◆2009年4月29日(wed) 月光荘のホルン/スパークス再び

ブログ● +P里美の『Bronze & Willow』はこうして作られた
松本里美の『銅版画集&CD』制作日誌はコチラ


今年の「かまわぬ」の手拭い2種。編目蛸と南天です。

●スパークスあらためてファンになる

 スパークスで燃え尽きまして・・・・その後山のようにたまっている仕事をこなしつつ、ネットでスパークスのyoutubeを楽しむ。前回スパークスを招聘されたひげの未亡人さん(わたしはひげの既婚者)が日々ネットにたくさんスパークスのyoutubeを載せていたのを、おととい一挙に見ちゃった。その中でもわたしの胸をキュンとさせたものを、わたしもご紹介したいと思います。二つだけね。
◆一つはカルト映画というか「カリガリ博士」的でかっこいい。
『number one song in heaven』

http://www.youtube.com/watch?v=PEUDyOe2930&eurl=http%3A%2F%2Fmixi.jp%2Fview_diary.pl%3Fid%3D1136665947%26owner_id%3D273368&feature=player_embedded
◆もう一つはブラザーズ・クエイのアートアニメーションのようでゾクッとしていいんです。
『The Rhythm Thief』

http://www.youtube.com/watch?v=ive4NdBMjt0&feature=player_embedded
これは、美しいです。
どちらも浮遊感が怖くて気持ちがよい。そしてどちらも、ロンは破壊的。これが魅力のひとつだと思う。明るくフロントマンをつとめる弟の後ろで暗く燃えたぎっている兄を演じているロン氏が、おもしろい。弟も、兄も自分の役割を演じているのだ。それを35年間やりつづけているという、大人なバンドなのだった。オペラ的なものが好きなので、こうゆう作り上げたものが好きだ。これがアメリカよりもイギリスで受けた理由のひとつでもあるんだろうなあ。その深淵さを、こんなに踊れるポップスに仕上げてるところがまた、大人ねえ〜〜〜、すばらしいわ。
こんなに時間がたって、このバンドの神髄がようやくわかったような気がしてますねー

●銀座半日
 
お楽しみが終わり、いきなり怒濤の仕事モードをこなしまくってる。きのうは伊東屋に納品1点。お財布忘れて伊東屋のHさんに1000円借りてたので、それもお返しに。毎年買っている「かまわぬ」の手拭い、今年は左の2点です。蛸は渋いでしょ?南天はかわいくて、チェコの雑貨みたいね。
 お昼は松屋のデパ地下でお弁当を買い、屋上のベンチでゆっくりと。気持ちいいんですよ、デパートの屋上大好き。ここで柏餅を買って、次に「月光荘」へ移動。
ここは1年くらい前にちょっとだけ店が移動になりました。ホルンのマークのクロッキー帳とか便せんなど、わたしも愛用してますが、なんと看板についていた初代からのホルン(本物)、盗まれてしまったんですよぉ〜〜〜!以前は奥にあったミニギャラリーが地下に移り、その入り口に「大事なものなので返してください」と張り紙があった。トレードマークというだけでなく、大事な思い出もつまってるわけで、ひどいなあ、と思います。返してあげてね。http://www.vesta.dti.ne.jp/~gekkoso/index2.html
 ギャラリーでは今、工房の安ちゃんと石橋さんの二人展が行われてます。かわいらしい、幸せな気持ちにさせるお二人の版画を見ながら、お二人の出身、韓国や広島の話をする。豚の絵があって、鳥の絵があって・・・なんかね〜〜〜、あ、「しあわせインフルエンザ」ですよ、石橋さんの絵は、と笑った。これはみんなに移れば良い。
 鳥も米も豚も牡蠣もうなぎも、気にせず食べるわたしです。いまんとこ当たったことはありません。
 月光荘はリニューアルされてギャラリー横に数名すわれるカフェができてた。安ちゃんにおいしいオーガニックコーヒーをごちそうになり、たくさんしゃべっておもしろかった。伊東屋、月光荘と、銀座の老舗文房具屋さんのはしごでした。ふー

 そのそば、銀座7丁目「ボザールミュー」へ5月7日からのグループ展の搬入に行く。7点持っていきました。ここは猫しかやらない、珍しいギャラリーですニャ〜。わたしが持っていったのは全部新作。ちょっと変なのばかりなんで・・・・また今度ご紹介します。ここで、オーナーのMさんと猫話。

 半日しゃべりすぎた。疲れちゃったなあ・・・・でも、帰宅してすぐにガシガシとラフを描きまくる。ほかの仕事も少し。版画での仕事は時間がかかるので、完成までの段取りを間違えると取り返しがつかなくなってしまいます。早め早めに進めて出来上がりのイメージを作っておかないと不安な事が多い。一つはようやく完成予想図できあがり。あしたから銅版に向かえる。夏に出る英国本の方は、これから3ヶ月間かけての持久戦です〜〜〜〜。毎日鉛筆触ってるのは気分の良いものです。
 きょうも一日描きまくりますっ



お知らせはもう少しお待ちをー
●ボザールミューの「銅版画8人展」
●第17回ザボハウス展




 




◆2009年4月25日(sat) SPARKS 2DAYS

ブログ● +P里美の『Bronze & Willow』はこうして作られた
松本里美の『銅版画集&CD』制作日誌はコチラ


『Sparks』イギリス/アイランド時代の3枚から集めたベスト盤
今回は、1日目がこんな感じだった。
2回の公演のチケット。二日間めいっぱい楽しめた〜

●ついに生スパークス

 とにかく楽しかった二日間でした!渋谷O-EAST
 前回の来日の際は、物理的&気分的に行けなかったので、絶対に今度は行こう!と即決の2DAYSでした。そうそう、前回は、「Bronze & Willow」につけるための版画1500枚刷り地獄だった上に、個展も控え、さらに当日はマツキヨの誕生日だし、なにやらワンマンじゃないみたいだし・・・と、行けない条件が重なったんだった。ファイルケースにずっとチラシを入れて、眺めて喜ぶだけでした。この人たちは、写真見てるだけで楽しいから。
 一日目は前から5列目、ラッセル側。二日目は前から4列目、ロン側。どちらも近い!英国本の石井さんが昨年ロンドンでのすばらしいコンサートを見ていて、その話を聞いていたので、ワクワクしてました。4ヶ月間ドラム、ベース、ギターと兄弟でロスで21のアルバムすべての曲のリハを行い、1コンサート1アルバム全曲やるというものだったんです。今回東京では同じやり方が二日続くというわけです。とにかく、「キモノマイハウス」はどの曲もよく知ってるから嬉しい。ロンが生で見られるのも嬉しい。眼鏡をかけるようになって、ライブ中思い出したんだけど手塚治虫キャラの「アセチレン・ランプ」そっくりになってるじゃん。特に、ニヤッと笑った時。ラッセルは、すこし肉がついてるけど、それでも、あのハイトーン・ヴォイスは健在だった。どこにもない音楽、どこにもないキャラのスパークス。35年やってんだよ。まったく変わらずに独自のポップ路線。相変わらずの肩すかし。相変わらずの元気のよさ。

 まったく無駄のない音楽、とでもいうのか、キッチリと決まったことを兄は整然と、弟はノリノリ明るく突き進む。気持ちイイ。心底楽しくて踊りました〜!

セットリストはこうだった。(ネットでいただきました)

23日
Exotic Kimono「キモノマイハウス」セット

セットリスト

『EXOTIC CREATURES OF THE DEEP』全曲(だったらしい。ところどころしか知らず。でも、全部よかった)
〈休憩〉
キモノマイハウス全曲
アンコール:
1. Propaganda
2. At Home At Work At Play
3. BC
4. Suburban Home Boy
(どれもすばらしかったです〜。プロパガンダ〜好きなんです。ラッセルのヴォーカル真骨頂でした)

24日
Heavenly Creatures「No1 in Heaven(1979年)」 セット

『EXOTIC CREATURES OF THE DEEP』全曲(前日と同じパフォーマンス。二日目ともなると覚えてしまうので、さらにノリノリで聞けた)
〈休憩〉
「No1 in Heaven(1979年)」全曲

アンコール:
Dick Around
Mickey Mouse
My Way
This Town Ain't Big Enough (やっぱコレはイイねえ)
(アンコールでのロンの弾け具合は最高でした!しゃべったし)

 
●粋なパンクでした
 
メイル兄弟はセンス抜群であります。これは音楽もそうだけど、衣装が素敵なんですねえ。アメリカ人ですが、ロンドン風ですもんねー。ロンはいつものワイシャツとネクタイ。ラッセルは笑顔がいいなあ。最初はイギリスのボートクラブのようなストライプのジャケットにホワイトパンツ、アスコットタイ。2部はグレーのロンドン風スーツ。二日目は2部が流行の赤と黒の大きめチェックのボタン10個のダブルのジャケット。最後は黒に「スパークス」と明朝で書かれたTシャツをロンも着てて、笑った。たまに激しく踊るのが最高にイカシテる。というかイカレテて素敵。あのキャラはグルーチョだのロイドだのを思い出す。わたしの好きなタイプです。

 それにしても、21枚のアルバム全曲やれちゃうってのは凄いな。キモノマイハウスセットは、やはりギターがロックしてるのでいいよねえ。2日目のはベースとギターは休みの曲が多く(シンセが多いんで)、やはり1日目の方がテンションは上がったわたしでした。新宿に「キモノマイハウス」というライブハウスがあったよねえ、と一緒に行った石井さんと休憩時間にシミジミ話した。あったよね〜、じゃなくて「出てたもんな〜」と言う自分が怖いです。25年くらい前ですねえ・・・ヒエー

 ヴォーカルがこれだけすばらしいと、感動しちゃいますね。ラッセル凄いな。いや〜、もう、本当に良かった。思うに、ポップというかこうゆうエンターテイナーというのは、持って生まれたものが作用するのだ。持って生まれた資質、環境なんよ。お勉強したものとは違う自然な喜びにスパークスも会場もあふれてました。それが素敵な二日間でした。

 家に帰ってアイランド時代のベスト盤というのを聞きながら(キモノマイハウスは買い直してるのに見つからず仕舞なのだ)歌詞カードを見ていたら、なんと、訳詞は中村Mちゃんじゃないですか!!訳、いいんですよ、さすがねえ。彼女とは同じ仕事に今関わってる。ロックなMちゃん、また遊ぼ。

●財布を忘れて愉快じゃないわたし
 
この両日とも、石井さんと綿密な(?)打ち合わせがあったり、ほかにもギリギリ仕事をこなしたり、おもしろい人との出会いがあったり、問題がおこったりと、相変わらずわたしはドラマチックに日々過ごしております。
 きょうもささいなことながらドラマチックに、はたまたサザエのように財布を忘れて銀座へ行ってしまいました。伊東屋で毎年恒例の「かまわぬ」の手ぬぐいの展示販売が始まって、買いにいったというのに・・・・無一文というのは怖いものです。suicaがチャージされてなかったらアウトです。何故か商品券だけ持っていた。そんなこんなでなんとか2枚「蛸」と「南天」の柄を購入。今年の夏はこれで汗を拭き、瓶をぶら下げる。その後アップルストアに寄り、お勉強。学生気分。

 スパークスも終わっちまって、これで余興は終わりだよっ!!これから秋まで、1日も休むことなく制作がつづくのだ!あ、その前にあしたからクストリッツアの新作が始まります〜〜〜〜楽しみ〜(また余興)。


◆2009年4月20日(mon) 使わんでどうする



ピンボケでイラッとくるねえ。


ピンボケ2


●サンデー&マガジンの切手
 切手収集の趣味はないけど、できるだけ記念切手を使うようにしている。よく買いに行っていた東京駅の目の前にあったレトロな郵便局は、取り壊しになっちゃって鳩山さんムッとなってましたが、遅いっての。あそこで切手を選ぶのは楽しかった。

 きょう郵便局に行ったら、サンデーとマガジンの記念切手があったので、購入。2通出すためにさっそくその場で使ってしまいましたが、残りのは写真です。使ってしまったのは、「タッチ」と「翔んだカップル」で、どちらも少年漫画を少女漫画化させた(とわたしは思っている)罪により、まっさきに使う。
次はどれにしようか。
 「空手バカ一代」と「がんばれ元気」にはほとんど思い入れがないので、これにしよう。「タイガーマスク」「釣りキチ三平」もほとんど読んでないからその次に。「プロゴルファー猿」「ダメおやじ」は絵が好きじゃないので、次に。「うるせ星やつら」「パーマン」も使ってしまおう。好きだけど。
 絶対使えないのは「ゲゲゲの鬼太郎」「おそ松くん」「まことちゃん」「カムイ外伝」「天才バカボン」
思い入れはあるけど使ってしまうだろう、というものは「サイボーグ009」「8マン」「あしたのジョー」「巨人の星」。ちょっとわたしの中では異色だと思うのは、「愛と誠」。これは何故かはまって読んでいたのよね〜。実際にも読んでたけど、まとめて友達に借りて読んでもいたので、使えそうで使えない。オタクな人(お金のある人)は1シート別に買うんだろうな。

 

 
●使えない切手
 
ほとんど使ってしまったけど、最後の1枚使えないもの・・・を写真に一部。
右上、「若冲」、ボッチチェッリ「受胎告知」「ビーナス」、下黒澤明「七人の侍」。左上から「手塚治虫」、禁煙(は関係ないけど)「トランプ」(柄が好きなので)、「ウルトラマン」「ゴジラ」、「近代製鉄」記念。これは最近の。使えねぇ〜〜〜!しのびねぇ〜〜!でもこの切手でくれた人がいたので嬉しいぃ〜〜

 使ってしまったけど、「ガッチャマン」のシートも好きだった。(漫画バッカじゃん!!)

お花のものは、誰にでも、何にでも使えるので、とりあえず持ってる。最近の薄いピンクの鳥の80円切手は好き。


●そろそろスパークス
 
今週はスパークスを見に行きます。
きのう、フィギュアスケートのエキジビション見てしまった。織田くんは「トスカ」がちょっと・・・似合ってなかったなぁ。ジャンプきれいだけどね。で、真央ちゃんがまた「首の差で」(タンゴの名曲)をやってくれて良かったわ。なので、きょうも午前中は仕事しながらタンゴを聞いてましたが、そろそろ気分を高めておかねばなあ、と思って夕方よりスパークス聞く。といっても、初期のものしかもってないので、例のネットラジオに手を出す。
 ウウム、スパークスを入力すると(関連したものがーー勝手にーー出てくるシステム)、何故かハットフィールド&ザ・ノースがよくかかるゾイ。結構好きな方だからいいけど。新しめのスパークスもなかなか良いなあ。ライブ、楽しみ〜

 しかし、飽きてくるのだ、このラジオ。スパークスに見切りをつけて、ベックを入れてみる。わたしはベックのギターの音が好きなのです。たまに聞きたくなる。この人はルーツがホーボーじゃん。だからおもしろいのだ。アコースティックギターの音がイイ。Loserの後ろで鳴ってるアレ。

 なんてことで、きょうはおしまい。


◆2009年4月18日(sat) アピオス



行者にんにくとアピオス


谷口@オーロラヴィジョン
いつもこのあたりに座っている。


●アピオスと行者にんにく
 毛ガニとホタテを、パソコン設置と物々交換(?)でいただいた時、さらにはアピオスと行者にんにくもいただいたのでした。

行者にんにくは葉っぱもんで、きれいな緑色の、意外に可憐な野菜です。にんにくというよりはニラのような感じで使う模様で、浜田剛爾さんによれば、パスタにしてもおいしいらしいので、きょうはさっそく生トマトとイカと行者にんにくのパスタにしてみた。オリーブオイルのみのサッパリタイプ。にんにく使うよりもサッパリしておいしかったですよ。パンもあればよかった。何に入れてもおいしそうだし、薬味にもなるし、栄養もある。
 アピオスは、3センチあるかないかの小さなお芋で、アメリカホドイモとゆうものらしい、ネイティブ.アメリカンの栄養源だ。鉄分タップリ、また、カルシウムも異常に含まれていて、『便秘解消・産前産後の障害を和らげる効果・肥満・糖尿病・高血圧・精力減退・肝臓疾患・腰痛などなど多くの報告事例があります。』とか。明治に青森に輸入され作られるようになったということえ、青森にいる浜田さんはよく食されているのでしょう。マツキヨにもこれは良さそうなので見つけたらこれからも買っておこう。」
 きょうはパスタにしたので、とりあえずアピオスは普通に蒸してそのままおつまみにように食べてみた。確かにむっちりと濃〜〜〜い感じで、たくさんは食べれないなあ。
 どちらの食材も滋養強壮という感じですね。ほかの方からもそれっぽいコーヒー豆をいただいたり、糖分きにしなくてよいお菓子いただいたり、米はこれが良い、とか、アレがココに効くとか、教えてもらったりして、ありがたいことです。わたしは多少痛んだもの食べても平気な肉体の持ち主なんですけどねえ、ナイーヴな人が家には一人いるので、大変なんですねえ。最近は揚げ物もほとんど食べず。でも、子どもは時にはガッツリそうゆうもの食べたいだろうから、メニューが毎日面倒であります。でも、子どもと老人がいる家庭というのはたくさんあるわけで、みなさんちゃんとやってんだから、わたしもやんなくっちゃ、と思うのでした。
 ちなみにアピオスは子どもには人気がありませんでした。カルシウムたっぷりなんで食べた方がいいのにね。身長2メートルくらいになってもらいたいです。わたしも170センチを目指してます!友人(30さい)が去年から毎日牛乳1リットル飲んでたら、身長伸びたってんで、わたしも諦めずに、そのくらい飲もうと思ってます。歳とると牛乳飲んでも無理!と言われてましたが、もしかしたら・・・・ということもアルと思います!

●K太郎の覚醒
 
川崎フロンターレのファミリー会員というのになっているので、用事がない限り子どもと一緒に等々力競技場に行きます。最初は付き添いのつもりだったけれど、最近は、一人でも行ける年頃だから一緒に行かなくてもいいのに、案外楽しいと思えるようになったので、行きます。
 自由席なんで早く行って待ってます。だんだん慣れてくるとシッカリ時間を使えるように準備していくので、どうってこともなく。周りの人たちもそんな感じで、みんな楽しそうです。わたしは本と仕事道具も持っていきます。コーヒーはポットに入れてるし、お弁当を持っていき、K太郎と二人で等々力緑地の池を眺めながら学校の話なんぞして母子のイイ時間をすごすわけです。きのうは「オレはまだ覚醒していない」というので、おかしかった。覚醒した部分もあるそうだけど、「これから大事な部分で覚醒するハズだけど、まだ駄目なんだ」という状況らしい。そうゆう説明がこの子はおもしろいので、この待っている間の時間が楽しいのだ。「覚醒というのは、いつ何時するかわからないからねえ、でも、そのためには、ダラッと過ごしてては駄目だと思うよ。気づきもしないからサ。」と、母らしいこと(というよりも友達感覚かもしれないけど)を言ってみる。子どもというのは、聴いてないようで、結構親の話は聴いてるものなのだ。

●フロンターレ
  あたたかくなってきたので、競技場で売ってるフロンターレのタンブラーを買ってビールを飲む。タンブラーがあると、550円のビールが500円になる。こぼす心配もないし、持ちやすいので良い。そして、広い芝を眺めながら昼寝。きのうはフロンターレで一番好きな谷口が点を入れ、3対1で大宮に勝利。協調性がないため、特に歌ったり手を振ったりという応援はしない。




◆2009年4月17日(fri) I'm not there.は深い映画だったのだ。

ブログ● +P里美の『Bronze & Willow』はこうして作られた
松本里美の『銅版画集&CD』制作日誌はコチラ


ケイト.ブランシェットのディラン。
惚れてまうやないかぁ〜


亡きヒース・レジャーとシャルロット・ゲンズブールが
こんな雰囲気を出していたね。でも、コッチの方が
10倍グッとくる。
せつない。

●『I'm not there』
 きのう書いたつづき。

 きのうこの映画を見たばかりの時にはディランの鬱々とした部分と、ケイト・ブランシェット演じるロックなディランにばかり目がむいていたのだけど、朝になってジワジワとこの映画が大変なことをやってのけたと、思って、チィちゃんの散歩をしながら唸ってしまったのでした。

 とぎれとぎれのコラージュのように見える演出は、ディランを知らない人にとっては「疲れるな〜」と思わせるものだったと思うし、わたしのように、まぁまぁ知ってる人にとっても、ドラマとして面倒くさいなあ〜と思わせるものではあった。でも、この細切れな作り方が、実は伝記としてはもっとも『正しい』表現の仕方(おもしろいかおもしろくないかは別としてだ)なのではないか??
 6人で描くディランの姿。ディランはたくさんの顔を持っていて、その一つ一つが濃厚だからそれが別個に語られてもドラマになった。考えてみれば、ディランに限らずどの人にもたくさんの顔がある。SFのように、「IF」詩人になっていたら・・・とか「IF」パパになっていたら・・・とか「IF」ロッカーになっていたら・・・とか、時間をターニングポイントに戻してみたい気持ちというのがある。もしもあの時こうなっていたら、今はきっとこうなってああなって、そして不幸に死ぬだろう、もしくは幸せな一生を送るだろう、という具合に。でも、人間は、実はそんな一つのことだけで70年、あるいは90年の一生を過ごすわけではないものね。
 人間は死ぬ時に、この映画のようにたくさんの場面をフラッシュバックさせて見るのだろうと思うのだ。どの場面がどの場面と繋がって、などということもなく、唐突に10歳の時のわたしが出てきたり、17歳のわたしが出てきたり32歳のわたしが出てきたりするハズなのだ。だから、この映画は、もしかしたらディランが死ぬ時に見る走馬灯なのではないか・・・・そんな風に考えたら、背中がス〜〜ッとしてきた。それを、何人もの性別も年齢も違う俳優が演じるなんて!こんな事は誰も考えなかった上に、とても全うな「ある人」の伝記の表現方法ではないか、と、その深い思想とディランに対する愛情と尊敬に、あとから胸をうたれてしまったのだ。

 似てるとか似てないとかの問題ではないのだ。そしてこの細切れの意味に脱帽だ。ただし、それは娯楽としておもしろいかどうかとは別問題だとは思うけどね。

 娯楽としてとらえるのなら、ディランの曲がたくさん聴けるのは楽しいし、衣装や、年代ごとの雰囲気を堪能できるのも楽しい。ケイト・ブランシェットの演じるロッカー時代は一番華やかで楽しめる。キュートなイーディ(風)、ビートルズらしい面子のパーティシーンや、歌うシーンもカッコいい。ホーボー時代もわたしは好きだった。ウッディ・ガースリーと名乗る子どもは、まったくもうロバート・ジョンソン並みの達観した精神を披露し、できあがっちゃってる。ランボーの姿もやはりディランなのだった。これもディラン、あれもディラン。似てるとか性別が違うとか年齢が違うとか、走馬灯の中では関係はないのだ。

 リチャード.ギアのシーンだけがわたしには疑問なんだけど・・・・。ディランのビリー・ザ・キッドは多分わたしは見てなかったと思う。
最初わたしはこのシーンを勘違いしてた。ふんぞり返っている白髪のジサマが「代弁者」を受け入れてそのまま歳をとって神様みたいになっているディランの末路、を表現してるのかと思ってしまったのだ。なんだかちょっとこのシーンがわたしにはつまんなかったので、流して見てしまったから勘違いしてるかもしれないけど。 その時リチャード・ギアが、かつてのしつっこい記者の顔になったようだったけど、そうじゃなかったっけ・・・?(リチャード・ギアがディランだ、と知らなければそのまま勘違いしっぱなしだったと思う)代弁者としてプロテストソングを歌いつづけ神様になったディランがあの記者を思い出して、安住してしまっている自分を恥ずかしくおもっている・・・ってことだと思ったんだけど、そうじゃなかったんだろうか?(この時点で、この老人もギアもどっちもディランなのだとわたしは思っていた)どうも、ここだけちゃんと見てなくて曖昧なんだけど、そんな風に勘違いして見ていたせいで、この監督の意図が理解できてしまったんだから、不思議なものだ。ディランはこの白髪の老人のように椅子に座りっぱなしにはならなかった。白いスーツと白いエレキギターを持って武道館に現れた時、ディランはそんな椅子なんか捨ててたのだ。それはとても潔い姿にわたしには見えて、カッコいいと思ったよ。人は変わるのが当たり前なんだから。「CHANGE!」だよ〜

 最後に、音楽ですが・・・なんでまたアントニーなのかなあ・・・。前にレナード・コーエンのトリビュートを書いた時にも、アントニーの歌い方がキモイ、と書いたわたしですが、今回も最後の方で「Knock'in on the heaven's door」を歌っていて、キモイと思ってしまった。ルー・リードの「ベルリン」(映画になった)でのアントニーは泣けるらしいのだが、聞く機会ほとんどないってのに、遭遇するたびにキモイ、と思ってしまうのでナニヲカイワンヤ。実際にはわたし、この人のことまったく知らないんですけど・・・、ここまでゾゾッとなってる人って滅多にないのよ。実際に見たら、わたしも感動するのかなあ〜〜、次は「ベルリン」借りてこようかなあ。

 




◆2009年4月16日(thu) 代弁者ではないディラン

ブログ● +P里美の『Bronze & Willow』はこうして作られた
松本里美の『銅版画集&CD』制作日誌はコチラ



●銀座アップルと伊東屋

 朝一で銀座のアップルストアへ。お勉強に行く。学生気分になれて楽しいが、教えてほしいことがあまりにもありすぎて、どこから手をつけていいのやら・・・。とりあえずきょうはイラストレーターからFLASHへ、というのを聞く。自分で勉強すればいいことなんだろうけど、銀座はウチから近いし、聴いた方が早い時もあるから、いいのだ。どうせ、家ではそうゆう時間はまったくといっていいほどとれないんだから。

 銀座に行った時にはだいたい伊東屋には顔を出すことにしている。絵の具を数点購入。母の日に買おうかなあと思って見ていたおしゃれ老眼鏡(スライド式のドイツ製)を、試してたら、自分の目にもピッタリだったので、自分用に買おうかしら・・・・と悩んでしまって、結局買わずに終わる。階段で上ると疲れるから、8階のギャラリーをあきらめようと思ったのだけど、ここんとこ、『辛くなったあとのもう一踏ん張り』が、幸運をもたらす、と思えるようになったため、エ〜イ!とがんばって階段でのぼったら、やはり良いことがあった。ミニギャラリーが銅版画の6人の展示になっていて、しかも、そこに居た方に「もしかして松本さん?」と訪ねられて気がついたのだけど、イラストレーターの三好貴子さんだった。三好さんは水彩画が本来のスタイルだけど、銅版画も数年前から始められたそうで、和田尚子さんのところでゆる〜〜く数名で制作されているそうだ。その中にはかわいらしい猫のイラストの吉沢深雪さんのもあった。わたしが工房で使っている蓋つきの(工房では蓋つきが安全で良いのです)のマグカップが吉沢さんのなのでした。和田さんの作品はさすがに迫力があって、しかも怖かわいくてよかった。黒もきれいだった。黒がきれいだと魅力的だなあ。しばし三好さんとおしゃべりができて楽しかった。和田さん以外は普段は版画の方じゃないアーティストなんですが、それがまた新鮮。

●原宿

 昼は表参道のバーバリーの横のカフェでボローニャソーセージの入ったハンバーガーとする。5周年だそうで、セット1050円が600円だったから入った。1050円だったら、絶対入らないです。だって、パンもそんなにおいしくなかったし。だって、あたためてもくれないし。マックの方がよっぽどいいんじゃあないかと思ってしまいました。雰囲気代という感じだなあ。

●『I'm not there』

 工房で、猫の版画を2点同時進行させる。1点は加筆。1点は修正。あと10日くらいで5点・・・・できるかなあ。できなきゃ嫌だよぉ〜。旧作だしたくないのだ、今回は。
 隣がちゅん太だったので、ついお笑い話をしてしまった。しずると我が家はどんどん進化していってておもしろいなあ、と意見が一致。夙川アトムの「ジュルスケ帳」を聴いてから、どうしても手帳を出す時に心の中でそういってしまうわたしです。夙川、というのが東京の人にはすぐには読めないらしい。わたしは兵庫の夙川のそばに住んでいたので、すぐに読めたよん。作業しながら久しぶりにテレビ話をしてしまったが、たまにしかそうゆう話をしないので、盛り上がるのだった。芸能人にも疎いので、数名からオダギリジョーの結婚の話をきいてビックラした。全然知らなかった。相手の名前も初耳だった。見たことはある。
 柄本あきら(どんな字だっけ)の息子が銭ゲバでいい味だしてた役者だったというのも初めて知った。そういえば、銭ゲバの最終回に出てきたピンクの歩道橋は、我が家のそばの桜新道歩道橋で、撮影してる時ちょうどインフルエンザにかかったリトルKちゃんを病院に連れていくとこで、近道なので渡ろうとしたら、スタッフに手で合図されて迂回した。熱のある病気の子なのに、こんな目に遭わせやがって・・・とまでは思わなかったけどね。

家に帰ってからスケートを見る予定だったが、借りてたDVD『I'm not there』を返さなくちゃならないから、仕方なくスケートは見ず。
 映画はボブ・ディランに扮する老若男女が出てくる。(こんな説明でいいのかっ!)ケイト・ブランシェットが話題だったけど、やっぱり彼女が一番よかった。子役の子もよかったな。途中リチャード・ギアが出てきたあたりから、「あれ?見たよ、これ」と思い出したんだけど、深夜にやってたよねえ・・・一部分だけ見てたのだった、テレビで。ディランの事を知ってる方が楽しめるのか、はたまた知らない方が普通に楽しめるのか、まったくわけがわからなく感じるのかはわからなかった。わたしは中途半端に知っているので、ついこのシーンはあの頃のか、とか、彼女はあの人か、とかいろいろ思ってしまうので、集中できず。ブランシェットは男よりかっこいい男だった。宝塚の人もこんなだったら「惚れてまう』のに。「歌で世の中変わるなんて思ってないよ」と語る。わたしも変わらないと思う。

 わたしは、わかりやすい、感情移入しやすい歌詞が好きじゃないんだなあ。空がきれいで泣いたとかサ。人生を語ったりするのも勿論好きじゃない。そうゆう歌詞を聴いて、我が事のように感じてしまう、という過程が好きじゃないのだ。歌手は、聴いてる人たちの代弁者じゃないんだよ。代弁している、と思って作ってる人がいたらなぐってやりたい(そんな人はいないと思うけど。プロテストソングじゃない限り)。わたしは、代弁してくれてありがとう、という人がいたら嫌だな、と思うので、できるだけわけわかんない歌詞がイイと思っている。自分にしかわかんなくてイイ。想像できることの方が良いのだ。
 わかりやすい歌詞が嫌いなのは、自分で考えることをしなくなって、それが自分と同じだ、と勘違いしてしまうのが気持ち悪いからだ。想像力によって自分に何かを喚起させてくれるような歌詞が好きなのだ。ディランも代弁者のつもりではなかったはずなのだ。あまり自分で考えようとしない人は、代弁者を求め、方向がかわれば裏切り者呼ばわりだ。歌で世の中は変わらないけれど、人の心は変わるのだ。ということだ。
 




◆2009年4月15日(wed) ブエノスアイレスと神保町とグラスゴーのお話

ブログ● +P里美の『Bronze & Willow』はこうして作られた
松本里美の『銅版画集&CD』制作日誌はコチラ


ミロンガ

ミロンガではウエッジウッドでコーヒーが出てくる

「ブエノスアイレス」サントラカードつき

●神保町

 お茶の水駅の聖橋出口を出て、あたたかいのでブラブラとゆっくりと坂をおりて行く。『かげろう文庫』で立ち読みをして、あこがれの白水社前を通り、ガラスに貼ってあった「ベケット」のかっこいいポスターを見る。ベケットの不条理モンが好きだ。「モロイ」と「マロウンは死ぬ」と、何かほかにも好きなものがあったハズ・・そうだ!「ゴドーを待ちながら」だった。これくらいしか読んでないが、どれも好きだった。顔がイイのも10点加算される。白水社はこむずかしくて好きなのだ。わかんなくてもね。いや、わかんあいところが良い。

 そこから文房堂に行き、版画インク、イエローとコバルトを購入。その上の階で、ヨーロッパの挿絵展というのを見る。ライトブロックという写真製版による版画があって、ビアズリーのがそうなのだ。亜鉛板でやる。やってみたいのだけど、工房でできないのだろうか・・・。アリスのジョン・テニエルのもたくさんあった。その上の階では額を見る。たまにデモノがあるのだ。それからその上の階のギャラリーに行き、犬展でお世話になったまさなりみゆきさんや、銅版画の岡田里さんらが参加しているエコバッグ展を見る。このギャラリーは工房展でつかっているところです。バッグのほかにもそれぞれの人の(30人くらいだったかなあ)作品が並んでていて、おもしろかった。まさなりさんは立体の日本犬なんですが、中に「ちーちゃん号」というのがいて、かわいかったわ。まさなりさんは絶対日本犬なんだな〜

●ブエノスアイレス

 そこを出ると昼ちょっと過ぎだった。向かい側の古い額屋をのぞいたら、デモノがありまして。購入。それから、まさなりさんが働いているけやき書房の方へ歩き、植草さんが通っていた珈琲屋の神田伯刺西爾のちょい手前の右の路地を入り、喫茶店「ラドリオ」の前のタンゴ珈琲屋『ミロンガ』い入る。神保町は楽しいなあ。ここで、コーヒーとケーキを食す。スピーカの前の席に座り、飾られているバンドネオンや写真など見つつ、読書。神保町のレトロ喫茶での正しいスタイル。一息ついたら、棚に置いてあるチラシを物色。谷根千の一箱〜の時期になる。いつも東京にいないので、行ったことがない。谷中に知り合いもできたから、行ってみたいもんだ、と思うのでした。
かかっていたタンゴはSPのようにジリジリと雑音が入っていて、相当古そうだった。わたし以外の客はおじさんばかりで、アイスコーヒーと言わず「冷たい珈琲おくれ」とおっしゃいまして、粋でござんした。

 タンゴは好きだが、あまり古いのになると、いささか埃っぽくてカビ臭くて飽きてしまう。やはり、ピアソラという人は革新的だったのだなあ、と改めて思う。
そこを出て、神保町の駅方面へ。さぼうるの隣のギャラリー『福果』で「チブ・ホーフヒムストラ」のオブジェとドローイング展を見る。このギャラリーは現代美術作品の展示が多い。いいものをいつもやっている。

●グラスゴー

 工房へ行き。刷り増ししていた「英国フード記A to Z」の表紙を板からはがす。実は先週からイギリス人男性が来ていて、隣にいたので、見られたら何か指摘されるかも・・・と思っていたが、全然問題なくあの表紙を見ていたのでホッとした。ギターを抱えている人物に必ずみなさん目が行くようで、「オオ、ジョージ・ハリスン?」「NO」「ポール・マッカートニー?」「NO」この時点は次は絶対に「ポール・ウエラー」と言うに決まっていると思ったら、「ピート・タウンゼント」と当ててくれたので、思わず握手した。そのほかのキャラについても話が広がるので、この表紙描いてよかったな〜と思うのでした。バグパイパーを見て、「グラスゴー出身」だと言うので、スコットランドと日本は友好150周年なんだってね、記念のコンサート見たばかりだ、と(英語でなんとなく〜〜〜)言ったら、「スコットランドでは大変なイベントで、誰でも知ってるが、日本ではまったくポピュラーじゃない話だ」と悲しそうだった。そんなもんです。食べ物の本なのだ、コレは。と話すと、「ポリッジが好きだ」と言う。うーん、英国丸出しだなあ、って当たり前なんだけどね。ああ、おもしろかった。またね〜

 さて、「レッドクリフ」に出ていた孫権役のチャン・チェンがなかなかカッコよかったよねー、という話になってから、映画「ブエノスアイレス」を思い出していた。
レスリー・チャンが亡くなった時のことは、あまり興味もなかったのによく覚えている。香港のファンがみんなマスクをしていたからで、たしか鳥インフルエンザが蔓延してたのだ。なんだかニュース映像が殺伐としていて、怖かった。この映画にはトニー・レオンとレスリー・チャンとチャン・チェンが出ていたわけで、スター勢揃いだったわけだ。「レッドクリフ」にこの中の2人が出てるんで、レスリー・チャンが生きていたら、孔明はこの人、というのだとおもしろかったかなあ、なんて思ったりした。実際には金城武が良かっただろうけど、話題はこのトライアングルになっちゃったに違いない。別の興味から見に行く人もきっと増えてただろうな。などと、電車の中でいろいろ想像してしまった。

 というわけで、「ブエノスアイレス」のサントラも聴いてみる。
ザッパとピアソラとカエターノ.ヴィローゾでまとめられている。ピアソラの曲の中に「Milonga for 3」というのがある。きょうはミロンガに行って良かったわー。
このサントラCDは豪華で、ポストカードがたくさん入ってます。初々しいチャン・チェンの写真と、渋いトニー・レオンと退廃的なレスリー・チャンです。欲しい人はたくさんいそうですが、わたしはタンゴバー「Bar Sur」の市松模様のフロアの写真くらいでいいかな・・・それにしても、色が悩ましい。

 というわけで、アルゼンチンとグラスゴーと神保町の一日は終わる。

本当は、借りてるDVD見たいんだけど、きょうのところは頭の中が各国渦巻き飽和状態になってしまったので、あきらめた。
 




◆2009年4月14日(tue) 威厳のある毛ガニさま、そうでもなかった劉備さま

ブログ● +P里美の『Bronze & Willow』はこうして作られた
松本里美の『銅版画集&CD』制作日誌はコチラ


毛ガニさま


 週末は工房へ行き、猫展のための小さな版画の制作と、伊勢丹新宿店で売れた分の刷り増しをする。セッセとやらねばねぇ、前に進めないのだからねぇ。きのう、きょうはずっと家で仕事をする。やることがたくさんあってクラァ〜ッとなるけれど、全部絵を描くことなので、何のストレスもないのよね。楽しく忙しい。猫展は銀座で来月早々にあります。遅ればせての参加なので、ハガキも貰えるのかどうかわかりませんが、とにかく参加。伊勢丹新宿店での作品展は、ギャラリーではなかったので、わたしは顔を少しだした程度でしたが、結構知り合いが行ってくれてたみたいで、感謝です。デパートってギャラリーでの個展とはまるでお客さんが違う感じで、新たな気持ちにさせてくれました。額装も自分で思ったのと感じが違ってて、それもおもしろかったかも。ギャラリーのように整然と並べるやり方に慣れていると、たたみかけるようなコーナーの並べ方には「エエ!?」と驚いたりもしたのですが、割り切ってます。コレもあり、アレもありでいいと思ってます。
これで一段落。

 きょうの仕事はすべてラフで、一つはとある依頼を受けてで、相談しながら絵柄を決めていく。今までやったことのないジャンルの仕事なので楽しい。FAXを新しくして良かった。まだまだFAXは必要だな。
 もう一つは石井さんの英国本のラフ。ついに怒濤のラフに突入という感じで、1000本ノックのようにしばらくこれが続く模様。今回は版画とペンと両方で、洋服が多いので楽しいです。これもFAXを使う。助かるな、FAXって。

 チィちゃんの狂犬病予防注射とギャラリーに寄ったくらいで、あとは机の前にずっといたので、作業しながらパソコンでネットラジオを流していた。うーん、これがイイような悪いようなで・・・。mixiのラジオっていうのを試してみる。これはジャケットが大きく出てくるのが楽しいもんだと思うのだけど、しばらく聴いてるとイラッとなる。たとえば、久しぶりにXTC聴きたいなあ、と思って選ぶとすると、「それに似た感じ〜」というのを勝手に選んで流してくれるんですねえ。それがですねえ、なぜかThe Jamが出てくるのね。で、いろんなの流れるんだけど、必ず10曲中2曲はThe Jamなんだなあ。飽きるので、今度はセックス・ピストルズでも聴いてみよう〜、と選択すると、またまた10曲中2曲、いや、3曲はThe Jamが出てくるんよ〜。あとクラッシュ。ベルベッツを選んでも、やっぱりThe Jamが2、3曲は出てくるのサ!!!一体なんだってんだよぉ〜、ワシ、そんなにThe Jam好きじゃないんだけど〜〜!でも、統計だてるとわたしはきっとThe Jamが好きってことになるんだよ、いやはや、参った参った。ほかにも悔しくなっていろいろ選んでたんだけど、どうしても、どうしても、このネットラジオは、「おまえはThe Jamが一番好きなんだぞ〜〜〜」と言いたいらしいのだ。「違う!」とわたしは心の中で叫ぶのだけど、だんだんサブリミナル効果のように動かされていってしまうのでしょうか・・・怖いわねー
 ほかにも、どのあたりを選んでも出てくるのは、パティ・スミスとかイギー・ポップだった。それはいいんだけどね、好きだし、でも、ホリーズが出てこないでゾンビーズがチョコチョコ出てくるのも腑に落ちない。嫌いじゃないけど、特に聴きたくない。そうそうレジデンツから初めてもやっぱ10曲中1曲はThe Jamだったような気がするゾ。なんだ、コレは。そんな風に繋がるとは思わなかったワイ。陰謀か・・・。また、挑戦してみよう。ちょっと笑えるし。あ、そうか、 The Jamも選ぶと、何が出てくるのか、を試してみようかなあ。それが全部わたしの好きなものだったら、おかしい。

 そんなことをやりながら描いてるもんだから、忙しくてショーガナい。シャカシャカシャカ、(TheJam流れる)エエ!また!?うそでしょ〜〜!となったらすぐに手が止まるから。(関係ないけど、今テレビで「人志松本の許せない話」やってまして。きょうの人選いいなあ。バカリズムとサバンナの変な方と、若林、ジュニアほか。サバンナの変な方最高。コヤツが「猫を大事に扱わない人がいる!」とおこってるのが最高だったー)

 それでも、きょうはグッと効率良く仕事は進み、まことに気分が良いのですー。先が見えてきたので、スッキリした気分。
 そして、きょうは昼はホタテのお刺身とホタテのヒモの炒めたので、夜は毛ガニで豪華な食事をとりました。。これはマツキヨがパソコン設置を手伝いに行った先でいただいてきたもので、「パソコンに詳しいって、なんて、素敵かしら」とゲンキンなことを思ってしまったのでした。
 最近はお会いする機会がトントないのですが、サティ弾きの島田璃里さんとこのニューパソコン設置だったんです。璃里さんのご主人は青森の国際芸術センターの館長をされている浜田剛爾さんなんで、浜田さんが送ってきてくれたのでした。浜田さん〜元気!?ありがとー!!ごちそうさまでした。毛ガニはおいしいな。札幌生まれのわたしとしては、カニはやっぱり毛ガニが一番なんですよね。タラバはゴージャスですが、毛ガニはミソもおいしくて、上品で好きです。滅多に食べないので、きょうは幸せでした。

 ホタテはマツキヨが一生懸命貝から取り出し、お刺身とスナップえんどうと一緒にバター炒めして食べました。あとは冷凍に。

 カニで思い出したが、カニハサミイソギンチャクというカニがいまして・・・・テレビでコヤツがタコと戦うというのを先日見て、感動してしまいました。タコはこの世で最強の生き物だとわたしは思ってて、タコに勝てるヤツは、頭を絶対に下げない専業主婦くらいだ、と常々思っていた。しかーし、この小さなかわいらしいカニ(イソギンチャクがハサニにくっついていて、まるでチアリーダーのポンポンのようなんです)にはタコは勝てないんですよ。このポンポンイソギンチャクに毒があるからで、カニは「ヤ、ヤバイ!」と思うとポンポンを振り回すんですよ。すると、タコもそれを知っているので、怖くて近づけないんですねえ。すばらしいですねえ。自然って。

 なんか、絶好調。


 そうそう、そういえば、きのうの夜30分遅れでテレビでやっていた「レッド・クリフ」を見てしましました。アレ?映像あんまりきれいじゃないのね・・・なんだこのCGは!アレ?劉備が年寄り・・・等々で、どうも感情移入は早々にできなくなってしまった。
 「少林サッカー」に出ていたまんじゅう屋の女(肩パット宇宙人)が孫権の妹役で出ていたので、子ども共々「少林拳はさいこう〜〜」と映画で歌われていた歌を歌ったり、「まんじゅう屋イイゾ〜」と言ったりして楽しんだ。「少林サッカー」はウチではDVDまで買ってさんざん見ていて、未だにたまに見ては大笑いしているのでした。バカ家族なんで。
 このまんじゅう屋の女優さんは顔が派手なんで好き。きのうの映画でもそういえば、「蹴鞠」シーンがあって、どうしても「少林サッカー」のシーンに見えてしまうのでした。子どもがゲームソフトの三国志でずいぶん遊んでいたために、そのゲームのパンフレットを持ち出して、映画を見ながら「この人、この絵の人だよね?全然違う〜」とか「この人が一番強いキャラなんだよね」などと言いながら見ているので、「これはお勉強になるわ」と、三国志が得意なわたしは映画を見ながら、完全解説をするのだった。こうゆう歴史映画は家でしゃべりながら見るのがイイ。なんたってわたし、高校の時選択科目で中国史とってたんで・・・・得意なのよ〜。しかし、大学入りたての暇人だった時に読んだ吉川英治の「三国志」では劉備さんはもっと若くて、美しくて、持って生まれた品格が匂い立つようでなければならなかったハズなのだ・・・・・なのに、孔明役の金城くんの方がそれに向いてるじゃーん。この映画の劉備さんは普通のおじさんに見えたんで、ガッカリしてしまった。しかも、「赤壁の戦い」やるのかと思ったら、その前で終わっちゃうし。「2」でやってんのね。またテレビで見ようっと。
 

 




◆2009年4月9日(thu) テオ・ヤンセンー新生物

ブログ● +P里美の『Bronze & Willow』はこうして作られた
松本里美の『銅版画集&CD』制作日誌はコチラ


電気チューブでできている巨大生物


 http://www.hibiya-patio.jp/theo/

2009年1月17日(土)より4月12日(日)までやってます、オランダ人アーティスト“テオ・ヤンセン”の作品展示を見に、日比谷パティオ特設会場へ。
以下サイトより転載します====
プラスティックチューブから作り出されたストランドビースト(strandbeest オランダ語“砂浜生物”の意味)がやってきます。その骨格の様な外観と、風力を動力源として自ら歩き出す不思議なストランドビースト。

テオ自身”生物”と称するその独特な魅力を解き明かしていきます。 内外のブログ、動画投稿サイトで話題沸騰中の「ストランドビースト」の展示に加え、彼の製作活動を紹介するアジア初の公開展示となります。 オランダから海を渡ってやってくる、迫力の日本初上陸作品群をお楽しみに!

[ストランドビーストに関して]
ストランドビーストはこれまでの生命体とはちがい、タンパク質ではなく別の基本要素からできています。その基本要素とは黄色のプラスティックチューブで、そこから作られた骨組みは歩くこともできます。ビーチアニマルたちはエネルギーを風から取りこむので、普通の動物のように食事をとる必要がありません。彼らは長い時間をかけて進化し、嵐や海水にも耐えることができるようになりました。そして、テオ・ヤンセンの究極の願いは、この動物たちの群れを浜辺に放すことです。
※ストランドビーストは「ビーチアニマル」と同義語です。
=================

 実際見てみないとわかりにくいかもしれませんが、大きいのから小さめの簡単なものまで、チューブでできているのに生物に見えるのです。手で押して動かせるものもあって楽しかった。動力は風なのですが、キチンと計算されていて、きれいに歩行するんですヨ。ペットボトルにためた圧縮された空気を解き放つことで動くというものもあれば、ちょっとつつただけで勝手に動くものもあります。でも、とにかく機械ではないんです。そこがおもしろいのと、フォルムがカッコいいのが気持ちイイです。ほかにも木材でできたガンダムのような形態のものもありました。すごいのは、強風にあおられた時に、みずからのからだに取り付けられているチューブのハンマーが自らのからだから出ている杭を打ち付けて、砂浜に固定するようにできているものがあったことです。考え方がおもしろいなあ。

 このような巨大生物の骨組みのような作品は、第一回の横浜トリエンナーレの時に、見たことがある。それはステラークの金属の巨大な蜘蛛のようなもので、ステラーク自身が上にのって、操作するものでした。形状は似ているけれど、まったく考え方は違う。どちらもおもしろいと思ったけど、テオさんのは、砂浜でいずれは朽ち果て化石化するというシロモノで、それがおもしろいと思った。元々拾ってきたもので作っているのだもの、なにか命の再生というような感覚を呼ぶではないか?と思った。

 きのう工房展のDMができあがってきました。デザインはわたしがしたのですが(半分は昨年のを流用ですが)、このデータが一時使えなかったのでヒヤヒヤしました。パソコン復活してよかった・・・・
きょうは銀座のアップルストアにも行った。あそこはきれいでいいなあ。外人率高いけど、スタッフは流暢にみなさん英語を話せるし、ハグなんかも普通にしちゃうので、一瞬タジッとなる。ちょっとお勉強してきた。帰宅して復習。ほんのちょっとしたことで、いつのまにか日付がロサンゼルス仕様になっていたのにそのまま使っていて笑った。忙しいんで、きょうが何日なのかもわかってなかったわ〜〜〜

 忙しかった事の一つは、火曜日がリトルKちゃんの中学の入学式だったからでした。このコは、喜怒哀楽激しく・・・というか純な奴で、子どもらしい子どもなもんだから、わたしも「エエ〜中学生になっちゃうの、つまんなーい」と思ってしまうし、自分自身でも「ヤダ〜、小学生がいいよ〜、ブレザーなんか着たくないよぉ」と言っていたのでした。二人くらい子どもがいる人だったら同じように思うのだと思いますが、上の子の時には、まだ下がいるから、小学生じゃなくなることに寂しさなんてないんですよ。でも、下の子が小学生じゃなくなるのは本当〜〜〜につまんないです。下の子っていうのはそうやってかわいがられていくもんなんですねえ。上の子はちょっとづつ我慢をするし、下の子は気をつかいつつもおおらかになっていく。わたしも末っ子なんで、姉や兄と比べて、なんでも勝手にさせてもらえていたわけで、今になってその時の親の気持ちがよ〜〜くわかるんですよねー。上の子はおそるおそるだけど、下の子は「好きにしな!」となってしまう。どちらもかわいいからそうなるんだけど、子ども自身はそれが結構悩みだったりもするわけで、難しいもんです。

入学式の最中にわたしは、着ていたジャケットの後ろにしつけ糸がくっついていることを発見してしまいました。知らん顔して、ソ〜〜ッと指で切って、ことなきを得たのですが、実は2年前、上の子の卒業式の時にもブレザーのしつけを取り忘れていて、ヨソのお母さんに教えてもらっていたのでした。でもって、またやっちまったのよ!!リトルKちゃんのブレザーの後ろのしつけ、今回も取るの忘れてたんですね〜〜〜!今回は誰にも指摘されておらず、写真撮影の時にサササと寄っていってちぎってきました。怖いですね〜、絶対まともに式をまっとうできましぇん・・・・・まともな時間に行ったら、「アラ、ちゃんと来てる〜」って言われたし・・・・




◆2009年4月6日(mon) 伊福部も聴けるスコティシュコンサート

ブログ● +P里美の『Bronze & Willow』はこうして作られた
松本里美の『銅版画集&CD』制作日誌はコチラ


スコットランドと日本。アザミとサクラのフライヤーでした。

 初台の東京オペラシティで、『スコットランド友好150周年記念コンサート』を聴きに行きました。

 これは楽しみでもあったし、仕事でもあります。第一部は東京フィルによる演奏で、曲目の中に、スコットランドの曲のほかに、日本の曲、ということで、伊福部昭の「交響譚詩」と武満徹の「ワルツ(映画『他人の顔』より)」が入っていて、おもしろそうだったのでした。日本のものではもう一つ外山雄三の「管弦楽のためのラプソディ」というのがあって、日本の八木節ほか5つほどの民謡を織り交ぜたものが演奏されました。これは海外でのアンコール用みたいで、日本の民謡って、派手なんで・・・これは受けるだろうなあ、と思いました。伊福部さんのは途中やっぱり「ゴジラ」風で、映像が思い浮かんで楽しかったし、武満のは美しかった。これも映像が浮かんでくる。スコットランドの曲は舞曲が多い。

 2部はオーケストラにくわえて、キルトを着たスコットランド人演奏家が登場。ひとりはアコーディオンで、ひとりはドラム。そして、テノール歌手が何曲か歌いました。つづいて、日本のバグパイプバンドがパイプオルガンの前にずらっと登場。出で立ちが本場のものだったので、双眼鏡でしっかり研究。バグパイプといっても、なんというか、オーケストラと一緒だったので、とってもお上品な雰囲気で演奏されました。
 2部は指揮者も日本人藤岡幸夫さんからスコットランドのマクガバーさんにかわり、この方ももちろんキルト姿でよかったです。頭が見事にらっきょう型で、思わずスケッチしてしまいました。おもしろかったのは、最後に「みなさん立って一緒にうたいましょう!」(英語だった)ということで、ロバート・バーンズの詩の「蛍の光」を客が歌ったのでありました(紅白歌合戦気分)。ロバート・バーンズも生誕250年という記念の年なんですね、今年は。だから、いろんなところで記念のイベントが行われてます。先日六本木ヒルズで見たバグパイパーの方が、実はきょう真ん中で見事に演奏されていたのでした。終わってロビーに出た時にすぐ目の前にいて、おもわず帽子のことを聴いたら、あれは「オーストリッチ」できてるんです〜とのことでした。兵隊さんのは熊の毛。

 なんてことで、ちょと滅多に見られない感じの変な(というか変わった)コンサートでした。キルト姿も描かねばならないので、参考になったのでした。バグパイプも多分描くんだろうなあ。きょうは兵隊の写真をたくさん見たりしましたよ。

 オペラシティの地下にパブがあって、久しぶりにフィッシュ&チップスとエールをハーフパイント。モルトビネガーが出てきたので、自分で絵に描いたようにビチャビチャかけて食べました。アレ、大好きなんです。初台でも少し桜見ましたが、ウチの方でもそうだけど、最近の桜はスカスカしてませんか?「桜の花の満開の下」みたいな、異空間に引き込まれるようなむせ返るほどの花の量が、最近見られないような気がして仕方ない。




◆2009年4月5日(sun) 電車に乗って等々力へ町田へ

ブログ● +P里美の『Bronze & Willow』はこうして作られた
松本里美の『銅版画集&CD』制作日誌はコチラ


等々力陸上競技場のライトと桜。

がばいばあちゃんのとうふ料理をかけたご飯。

 等々力競技場へ行くのでした。子どもにつきあって川崎フロンターレの観戦なのです。
土曜は名古屋グランパス戦で、ダヴィもいるし玉田もいるし、強いチームなんですね〜。でも、わたしのご贔屓の谷口ほか点を入れて、3対1で快勝。やっと勝ち点3。そんなに熱心なわけじゃないけど、せっかく行くんだから、勝った方が嬉しい。昼間のゲームだったので、等々力緑地のきれいな桜を見ることもできて良かったです。あたたかかったし。

 きょうは、町田にK太郎と一緒に行く。実家がある街なんで、母を呼び出し、買い物と食事をするのでした。町田はわたしが住んでいた時の10倍は人が多くなり、街が大きくなっていると思う。東急ハンズがいつのまにか縮小されて、元のビルはファッションビルとなり、不況知らずのユニクロが入っていた。原町田の商店街は昔ながらの商店とファッションビルが渾然一体となり、街なのか田舎なのかよくわからんのよね・・・ここ。

 K太郎は洋服をまとめ買いする。普段何も欲しがらない子で、ドカンとたまに欲しいものを買うタイプ。暮れにiPot touchを買ったあとは、ずっと我慢していたので、服は買ってあげることにした。この原町田商店街に昔からあった乾物やお菓子材料の店「富沢商店」が、小田急百貨店の中にできていて、母がよくここで買い物をするというので、一緒についていく。我が家には食事に気をつけなくちゃいけないモノがいるので、なんだかんだとここで仕入れるのでした。玄米や雑穀米や、鰹節の粉、煮干し、かえし、ほかいろいろ。疲れ果てて帰宅。この富沢商店にはパンやお菓子のための粉の種類が相当数あります。それから、丸元氏が本に書いてそうな食材がほとんど揃うのではないか?と思われます。安くはないけど、良いものがあります。

 家に帰ってくると、きょうも疲れ果てて夕寝してしまう。おもむろに起きて、簡単な食事にしました。その一つは、きのうの晩にたまたま見た洋七のがばいばあちゃん料理。豆腐に大根の葉の塩揉みしたものを混ぜ、魚粉をたっぷりかけて、醤油少し。これを混ぜて、ご飯にかけてモリモリ食べます。簡単なんだけど、おいしそうだったので、作る。魚粉と言っていたけど、とりあえず富沢商店に売っていた鰹節の粉で良いのだろうと思います。大根の葉がたくさん入っているとおいしいです。ウチでは最近は十六穀米をよく食べてます。これにかけて食べたんだけど、がばいばあちゃんのは白米と麦飯でしたね。それもおいしそうだった。

 土曜と日曜と電車の中が長かったので、本を読む。なかなか読みすすまない「身辺図像」についての新書なんですが・・・・きょう読んだところはまあまあおもしろかった。それは「福助」のいわれであります。江戸時代の日本橋の絵に、福助みたいなかぶり物の人物が二人描かれてまして、これが変なわけですよ。これは何か?って話で、これは門芸人というやつらしいのだけど、なんでこんなかぶり物なんでしょうねえ。見せ物からきてるらしいです。頭デッカチの。あまりくわしくはかけないようなことながら、この本の著者がコレマタ中途半端あ書き方で、わかったようなわからなかったような、気持ち悪さです。自分で調べた方がよっぽどわかるのじゃないか・・と思ってしまいました。

 







◆2009年4月3日(fri) グールドの歌とタンゴを聞く

ブログ● +P里美の『Bronze & Willow』はこうして作られた
松本里美の『銅版画集&CD』制作日誌はコチラ


近所の立派なしだれ桜とチィちゃん。

若いグールド。円熟のグールド。どちらもすてきだ。
襟足も短いな。

●タンゴとバッハ
 浅田真央のタンゴ「ポル・ウナ・カベーサ」(「首の差で」カルロス・ガルデル)は、衣装もステップも、優雅さもとても良かったと記憶している。赤と黒の衣装はセクシーだったし、ピタッとセンターわけでなでつけた髪型もタンゴらしかった。ヒョンなことからアルゼンチンタンゴのダンサー(教えてもいる)カップルさんと知り合った。イイですねえ〜。タンゴはわたしの両親が若かった頃に大流行りしていたから、家にもレコードがたくさんあったし、好きだった。日本人は実はとても情熱的だと思います。ラテンは日本人にあってるのだ。俄然わたしの中でブームになってしまった。ピアソラくらいしか今家にはないけれど、ネットで聞いたりして楽しいな。今、アルゼンチンかも・・・・チェの映画もあったしね。サッカーも大変だしね。マラドーナ・・・・

 アルゼンチンタンゴで盛り上がってはいるものの、グレン・グールドの「GOLDBERG」(バッハ)も聞いている。新しいMacの音はとても良いので、聞きたくなったのだ。グールドの若い頃の演奏と歳をとってからの演奏が聞けるCDがあって、写真を並べて聞いている。どちらもピアノの演奏とともに、鼻歌がユラユラと聞こえてくるのだけど、歳をとった方のレコーディングの方が歌は多いだろうか。こんな風に気分よく楽器と触れ合えるなんて、うらやましいなぁ、と思います。手の写真も入ってます。とても細くて長くて、これもうらやましい。


   なんだかんだと打ち合わせがあったり、予定が立て込んできて、頭の中が5分割くらいになって動いている。英国になったり、ゴシックになったり、タンゴになったり、柳になったり、猫になったり、犬になったりしている。どの順番でやるか難しいのだ。恐ろしいことだ、できるのかなあ・・・・こんなやり方で。大変は大変なのだけど、どれもがわたしがやりたかったことばかりなので、ストレスにならなくて嬉しい。

 春なので、美容院にも行き、サッパリした。原宿の美容院に行ってます。パーマが結構かかったままだったので、これをショートにすると、「愛の嵐」のシャーロット・ランプリングみたいにバサバサの切りっぱなしのショートみたいになったので、ちょっと「イイじゃん」と思う。

●英国人の襟足の長さ
 散歩をしながら、腰をつかって歩いてみる。
イチローがおかしいのは、モデル歩きをするからで、それは腰で歩いてるからそう見えるのだ。
 昔、伊丹十三の本でわたしはそれを知ったのだった。「イギリス人は腰で歩くのだ」。ああ、そうだなあ、日本人がドタドタ歩くのは、腰を使わず膝で歩いているからなんだなあ、とその時なるほど〜〜と思ったのだった。それからわたしも、できるだけ上半身をユラユラさせずに腰で歩くように努めているのだ。しかし、そうやって歩くと、どうもいばって歩いているように見えるみたいで、街でよく道を聞かれるようになってしまった。姿勢がよくなるからいいと思うんだけど、イチローもそうだけど、ちょっと街では浮いて見えるのだ。ほかの人たちと歩くリズムが違って見えるからだ。パイソン、ジョン・クリースのシリーウォークは、その最たるものなんだなあ、きっと(え!?違う!?)
 その後二十歳頃にセツ・モードセミナーに行きだした頃、長沢節先生からも「 腰で歩きなさ〜〜い!」とゆうおことばを聞いたのでした。やっぱり、オシャレな人はそうゆうとこ、ちゃんとわかってるのねー、と思いましたねえ。伊丹十三の本からは学ぶところが多かった。特にイギリス人の頭はらっきょう型だとか、トイレを出る時にハンカチで手を拭きながら出るな、とか、そんなことがおもしろかった。らっきょう型の頭についてはイラストも載っていて、襟足が耳たぶの下の位置で終わっているというのがわかり、わたしは愕然としたのだった。日本人とはもう、全然生物学的に違うではないかっ!!と。日本人の頭が「変な感じ〜〜」と思っていたのは、襟足が妙に長いからなのだ。あの長い襟足が嫌なんだなあ。そうでもないとは思うけど、わたしも、もっと短かったらよかったのに。襟足がキュッと短いからワイシャツの襟もキリッと見えるんだろうなあ、とか、帽子もしまって見えるんだろうとか、ちょっとショックだったのです。横顔を描くのが好きです。必ずらっきょう型にします。耳たぶの下まで襟足は描きません。

 ショートカットにしても、襟足がちょっと長い日本人としては、理想のショートには絶対にならないわけで、どうがんばってもシャーロット・ランプリングにはなりません。
 







home
(c)2009 matsumoto satomi