●はじめに● |
「もしかしたら松本さんは英国がお好きですか?」という言葉を聞いて(見て)思わずいろんな質問をするようになりました。 |
A to Z ものというのは珍しいものではありません。わたしも98年の個展で「ABC Sweet cards」というお菓子だけのシリーズを展示しています。これも元をただすと、英国にある言葉カードのアイディアを頂戴したものでした。英国に行くと、細かな地図がのっている「A to Z」地図がどこでも売られていて、住んでいる人でも電話帳のように誰でも持っています。これに則ってやりたいとのお話で、まずはAから順番にあてはまる食べ物を捻出。 『A』はAfternoon teaだろうか?それともAleだろうか?と選ぶのに悩むものもあれば、まったく思いつかないものもありました。たとえば『Q』。文章担当の石井さんと、絵担当のわたしでは選び方にも多少の違いがあります。勿論、一番ピッタリする食べ物があればそれにこしたことはないのですが、選ぶ余地があるのであれば、できたら「絵になる」ものが良い、と思うのは当り前のこと。「あの〜、Queen〜〜〜〜なんていう食べ物ないんでしょうか?あったらエリザベス女王とかビクトリア女王が描けてイギリスらしくていいんですけどねぇ・・・・・・」などと絵の方からの提案もいくつかさせて頂きました。さいわい、『Q』はそれなりのお菓子があって、ホンット良かったです。 イギリスに行くのは、というより海外に行くこと自体17年ぶりくらい。若い頃にはそれなりの楽しい旅の仕方があり、地図を片手の貧乏旅行でしたが、今回は結構マダムな旅行っぷりで、英国に詳しい石井さんにすべておまかせして、しっかり楽しんでしまいました。こうゆうのも良いでしょ。 |
この『裏:英国フード記紀行』で『EAT
& MEET』とタイトルを入れたのにはワケがあって、食べ物にまつわる取材が主だったのにもかかわらず、食べること以外に、人に会ったことがとてもエキサイティングな11日間だったからです。ノホホンと行ってきましたが、17年前では多分経験できなかったことが歳を重ねたおかげで経験できたという感じです。単刀直入に言って、今回の総括の言葉はコレ。 『若い内に一度はバンドやっておこう!老後相当楽しめる。』 バンドだけではなく、同じ音楽を体験していたということがきっと親近感を呼ぶのではないかと思います。これが音楽の力です。絵のために行ったクセに、音楽の方で盛り上がってしまうのは、ロンドンだろうが東京だろうが同じこと。これはもぅ仕方がない。このたびはほとんどミュージシャン(とどうしても大きな声で言えないんだけど)として同行したようなものになってしまったかもしれません。 |
食べ物についてはたくさんの写真を撮りました。話したいこと、たくさんあるのですが、本が出るまで我慢してました。でも、やっとそれも解禁。では、存分にお楽しみくださいませ! |