◆2009年8月31日(mon) 伊東屋モッズ満載搬入終了

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松本里美の『銅版画集&CD』制作日誌はコチラd0905


K太郎少年、会場のレイアウトを考えるの図


きょうも、好きなモンを書く。
モッズ・スーツ


海辺で制作した塩ビのドライポイント(ちゃんとした版画ですよ!)
「モッズなオレ」というタイトルで全22点あります。3780円也。伊東屋特製の
かわいいハンガータイプのクリップでとめてます。ロープはギターの弦です。
チョーかっこいいでしょ!(真ん中にモッズスーツが)





『英国男子制服コレクション』新紀元社
Amazonでも見られます

●嵐の搬入
 伊東屋の搬入をしてきました。 今回は息子K太郎にバイト代を払って手伝ってもらう。時給1000円+ごちそう。

●波乱に満ちたチャレンジャーな半年間
 

 さすがにきのうは「限界きました」と自らダメ出しをしました。思えば2月頃から波乱に満ちた日々を送ってまして、昨年から自分の精神状態がアヤフヤだったところに覆いかぶさるように、家族が入院、手術、怪我、等々。そんな悲惨な状況なのに、ワークショップをする、学校で子どもに版画を教える、猫展に誘われる、友人の始めたギャラリーに協力する、加えて工房展の幹事をし、わざわざ(というか嬉しそうに)オープニングを盛り上げるためにタンゴの訳詞をして自ら歌った。その間ずっと石井さんの新刊本「英国男子制服コレクション」の150のアイテムのペン画と17点の銅版画を制作。また、テキスタイルの仕事で3点の新作を作り、これはついに先日カッコいい洋服になったので、報われた気分。伊勢丹の「ONLY-I」のためにこれまた新作のカップ&ソーサーの版画を2点制作。
 これらをやりながら伊東屋の個展の制作をコツコツやるためには、ほとんど毎日工房に通わねばならなかった。定期を買えばよかった、と思うほど通った。半年間で行かなかった日は数日だと思う。
 最後の3日間は、本当に心身ともに限界だったが、手だけはオートマティックになって行き(いつものナチュラル・ハイだ)、1日1点新作が刷り上がった。結果的に、新刊本のために制作した版画は17点で、そのほかに英国的イケメン版画作品を8点。下田の海辺でガリガリとドライポイントで制作した版画が22点となった。こんな状況で昨年の11月の二人展から新作が27点+塩ビドライポイント22点、計55点もできていたことは、自分でも驚きです。
 搬入時に、伊東屋のH氏に「全部新作っていうのは凄いなあ」と感心されて新作の多さに我ながら驚いてしまったのだった。

 ほかの方はどうされているのかわからないけれど、わたしは、個展の時にはやはりその時自分が表現したいものをやれるだけやる、旬なものを出す、ということを貫きたいと思っているし、そうじゃなくっちゃおもしろくないと思ってます。毎回わたしの個展はコンセプトが違う。これは、その時のわたしの気持ちの中で突出している部分を抜き出しているからで、多分これからもまんべんなく同じパターンでやるということはないと思います。点数が多いのは浮かんだ旬のイメージをすべて出し切りたいと思っているからで、「これだけやれば死んでもいい!」と正直思ってやってます。だいたいいつもそうなのだ。1分後に倒れて死んでも後悔しないようにやりたい。と思うばかりだ。いつからそんな風になってしまったのか・・・・・「これが最後かもしれない」といつでも思ってやっている。

●モッズな版画とソックリな資生堂CM
 今回は制服本のことが頭の底辺を占めていました。そんなわけで、原画がほとんど完成したあたりから、制作の方向が変わっていきました。英国の制服がファッションの流行に影響を与えた部分がいかに大きいか。そして、メンズ・ファッションの完成された美しさは英国にあるのだ、ということを改めてため息をつきながら思った次第です。その中でもわたしにとってのカッコイイファッションはスーツとモッズだ、と思い知り、それらを描くことが始まりました。そこから勢いがつく。
 というのも、モッズは音楽と結びついているからで、描いていてとっても楽しいのだ。そんなわけでモッズスーツの絵なんぞ描いていたら、数日前から資生堂の男性整髪料のCMがまるっきりわたしが描いた絵とソックリ!!!イケメン男(妻夫木くんとか小栗くんとか)4人組がビートルズの「ハード・デイズ・ナイト」の映画のように黒いタクシーに乗り込んでいる。勿論ロンドン。そのスーツはビートルズも昔来ていたグレイのもので、今回わたしも描いている。9月9日にビートルズの全アルバムがリマスターされて出る。それがキッカケなのかどうかわからないけれど、世の中ブリティッシュなのよね。しかもモッズ風。キタ〜!ですねえ。
 このビートルズのCDセットを買うかどうかは伊東屋にいるビートルズ好きの社員の方にいろいろお伺いをたててからにしようと考え中。絵が売れたら買いたいもんだ、とわたしは正直思ってます。だってCDは「パストマスターズ」と「リボルバー」しか持ってないんだもん。


●ブリティッシュ・ロックがBGM
  K太郎のおかげでササッと終わり、あしたからは会場で流すブリティッシュ・ロックの編集作業という超楽しいお仕事に集中するのだ。きょうはドリンク剤飲む状態なので、とりあえずあしたは、できあいのCDでお茶を濁すことにする。そんなにCDもってないんでまずは映画「欲望」のサントラにする。ええ〜〜っ!?なんでコレなの????と思うかたもいらっしゃると思いますが。好きなの。伊東屋にいる時間は長いので、アイリッシュ、ケルトものも時々かけようかと思うが、エンヤはないです。好きじゃないの。ペンタングルかSteeleye Spanくらい。バニヤン嬢なら持ってるぞ。でも眠くなるからかけないと思う。
 いばるわけじゃないけど、1枚くらいは持ってそうなものをわたしは1枚も持ってませんよ〜、たとえばU2もオアシスも持ってないしねえ・・・。ヒエ〜、モンティ・パイソンしかなかったりして!と考えだしたら、どんどんドツボに。T-REXもクラッシュもCD持ってなかった!!これはレコードは持ってるのよ。でもCDにできない状況なのよねぇ・・・・ああもう、こんな時にぃ・・・お金入ったらUSBつきのプレイヤー欲しい。
 今の気分ではロバート・ワイアットもかけないだろうし・・・・・もっとポップなのがいいですねえ。プログレは絶対かけないと思う。面倒くさい。つーか、CD持ってないし。と考えてみると、わたしはポップなロックとトラディショナルと60年代のロックしか好きじゃないのかも〜〜。
 9日のビートルズBOX発売の際は、多分伊東屋社員が買うと思うから貸してもらいたいもんだ・・・・(すぐには買えないと思うので)そして会場で流したいもんだ。

では、みなさまお待ちしております!わたしはあしたは11時に伊東屋入りです。6時までいると思います。

 

 




◆2009年8月27日(thu) 伊勢丹作品展始まりました

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きょうも、好きなモンを書く。
マザーグース




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Amazonでも見られます(予約受付中〜)

●伊勢丹作品展始まりました
 伊勢丹新宿店5階のアートポスターコーナーで作品展が始まっています。 2週間みなさま、よろしくお願いいたします!

 二日目になんとか行くことができました。 わたしの作品の中でもヨーロッパっぽい、かわいらしい感じのものを多く選んでいただきました。 ほとんど旧作ですが、10年も前のものもあって、それがなかなか新鮮な気分にさせてくれます。 オリジナルの額が用意されているものもあります。 お店の方が楽しいキャプションもつけてくださってました。読みながら見てくださいね〜

●『英国男子制服コレクション』発売!
 

 きょう店頭発売になりました〜
 旅やファッションのコーナーに置かれているようです。今回の本は、切り口がいろいろで、どうやら秋葉系の方にもモエ〜〜〜みたいなところが。
そんなわけで、アニメ関係の場所にも置かれるみたいです。制服は俄にブームなんですね。日本では学校の制服がどんどんブランド化しているわけで、制服の方が私服よりかわいい場合が多いギャルたち。その元をたどると、ほとんどは英国の制服なんです。さらにたどれば軍服だし、この本を見るとどんな風にして英国の文化が知らぬ間に世界に広がっていったかわかって興味深いです。
 以前石井さんとコンビでやらせてもらった「英国フード記A to Z』も、奥深い文化論を軽やかに表現していたものでした。今回も楽しく読みやすい(見やすい)ほかに無い(!)本になったなあ〜〜〜、と大変嬉しく思っておりやすです。

 9/1日からの伊東屋個展では本を販売いたします。待てないかたは本屋さんで。でも原画を見ながらの方がきっとお得な気がするよん!伊勢丹にも見本で置かせてもらってますので、見てみてね。そして、そのアシで銀座まで〜〜〜!

 

 





◆2009年8月21日(sat) おしゃれ裏番長、きょうはモッズも描いている

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きょうも、好きなモンを書く。
洋服



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●作品が洋服になった・・・が来年まで着られないというジレッタサ
 やっとDM発送80%完了。

 個展は楽しいが、絵を描くこと以外の雑務があまりに多くて、それに時間が費やされるのがヒジョ〜に辛いです。でも、やんなきゃ。たとえば、本の手配。今回は石井さんの本ってことで、全部やってもらってしまいコレは楽をさせていただいた。が、わたしのCD&画集『Bronze & Willow』がまったく家にないことがつい最近になってわかり、この手配もしなきゃならない。こうゆうものは自身で仕入れまして、それで売るわけです。現在チョー貧乏なので仕入数もケチることにする。これは来週に持ち越そう。
 キャプションは夜中にぼちぼち制作。これが面倒臭い。パソコンが新しくなったので、前に作ってあったものを使い回しできない!イラストレーターがCSになってからはDMくらいしか使ってなかったので、かってが違っててそれを解明するのに時間をとられる。これが嫌だなあ。本の原画で、ペン画のものは展示するものとファイルに入れてお見せするものと作る予定なのだが、それもまったくやってない。頭の中では出来上がっているけど・・・これはきっと搬入前日に持ち越し。と、どんどん持ち越されるものが増えていくので、今から搬入前日の信じられないゴッタガエシの様子を思い浮かべてゾッとなる。
 
 きょうも工房でしたが、途中チョロとおでかけ。あの洋服の生地になった作品が、ついにデザイナーさんの手によって洋服になったのでした!その展示会というのがあったのでテキスタイルの会社のKさんに連れていってもらいました。アパレル業界に疎いので知りませんでしたが、洋服はまずはサンプル品を作って、展示会をするんですねー。それで、商品化が決定になるものがあったり、サンプルで終わったり、また、デザインを変更したりとなるのでした。役得ということで、○割引(相当割り引きされる) で買えるということでした。自分の描いた絵が洋服になっちゃって、感動しちゃいます。変なデザインだったらショックですが、大人のゴス、な感じのデザイナーさんなんで、カッコよくできていてホッ。白地に黒のアミアミ引き裂かれレース柄は、ハードな感じのコートやパンツやバッグになってました。黒地に浮き出るように柄が入ったものも同じものができてましたが、白地の方が「おしゃれ裏番長」感が出ていて、Kさんも「松本さんはコレでしょう!」と勧めるし、購入。これが一番お高かったですが、とてもすんばらしいお値段で買えたので嬉しい。ほかに、あの柄に花を加えたものでドレスやなにやらできてましたが、結局わたしはコートとバッグ(バッグは黒地を)を購入。女らしさのあるロックなお洋服、と表現しておこう。
 しかし、これがわたしの手元に届くのは、この展示会のものが店頭にでる来年の春!!なんだそうですよ〜
待ち遠しいですが、我慢。来年もおしゃれ裏番長でいられるようにしとかなきゃ。コートは結構目立つんで・・・・ロンドンっぽいというかパンクテイスト。

●モッズを描く
 急いで工房に戻ってモッズな作品にとりかかる。
 イケメン展なんで(いつのまにか「制服」じゃなくてイケメンを描くことに移行)、イケメンなファッションを着た男を。イケメンだと思うファッションは、1930年代とモッズなんです。女は20年代シャネルが出てきた頃や、そのあとのディオールかなあ。とスィンギングロンドン。今回はとにかく男なんで、それは無し。1930年代の絵は終了しているので、あとはモッズ。男たちのバックにシングルレコードの模様を入れている。本当はただのドットのイメージだったのだけど、●の形を見ている内に、ドーナツ盤に見えてきたので、音楽と切り離せないモッズなんだからレコード柄にしちゃえ!ってことになった。そしてどうせならモッズが聞いてたレーベルにしよう、と思い立ち調べていたら止まらなくなってしまった。レコードの真ん中のレーベルを見るのは楽しい。CDになるとその楽しみが無くなるのでたまにはレコードを見たい。
 なんでモッズのレーベルじゃなくて、モッズが聞いていたレーベルにしようかと思ったかというと、モッズなバンドは実はそんなにおもしろくないからなのだ。その頃のモッズバンドと称されるバンドもんのCDも持ってはいるのだけど、チャカチャカしてるばっかりだったり、歌謡曲みたいだったりで特に魅力を感じない。ところが、彼らが好んで聞いていたものは、チョーかっこいいのだ。R&Bなのだ。アメリカのMOTOWNあたりとか、ジャズだとか。ストーンズを聞いてたわけではなく、ストーンズが大好きだったマディ・ウォーターズを聞いていたわけだ。ストーンズの初期はめちゃめちゃブルーズでかっこいい。しかしストーンズはモッズではないのだ。
 というわけで、モッズなファッションは好きなわたしですが、音楽とはまた別だなあと思うのでした。THE WHOがかろうじて接点です。でも、彼らはモッズバンドって域じゃないのだ本当は。ストーンズもビートルズもフーもアメリカの黒人音楽を聞いていたけれど、そこから生まれたものはそれぞれが違った切り口になっていておもしろいな。THE WHOがビートルズやストーンズにくらべ日本でマイナーな感じがあるのは、そこんとこなんだろう。そこんとこって、どこんとこよ。いろいろ言いたいことはあるが、またにする。

 ストーンズの『黒く塗れ!』がシングルとしてはヒジョ〜に好きなわたしです。小学生の時に1つ上の兄(も小学生)が買っていたので、死ぬほど聞いた。あのガチャガチャとワイルドな響き、不思議なギターのメロディ、サビに入る時の一瞬の緊迫感などがファッションとしてのバンドではなく、身体から湧き出るソウルなバンドじゃん!と子どもごころにも、胸打たれたわけでありました。

 そういえば、今朝ラジオを聞いていたら、ビートルズ「イエローサブマリン」がロバート・ゼメキスの手で映画化されるらしい。つまりアニメーションが実写になるってことだけど、どんな風になるんだろう。ビートルズ風バンドはどうなるんだろう。アッと驚くようなキャストでやってもらいたい。リンゴとポールも最後にチョロっと出してあげて欲しいな。アニメの時みたいに最後にチョロっとね。ちょっと楽しそう。「イエローサブマリン」は映画館(なにかのイベントで見た)で不覚にも途中寝た口です(でも擁護する口でもある)。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』風なら寝ないと思う。
 と書いておいて、今調べたら、ガッガリだよっ!!!ディズニーの3Dモーションキャプチャー技術で作る・・・・だって!な〜〜んだ、ガッカリだなあ。もうあの質感が嫌いなんだよ、ワシ。3Dじゃなくて結構だよーん。ディズニーじゃないよなあ・・・・・。そしてロンドンオリンピック前後のプレミア上映予定、なんだそうだ。なーんか、けり倒したい気分。円谷で作ってほしい。これが希望です。

 




◆2009年8月20日(fri) イケメン展です

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きょうも、好きなモンを書く。
●食べ物モン
●クリスマスモン
●物語モン
●柳模様妄想モン
●犬・猫妄想モン
●サーカス、見せ物妄想モン
●ジェリーの中に入ったり出たり浮遊する妄想モン
●絡み付かれて動けない妄想モン
●異生物妄想モン
●英国トラディショナルモン
●英国変態モン



乗馬のTOPHAT (のイケメン)

●今回はイケメンばかりなのであります
 作品展、個展が同時にあるので、DMを渡すと
「なんでまた、わざわざ大変なことをするの?」と聞かれるのですが、今回は『英国』つながりなので、同時にやりたかったのでありました。

 わたしの仕事は間口が広いのでありまして、たくさんの切り口でやっております。今回はその中の『英国モン』。以前から順に見てみると、
●食べ物モン
●クリスマスモン
●物語モン
●柳模様妄想モン
●犬・猫妄想モン
●サーカス、見せ物妄想モン
●ジェリーの中に入ったり出たり浮遊する妄想モン
●絡み付かれて動けない妄想モン
●異生物妄想モン
●英国トラディショナルモン
●英国変態モン
等々となってます。

それらがそれぞれ相関関係を持って妄想されている。

 それらが切り口としての分類でありまして、 さらに、『アート』寄りと『イラストレーション」寄りの区別、という分け方がハッキリとは意識してないけれど、なんとなくあります。イラストレーターっつーのはなんかもう嫌だなあ、とここ数年思いつづけていて、頑なにさえなってました。でも、最近はそんなことはどうでも良くなってしまった。その時その時で気分に合った描き方をするのが一番だし、今までもそうゆうやり方しかやってないことを確認。自ずと『松本里美モン』になってるに違いない、と思えるようになった。

 イラストレーションというのは「お題」があってのことで、説明好きなわたしとしてはそうゆうのは好きだし、得意なわけで、何も捨て去ることもなかったなあ・・・・と思うに至ったわけです(この歳で。いや、この歳だから気づくこともあるわね)。

 そんなわけで、今回の個展『British men』は、あまりにもダイレクトだけど、それが楽しい制作の日々ですよん。あと10日で搬入なのにまだ3枚やってます〜


●いっぱいいっぱいで笑う
 と、いっぱいいっぱいなんで、DM発送もようやくって感じで、きのうきょうとで必死こきました。みなさん、来てね!!1作1作おもしろいです。

 と、おもしろ過ぎといつもの綱渡り状態極限に達して笑いころげてたら、コロッとニューおもしろ仕事が入る。去年レギュラー仕事がのきなみ終了していたので、新たなレギュラーはおもしろ嬉しだが、スケジュール的に緊迫状態に陥っておりまして・・・。でも、一呼吸おかねばねえ、こんな時こそ。9月からは食べ物連載が始まることになりました。飲食店関係しか見られない雑誌なんで残念ですが、わたしが描かせてもらうページは、あまりにもわたしにピッタシな、食材ウンチク話で、見る機会があったらラッキーっす。おもしろそうなので。これも英国フード記ほかしつっこくねちねちと絵にしたり文章にしてきた賜物だわ〜。きのうは初打ち合わせで神田へ。第一回目は「鮭」。
 お題があってのイラストレーションですが、メインは版画でできるのでよかった。なかなか版画でレギュラーというのは締め切り仕事では難しいのだけど(時間的に)、最近素早くできるドライポイントというやり方でも制作しているので、できるんです。数時間で。
 とはいえ、その数時間の捻出がむずかしすぎ!な現況であります。

 




◆2009年8月17日(mon) 南伊豆で庭仕事

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きょうも、好きなモンを書く。
庭仕事

●南伊豆より無事帰還
 出かける前日の朝に大きな地震があったので、ヒョエ〜となってました。みんな警戒してたのか、道は空いてて、スイスイ。
今は誰も住んでないマツキヨの実家は別荘みたいになってまして、昼間は海にずっといるけれど、あとはゆっくり家で過ごすことができます。近所の人が言うには、このあたりは岩盤が固いんだってサ。
家の中のものは何も落っこちてなかったのでした。ホッ

 朝6時前。潮がひいてて、チィちゃんもウハウハと走ります。と、朝日が昇ってきましたぞえ。

●植木職人
 今年は忙しかったりいろいろで、ゴールデンウィークに来れなかったから、庭がどうなっちゃってるのかが、とても心配だったのでした。そりゃあもう、すごいことになってました。
一番凄かったのは、ツタですねえ。これがズルズルと窓にはっていて、大変なことになってました。芝生も伸び放題。ゴムの木もジャングル状態。わたしは花を植えるよりも庭木を切るのが好きなんです。
小さい時から大好きでした。家の庭の木はいつもわたしが登ってバッサバッサと切ってました。近所では「あそこ、男の子いなかったかしら・・・」と言われてた。兄はこうゆうのが駄目で、ベランダから様子をコッソリ見るだけでした。イングリッシュガーデンもいいですね。わざと自然な感じにするわけで、日本庭園とはまったく違う。イングリッシュガーデンの中で、トピアリーというのが結構おもしろい。盆栽にも通じると思います。犬の形にしたり、四角やドーナツ型にしたりするアレです。
 南伊豆のこのあたりの家はどこもみんな垣根をきれいに真っ平らにしてます。これがきれいなんで、ウチのように長期で不在にしているとかっこ悪いことになってしまいます。今回は1日庭仕事にあてて、朝から夕方まで職人しました。あ〜楽しかった。亡くなったマツキヨのお父さんが凝り性だったのでいろんな道具があり、電動できれいにできちゃいます。

この杉は樹齢どのくらいなのかなあ。1年で2ミリくらいしかのびないらしいので、1億年くらいですかねえ。ウソ。これ、どうしましょう・・・・・どうなっちゃうんだろう・・・・
その横の垣根はなんとかきれいに整えました。外側からはきれいに見える(中央)のですが、内側から見る(右)と、真ん中あたりにヒョコッと枝が出ちゃってます。これを切る前に、その前にバンバン刈り込んだ枝やツタや草を積み上げちゃったんです。それで、もう手が届かなくなっちゃった。残念。次回切りそろえます。
 ツタは2種類あって、一つはぶどうの一種みたいでした。花もついてたし、実のようなものもついててかわいそうだったのですが、仕方ないです。もうひとつはドクダミの匂いがするものでした。主に裏庭にはびこっていて、下にはドクダミが増殖。これをどんどん引っこ抜いて、すっかり健康的になりました。


●田舎の風景
 義父と義母の家だったので、とってもレトロです。庭もまったくの日本風で、わたしの雰囲気ではないけれど、これはこれでおもしろいもんです。

レトロな食器があるのが楽しかったりもします。わたしの実家にもあるのですが、上にあるような縁取りの食器は懐かしくていい感じです。コーヒーカップは形も昭和ですね。
それと、お風呂場とトイレのタイルがドット模様なんですよ。これがいつもイイもんだなあ、と思うわけです。昔は、このドットタイルは1個1個はめてくんだとばかり思っていて、大変だろうなあ、きれいにできてるなあ、でもわたしもやってみたいなあ、と思ってました。でも、ある時これがロールになった状態でボンと置かれているのを発見してしまい、目からウロコでした。そりゃそうよねー、まさか1個づつやらないよねー。ちょっとガッカリもしました。

●オーディオうんちくオタクのお言葉

 最初の三日間は潮溜まりにタープをはってのんびりシュノーケリングなんぞをしてました。ブラジル人がまた来てまして、ガンガンカーステレオでブラジルのポップスをかけてまして、これが低音をボンボン大きくするので気分が悪くなるのでした。ダンスミュージックに多いタイプだ。「低音を大きくして喜ぶのはシロウトだ」というのは、わたしがまだ小学生の時の父のお言葉でして・・・・・・シロウトって・・・・・なんのシロウトなのやら、オーディオおたくにありがちなお言葉なのですけどね・・・、たしかに、ステレオから低音がバブバブと響くとノリノリになるのでいい気分なんだけど、細かな部分が埋もれてしまうからねえ。そのオタッキーなうんちくオヤジのお言葉が耳から離れずに育ってしまったので、ベース音が大きいと変に感じてしまうのだ。多分それは伴奏としても音だったからで、それが前面に出てると変だなあ、と思うのだと思う。メインならいいのだ。多分。
 
 帰り運転している時に、マツキヨがバーデン・パウエルをかけていた。同じブラジル音楽でも、どうもノリが違う。アントニオ・カルロス・ジョビンの曲をやっているのだけど、そんな風に聞こえない。普通ボサノヴァは気持ちが良いもんで、運転してても気になることはないのだ(だからカフェで流れてる)。なのに、これはなんなんだろうか。リズム感がどうもボサノヴァとは違う。時々同じフレーズを延々繰り返したりするし(ギターです)、クラシックのようでもあり、フリージャズのようでもあり、多分いろんなものを学んでギターを探求した人だったのだろう。
 なーんてことを考えながら天城越え。東名高速復旧したばかりで混んでると思ったら、全然混んでない。しかも1000円。アッサリ3時間半ほどで東京へ。普段7時間くらいかかってるので拍子抜けしちゃいますた〜




◆2009年8月11日(tue) 伊勢丹新宿店でも作品展があります

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きょうも、好きなモンを書く。
WILLOW PATTERN


MANDARIN
8月26日〜9月8日まで伊勢丹新宿店の「英国展」に合わせて5階『アートポスターコーナー』で作品展があります。




CHINESE TIGERS GREEN


●英国だらけ
 伊東屋で9月に本の原画展があるわけですが、実はそれと同じ時期に伊勢丹新宿店でも作品展があります。こちらは伊勢丹の『英国展(Naughty Princes)』に合わせてのものなので、ほとんどが旧作になります。ただ、左にある2点は新作。伊勢丹オリジナルで制作したアンティークのカップ&ソーサーの版画です。
 くわしくは、来週にでも。
 
 ちょいとこれから地震で怪しい伊豆に行ってきまーす。大丈夫かしら・・・・・運転も怪しいし、道路が崩れたらどうしよう・・・・津波きたらどうしよう・・・・

 山の中&海辺なので、連絡はつきません。なんとか携帯くらいです。
そんなわけで、みなさん素敵な休日をお過ごしくださいませ。わたしもヴァカンスを楽しんでこようと思います。

 といっても、銅版3枚もっていくのよぉ〜〜〜〜!それに、塩ビもたくさん持っていくのよぉ〜。海辺でできる塩ビドライポイント(版画の種類でしゅ)をセッセとやる予定です。

無事に東京へ帰り着けるように祈ってね。


 



◆2009年8月9日(sun) 個展秒読みにつきポール師匠を礼賛する

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スーツの男
ビートルズ

9月の個展のDM『傘男』または『こうもり男』・・ってバットマンじゃん!!



ポールが「マジカル・ミステリー・ツアー」で着ていた
ベスト。

ガチャピンはポールがモデルでした。(ムックはジョンでした)



●『英国男子制服コレクション』
 何ヶ月もグループ展、仕事、などをこなしつつ9月1日の銀座伊東屋さんでの個展の作品を制作してました。いまだに攻めまくるわたしは、1ヶ月切ってるけど新たな作品にむかっております!

 インフォメーションを別ページにUPしましたので、http://www.satomin.jp/info/exhib/09itoya.htmlチェック!アンド ゴーゴー伊東屋ーですよっ

 インフォにも書きましたが、今回は『英国フード記A to Z』につづく絵の量です。版画は前のより少ないけれど。ペン画は150点もあるのです。石井理恵子さんの新刊本は『英国男子制服コレクション』
 発端は、石井さんが一目惚れした英国の『クライスツ・ホスピタル』という学校の制服です。KISSのジーン・シモンズがこの学校にやってきて、ロックを教えるという番組『ジーン・シモンズのロックスクール』でその大時代的でありながらパンク(くるぶしまでの長い制服に黄色の靴下)!な制服が見られます。カッコいいんです、コレが。そして、英国のほかの学生服や軍服やスポーツユニフォームも、日本が、世界が、お手本としているんですよね。今日本の学生が着ているスカート(キルトですね)や、ブレザー(ボート競技から生まれました)も勿論そうだし、ポロシャツもそうだよね。軍隊もそう。
 一番「らしい」のはあのキットカットの衛兵スタイル。似たようなものはあっても、あの大きな熊の帽子は独特です。歩兵のボタンの数や隊によるマークの違いなど、調べると尽きること無くおもしろく奥が深い。英国は、そう、英国の男子服は、つねに世界の流行を作ってきたんですねー。それはエリザベス1世の時代からそうなんです。
 そして、わたしがカッコいい男性服の極みだと思っているのは、スーツです。スーツの似合う男は惚れ惚れする。わたしの周りにはスーツを着る仕事の人がほとんどいません。なので、普段男の人を見るわたしの目は虚ろです。そして、「007」なんぞを見る時、光り輝いてしまうのでした。

 英国は伝統を守る。頑固に守るからこそ、反対にもっとも先鋭的なものも生まれるのだ。英国のパキッとしたスーツ姿の男たちから、モッズ、グラム、パンクと、そしてそれらがミックスされたファッションが、わたしは一番好きで、それは同時に音楽とくっついていて、ミュージシャンがひっぱっていくファッションの流行を想って、やっぱし我が輩「ブリティッシュ・ロック」が好きなんだも〜〜〜〜んねぇ〜〜〜〜!!とガッツポーズをするのだった。

石井さんのブログができましたので、お知らせします。英国のお話、写真がこれからたくさん見られると思います。というか、本が売れますよ〜〜に!
http://britcat.blog.so-net.ne.jp/

●ビートルズのスーツ
 個展は新刊本が8月末に発売なので(制服好きな多方面にいるんだよね〜、どうゆうところで売れるのか楽しみだすね)、原画展というのがメインなんです。ペン画も見られるようにしますが非売品。版画のものは売ります。本では1色ですが、いくつかは色をつけます(これからやる)。

 本のためのもの以外に現在男ばっかし描きつづけている。そこで、オシャレ裏番長のわたしは描きたいものがたくさん出てきてしまって、悩んでます。そこで、考えたのは、わたしが一番男がカッコいいと思った1930年代のファッションと、モッズ、を描けばいいのだ!ということでした。そうたくさんは描けないですが。集約されたものを何点かづつ描こうかなぁ〜〜〜なんて思って少しづつ描いてます。今週は海に行くので、そこでも描けるように現在準備中。

 モッズを描くにあたって、気分を盛り上げようと音楽を聞いたりネットで調べものをしたりすると、どうしてもビートルズに行き当たってしまうことがわかった。彼らをモッズとハッキリ言うことはできないけれど、最初の頃のあのピチッとしたスーツ姿と髪型は、モッズなのだ。ちょっと変わったジャケットを着てたりするのはジョージなのだけど、ジョージは元々顔がハンサムなので何を着ても似合っている。ほかは最初の頃は同じような格好なので差はないのだけど、中期頃になってくると洋服にも個性が出てきておもしろいのだ。

 調べものの一つはポールのベストでした。昔から「マジカル・ミステリー・ツアー」の時に着ていた編み込みの小さなベストが気になっていたのだ。どなたかのブログには「ダサいベスト」と書かれていた。でも、ポールは似合ってるんだなあ、コレが。制服本の絵を描きながら、あのベストはきっとダサいもんじゃなくて、どこぞの老舗のものに違いない!と思っていたのだ。今んとこ答えは出てないけれど、多分アイリッシュもんだろう。
 実はわたしはビートルズの中では、ポールのファッションが一番好きなんです。ダサい。ジョンがかっこいいのに。と言う人も多いかと思いますが、ジョンは昔とっても田舎くさかったです。アメリカに行ったあともファッションナブルなわけではない。ジョンは好きだけど、ファッションは趣味じゃなかった。
 でもって、ジョージはギターが好きなんで、それで善し。
 でもって、肝心のポールですが、このポール師匠のファッションセンスってえのは、まさに英国的だと思うんですねえ。一見ヘンリーネックのシャツにジャケットというのも神経つかってないかのような着こなしに見える(レット・イット・ビーの頃のです)し、ベストの写真も、普通のワイシャツにこのカントリー風のベストなんでダサいと思う人もいると思います・・・が!!!違うんだなあ。師匠は英国伝統のスタイルをベースに、さらに英国的にわざとズルッと崩しているわけで、オシャレ上級者であるぞ〜、とオシャレ裏番長のわたしは太鼓判を押すのであります。

 クリスマスの(大好きなの、コレ)曲のyou tubeを見てみましょう

これも相当です。ハーロウ・スクール風の縞縞のマフラーに山高帽(変形)。という伝統的な小物をつけて、赤と黒のツートンのダサ目ロカビリー風ジャケットをシックに納めてしまっているのです。もちろん白いワイシャツも上品。うーん、すばらしい。何がすばらしいかって、ジョンやジョージのファッションは真似できても、ポール師匠のファッションは誰にも真似できないのだー。悔しかったらやってみるがいい。そう簡単には着こなせないぞ。

●ポール師匠のファッション礼賛
 そこでハタとわたしは思ったのでした。見た目こそが語る。ということを。このファッションこそが、ポール師匠の音楽を語っているのだと。伝統的な古めかしいものにカモフラージュされたスパイラルな要素は、すぐには発見できない一筋縄ではいかないものなのだ。ポール師匠の「ベスト」が語っているのだ。
 やはりファッションは大事です。わたしがダサいと思う衣装のバンドで、音だけはカッコいい!なんて思ったことは一度もないな。

 ビートルズのCDが9月にはドドッと出る。わたしは実はレコードは多分全部もっていると思うけれど、CDになってからは、「リボルバー」と「パストマスターズVOL.2」しか買ってません。「リボルバー」は好きだからで「パスト・マスターズ」はわたしの好きな中期のものがお手軽に聞けるからだったような・・・・気がする。
『マジカル・ミステリー・ツアー』と『イエロー.サブマリン』は、ほかのアルバムに比べ賛否・・・というか否論ばかり聞くことが多いけれど、わたしは好きなんですけどね・・・。映像も好きで、「マジカル〜」の方では英国人らしい燕尾服の着こなしも素敵だったし、「フール〜〜」の時のポール師匠のコートも、ぬいぐるみを着た時のファッションも好きだった。物語はどうでもいいのよ。『イエロー〜』もアニメーション好きだし。今回の個展のDMの宛名面には「イエロー〜」風の指差しマークを使ってみました。
 機会があったら、ポール師匠ファッションだけを抜き出してみたいもんです。カッチカチやぞ〜〜なものをシャイにズルッと着崩す英国人スタイルが、わたしはLOVEなんです。ようするに音楽もそうなんだな、ってことで、わたしはそうゆう音楽が好きなんだろうと思います。
 個展会場にはだいたいいます。今回はブリティッシュロックをかけながら・・・・を予定してます。たまにヘンデルかけます。

 今週は工房も休みなんで、海行きます。その前に一つ仕事やらねばならない。とりあえずプレゼン。



 



◆2009年8月7日(fri) 蓮とコビトカバで満足する

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上野不忍池のハスとハスの葉色の我が輩

上野動物公園/コビトカバもサイも子どもが生まれました。愛くるしいですねえ。


きょうも、好きなモンを書く。

動物園

ハシビロコウはドードー鳥みたいでかわいい
言葉を発しても不思議じゃない存在感
ドリトル先生になりたい・・・




●執念のハスツアー
 A子ちゃんとわたしは数年前からハスツアーをもくろんでいたが、毎年時期を誤り満開に遭遇できないままでありました。
 しかし、ついについに目的を成就することができましたよ!

 5日水曜日、意を決して午前7時に上野集合。今回は工房の友人三人と。ヤル気まんまん〜

 不忍池の弁天さまのところからグルリと一周。感動しながらゆっくりまわり、元のところへ戻ると、最初の時の5倍は花が開いてました。緑とピンクが池一面を埋め、力強く美しい姿に惚れ惚れいたしますた。弁天堂でお参りしておみくじを引きまして、『お多福』を引きました。ほかにも瓢箪やカエルなんかもあって楽しいのよん。説明によると『お多福はおかめともいわれる女性の福徳をそなえ神楽舞の上手な女神』なんだそうで『福の神、笑いの神、芸能の神として慕われている』んだって。嬉しいわ。特に笑いの神、というのが嬉しいな。

 アメ横はまだ閑散としていて、動物園が開くまで4人でしばしガールズトーク。女子って楽しいわぁ。
 昨年の5月はわたしにとってはトラウマになるような出来事があり、精神的にも肉体的にも疲労の極地に陥っておりました。まともにまっすぐ歩けない時もあったし、目の前に幻影が見えたり恐ろしい日々をタップリ経験した。その時にも三渓園でのハスツアー(ほとんど咲いてなかったけど楽しかった)をして、ガールズトークをして、ユーミンの歌じゃないけども、その自然と友人たちにとても慰められたのでした。それから1年たって、トラウマというのはぬぐい去れないからトラウマというのだから、もうそのままでも良いもので、解決など考えるから厳しいのだ、それらを背負ったまま人というのはみんな生きていけば良いのだ。と思うようになった。いい具合ではないか。いい具合に1年使ったなー、と思うのだ。
 満開のハスで、心も満たされる。A子ちゃんとは執念のハスツアーとなったのでありんした。本当にきれいで、満足しましたー

 
●上野動物園フリークです
 その後一人抜けて3人のツアーとなり、動物園へ。段々暑くなってきたけれど、友だちと行く動物園は相当久しぶりなので新鮮なのでした。アンタッチャブル柴田に負けないくらい上野動物園にくわしいのよ、ワタシ。ボランティアのシルバーガイドさんのように皆さんをご案内。
 この日の目玉は、生まれたばかりのコビトカバの赤ちゃんでした。いってみたら、サイにも赤ちゃんが生まれていてすんばらすぃ〜。絶滅寸前ですからねえ、本当によかったですね。しかし!!みんなに見せたかった「マメジカ」がいないっ!!オオコウモリと同じところにチンマリといたのに・・・・・サイトを見ても何も書かれてないし、一体どうしちゃったんだろう。とっても心配。
コビトカバの赤ちゃんは「コユリちゃん」といいます。お姉ちゃんもそのまたお姉ちゃんもお花の名前がついてるのよん。

普段全然動かないというハシビロコウもバサバサと動いていてよかったです。最後には虫類両生類館に行き、ゾウガメの太郎(80歳!)と亀吉を見て西園の出口からでます。ここからもハスはたくさん見られます。午後2時を過ぎていて、花はみんな閉じていました。それにしても、大きな花よねえ、ハスって。
 ハスは、花が終わったあとも風情があるでしょ。お釈迦様の台座が池にゴロゴロと浮かびます。それもまた良いのです。

●英国制服本今度こそすべてUP
 タラリタラリと歩いていたので、疲れ果ててしまい、行こうと思っていた個展や額屋さんなどにどうしても行けなくなってもうた。申し訳ないでしゅる〜
 結局、そんな状態でも工房へ行きましたです。少しでも作業をすすめないとダメなんす。伊東屋の個展まで1ヶ月切りました。
 きょう石井さんの新刊本の最終直しが完了。カフェでしばし慰労話(ほか芸能話ーーーだってきょうはNピーのことでワシ何故か頭がいっぱいだったのよ。別にファンじゃないけど、スキャンダラスなんで・・・)をしてポールのパンを買って帰宅。今回の本は想像でなんとかなるようなシロモノではないので(英国の現在も使われている制服なので)、最後の最後まで関係者一同神経を使ってます。石井さん、お疲れさまでした!今度ゆっくり動物園にいきませう。



◆2009年8月3日(mon) 中学生は思春期なのだ

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きょうも、好きなモンを書く。


ティオ(パピヨンそろそろ6歳)のサマーカット。1ヶ月たつとドット模様も崩れてきておりますね。

小さいグラスに作った、美しいK太郎作の夜食デザート





●K太郎は思う
 夏休みなので、子どもサービスでもしよう〜、っつうことで、ゴーギャン展の貰い物招待券があったので竹橋の東京国立近代美術館に中三受験生K太郎くんとでかける。
K太郎は楽しそうに生活しておりますが、一つだけ悲劇的なことがあります。それは自他ともに認める芸術的才能を持ち合わせていながら(そこまで大げさなもんではない)、美術の教師Tに徹底的に嫌われており、美術がやりたい放題の都立高校に行きたいと思っていたが、そんなわけで一番やりたいし得意だと思っている美術の成績が一番悪いために、行けない、という受難。 美術はもう一人教師Mがいるのだが、運悪くずっとこの相性の悪いTになっている。
 数年前、区のギャラリーでやったとある展覧会を見にいった。この二人の教師の絵が並んで展示されており、まだ二人ともわたしは知らない時だったが、K太郎と相性の悪いTのただうまいばっかりの人物画や風景画の方には、その時まったく魅力を感じなかったわたしは、隣のもうひとりの教師M(教師だということすら知らなかった)の抽象画がすばらしくて見惚れていたのを鮮明に覚えている。
 K太郎は選択授業でこのM教師の美術もとっている。こちらは絶好調で『A』ランクなのだが、T教師の美術は相変わらずヒドイ。美術の評価なんて水モノだもんなあ〜、とは思うが、明らかにド下手な子の方が評価が高いもんで、親の身としては、イラッとなっちゃうわけです。なぜそうなっちゃうかというと、課題が理解できないため(頭がとっちらかってて)クリアできてないという決定的な問題および、課題をつまらなく思ってしまうために、T教師がもっとも嫌いなシュールな作品にしてしまう、ということのようなのだった。M教師の選択授業ではどうやらそれはOKのようなのだった。
 一時期K太郎はとても悩んでいたので、親としては一応は口を出した。これはそうすべきだろうと思う。しかし、T教師のひと言「わたしは芸大を出ている」(聞いてもいないのに)と、区民ギャラリーで見た絵が重なって、もう何も言う気がおきなくなってしまった。こうゆう学校での不幸を味わうことなく過ごすしあわせな人もいるだろうが、血筋というのか、わたしもたくさんこうゆう目に合ってきているので、K太郎には「もう考えるな」と言ったのだった。こんなつまらないことに小さな心を痛め、時間を費やすのは馬鹿馬鹿しい。こんなこともあんなことも無駄なことってのは何もない。キミや母のようなちょっとズレた道が好きな人間に与えられた試練であるぞ。でも、それはなかなか楽しいぞ。本当にやりたいことであれば、いつかはやれる。近道する人もいれば、遠回りする人もいる。母を見よ!こんなに立派に生きてるじゃないか!(ケッ、見るかよっ、と言われて終わる演説)

 というわけで、一時は悲しげだったK太郎だったが今回のゴーギャン展の目玉『われわれはどこから来たのか。われわれはどこから生まれたのか。われわれはどこへ行くのか』を随分ジックリ見て、見終わったあとも呪文のようにこの言葉をつぶやいていたのだった。ああ、思春期ねぇ〜。思春期のことばでもあり、一生かかって人間が考えていくことばでもある。
 K太郎が授業中に岡本太郎の絵を見て「これ凄いなあ」と言った時に、T教師は「オレは大嫌いなんだ」と言ったそうなので、 T教師にはゴーギャン展の話はしない方が良いだろうなあ、と思ったりして。多分お嫌いだろうなあ。
 なんてことで、一応ヒトの親としてですねえ、グチらせていただきました。今後もヒドイ成績のままだろうけど、そんなもんイイじゃないか!!きにするな、K太郎!母はいつも感動しているぞ!

 それから原宿へ向かいまして、洋服を買うことに。男の子の洋服はどこで買えば良いのかよく知らないんで、適当に明治神宮近辺の店に入る。観光客ドッサリの「Forever21」にも入る。買わず。そのとなりのサッカー専門店が一番楽しかったかも。二人ともクタクタになり、ネパールカレー屋で食事をして帰宅。思い通りのハーフパンツ(相当ローライズだが、これが普通らしい)を購入したので、あとの夏休みは、夏期講習と海1週間で終わりだ。

 とはいえ、川崎フロンターレファンなので、一緒に等々力競技場には行くことになっている。最近強いので楽しい。おとといはFC東京戦で、2対1で勝利。わたしの好きな谷口が決勝ゴールだった。代表にまたなって欲しいな。
等々力競技場の池にハスがたくさん咲いていたので、感激。こんなところで見られるとは〜!

●K太郎は料理する
 そのK太郎は料理の腕もなかなか創造的なのであ〜る。家にずっといるので、よく昼ご飯や夜食を作ってくれる。わたしがキッチン方向を向いて絵を描きながら指示をすることもあるけれど、勝手にいろいろ作るようになっておもしろい。きのうは塩をいっさい使わないエビチャーハンというのがおいしかった。マツキヨ氏は塩分できるだけとってはいけないので、そこんとこ考えててすばらしい〜。
 さらに、きのうの夜食は、マツキヨが作っておいた抹茶カンテンに小豆をのせ、コーヒーミルクをサッとかけ、仕上げにポッキー2本を飾っていた。これはどこぞのカフェ顔負けなのでありまして、その出来上がりの美しさにも母は感動したのでした。

 思春期の子を間近で見られて結構楽しい。自分が中学生だった頃のことなんぞ思い出して、あの時母はこう言ってくれたなあ、なんてことも思い出すのだ。わたしも体育の教師に嫌われてたことがあるのだが、わたしがグチって学校に行きたくない、と言った時、母は「それはひどいわねえ。学校やめれば」と言ったのだ。ハンバーグを作りながら。スルッと言われたので、拍子抜けしてしまい、かえって普通に学校行ってその教師とも平常心で対峙しよう、と決めたのだった。嫌われても嫌われても普通にしていたら、その内教師が媚びるようになった。

 中学校の教師をしている高校時代の友人がいる。数年前会った時「贔屓ってしないの?」と聞いてみたら、「そりゃ絶対的にあるよ。だって好き嫌いあるよー、人間だもの」ときたもんだ。

 と、きょうは思春期K太郎と母の、普通のお話でありました。
たまにはこんなので。















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