初のものは鍵盤は付いてなかったわけで、その後鍵盤をつけるかどうかについて相当悩んだという話しあたりがおもしろいと思いました。鍵盤をつけたことでその後の音楽は随分変わったのだと思うけれど、そうじゃない方がおもしろいと思って使っている人も多いのも確かだと思う。わたし自身は使わないので、どこがどうとかは言えませんが、キース・エマーソンの使用している『機械』は見た目だけでもぅ感動的です。配線とノブが。
ほかにも良いシーンはありましたが、全然シンセと関係ないところでどうしても言っておきたいことがあるんすよねー。それはリック・ウェイクマンが語っていたジャック・ワイルドのこと。YES

リック・ウェイクマンが最初に買ったMINIMOOGはこの方から半額で買ったという話しがでてきます。「ジャック・ワイルドって映画の端役をやっていたらしい俳優が1音しか出なくてコレ壊れてるから半額で売るって言ったんだよー、ワッハッハー」なんて語ってます。そりゃ1音しか出ないよ。それはいいんだけどさ、ジャック・ワイルドはわたしにとっては有名人なもので、エエ〜ッと思ってしまったんですよ。そいで、帰りにパンフレット買って電車の中で読んでたら、安田謙一氏も「ジャック・ワイルド(よくしらない)「小さな恋のメロディ」の端役」なんて書いてる。この方は「小さな恋のメロディ」よりも先に「オリバー」でマーク・レスターを食って一躍スターになった名子役なんだぞぉ〜!これでブレイクしたからこそ高いMINIMOOGも買えたに違いないのよ。
我が家ではその頃ずっと映画雑誌「スクリーン」をとっていて、当時ビョルン・アンドレセン(アンデルセンともいう)やサジット・カーンと並んでスター子役だったんだぞぉ〜。もしかして知らない人もいるかもしれないからワザワザ書くけど、ビョルンくんは「ベニスに死す」の美少年。カーンくんはTVシリーズ「巨象マヤ」の象使いのインド人美少年。わたしくらいの年齢の人しかもぅ知らないのかなぁ・・・・ショック。
「スクリーン」は家族で見ていたのだけど、だいたいはその頃思春期だった姉が俳優の写真を切り取るために買われていました。トロイ・ドナヒューとかね。大根役者と言われてました。姉はその他トニー・カーチスとポール・ニューマンが好きだったのだけど、サジット・カーンは特に好きだった。わたしはビョルン・アンドレセンよりもダーク・ボガードの方が興味をそそられるような少女であった・・・。「ナポレオン・ソロ」でも姉はいたいけなデビッド・マッカラム派だったけど、わたしは癖のあるロバート・ボーンの方が好きだった。

ジャック・ワイルドに話しは戻りますが、高校生の時そっくりな先輩がいて、「鼻だけジャック・ワイルド」と呼んでました(鼻がみじかいのが特徴だった)。みんなが知ってるからそんなあだ名もついたわけで、それだけ有名だったのよ。
と、ジャックくんの名誉のためにスペース割かせて頂きました。

70分映画だったので11時には終了。ナント家に11:30に着いてしまった。近い。


◆2005年3月16日(wed) 神保町でやっと見つけたクルト・ヴァイル

午前中は神保町へ。
目的は版画用品の店文房堂だったのだけど、神保町は家からはあまり交通の便が良くなくて、なかなか行けないから、こうゆう時にたくさんいろんな店を見て回ります。きょうは白山通りの方に直接地下から出ないで、靖国通りの方から岩波ホールへと行く出口からスタート。
ここには英語の専門の古書店があり、英語で本がスラスラ読めるようだったら是非欲しい本というのがたくさんあります。でも、どれも分厚いなぁ。でも、一冊買いました。これは日本語のものですけどね。エッセイ集。そのすぐ横になりますが、音楽専門の店がありまして、ここでは捜している楽譜と本はないか?と見る。無かったんだよね。
それから白山通りを右折。新しい店ができている。最近来てなかったからいつできたのかわからないけど、サブカルチャー関係の店でした。どうも、アニメ関係がここにも押し寄せてきているような雰囲気プンプン。
チロチロ見ながら小宮山書店まで歩く。ここはいつも覗くことになっている。でもきょうはちょっとだけにする。靖国通りの方で時間をかけ過ぎてしまった。フと初版本や原稿が飾られているガラスケースの中を見たら、田村隆一の字がすごく汚ないのを発見。好きだったんですけど、字は小学生みたいで雰囲気と違った。ガッ。その横に目を移すと澁澤さん関連。「ポマルツオの怪物」がなんと10000円だっ!わたしこの本持ってるよ・・・別に売らないけど。
そこから右にまがって久しぶりに「ぶらじる」でコーヒーを飲もうと思った。しばらく前で悩んだのだけど、天気がこんなに良いのに穴の中は嫌だな・・というのと時間がもぅなさそうだったので諦めてしまった。
そこからすずらん通りへ出て左へ。古い楽器屋を眺めつつ文房堂へイザ、というところで、右に曲がったところにある「ジャニス3」につい入ってしまった。時間がない、と言いながら随分ここにいた。


「Lost in the Star/The Music of Kurt weill」眼鏡が素敵なドイツ人。50才でお亡くなりに。モッタイナヤ


ここで、一度もまともに聞いたことがないのでいつか見かけたら買おうと思っていた「Lost in the Star/The Music of Kurt weill」を発見。今聞きながら書いてるんだけど、良いのもあり、変なのもあり、須山さんのようなものもあり(ブレヒトとのはやってるんだっけ)、へぇ〜ってのもありで、やっぱり買ってよかったです。ハル・ウィルナープロデュースのシリーズ3作目、クルト・ヴァイルのトリビュート。ほかのシリーズもフェリーニ作品ばかりなのか(?)ニーノ・ロータのものやセロニアス・モンクのもので、欲しくなってしまうものが出ています。
何が良かったかなぁ・・・ルー・リードの「セプテンバー・ソング」はわたしの中ではサラ・ヴォーンや、アメリカ的!というイメージでドリス・ディがどうしても思い浮かんでしまうので、全然違ってておもしろかった。最初は全然わからなかったなぁ。ジョン・ゾーンのは当時(80年代)の雰囲気そのまんまでこれはこれで懐かしくなるような出来上がり。マリアンヌ・フェイスフル意外とよかった。ダグマー・クラウゼの「スラバヤ ジョニー」よかったかも。声に張りがあって。曲としてはドアーズでインプットされている「アラバマソング」がわたしは好きですが、ヴァン・ダイク・パークスがやっている3曲と白人ベースのジャズのチャーリー・ヘイデンのが良かったです。いかりや長介思い出します。チャーリー・ヘイデン好きなんです。眼鏡が・・眼鏡かけてるから好きなわけじゃないですけどね。クールで良いです。今ブルーノートに来ている。
ヴァン・ダイク・パークスからルー・リードのセプテンバーソングに繋がり、カーラ・ブレイのロスト・イン・ザ・スターズに行くところが絶妙に良いじゃん。何度もここ聞いてしまった。レコードではB面になるんでしょうね。途中数曲とばして(全然好みじゃないのがつづく)ヘイデン〜パークスで終わるところがまた良いじゃん。

1曲ゴラン・ブレゴヴィッチのタンゴの曲かと思うようなのがありましたが・・・あ、コッチの方が先か。どっちも良い曲だからいいや。

このアルバムに影響された日本のミュージシャンは多かったように想像してしまいました。これが出た85年にもしわたしがこれを聞いていたとして、もしかしたら、
ヴァン・ダイク・パークスのが一番いいと思ったかもしれない。なわけで、結局80年代的アレンジのものではないようなもの(って曖昧な言い方だけど)の方がわたしとしては好きかもしれず、80年代にバンドをやっていたといっても、何も変わらないなぁ・・・とか、思うのでした。聞くものとやるものとはわたしの場合まったく別ものかも。

ヴァン・ダイク・パークスがやっている「ジョニージョンソン」というブロードウェイ作品は、元を聞いたことが多分ないと思うので、元が良いのかヴァン・ダイク・パークスが良いのかわかりませんが、きょうは夜何もしないでずっとこのあたりを聞きました。

そうだった、きょうの午後は勿論工房で作業。マングースとハブの戦いの色で悩んでいますが、ハブのせいで見てくれる人があまりいなくてAloneです。
さ、あしたも工房だい!あしたは7時ころまでがんばって、そのあと「MOOG」を見に行く予定。一日楽しい予定。それにしても「MOOG」は9時20分からで、あしたは川勝さんのトークから始まるので実際に映画が始まるのは9時50分だって!遅いのぉ・・・眠ってしまいそうです。何時に終わるんだろう・・・・。

◆◇お知らせ◆◇

■4月28日(木曜日)
『2 Species 8』タイトル「湯浅学サティを謡う」
高円寺「円盤」 
チャージ1000円(1ドリンク付き)
開場:19:00 開演:19:30
出演
サボテン(松本里美・宮川いづみ)/ゲスト:湯浅学、田口史人
松本里美のソロ
ミヤカワイヅミのBONSAIt/「10 WORDS」:詠み人:松本里美

【松本里美8mmフィルムアニメーション作品 DVDR『+P』発売!】
■12月23日(木曜日) 高円寺「円盤」にて発売中です。
1987年と1992年の個展の際に製作した8mm フィルムアニメーションに新たにヴィデオアニメを加えてDVD-Rにまとめています。
音楽もたくさん聴けて楽しいヨン様。
1500円(クリスマスカード付。あ、もうお正月だから、1月予約の方には年賀状も差し上げます。)
円盤で販売いたします。なお、松本HPからも通販できますので、こちらもご利用ください。送料込みで2000円です。
「円盤」東京都杉並区高円寺南3-59-11 五麟館ビル201 TEL/FAX 03-5306-2937
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◆2005年3月15日(tue) Bright Goddess, and Alone Funny lady

きょうはおもろいどすえ。
しかし、ちょっと昼間テンション高かったせいで今猛烈に睡魔が襲ってきたので、あんまり書けないかも。いや、がんばろ。

何があったかといいますと、きょうわたしは友人のHさんに連れられて外国の方と会っていましたのです。Hさんの英語の先生です。日頃わたしもちょっとは英語がしゃべられると良いなぁ〜と思っていたのでレッスンに参加させていただきました。

英会話教室の先生というのはどんな人が教えているのかわからないというのがなかなか行くキッカケとならない点だと思います。できることなら自分の興味のある話しをして、相手側からもそれについての有意義な意見がかえってくる方が良いと思うのです。好きこそモノの上手なれ。欲求こそが進歩の道、創造の源!と最近は思っているので、できることならそんな創造的な方と会話したい(日本語だろうと英語だろうと)ではないの?Hさんのお話を聞いていると、どうやらこのE先生は相当創造的なお方なのでした。なんたって大駱駝館知ってる人だし、お母さまも90才にしてモダンダンサーとか。う〜む、もしかしたらマースカニングハムの先生だったりして・・・フルクサスの母だったりして、なんて勝手な想像をしてしまいました。

広尾のお住まいへ伺う。ここはまたおもしろいところで・・・京都みたいなんですよ。広尾といえば都会のドまん中ですけどねー。これはまたいずれ書きませう。おもしろい場所です。引き戸の家。

さて、いきなりカンヴァセイションに突入するんですよねー。普段はおしゃべりですが、英語となるといきなり「無口」なわたしです。そんなことではいけないと思ったので一応話しのキッカケになるように、と「柳ホテル」の絵のポートフォリオを持参しました。ソロライヴの時に時々持っていっているもので表紙には「歌う柳ホテル」と書かれています。一枚一枚小さな文章を入れているので、説明をしたらおもしろいんじゃないか?と思った次第。
きょう学んだWORDSの一つはホテルのオーナーのマダムモニエは「gaudy」である、という単語です。これは「派手」という意味です。「Her nickname is "Peacock"」「Becouse she is very gaudy.」なんです。「gaudy」の発音はガウディではなくてゴゥディ。そういえばガウディの作品って派手よね、なんてことを言ったりするのですが、まったく関係ないです。それでも、そこからガウディの話しに移れるし、そうゆうのが楽しかったです。E先生は博識でした。いち早くわたしのバッグに気がついてくれました。それはわたしの絵がプリントされている(このバッグA4サイズが入るので重宝です)バッグで、楽団シリーズの絵柄でした。そこで「これはジプシー(ロマ)楽団のシリーズです。そうゆう音楽が好きなの」と言いますと、「ロマニーミュジック」のことだけではなくて「クレズマー音楽」についてもご存知のようだったので、さらに話題は膨らむのでした。その辺のことならマカシトキッ!と思うわけですが、いかんせん頭の上には多数の噴出しが現れるものの、英語にならないんだなぁ〜・・・これがもぅ普段おしゃべりなだけに忌々しいことこのうえない。そんなもんよね、誰だって。

わたしの他愛無い話も一段落したあと、今度はHさんが中心のお話となる。彼女はケルトの森を題材にした版画をたくさん描いているので、そのあたりの書物などを持参してレッスンしているらしい。「では、その本にサトミの描いている柳の木はありますか?」とE先生。なにやらタロットカードも持参しているのだけど、これが全部美しい木の絵柄になっているのです。わたしが好きなヨーロッパ特有の太い柳の木があり、その説明をHさんが読みました。あんまりわたしはわからなかったんだけど、その中に「Bright Goddess」とい言葉が出てきまして、これは「輝ける女神」とでも訳すのかしら?(ケルトの信仰は女性をリスペクトしているのよぉ〜との説明でした。リスペクトってそうやって使うのね。お勉強になりました。)
E先生「Oh! それはSATOMI!のことよ」とかなんとか英語で言うのよ。そのあとその文章には火祭りのことが出てきて、「サトミは火のイメージだわ、赤い」みたいなことおっしゃいまして...わたし赤い服着てただけなんだけどサ。でも、彼女はとても霊感のある方らしく、精神分析やアートセラピーなるものの学位もとっておられるのでした。とてもエキゾティックな方なので、そう言われるとそんな気がしてくるではないの。
「Bright Goddess」なんてチトいいでしょ?これから使わせて貰おうっと。
そのあとも会話はつづくのですが、聞き取るのが苦手なので、多分ほとんど間違って聞いていたと思います。それに、「女性」の部分と「男性」の部分とあなたがたもわたしもとてもバランスがとれていると思う、と先生が言っている時には「いや、わたしはオヤジです。ナ〜ンテ言ったら笑うかしら?それともバカにされるかしら?」とかいつものバカ話しをどうしてもしたくなってしまうので、それを堪えるのが大変だった。しかし、その片鱗はついどこかで出てしまうもので、「She is funny.」E先生said。「Funny and Bright Goddess」「おかしな輝ける女神」と発展。
最後にE先生が持っている、というか教材にしているらしいタロットカードをわたしが一枚引くことになりました。そこには羊に囲まれた子どものライオンの姿が・・・。その解説がどうもよくわからなかったのですが(あとでHさんと話したのだけど、お互い違うことを考えていた。真実はどこに)、いつも羊たちと一緒にいたので自分も羊だと思っていた(みんなと同じで安心している・・・日本人特有・・・のだけど、大人になって池で自分の姿をみたら、自分はまわりの羊たちとは違うということを発見し、トランス状態に陥る(とわたしは理解したのだけど、Hさんの理解ではトランス状態になった意味は違うらしい)。そいで、そこには羊のようなところはなくてなんとゆうか多分野獣派的なものが満ちていたってことで、ライオンは「Alone」を意味するのだって。最初は「エ〜ッ」と思ったけれど、こう見えてもわたしは「孤独」と友だちなのよ。
一人でいることは淋しい時もあるけれど休まる時もある。てなことで、きょうわたしのキャッチフレーズが決まりました。「 Alone,Funny and Bright Goddess」『ひとりぼっちのおかしな輝く女神』よ〜。「Bright Goddess」だけの方が良いけどね。

ビッシリ会話しました。でも、半分以上適当な受け答えだったと思います。ひとりだったらもっとパニックになったと思います、わけわからなくて。終わったあと、Hさんと復習&反省会。「あの話しは、こうゆう意味だったんだよね???」「エ、そうだったの、知らんかった」と、悲しい会話なのだけど、これはこれでまた楽しいのでした。
いやー、冷や汗かいて疲れたぁ〜。
また、行ってこよっっと。


◆2005年3月14日(mon) 待たせても、待つのは嫌いホトトギス

今月は特に事件があるわけでもないが、淡々と日記を綴る毎日となっています。一日だけお休みしてしまって残念だけど、ライヴをしたり、見たりした日は帰りが遅くなるわけで、それなのに書きたい事が多い、シッカリ書きたいという気持ちからなかなか帰書くことができません。休みなく書くというのは大変なことですが、わたしの場合ほとんど毎日のペースです。大変というよりはもぅ習慣なので、とりあえずは書く、という感じ。

特に事件もないのに書いていくというのこそ日記という感じがしてここんとこ
の日記は読んでる人はつまらないだろうけど、わたしにとってはコレぞ「日々」ってわけで、日記らしくて良いなぁと思ってます。そんなにそんなに特殊なことというのは起こらない。特殊なことを書くのは難しいことじゃないけれど、日々の事を書くのってなんて難しいんだろう・・・とちょっと思います。ヌーヴェル・ヴァーグの映画みたいなもんで、面白くはない、でも、そこはかとなく自分が見える。

きょうのアッタマキタ!について。
申告書類にひとつ足りないものがありまして、その書類を待っていたのですが、全然来ない。で、その元はどこかというと、役所なんです。去年数カ月品川区の仕事をした時の源泉徴収票が、届かない。ギリギリとはいえ先週の金曜日には問い合わせていて、その時の係りの対応では、今日中(金曜)にお送りいたします、とのことだった。同じ品川区内だったら、完璧に土曜日には配達されるハズなのに来ない。日曜日も来ない。これはこないだろう。で、きょう午前の配達で届くのだろうと思っていたのだけど、やっぱり届かない!どう考えても金曜日には送ってないと思われる。土曜日も日曜日もお役所はお休み。となるときっときょう送ったんじゃないかと思われる。やれないことは約束しないでいただきたいとです。ナメとるんかい・・とです。

それにしても、申告書類だということはわかっているハズなんだからきょう着くようにすることくらい考えてもいいんじゃないかと思うんだけど、お役所仕事に対するわたしの見解甘いでしょうか??
あしたギリギリまで待たねばならなくなってしまった。自分はいつもギリギリガールズだけど、人のギリギリはイライラするっち。人間できとらんのよ、人生まだ半分いってないからサ(100まで生きる予定)。

そんなこんなで昼まで実は電話のやりとりFAXのやりとりで忙しかった。
午後からは「鳥男」の描画をする。夕刊を眺めていたら、「ハウルの〜〜」の絵が少し載っていて、やっぱりハウルって人は鳥になってるみたいなのね。わたしが描いている鳥男と似ていたら嫌だなぁ、と思うんだけど、検証のため映画を見る、という気にもならないので、このまま押し進める予定。
新聞は夕刊がおもしろい。きょうは大阪万博からオタクは生まれたというコラム(多分ヴェネチアビエンナーレでオタク企画をした方だったと思う)と、アメリカでアニメの本場日本アニメツアーが大流行りという記事がおもしろかった。コミケや中野のアニメ本屋(タコシェかなぁ)に行くんだって。そのほか、漫画に出て来る土地の観光もするとかで、全世界的に日本アニメブーム。アニメ関係の本屋での写真が載ってたのだけど、写っているアメリカ人は9人。美人女性1人、この人が中心で写っています。男性6人は全員太っている。内4人は眼鏡。女性2人も太っていて眼鏡でした。9人中6人眼鏡で、8人太っている。別にアニメ好きの統計でるとは思ってませんが、見事に風体揃った写真だったので数えてみました。
先週は瀬戸内さんと山田詠美さんの対談本の内容についてひとこと書いてあって(早川義夫選だった)これがおかしかった。何故か忘れられないのだが、読む気はしなかった一言「前衛って田舎くさい」。どんな風な切り口なのか読んでみたい気もしないではないのだけど、流行らないもの、という観点だとしたらおもしろくないな。少し前にも書いたけれど、わたしは前衛は前衛であればあるほど、ポピュラーになりうると思っているから。


同じページに湯浅学さんのコアな漫画の話しの連載。次回4月の円盤サボテン企画ライヴは湯浅さんがゲストです。湯浅さんはサボテンデビューのころから客席にいたなぁ。インタビューもされたけれど、当時わたしたちはとってもシャイで、質問されても単語ひとつかふたつくらいしか返事しないもんだから、湯浅さんも困ったと思います。数年前サボテン三たびライヴをするようになってからは、随分しゃべるようになった。どっちも毒舌なんだけど・・・。というわけでサボテンのサティは20年前から知っている方ですので、どんな風に共演してくれるのかとても楽しみです。あ、因にギターでは参加しないそうです。ギターは円盤店長の田口さんが弾きます。

銅版をずっと見ていたら目がボヤけてしまってどうしようもなくなってきたので、きょうは作業は少しでした。


◆2005年3月13日(sun) 鳥男はさかなを釣る

ホームセンターに行く。
そのあとモノレールと運河沿いの公園に行ったのだけど、寒くて眠くて、結局わたしだけ車の中でキャンプ用のブランケットにくるまって寝ていた。そのあたりは少し前までは粗大ゴミが平気で捨てられていたような場所で、車も何台も捨てられてたところ。よくニュースでも映してた。野犬もいて怖かったのだけど、今は道路横にきれいな歩道ができて、取り締まりも厳しくなっているのでそうゆう状態ではなくなっていますが、やはり人気(ヒトケ)の無いところではあるので、道を通る人がブランケットにくるまって寝ているわたしを覗き込んで「死体がある」などと言って足早に過ぎていくのでした。

死体と化して熟睡。きのう、睡眠時間削減計画を大いばりで書きましたが、こうやって居眠りして帳尻合わせてんの。なんてことはないです。

きのうの親戚の集まりは、二次会で母の家にみんな雪崩れ込んだのでしたが、母の愛読書が週刊誌4誌とアエラとかそんなののため、話題はどうしても「ホリエモン」になってしまうのでした。でも、やっぱりおもしろいじゃない、この話し。フジテレビ戦国時代、謀反に復讐などもからんでおもしろいなぁ。一番おもろくないのはやっぱり年寄り政治家の言葉で、堤家のお父さんといい、古臭いことこのうえない世界でチンマリ生きているんだなぁ。
ホリエモンの話しはこれからも楽しませていただくとして、そのおかげで随分最近はテレビニュースを見るようになったような感じ。
そこで、漢字について二つ長年間違って考えていたものを発見。ひとつは株の話しに出てきた「機関投資家」。これずっと「期間投資家」と思っていた。それから奄美の島「喜界島」はずっと「奇怪島」か「機械島」と思っていた。これは「軍艦島」のことが頭にあるからで、「軍艦島」のようなおもしろい場所がほかにもあって欲しいという希望的当て字でした。

死体的熟睡のおかげで夜は目がパッチリ。これからまた「鳥男」を描く。


◆2005年3月12日(sat) 軍楽隊に入る甥に乾杯!

珍しく親戚の集まりへ。
甥が結婚。若いんですけどねー、25才。トロンボーン吹きです。軍楽隊に入るんですよ、コレが。軍楽隊好きなわたしとしては嬉しくて嬉しくて、今度わたしのコレクションをプレゼントするからね〜と約束しました。この子の兄が去年のわたしが審査員をした時の「TVチャンピオン」のヴィデオをちゃんと持っているということだったので、さっそく送ってもらう手はずをとる。放送されなかった地方の方、見られなかった方で、見たいと言っていた方、やっとダビングして差し上げられますのでお待ちください。DVDにして置こう。


わたしの家(実家)は親戚付き合いが嫌いでして・・・滅多に集まりません。やむを得ず集まらねばならなくなった時には極力簡素にする。でも、きょうは音楽をする(姉夫婦も合唱やってる)人が多かったので話しも豊富で楽しかった。そういえば、春風亭柳昇はトロンボーンを吹いていたけど・・と言ったら、全員当然のように知っていたのでサスガ我が家族!と嬉しかった。ついでに甥の兄の方は「ボボボーボ、ボーボボ」にも精通していたので、ウチのオタクな子どもも話し相手ができて楽しかったようで、このくらいの少人数の集まり(だったの)だったらまた集まってもいいかも、と思うのでした。

夜帰宅したあとはずっと申告資料の整理。これに随分時間がかかり、午前を回るころやっと人心地。メイヨ・トンプソンのソロアルバム「CORKY'S DEPT TO HIS FATHER」を聞きながらゆっくりコーヒーを飲むのでした。このアルバムはメイヨさんのバンド、レッド・クレイオラとはまた違っていまして、パンクな感じはありませんが、やはり独特のギターのサウンドと旋律があり、これが心地よいです。

きょうは・・というか夜中これからまた「鳥男」の絵の下絵に取り組みます。最近はワインを飲むとすぐに眠くなってしまうようになったので、ここんとこ全然飲んでません。でも、11時ころになると睡魔に襲われてました。だけど、やることが貯まっているので少しづつ睡眠時間を減らす努力をしております。2時ころまではなんとか起きていられる感じになってきました。こんな感じで展覧会まで突き進む予定。

◆◇お知らせ◆◇

【松本里美8mmフィルムアニメーション作品 DVDR『+P』発売!】
■12月23日(木曜日) 高円寺「円盤」にて発売中です。
1987年と1992年の個展の際に製作した8mm フィルムアニメーションに新たにヴィデオアニメを加えてDVD-Rにまとめています。
音楽もたくさん聴けて楽しいヨン様。
1500円(クリスマスカード付。あ、もうお正月だから、1月予約の方には年賀状も差し上げます。)
円盤で販売いたします。なお、松本HPからも通販できますので、こちらもご利用ください。送料込みで2000円です。
「円盤」東京都杉並区高円寺南3-59-11 五麟館ビル201 TEL/FAX 03-5306-2937
松本里美:satomi@m-bros.com


では、今年も「Satomi Matsumoto 8mm Film Animation "+P"」よろしくね。
今までの制作日記をまとめたものはこちらです。


◆2005年3月11日(fri) レッド・クレイオラはパンクだった

きょうは雨降り。でも、たしかに春は近づいてるよねー。

きのうは工房で『暴れん坊シリーズ』の「マングースVSハブ」を制作。工房で作業している人に見てもらって意見を聞こうと思ったが、2名に「ヘビはどうしても見られない〜、苦手〜」と断られてしまった。かわいいと言ってくれる人もいたのだけど、このままではイカンなぁ・・・と、思うのでした。ヘビをなんかもっとかわいらしく描けないものかと思案した結果、尾の長さを短くすることにした。インクを尾の方まで詰めなければいいわけで、試しに1枚刷る。きのうはほかにも「猫かぶり娘」を刷っていて(タイトルだけだとなんだか想像つかないでしょうが、少しづつお見せできると思いますのでお楽しみに)、気がつくと汚い手だった。山本容子さんは今も爪をきれいに伸ばしているのかなぁ。以前見た時はとても作業をするような手ではなかった。版画をしている人が爪をきれいに伸ばしていることができるのは、きっと刷り師がいるのだろう・・・とか、あんまり凝った刷りはしていない(手彩色だからね)というのが理由だと思う。だけど、お料理もしている人だから、ちょっと不思議。でも、大抵の人はちゃんとゴム手袋をしてやってるんだよね。それだとそんなに汚れない。ただ、わたしは指の感触でインクの拭き取りを確かめたいので、手袋は後片付けの時くらいしかしないのよね。それが汚くなる理由。そんなわけで右の爪はインクが詰まっていることが多く、爪も小学生なみ短い。左はどうかというと、ギターの弦を押さえる必要上絶対に伸ばせない。クラシックギターの人は弾く方は伸ばしてるし、固くしてるんだよね。わたしは爪柔らかいです。でも、カルシウム飲んでるとどんどん固くなるみたいです。最近ちょっと飲んでます。

きのうはそのあと渋谷のnestにレッド・クレイオラを見にいったのでした。
3組その前に出てたのですが、二つ目まではどうも立つ気になれず、フロアの段のところに座ったまま少し寝たりしてました。大友さんの時にはそろそろスタンバイしなくちゃ〜と思って少し前へ移動。兎に角混んでいたので、一度場を離れて後ろへ行ったら二度と前へは行けそうになかったので、大友さんの時には前から5番目あたりにズリズリし、本命レッドクレイオラの時には2列目と3列目の間くらいでバッチリ見てしまいました。大友さんは「ギターソロ」というアルバムが出たばかりだからかアコースティックギターで「ミスティ」から始まるインストヴァージョンでした。わたしは「円盤」でかかっていたのを少し聞いただけですが、エレキのノイズヴァージョンがかかっていて、それはとてもカッコよかったです。アコースティックはほとんどスタンダードな雰囲気の演奏でした。と言っていいのかどうなのかよくわかりませんが。そう聞こえました。みんないろんなことやるんだよね。やりたい事はひとつじゃないものね。いろんなことしたいと思うのはみんな同じでそして、どれも同じ人がやっていることなのよ。まったく違うことにはならない。

レッド・クレイオラはとても楽しかったです。まだまだツアーが残っているので、あまり書かない方がこれから見る人のために親切だと思うので書きませんが、ギター二人とドラムの3人です。メイヨさんのギターもおもしろかったけど、もうひとりのピーター・セラーズ何かいいことないか子猫ちゃんヴァージョン(と演奏最中ずっと思ってました)の人のギターも良かった〜。メイヨさんのは詩もおもしろいらしいのですが、これは残念ながらよくわからない。でも一番思ったのはその曲づくりのおもしろさで、一つ一つの曲に飽くなき挑戦と工夫が見られることで、のんべんだらりと曲は作ってないんですよ。妙なギターを弾きながらウニャウニャと歌う。一番のれたのは5拍子の曲でした。かっこいい。アメリカンロックというかルーツミュージックのようなものもあるんだけど、
交互にいかした妙チキリンスタイルが入る。歌があって、合ってるような合ってないようなギターがあって・・・これ、基本的にわたしの好きなスタイル。あとわたしがいいなぁと再認識したのは、ギターの音ですねー。エフェクターはたったの1個。それもそんなに使わなくて、ほとんど素のアンプの音でした。コレでも十分良いです。

と、さんざん書いてしまいました。すみませ〜ん。

そういえば、混んでる中たくさん知ってる人が来ていたみたい。その中でオヨヨッ(懐かしいでしょ)と思ったのはわたしの少し横にいた女の人で、どう見てもサボテンやる前にやってたバンドのチューニングできないベーシストだったんですよ。背の高さといい眼鏡といい、髪の感じといい服そうの趣味といい間違いない!わたしは当時このGさんにセックスピストルズほかパンクものを借りて聞いていたのでした。きのうのコンサートにも来ていて全然おかしくないもんなー。いや、お懐かしい。
帰りに買おうと思っていて買えずにいた「HAZEL」を買い、知り合いに会ったのでお茶をして悲しい汚い爪を見せて帰宅。
そういえば、mapプレゼンツでは以前ダニエル・ジョンストンに行ったっけ。その時にはジョンストンイラストのTシャスを買いました。ジョンストンさんのイラストがかわいいので、コレは行く前から買おうと思ってた。今回のTシャツは絵柄がレーガン大統領だったので止めました。

お懐かしい
Gさんとは思い出すのも恥ずかしいのだけど、ヤードバーズなどのカヴァーなんぞをしていたのでした。その時はわたし英語で歌ってました。もぅ忘れたい!それで、アントニオーニの「欲望」のライナーノーツを読み直してみたのですが、ヤードバーズではなくて本当はTHE WHOにしたいらしかったのね。スゥインギング・ロンドンの象徴として。ギャラの交渉で揉めてる最中にヤードバーズのやり手マネージャーがねじ込んだらしい。でも、本当はアントニオーニはベルベット・アンダーグラウンドが良かったみたいよ。アメリカは駄目ってことでこうなったらしい。しかも、さらに本当は音楽は全然入れないで街の音だけにするつもりだったらしいのですねぇ、アントニオーニさんは。たまたまハービー・ハンコックを聞いて気に入ったということなんだって。音楽全然入らないというのはおもしろいかもしれないけれど、わたしはあんまり見たくないです。

きょうは工房で「猫かぶり娘」が完成したので次の作品にうつることにしました。次は「Fisherman-Birdman」というタイトル。「BIRDMAN」はわたしのアニメDVD-Rにも入ってますが、好きなキャラクターです。顔は鳥そのものではないのだけど、嘴はついている・・・そんなのを良く描いていましたが、今回の作品の鳥男はお面タイプ。羽根は天使のように背中にくっついているのではなくて、腕そのものになっている。そいでオチですが・・・・というほどでもないですが、自らの羽根をバタバタさせて水の上におとし、魚を呼ぶ・・・ルアーフィッシングですな、そんなことをしています。


◆2005年3月9日(wed) 水曜日の午後

サボテンの練習。
サボテンは現在、正式メンバーはわたしとベースのイヅミちゃんの二人です。ドラマーはグンジョーガクレヨンのドラマーの宮川篤志氏で、イヅミちゃんのだんなさまでもあります。偶数月にやっている高円寺の「円盤」ライヴは、場所がらドラムは叩けないので、基本的に二人でやっています。ドラムがなければスタジオを借りなくても練習はできるので、各家に行っての練習をずっと続けています。きょうはわたしの家での練習。
しかし、水曜日はアカンっ!我が家での練習は水曜日以外じゃなくちゃ!というのも、水曜日は子どもが早く帰ってきてしまい、しかもきょうは練習があることを言い忘れていたために、子どもが数人友だちを連れてきてしまったのよ。ワイワイガヤガヤやってる側で練習。気が散ってどうもマズイです。でも、こうゆう状況でもちゃんとできなくちゃね、なんて言いながらやってました。でも、こんな状況には多分普通はならないでしょう・・・ナンテコッタイ

「ゆとり教育」は数年で破綻。土曜日が休みになってしまい、教科書を全部終えることすらできなくなってしまった。そして学力低下。ウチの子どもはもろにその影響を受けていて、しかもなんでも早く取り入れる品川区に住んでいる。実験材料としか思えない状況です。結局、「やっぱ、ゆとり教育駄目だったね」って簡単に片付けられてしまい、来年度からは、4時間目までだった水曜日は、1時間増えて5時間目までとなるらしい。翻弄されております。オッ、水曜日5時間目までってことは・・・いけない、喜んでちゃ駄目ね。

数日前、「Hey!Emir Kustrica」を読んだでくれた方からメールがあって、そこに、ノースモーキング・オーケストラのヴォーカルのDr.ネレが、イアン・デューリーに似ていると書かれていまして、そうだったかなぁ・・・と1枚取り出して(ってこれ1枚きりしか持ってませんが、「New Boots and Panties」。ジャケットがかわいい)顔を検証。たしかに似ている。ついでに全部聞いてしまった。シンプルでかわいいのぉ。イアンさんは2000年に癌で亡くなっています。さきほど検索して見てみたら、息子さんがラフトレードからCDを出しているんですね。ロックもすっかり二世の時代・・。とゆうか、パンクの頃の人は早死・・・。

ノースモーキング・オーケストラの前身はパンクバンドだったということもあり、「スーパー8」ではストラマーが出ていたし、メールをくれた方によるとイアンさんの歌詞がノースモーキング・オーケストラの曲で少し見られるらしいです。

ラフトレードといえば、と無理矢理ですが、あしたはレッド・クレイオラ来日初日で、わたしも工房で作業をしたあとに向かいます。楽しみ。この日のチケットはもぅ当日のみみたいです。招聘したmapさんによると、「メイヨ・トンプソンのソロの日が山ですよ!来なきゃぁ!」とのことだったので、その言葉に翻弄され(?)やっぱりそちらにも行くことにしてしまった。こちらは突段と岸野さんがゲストだから、やっぱり楽しそうだしね。
メイヨさんは急遽12日にタワー吉祥寺でインストアライヴだそうです。吉祥寺・・・

今晩はこれからまたお絵描きする。


◆2005年3月8日(tue) 食う寝るところ、住むところ

最近わが町には美容院が乱立しています。そこで、どこも安いチケットなど出しています。ところが長年行っているところはそうゆうラッキーなことをしてくれません。うまいので、本当はココに行きたいんだけど、「半額」チケットにはかなわない。きょうは半額チケットを使って別のところへ。
ここは女の人はお掃除係りに徹していて、実際にやってくれるのは全員モデルみたいな男の人です。でも、色男、金と力はなかりけりって〜ことで、マッサージは下手でした。女の人がやるよりもヤワで気持ち悪かったです。もっとグイグイやらんかい!と心の中で訴えてました。

雑誌も、男は全然わかってないみたいで、つまんない女性雑誌しかおいてません。女の人だからって女性誌ばかり読んでいるとは限らないのにね。やっと「ブルータス」と「散歩の達人」を見つけたのでそれを読む。ブルータスは満遍なくおもしろかった。
「散歩〜〜」の方は住みたい街特集で、「吉祥寺」だって!1番は。「都立大学」も入っていました。ここはわたしも住んだことがあり、たしかに良いところでした。東横線沿線はお嬢な感じですもんね。それにくらべて今話題の堤王国西武沿線は田舎な感じしてしまいます。西武の作ったものというのは、元々は上っ面な文化だったと思います。それは否めないと思います。でも、なんでも継続していけば底辺も広がるもので、苗場でプリンスホテルに泊まってスキーしたいなんて田舎もんの権化のような真似はまったく興味ありませんでしたが、美術館(狭かったけど)パルコ・スタジオ200・アール・ヴィヴァン・WAVEなど恩恵を受けたものもたくさんありました。上っ面も10年20年たてばその一番濃い部分は少しであれ本物になっていくのだと思います(薄い部分は底辺の引き上げとなる。プリンスホテルが良い例)。それがやがてポピュラーになっていき、文化になっていくのだと思います。バブルもそうだったのだと思います。すべて物事というのは淘汰されていく運命なのだなー。言葉だってそうだし、芸術だってそうだ。その時コンテンポラリーだったとしても、時がたつと普通のことになる。普通のことになるものは、恐ろしいことに当時はもっとも尖っているものなのだ。淘汰され生き残るものというのは、実は保守的な一般受けするものではなく、常に驚きをもって迎えられたものだという事実を考えれば、ものを創る人は常にアグレッシブであるように努めなければならないのではないか???と思う今日この頃です。
しかしいまだに西武の包み紙よりも高島屋や三越や東急の包み紙の方が奥様にはありがたがられている。まだ100年かかるか?

やはり「谷・根・千」もランクイン。谷中、根津、千駄木は去年につづき人気らしいです。先日会ったフランス人が、去年の秋に千駄木くんと行った銭湯改造ギャラリー「scai the bathhouse」(スカイ・ザ・バスハウス)のことを話していた。同じ横尾忠則展を見にいっていたようで、「あそこはおもしろいねぇ〜〜、谷中は日本ねぇ〜、都会的なところと古いところがあっていいねぇ〜」とずっと英語で話していたっけ。「そうですねー、銭湯だけに天井が高くて大きな作品も見栄えがしてよいですねー」と言いたかったが、全然英語が出てこなかった。天井なんて英語知らんけんね。あとで電子辞書で調べたけど、やっぱり知らない単語だったけんね。ああーつまらん。「谷・根・千」は外国人はお好きだろうて。日本人だって好きなのだ。こうゆうことは世界共通らしい。
ここ数年人気なのは「下北沢」らしいけど、ここだけはその人気がわたしにはわかんない。おもしろいけど、ゴチャゴチャしてて、田舎の小僧や娘っ子ばっかしで住む気になれないけどねえ・・・。駅前大開発について書かれていたのを見ていたら、うまい具合に通る予定のバス通りはPIGAを避けているのでした。PIGAは今年も生き残っている。本多劇場もスズナリも同じ本多さんが作ったというのは初めて知った。このバス通りにスズナリはすっぽり入っていた。どこかに移ることになるんでしょうか?でも、記事によると本多さんはこのあたりの大地主さんらしいので、どこにでも移転できるんだろうね。

最近引っ越しを考えている友人もいたりして、ヒトゴトながら考えるのですが、公園のそばがわたしはいいなぁ。前は大きなスーパーがある方が良いと思っていたけど、スーパーは好きじゃなくなった。生協にしてから全然行かなくなってしまった。今年に入ってから2回しか行ってない。行くとしたら外国製品のあるスーパーくらいで、普段のものは何も買いにでかけなくなった。イラストの仕事をする身としてはたまには見学をした方がよいと思います。スーパーは世の中がよく見えるから。でも、今んとこ用事がなくなっちゃてるから・・・。

きょうは美容院のあと渋谷へ。借りていたDVDを返却。何も借りず、1階にあるチケット屋で「MOOG」の前売りチケットを買う。ヨシッ!チケットを買ってしまえば、行かないわけにはいかなくなるでよ。そこから工房へ。

きょうは失敗をしてしまった。下絵転写の際に左右逆にしてしまい、あろうことか全然気づかずにそのまま腐食までしてしまった。版画は鏡のように反対に制作しなくちゃならないのですが、たまに間違えちゃうのよね、いまだに。2時間無駄な時を過ごしてしまった。「マングースVSハブ」の腐食のみで終わってしまった。
「マングースVSハブ」は『暴れん坊シリーズ』と称し、「暴れプードル」の次に制作。次は「暴れ蛸」を予定している。ワッハッハ〜、おかしいなぁ。涙出てくるです。
工房にひとり漫画家出身の方がいます。この方ときょうは作品の「オチ」について語る。このSさんの作品はまったくもって1コマ漫画版画と言ってもよいもので。新聞に載るとおもしろいのに、といつも思ってしまう。なかなか作品が進まない時というのは良いオチが思いついていない時だそうで、実を言うとわたしもちょっとそうゆうところがあると話した。Sさんは「でも、わたしはスティーブン・キング程度のオチでいいんだけどね。な〜んかあの人って、中身のアイデァはおもしろいのにオチがイマイチでしょ、わたしはあんな感じよ」だって。Sさんのはキングよりオチはちゃんとしてると思います。わたしはどうかというと、そうゆうんではないんだよね。一応オチがないと気がすまないのだけど、一見純文学路線というのが良いのよね。いい絵だ・・・だけど、実はオチがある、っていうのが自分としては好きなんだけど、そんなこといちいち考えなくても良いのに、と良く言われます。気がつかない人はそのまま通り過ぎるのにね。もぅ少し大人になって、純文学あるいは名曲喫茶な絵を描けるようにしたいと思います。と言いながら、次の「暴れ蛸」についての構想を練って、花粉症でもないのにおかしくて涙がでて仕方がないバカなわたしです。

そういえば、シジュウ肩だと思うほど腕があがらず寝返りもできなかったわたしですが、どうもライヴ機材運びあとのただの急性強力筋肉痛だったみたいで、気がつけば全然痛くなくなってました。でも、靱帯は伸びているらしいので、右下睡眠体勢はとらないことにしています。あーよかった。一時は服も脱げませんでした。


◆2005年3月7日(mon) アントニオーニ「欲望」のベック

家の仕事半分。これが一番疲れる。
去年の電卓占い師の予言通り、去年は何のヴィジョンも頭に浮ばないままだったけれど、今年に入ってからはヴィジョンが浮ばないということで焦る気持ちもなくなっている。そんなことよりも、思ったままのものを描きたいという気持ちが生まれてきていて、日々時間さえあれば絵を描いている。ヴィジョンなどということを考えていた自分が愚かだった。そのようなものは後からついてくるものなのだということに今さらながら気がついた。
ここ数年はテーマを決めて描いていたけれど、そうではなくて、今おもしろいと思ったものを描こう、描きたい、描ける、といった満足感というのか充実感というのか、多分電卓占い師が言っていたように、去年から興味のあることには躊躇せず触れてきたものが貯まってきて、そして溢れてきたのだと思う。これは実感としてある。溢れるってゆう感じ。どんどん絵が描けるのが本当に不思議。去年はまったく何も描けなかったのだから。
大きめの絵を小さい絵と同時進行して制作中。きょうは突然思い立って「マングースVSハブ」を描いた。笑った。

ついにヤン・シュヴァンクマイエルの渋谷TSUTAYAにある全作品踏破!調べた結果本当にこれが全作品のようでした。最後に見たのは「ドン・ファン」でした。これはおもしろい。この舞台劇から街中にでて行くという設定はその後「ファウスト」につながっていく。あやつり人形のひもがついたままで、頭と手は作り物だけどからだは人間が入って動いています。動きが人形風なのが滑稽なのだけど、表情がないので無気味です。やはり、ヤンさまの真骨頂はこの人形なんだと思います。先日工房に来ていた人が「ヤンさんはとっくに死んでいるわよ」と言ってたのですが、生きてます・・・でも、小心者なもんで「生きてるもん」と言えませんでした。情けない。2001年の「オテサーネク」(これ好きです。怖かわいいです)で止まってますが、新作作ってるってファンの方のサイトで発見しました。


「欲望」の中のヤードバーズ演奏のシーン。ジェフ・ベックはこのあとギターでアンプを殴りつけます。「欲望」は「BLOW UP」というのが英語のタイトル。ベックのアルバム「BLOW BY BLOW」も聞いてみよう。
60年代のモッズファッションといい、空虚なロンドンの街の風景といい、ロックな映画です。


ミケランジェロ・アントニオーニ「欲望」(BLOW UP)のDVDを借りてきて見ました。先週ヤンさまのと一緒に何故か借りてきていた。
中学生頃良く昼のテレビでやっていたような気がする。テレビで見てかっこいいと思った。その時はアントニオーニがどうとかは思わなかったけれど、そのあと「太陽はひとりぼっち」を見て、やっぱりかっこいいと思った。アラン・ドロンも良いけれど、なんといってもモニカ・ヴィッティ。アンニュイ度一番高い女優だと思う。この時着ていたワンピースに憧れてました。肩のところが異常に華奢で、ドロンともつれあうと破けてしまうのでした。まぁ、素敵!
話し戻って、「欲望」はサントラも良いのです。ハービー・ハンコックのクールな音楽なのですが、実はそんなにたくさん流れるわけではありません。なんたって何度も見てしまうのは(DVDのおかげでリピートが簡単でよいね)、ヤードバーズの演奏シーン。ジミー・ペイジとジェフ・ベックのいるヤードバーズです。わたしの場合クラプトンはいらないの。
これが、まったくの偶然なのですが某掲示板でシーナ&ロケットの「レモンティ」はヤードバーズをパクッているって・・・きのうかな?書かれていまして、アラ、「欲望」でそれ演奏してるんだよね・・・なんてビックリしちゃいました。まさにその曲を演奏してまして、途中ジェフ・ベックのアンプがビリビリとノイズが出てしまいベックがギター叩き付けてぶっ壊してしまいます。この映画1966年なのですが、この頃からギターぶっ壊しは行われていたのでした。ベックはかっこいいですが、ペイジはフニャフニャしてました。サントラも再発されてまして、勿論わたしは買ってしまったのですが、お仕事中BGMに良いです。
この演奏シーンは変です。というのも、客で踊っているのは2人だけで、たくさんいるほかのお客はまったく微動だにしないのでした。それなのに、ベックが壊したギターのネックを投げ付けると、いきなり「キャ〜〜〜〜」なんてみんな大騒ぎで取り合いになります。これは演出なのか、それとも、意外とその頃のお客はおとなしかったのか??でも、その頃のTHE WHOのライブ映像みると客は大騒ぎだけどねえ・・・やっぱり演出なのかな。というのも、この映画、全体に静かだからです。音がない。そこがまたかっこいいんですけどね。


◆◇お知らせ◆◇

【松本里美8mmフィルムアニメーション作品 DVDR『+P』発売!】
■12月23日(木曜日) 高円寺「円盤」にて発売中です。
1987年と1992年の個展の際に製作した8mm フィルムアニメーションに新たにヴィデオアニメを加えてDVD-Rにまとめています。
音楽もたくさん聴けて楽しいヨン様。
1500円(クリスマスカード付。あ、もうお正月だから、1月予約の方には年賀状も差し上げます。)
円盤で販売いたします。なお、松本HPからも通販できますので、こちらもご利用ください。送料込みで2000円です。
「円盤」東京都杉並区高円寺南3-59-11 五麟館ビル201 TEL/FAX 03-5306-2937
松本里美:satomi@m-bros.com


では、今年も「Satomi Matsumoto 8mm Film Animation "+P"」よろしくね。
今までの制作日記をまとめたものはこちらです。


◆2005年3月6日(sun) デュシャン「彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも」

横浜行ってきました。


重慶飯店のお菓子。りんごパイです。かわいいでしょ。


 



「デュシャン「大ガラス」
、のミニチュア。隣は鉄製の「大カラス」。我が家の品々です。

とりあえず中華街でおお昼ご飯。
普通のもの食べました。あんまり凝ったもの食べる気が最近ない。先日県民ホールのコンサートに行った時には、そこから一番近い重慶飯店の月餅を買って帰った。月餅は華正楼のがおいしいかな。でも、写真の重慶の新作お菓子はとてもおいしいんですよ。これで二度目なんだけど、コレはりんごパイです。中華風だから、白餡とリンゴが入ってるのねー、香りが良くて見た目もかわいくて大好き。きょうは同發の月餅を買ってみました。
最近中華街ではどこの店でも天津甘栗を出している。・・・買ってしまった。

そこから横浜美術館までは晴れていればブラブラ歩いても楽しいのだけど、きょうはとても風が冷たくて寒かったので、みなとみらい線に乗って行く。初めて乗った。駅は天井が高くて映画に出てくるみたいだった。そうそう、ドーム型の天井が夢に出てくるような感じ。

「マルセル・デュシャンと20世紀美術」展、行きました。
ずっと見たかった作品の数々が見られてよかったです。一番見たかったのは、便器「泉」ではなくて、「大ガラス」と言われている「彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも」。これは東京ヴァージョンというもので、レプリカが4つあるのだそうだ。すべてのアイテムは繊細なエッチング作品にもなっていた。線がきれい。繰り返し繰り返し制作されているが、未完というか制作を放棄している。でも、十分完成されている。同じコーナーに「大ガラス」というカラスの大きいオブジェ作品がありまして、笑ってしまいました。この駄洒落は日本人にしかわかんないじゃん!
「彼女の〜〜〜」を舞台で使ったのはダンスのマース・カニングハム。ナム・ジュン・パイクによる「マースによるマース」というヴィデオ作品の上映も見られました。ナレーションはその当時(65年ころだったと思います)一緒に制作(コラボレーションつーんだな)に参加していたジョン・ケージやジャスパー・ジョーンズです。音楽はサティのグノシエンヌの3番(だったと思う)などがかかってました。

「レディ・メイド」作品がおもしろかった。瓶乾燥機や帽子かけなどですが、「彼女の〜〜」でもそうだけれど、照明をあてて映された影がきれいなんですよ。コラージュもなんのことはない自転車の車輪も、存在感があるのでした。不思議ねー。ここから先日見た「フルクサス」へと移って行く。先日見たフルクサスの作品も展示されてました。

デュシャンは、見た目がかっこいい。写真の姿のカッコよさだけで納得。バローズみたいなところもあるね。兄弟のようにさえ見える。


外でのセッティング中。はじのレバーを回すらしいです。どうなるのかちょっと見たかった。

横浜美術館はいつもおもしろいイベントをやってます。きょうはミュージアムショップの横のフロアで冨岡雅寛「カオスモス」というのをやってまして、これもおもしろかったです。子どものための触る展示ということで、全部自分達で動かしたりできます。磁石などをつかって動かしたり、その音を聞いたりするもので、秘密の液体がですねえ、磁石の力でウルトラQみたいな模様を作るんです。これの方が子どもは喜んでました。外でもイベントをするようで、セッティング中でした。銀座でも展示とパフォーマンスがあります。http://www.chaosmos.jp
たはり触れたり、音が出たりするものは楽しい。デュシャン展の方はとっても厳しくて、絵に近付きたくても床にテープが貼ってあって間近で見られない。ウチの子は怒られた。わたしは目が悪くなっているのでプレートの文字を見るのもきつかった。

別のイベントホールでは(以前「来るべき世界」を見たホール)「絵画映画」というレクチャーと映画をやってまして、たまたまきょうは「アート・アニメ・オン・アート」と題して、6作品が2時から上映されてました。その中にヤン・シュヴァンクマイエル「レオナルドの日記」がありましたが、コレは丁度今借りているヴィデオに入っているので、ま、いいか、ってことで。
19日はダダ関連映画があります。4本中3本は見たものですが、行こうかなぁ・・・と迷い中。
「眠るパリ(短縮版)」 ルネ・クレール。これおもしろいです。時間が止まってしまうヤツ。パリがきれいです。
「幕間」 ルネ・クレール 最高におもしろいです。ピカビアとサティが出てくるだけで良いです。音楽もちろんサティ。
「午前の幽霊」 ハンス・リヒター 見た事ないです。どんなのかな?
「アンダルシアの犬」 ルイス・ブニュエル 怖いですねぇ〜、目が開けられませんねぇ〜。でも見てない人は是非一度は見ましょう。

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◆2005年3月5日(sat) クストリッツァ作品やっと今夏公開!

朝、いつもの公園に犬の散歩に行くと、きのう誰かが作った雪だるまのあとが。まだ固く直径40cm位のまま残ってました。

きょうはみんなでかけてしまったので、録画しておいた「あの頃ペニー・レインと」と「アイ・アム・サム」を見ながら申告資料の制作。領収書整理にはじまり結局3日もかかってしまった。疲れた。あまりにも貧相なわたしが浮き彫り。

映画はどちらもまぁまぁってくらい。でも、どちらも音楽ネタ(後者はそうゆうわけじゃないけど)。「あの頃〜」は仕事のBGMにしようと思って見てもいないのにサントラを買っていた。でも、あんまりコレ聞かなかった。名曲ばかり入っているからといってたくさん聞くとは限らないんだね。不思議なことに。でも、最初の方のシーンはやはりワクワクした。主人公のお姉さんが「ベッドの下に自由があるわよ」と言い残し家をでる。弟のベッドの下にはレコード一式。「ペット・サウンド」が一番前にあり、レッド・ツエッペリン、ジェスロ・タル、ジョニ・ミッチェル〜〜〜つぎつぎとロックの名盤が現れる。主人公の少年が手にとってプレイヤーにのせるのは「トミー」でした。そういえば、「トミー」のDVDの2枚目、まだ全部見てなかった!「アイ・アム・サム」の方はビートルズのカヴァーでまとめたサントラが爆発的に売れてたよね。下北沢PIGAでしょっちゅうかかっていたのでつい買わなかった。

ところで、エミール・クストリッツア監督の新作が今年の夏やっと公開になるそうで、ホントに待ち遠しいです。ヨーロッパでは去年5月に公開されていて、これはカンヌ映画祭で上映されたのね。で、パルムドールではないけれど、教育制度なんたらかんたら賞というのを獲得したらしい。今年のカンヌはクストリッツアさん審査委員長。この作品は「ラ・ヴィ・〜〜ミラクル」とサイトにずっと書かれていたので、多分邦題「奇跡の日々」なんてことになるのだろうと思っていたのだけど、まんまなタイトルになってしまいましたね。クストリッツアさんサイトでは写真もたくさん出ていて、「アンダーグラウンド」で最後まで生き残る猿連れ男さんが主人公です(この人名演でした)。そいでもって、またしても花嫁と花婿が空飛んでるシーンが写っていて、これでもかこれでもかってゆうこのしつこさが堪りません。ベッドも空を飛んでました。
今回の音楽はノースモーキングの演奏で、メンバーで「黒猫・白猫」でも曲を作っていたヴァイオリンのダヤンさんとクストリッツアさんが作ってるみたいです。ヨーロッパではもうDVDもサントラも発売されてます。わたしは日本で公開されるまで楽しみに待つことにします。ずっと後追い状態だったので、やっと追い付いたという感じで嬉しいです。
息子でノースモーキング・オーケストラのドラマーのストリボールも俳優として出てるみたい。物語りとしてはじんわりしたラブコメディなのかな・・・またしても音楽家が出てくるようで、これも楽しみです。
「Hey!Emir Kusuturica」のページの更新は少しお待ちくださいね。今超〜〜忙しいもんで。「アンダーグラウンド」について書いてないのですが、気合いれないとコレは書けないし、その前にクストリッツアさんの車趣味についてでも書こうかしら、なんて思ってます。

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◆2005年3月4日(fri) 例外

朝窓を開けたら雪がたくさん降っていました。
とってもきれいでした。でも、すぐに雨になって、つまらなかったです。

小学生の子どもの文章みたいですが、最近の小学生は文章をあまり書けなくなっています。書けないどころか読めません。読めないというのは、理解できていないという意味ですが、文章が理解できないもんだから算数の問題も何が聞かれているのかわからなくて式を作ることができません。
ウチの子どもも計算はできるが式を問題を読んで作るということができない、ということをきのうまざまざと見せつけられてしまい、ショ〜ック。文章を理解できないから、話す時にもマトを得た喋り方ができない。(わたしも少し反省)

問題を作ってお勉強を見てあげたあげくにだめ押しで「三人の子どもが遊んでいました。バカな子がひとり帰りました。さて、バカは何人?」というシュールな問題を出したところ、あやうく子どもは「ひとり」と答えそうになっていました。想像力がないんだなぁ・・・・最近の子どもは。「みんなバカかもしれないじゃない」と言ってみたら、「ア、そうか」と簡単に片付けていたけれど、問題はそれだけじゃない、というところまでは考えない。バカとは一体どんなバカなんだろうか?とか、この問題が根本的に問題として成り立っていないとか、なんか疑問を感じてもらいたかったが、そんなものは何も喚起しなかったのでした。

単純な問題でも疑問を持ってほしいもんだが、たいていの子どもは何の疑問も持たずに法則にしたがって解いていく。わたしはつまんないところで疑問を持ちすぎてなかなか問題が解けないショーモナイ学生でしたが、何も疑問を持たない人よりマシじゃないかと思ってる。わたしの場合、例外もあるのじゃないか?なんてことをすぐに考えてしまうため、物理・化学まったくできなかったのでした。実験の結果として正しいものを選べ、という選択問題が出たとして、とんでもないことが起こっても不思議は無いとか例外もあるかもしれない、と思ってしまうために答を出すことができなくなってしまうのでした。まったく科学的じゃない。もしかしたら例外的な実験結果が出て、それによってノーベル賞ものの発見に繋がるかもしれないし・・・・と、夢見てしまうんですねー。そうゆうことを考えてると問題はまったく答えられなくて毎回呼び出される。「そんな例外は試験では考えなくてよろしい」と言われてしまうのだけど、それがそうはできない因果な性格でした。年末に大槻教授と平行線のまま議論しているUFO研究家の韮沢さんみたいなもんです。こうゆう人間は騙されやすいです。気をつけようと思います。

雪の中でかけてました。いろいろおもしろい体験をいたしました。そのままいろんな用事が重なり夜帰宅というハードな状況で、気がつくと右肩はきのうよりもマシになってました。

肩の靱帯が伸びているというのは多分本当にそうなんだろうなぁ。あとは多分急激に起こった筋肉痛なのかもしれず、きょうはきのうよりも腕が動く。ただ、荷物を持つと痛くなるので傘も鞄も全部左。その内左腕も筋肉痛になったらどうするんだろう。

メールがたまに送れない時があります。戻ってきちゃう。どうなってるのかわからず。その内送れると思います。メールの返事を出しそびれている人がたくさんいまして、失礼しています。たまってます。すみません。考えをまとめてから・・・と思っている内につい出すのを忘れてしまっている、ということがたまにありまして。申し訳ないです。


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◆2005年3月3日(thu) 鼻血

ひな祭り。
わたしのひな祭りの思い出は感動と悲惨に満ちている。これについては前に語ったことがあるのでもぅ語らないけれど、どれもこれも母との思い出で、一生忘れないと思う。

我が家(実家)はイベント好きで、お正月に始まって、家族それぞれの誕生日にはその人の好きなものが出されていました。母の誕生日にはぜんざい、わたしの誕生日にはチョコレートケーキ、3月の父の誕生日はひな祭りと一緒にされていてちらし寿司とお吸い物とお酒。子どもには勿論甘酒ですが。5月は兄の誕生日で、何故かコカコーラとイチゴのケーキ(コーラはあまり飲まなかったので、こうゆう時だけ飲んでいた)、姉は何にもこだわりがなく、ほとんどしゃべらない人のため普通のケーキが出るだけでした。まったくわたしと性格も見た目も違う。あとはとにかく七夕も全員紙に願いごとを書かせられ、お月見にはすすきを飾り御団子を作る。なんたってクリスマスには本当のモミの木を買ってきてアイスデコレーションとチョコレートケーキを食べることになっていて、もぅイベントで疲れ果てるような家族でした。実家を出てからも、そういった習慣というのはなかなか崩せないもので、きょうはちらし寿司でした。豆まきに「恵方巻き」
というのは最近のことで、わたしはコレはやってません。太巻き寿司は好きだから来年は食べようかしら。

わたしの誕生日にチョコレートケーキを食べ、クリスマスにもチョコレートケーキを食べていた、というのにはワケがある。小さい時アイスクリームとチョコレートにまみれていまして、あんまり意地汚いために父が「おまえたち!アイスクリームとチョコレートとどっちが好きだ?」と聞き、わたしだけが悩んだ末に「チョコレート」と答えたのでした。「一度好きなだけ食べろ」と父が明治の板チョコ(加賀まりこCM)をたくさん買ってきた。どのくらい食べたか忘れたけれど、その時わたしは初めて鼻血体験をしたのでした。でも、それ以後一度も鼻血を出したことはないです。「鼻血」・・・というのもおかしいけれど、きょう工房で「耳だれ」ということばと「エロス」ということばを聞いてしまい、何故か涙が出るほどおかしかった。

TISに入選したHちゃんは最近耳が痛いという。早く病院に行けばいいのに「耳だれが出たら行く」と言うので、みんな絶句。今行け!今すぐ行け!鼻血が出ている様子もおかしいけど、耳だれの様子も想像するとおかしい。しかし、きょう一番おかしかったのは「エロス」ということばだった。
何を見ても聞いても「エロス」な見方をする人というのがかつて工房にいました。エロい絵ばかり描いてたらしいんですなぁ・・・(まともに見たことがなかった)。その人自身はそうゆうことに嫌悪を感じている風で「胸なんか恥ずかしくて描けません」な〜んてこと言ってるのを聞いたことがあった。そんなこんなな人なのにギリシャ神話がお好きだったらしい。裸体だらけじゃん、ギリシャ。裸体デッサンしたことなかったんだろうか、とチト不思議だった。実際には胸ばかり見ていた「むっつりスケベ」だったような気がする。あまりヒトの絵を嫌いだなんて言いたくないのですが、どうしてもこの人のだけは好きには決してなれなかった。実はちょっとでも見る気になれなかったのです。見たらわたし自身が汚れるような気がして見ることができなかった。というのが正直な気持ち。こんな風に邪悪を感じさせる絵というものがあるのだなぁ、と怖くなる。
「エロティシズムの本質とは禁止を侵犯することである」と書いたのはバタイユ先生でした。禁止を侵犯したい気持ちがムラムラとあるのに、そこから先に行けないで悶々としていたような方でした。エロスは性愛の神(これが英語のキューピッドのなってしまうとなんだか意味が違う感じがするけれど)神話のように、精神的愛の神プシュケと結ばれ、幸せになることを祈る。

Hちゃんの絵は今ラフォーレのTIS展で展示されているそうです。耳だれなんて書いてしまったけど、アンドーヒロミちゃんです。大胆な銅版画です。ほかにもたくさん良い作品が見られるらしいので、来週行く予定。

「暴れプードル」5枚刷って完了。「猫かぶり姫」の試刷りをする。猫のかぶりものをしている女の子ですが、顔がいい感じに描けたので、この顔だけ別に刷っても良いなぁ、と思索中。

「瞬のワイン」全8巻をドバッと貸してくれたマダムMから今度は「モンスター」という漫画全13巻がドバッと届けられた。やることが大胆。大胆なのがマダムの特徴。きょう電車の中で1巻目を読む。医者ものなんだね。舞台はドイツ。これを読み終わると、まだまだわたしが読むとおもしろいと感じるような大作物がたくさん待っているらしい。今、まさに漫画とアニメの時代なのね。

右肩が痛い。今朝いきなり動かなくなった。腕は筋肉痛だし、ポケットに手をいれることもできないし、服を脱ぐのも大変です。寝返りもキツイ。これはシジュウ肩というやつか!と思ったのですが、本当にそうなのかどうなのかわかりません。というのも、去年の秋ころ、キャッチボールをしていきなり肩がグキッとなってしまったことがあるからで、その後一度医者に見て貰ったら、靱帯が伸びている、と言われたのでした。どうもそれから調子が悪くなっているみたいなのです。さらに、先日のライヴの時にギターを右手で持って歩いていて、さらにさらに工房でずっと作品の刷り作業をしていて、相当右腕を酷使していたことが原因なのではないか、と思ってます。医者に行った時にも、できるだけ右手で物を持たないように言われていたし、もしもシジュウ肩になってしまったとして、経験者の話しだと数カ月なおるまでかかり、荷物は持たない方が良い、とのことだった。イヤ〜ン、リンダ困っちゃう(だれだ??)。これから数カ月制作作業が続くし、額持ったりギター持ったりしていろんなところに行く予定なのにぃ〜。イヤ〜ン(だから、おまえはだれなんだ!)


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◆2005年3月2日(wed) トランク売り場の地下通路

きょうもおもしろい夢をみたハズで、日記に書いておこうと思っていたのに、ついさっき宇宙の彼方に飛んでいってしまいました。
あ、そうだ思い出した。4時頃一度目が覚めてしまい、その時のを忘れてしまったのだけど、もう一回寝た時に見たものは完璧に覚えてるのでした。というのも、毎度見る夢だからで、何度も日記にも書いていると思いますが、またデパートのかばん売り場が出てきたんです。
このかばん売り場は、トランクばかりのところで、その先を右に行く通路があって、そこが地下通路になっているのです。これもいつも同じ場面で、夢の中ではお馴染みのコース。天井が丸みのある地下通路で、ほのかに青白い電気がついています。そしてやっぱりその先には駅があるらしい雰囲気。そしていつもその先は出て来なくて夢は終わってしまいます。きょうの夢の中では、かばんが棚から出されていて、山積みになっていました。これは、「車と鞄」というわたしのソロ曲のイメージで、鞄がピラミッドのように積み上げられていて、近寄るとガラガラガラと崩れてくる、その映像が重なるのでした。しょっちゅうこの夢を見るのでございます。なんか怖いです。その内この場所にでくわすような気がして。その時にはきっと地下通路の先に行く事になるだろうと思うと怖いです。行き着いたことはないんですよ、夢では。

青白い電気といえば、青色発光ダイオード。最近我が家のそばの信号機もだんだんこの新型に代えられてきています。そういえば、昔からある信号機って電球なの???なんてアホな質問を最近しまくっていまして、いつ電球とりかえてるのかなあ?一度も電気切れてる信号機に出会ったことないよ?新幹線を道路で運ぶ姿も見たことなしぃ〜、ナンテことを言っておりました。そしたら日曜日、近所の信号機のところで、作業中という車を発見。そういえばそうゆう場面は何度も遭遇していたなぁ・・・でも電球見た事ない。電球・・・たって、普通の電球じゃないんだろうけど、その時もその実態は見ることができませんでした。電球の切れた信号機が見たいよぉ〜。

工房で「暴れプードル犬」の絵を完成させる。これは実質2日で完成したことになる。このようにいきなり思った通りに仕上がる作品もあるし、1ヵ月
くらいウジウジやってできあがる作品もある。きのう書いた堀内正和さんのお雛様、写真を撮ろうとしたら、きのうの夜に正和さんのお孫さんのお家に引取られていってしまったそうで、とても残念です。でも、みんなに大事にされて幸せなお人形ですね。

ヤン・シュヴァンクマイエルの短編集を見る。これが最後かと思ったら勘違い。「ドンファン」は違う短編集に入っているみたいなので、あと1本残っていることになる。きょう見た短編集には「肉片の恋」「スターリン主義の崩壊」などとともに、シュヴァンクマイエルのインタヴューが入っていました。これがおもしろかったです。なんの隠しだてもなく自身で自身の作品を語っていました。自分の作品はすべて政治的なのだと語っていました。でも、これは丁度「スターリン〜〜」を撮影している最中のことなので、そのあとの「アリス」などについてはなんとも言えないと思います。チェコに生まれて育ったことについても語っていたし、シュールレアリズムについても。
新しい木のオブジェに色を塗っているシーンがありました。この方の作品に出て来る木はみんな古くて乾いた質感があり、チェコにはこうゆう木がいっぱいあるのかなぁ、なんて思っていたんだけど、自ら古めかしく作っているものもたくさんあるみたいですねー。そういえば額縁をわざと汚して古く見せることはわたしもしたことがある。できるもんです。メイキングはおもしろい。
血や臓物を使う撮影が見られた。豚を使ってました。豚の血を集め、豚の内蔵を集め、新鮮なうちに小道具として使っていました。凄いこってす。本当の臓物を使うというのも凄いんだけど、それを新鮮な内に持ってきて時間のかかるコマ撮りアニメーションにするという技術とスタッフの充実度にため息が出てしまいました。ほかにも「ピクニック」シーンの作品で、小さなスコップで穴を掘っていくシーンがあるのですが、これもコマ撮りで大変そうなのですが、太陽の光りがずっと一定で、もしかしたら照明でそうゆうことができるのかもしれませんが、もしかしたら、一気に太陽の光りがサンサンとしている間に作業できたのかもしれず、やはりその技術の高さに驚いてしまいました。一度コマ撮りをやった人だったらわかると思うのですが、本当に時間がかかるんですよ。段取りよくやらないと、シーンがスムーズに見えない。スコップの動きもリズミカルで、しっかりと計算していることがわかる。サクッと土に突っ込み、ググ〜ッと前に倒すという動きひとつにしても、何秒で突っ込み、何秒で前に倒す、という時間はキッチリ計算してやらないとうまく雰囲気は出て来ない。その計算をひとつひとつの動作についてやってるわけで、気が遠くなります。でも、できあがった時の喜びは何ものにも代えがたい・・こともワタシ知っている。
オブジェとしておもしろかったのは「石のゲーム」で、振り子時計の振り子の部分にバケツがぶらさがっていて、丁度の時間になるとその時間分の石が時計の中からそのバケツの中に落ちてくる。水をたらして音を出したことはあるけれど、音が静かなので上品すぎた。この石がバケツに落ちる音は「ガラーン、ゴゴ、ゴツン」といびつで無骨でかわいくて良かったです。あー、この手があったか!とちょっと悔しかった。石を並べて動かすのはわたしもやったような単純なアニメーションですが、やっぱり美しいなー。石の音がとても良かったので、今度何かで使いたいと思ってしまった。アニメ撮りたくなってしまった・・・


◆2005年3月1日(tue) 「BR」の「PV」は「M」が歌う

おとといの夢のお話ですが、春風亭柳昇と書いていたのは、実は小さん師匠の間違いでした。訂正します。顔は小さんだったのだけど、春風亭柳昇が好きだったので間違えてしまいました。残念だった。

きょうから3月。タイトルバーを桃色ししてみたりして。Macだと桃色なんですが、もしかしたらWindowsだともっと濃いローズマダーになっているかもしれませんね。色がMacの方が薄いと思います。わたしはMacで作っているので、Windowsで見ている人は薄目で見てね。ナンチテ、目を細くしても色は変わりません。

きのうはBBSにライターのRiekoさんがクラウス・ノミの映画の試写を見たということを書かれていました。それを読む前、わたしは「ベルヴィル・ランデブー」のタイトル曲のプロモーションヴィデオなるものが見られるということを教えてもらっていて、それを見ていたんですねー。これがとても楽しいPVで、マチュー・シェディッドさんというフランスの奇才といわれている(とパンフレットに書いてあったのよん)通称『M』が出てきまして、ベルヴィルランデブーの三つ子のアニメーションと一緒にアニメ化されて登場したり実写で踊ったりして、不思議でおしゃれでカッコいいPVなのでした。3度ほど見ちゃってから、クラウス・ノミに移動。あの小さな角がはえたような髪型と、この『M』の髪型が似ていまして・・・どことなく顔も四角くて似ていまして、さらに、ノミさんのようなカウンターテナーではないけれども、サントラを聴くと、女の声といってもおかしくないようなジェンダー声(なんて言い方しませんけどね、ジェンダーって言葉使ってみたかっただけ)で、このPVを見るまでは性別の判断がわたしは実はつかなかった。マチューって女の人にも使うでしょ。
そいで、実際のMを見るとまさに男で(太ってたころの鶴太郎)、声とは摩訶不思議なもんねー、と思うのでした。楽しい驚きをありがとう!M!
PVというのはコマーシャルのように数分の間に曲のイメージを凝縮して入れ込むから、リキの入り方が半端じゃないですねー。本編と渾然一体となった作り方は本当に贅沢で、1本の映画と同じくらい感動しちゃいます。ノースモーキング・オーケストラの「黒猫・白猫」のPVと同じくらい楽しい。そして、何度もこのベルヴィルランデブーのタイトル曲を聴いていると、ジャンゴ風ギターが入っているせいなのかどうなのか、ノースモーキングのウンザウンザタイムと重なってしまうのでした。PV、これもよかったので、わたしはこのウンザ〜〜とベルヴィル〜〜のPVをデスクトップの右端に並べていつでも見られるようにいたしました。
そのあと、「スネイクマンショー」に入っているクラウス・ノミの「コールド・ソング」を聴いたり、そのままスネイクマンショーを聴いたり、MのPVを見たりして夜は終わってしまった。


きのうの夜はそんな具合で、ベルヴィル・ランデブーのパンフレットを再度見ていたのだけど、昼間は思わぬ創作意欲の嵐に襲われ、数枚の下絵を描いた。音楽はいっさい聴かず。もくもくと資料本を見つつ描く。1枚描くと、次のが描きたくなる。それを描いている最中にアイディアがまた浮び、さらに1枚描く、という具合で、たくさん描いた。これを版画にするためには、どんな技法にするか、色をどんな風にするか、こんな色にここをするためにはここのところはこんな風に描かねければならない・・・など、版画は結構計算と段取りが必要なのでした。でも、まったく下絵を描かないで一気にやる人もいて、それはそれで緊張感が漲り、おもしろいもんです。わたしはほとんどそうゆう制作方法はとっていませんが。

そうゆう制作方法をとっているのは、工房「ザボハウス」の主宰の堀内先生です。全ての描画・腐食作業が終わるまで一度も試刷りをしません。どんな風にできあがるのかは本番で刷ってみないとわからず、思わぬ傑作が生まれることにワクワクするんだと思います。その堀内先生のお父様、現代彫刻家の堀内正和氏が苑子先生のために50年以上前に作ったというお雛様というのが工房に飾られていました。堀内正和さんは鉄のモダンな彫刻が有名なのだと思いますが、このお内裏様とお雛様は顔と手が木て彫られていて、楚々とした美しいお顔が描かれていました。堀内正和さんらしいところは、お雛様の冠で、おそらくワインの栓のところの金属だと思いますが、これをはさみやキリを使って細工していて、豪華な冠になっていたのでした。屏風はボール紙。これに皺をつくった紙と金箔を少しちぎってランダムに貼っていて、平安時代の雰囲気です。着物は90才までお医者さんをされていたお母さまが着物の生地で作られ、台の下には真っ赤な長襦袢が敷かれていました。愛情が籠っていてどんな立派な10段飾りにも代えられないものだなぁ、うらやましいなぁ、と思いました。わたしも子どものためにこんなの作ってあげたいなぁ、と思いました。あした、写真撮ってこよっと。

写真といえば、先日のサボテン&松本ソロのライヴ写真が見られます。コチラ

工房では、「夕日の団長」(全然想像つかないと思いますが)が完成。5枚刷る。あしたは「猫かぶり姫」の制作に入る。今晩はこれからヤン・シュヴァンクマイエルのTSUTAYA渋谷店で借りられる最後のもの「短編集(ドン・ファン、肉片の恋ほか)」を見ます。こんなに見てるのに1本も買おうとしないわたし・・・。実は「アリス」
だけは増殖させました・・・。そういえば、「円盤」のテーブルに置いてあるチラシファイルの中に大阪の貸し本屋さんのミニコミが置いてあって、去年の分から数枚貰ってきてさきほど読んでいたのだけど、その中の映画紹介のところに「アリス」がありました。しかし、「怖い」「気色悪い」と書いてありまして(でも、また見たくなる、と書いてあったので良い意味でということですね)・・・たしかに「うさぎ」は怖い動物ですが、ヤンさんの作品の中ではこの作品のキャラクターはみんなとてもかわいらしいものだと思ってわたしも子どもも見たので、アリャ、「ファウスト」見たらどうなっちゃうんだ・・・なんて思いました。

円盤は段々おもしろいイベントが増えてきているように思う。きのうは用事で行けなかったが、岸野雄一さんの円盤大学はいぬん堂の石戸さんがゲストだった。来週は小野島大さんだし、毎週おもしろそうだ。そのほかにも石立鉄男ナイトもあるし、滝本誠ゲストの川勝さんのライブコラムなんてのもある。ライヴもユダヤジャズのや先日一緒に演奏してくれた永田さんの出るもの、女性正統派弾き語り3人なんてのもおもしろそうだ。「正統派」ってどんなのだろうか?とちょっと興味がある。わたしがやっているのは正統派なのかそうじゃないのかどなたか教えてください。円盤は安いしおもしろいのやってるし、いつも行きたいと思うのだけど、なかなかわたしは行けません。来週はレッド・クレイオラを見に行くのとレイトショーでやっている「MOOG」を見るだけで精一杯と思われます。いや、これで十分だと思いますが。
























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