◆2009年3月31日(tue) Mac育ちの子どもたち

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iMac クラシック。子どもが小さい時はこんなだった。ウルトラマンと
レゴとポケモンで机の上はいっぱいです。


トイストーリーのゲーム中の3歳児。これから9年たって、
今はiPodを使う。かわいいな・・・・・

●伊勢丹終了でありがと!
 伊勢丹新宿店の作品展が終了。ギャラリーではないので、わたしはちょっと顔を出す程度で、来てくださった方にはお会いできず、すみませんでした。どうもありがとうございます!

 きょう、最終日だったので行ってきました。家具のコーナーにも絵が飾られていて、いつもの感じとはまた違って新鮮。ご挨拶をして、そのあとはまた鍋や北欧食器を見て和む。伊勢丹を出ると、新しくなった丸井にも寄る。斜向いの丸井が、ゴスロリの館になっていて、入るのがちょっとはばかられたが、ここに入らなくちゃ女が廃る!・・・わけはないけど、入ってみたかったのだった。ロリータ、ゴスロリ、ヴィジュアル系、という系列でありまして、これだけで成り立っているのでありまする。原宿に、これらの店が多いのだけど、丸井がこれに真正面から向かい合っちゃってて、ビックリしてしまう。竹下通りの、または秋葉原のファッションが、大手を降って並んでる。こうなっちゃうと、オタクな気分もなくなっちゃって、わたしにはおもしろくないなあ。値段も多分竹下通りよりもグッと高いだろうし。サブカルチャー的な要素がなくなってしまう。だって、メインストリートのきれいなビルじゃん・・・お客の中にはお母さんと選んでる子なんかもいてサ、つまんない。
 フリフリの館を出て、世界堂をのぞき、副都心線でアッというまに原宿へ。久しぶりの工房で、猫やら犬やらの新作をちょっとだけ制作。

で、思い出したんだけど、伊勢丹の次は、銀座でグループ展があるのでした。誘ってくださったNさんがちょうど来ていて、DM用の版画を刷ってました。8人でやる猫の展覧会です。人数が多いので、たくさん出せないかもしれませんが、新作も制作してますので、是非に!5月のはじめ頃です。そのあとは、25日から工房展です。新しいメンバーも増えたので、楽しくなりそうですよ。わたしとK-motopiさんが幹事です。パーティも楽しくやりたいと思います。

●Mac育ちの子どもたち
   Mac騒動のあと、メールよりも写真が大事だ、と思った。
 写真が「岸辺のアルバム」のようにならないように、整理している。これらはほとんどCD-Rにしていて、それは無事なようだった。これをもう一度取り込んで、すぐに見られるようにしたら、楽しくて仕方がない。特に子どものが楽しいですねえ。その中に、Macクラシックと最初のiMacボンダイブルーの写真があって、懐かしい。クラシックはとってもかわいくて、子どもの机を作って、そこに並べていた。もっぱら子どもはこれで「トイストーリー」「チキチキバンバン」などのDVDを見たり、簡単なゲームをやっていた。わたしはこの頃はボンダイブルーのiMacでした。そのあともう1台iMac-DVD使って、それからノートになって3台。そしてついにノートじゃなくなった。子どもはこのように、物心ついた時にはすでにパソコンがあり、今では二人ともiPodを使うようになった。わたしがパソコン使いだして、まだ20年くらいだっていうのにねえ・・・・すごいことですヨ。わたしなんぞは学生時代にWALKMANで驚いてたのにね〜〜〜〜これからどうなるんでしょ。高校生の時には小さいカセットレコーダーを買って教室で聞いてたんですよねー。髪の毛長かったので、イヤホンも見つからなかった。
 長生きしたいです。おもしろいから
 


◆2009年3月30日(mon) 6代目Macとクリケット

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iMac 24inch
映画を見るのが楽しい。
起動音がオーケストラみたいに迫力があります。
ベルリンフィルかとおもっちゃうような「ジャ〜〜〜ン!」です。

●Mac新調
 おととい、POWER MAC G4がまったく起動しなくなり、仕事の連絡や、作りかけのデザイン仕事のデータなどのことを考えて青くなってしまった。数年前にイギリスに行った時にも便利でよかったと思ったのは mixiと掲示板だった。今は掲示板は閉じてしまったけれど、ブログが同じような(いや、もっと良いものだと思う)役割をしてくれて、どこでも、どのパソコンでも通信に使えるから助かった。家に数台同じようなMacがあるから、今回もアカウントを増やしてすぐにメールも普段通りに使えた。
 まぁ、それはいいのだけど、問題はバックアップだ。 OSを新しくして、レパードになっていた。タイムマシンという機能がついていることで大喜びしていて、自力でマメにUSBやCD-Rに大事なデータをとっておかなくなっていた。タイムマシンさえあれば、何ヶ月も前のデスクトップでも再現できるわけで、つねに、デスクトップをきれいな状態にして快適でありました。しかし、今回は本体が壊れてしまったわけで、電源押してもウンともスンともいわないわけだから、タイムマシンで、外付けのハードディスクにデータが残っていたって、無用の長物になってしまうのだ。数台あるMacとはいえ、そこにわたしのタイムマシンを復元したら、そのマシンが違うものになってしまう。さて、どうするか・・・・やり方は何かありそうだけど、青くなってたので、唸るばかりで、mixi内で知恵を授かったり、電話をもらったり、いつも読んでくれているみなさんに助言いただき、本当に感謝感激でありました。しかし、どうがんばっても起動しないままでした。いつも壊れたびに思うのだけど、大事なメールが消えると悲しいかなあ...でも、それもいつかは忘れてしまうもので、本当に心に沁みたメール(ことば)は、画面上、紙面上残ってなくっても、必ずや心には永遠に残っているのだから、残す、ということに執着してはいけないなあ・・と思いますね。

 実は、そろそろMacを最新型の大きなものにする予定だったもんだから、壊れた当日、(Macのことになると異常にフットワークのよい)マツキヨ氏が買ってきちゃいました!!この日わたしは取材で柏までクリケット日本代表チームに会いにいってまして、夜帰宅したらデーン!と24インチが置かれていたのでドキドキしました。なんでドキドキするかっていうと、普段ヒッソリ見ていたものが、キョ〜レツに大きくなっちゃって、恥ずかしいわけですよね・・・
 だいたいわたしの仕事は普段こんな大きなものはいらないんです。でもこのくらいの大きさだとA4サイズのものなんかは楽々作業できますね。楽しい!
 

 それはいいとして、肝心のデータですが、タイムマシンの復元というのが初めてだったため、うまくできなかったんですよねー。というのも、いっぺんにすべてを復元しようとして、途中で止まってしまったんですねえ。少しづつやれば良かったのかもしれないし、ちょっとわからないですが壊れたG4をなんとか起動させてデータをとって、入れ直しました。
 どうやって起動させたかというと、バッテリーをとりはずして、電源アダプターをつけてしばらくしてかた電源ボタンを押す。これは奇跡に近くて、一度ついたので安心して終了したら、そのご3時間後までまたつきませんでした!翌日までつけっぱなしにして、セッセとデータを拾っては新しいMacに移しました。執着してはいけないんで、よけいなものはどんどん無視しました。

 これで一気にわたしのパソコン環境は最新型になりまして、イラストレーターもフォトショップもいきなりC4になっちゃった。その前の段階もほとんどクリアしてないのにねー。なんとかちょっとこの大きさに慣れてきたところで、「そうだ!映画見よう!」と思いました。考えてみたら、昨年ようやく買い替えたテレビ、ずっとそれまでは21インチで見てたんですよ〜。それよりも大きいわけだから、もう「テレビ子どもにとられて、映画も見れないわ〜」なんて思うこともないわけですよ。そこで、とりあえず、仕事の資料として借りていた「ジーンシモンズのROCK SCHOOL」第一回放送というのを見てしまいました。これが笑えるんですね〜

 KISSはまったく音楽的には興味はなかったけど、おもしろいジャン。で、そのメンバーのジーン・シモンズがイギリスの古〜い寄宿学校にロックの授業しにいくんですよ。吹き替えなのもおもしろかったし、ジーンシモンズの暑苦しさと、シラ〜〜ッとした生徒たちの表情の対比が笑えます。ジーン・シモンズはKISSの前に少しだけ学校の先生してたことがあるそうで、子どもが好きな感じが伝わってくるんでイイんです。ヴォーカルを選ぶ時に、一番上手じゃないけどハチャメチャな子選ぶところが、ナカナカではないですか。ほかの子はみんなうまかったんですけどね。その後バンドがどうなったのかは知らないけれど、ハチャメチャな子は、きっと自分に自信を持てるようになるだろうし、ほかの子からも一目置かれるようになるだろうし、イイ先生じゃないか!と思いました。
 このロック授業が資料なんではなくて、この学校の制服が資料です。とてもかわいいチューダー朝の長〜い、そして黄色のソックスの学校です。

●優雅なクリケット
 イギリスもんの本・・・・つまり石井さんの次の本に使うんですねえ。で、Macが壊れた日に石井さんと柏でクリケットの練習を見たのですが、クリケット日本代表の方に道具やユニフォームなどもくまなく見せていただいて、本当に良かったです。クリケットは世界的にみればサッカーに次ぐ人口だそうだけど、日本で見ることはなかなかできないですよねえ。クリケット部のある学校も限られてます。副主将の茅野さんがユニフォームと装備をつけてポーズをとってくれました。カッコいいです!コーチはオーストラリアの方で元プロ。あとで調べたら、とても有名な方のようでした。もっと調べてから行けばよかったよ〜ん。
 ブライアン・ジョーンズの伝記映画で、お屋敷の庭で普通にクリケットで遊ぶブライアンのシーンがありましたね。あの時も「ああ、クリケットってイギリスでは普通のスポーツなんだ、すごいなあ」と思ったものです。全然ルールがのみこめません。
 オールのようなバットを使います。投げるボールは赤い革で、バットは「イングリッシュ・ウィロー」なんだそうです。「レザー&ウィロー」という。この「イングリッシュ・ウィロー」で作られているものが高級品なんだそうです。柳ですねえ。柳と聞くだけでシンパシーを感じてしまうわたしですから、いよいよもって、クリケットはいいもんだ、と思わざるを得ませぬ。とても楽しい取材でした。100以上の世界のチームの中、日本は40位くらいだそうです。応援しまーす!今年はジャージー島で試合があるとか。優雅だなあ・・・・・・



◆2009年3月27日(fri) 式

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リトルKの卒業式の日は、WBC決勝の日でした。わたしが好きだったのは青木です。インスタント・ジョンソン(わたしの好きな芸人)みたいで見とれる顔つきだった。

●卒業式
 先週から今週にかけては、家族の入退院、ケガ、卒業式、わたしの作品展と忙しかったのでした。そんなオリ、ライブ依頼というのもありましたが、それも日程がとても無理でお断りしてしまった。これがとても懐かしいCというバンドのSさんから(なにがなんだかわからないでしょうが)だったんで申し訳なかったけれど、嬉しかった。大変なこともあるが、良いこと楽しいこともあるもんです。先日、「松本さんは良いことと悪いことが同時進行ですね」と数人に言われてしまったが、確かにいつもいつもそんな感じで、一生きっとそんなんだろう、と腹をくくった今週でした。
  K太郎とわたしは浅草に食事にも行った。ただただ食事目的で可笑しかった。リトルKは24日に小学校を卒業。普段はサッカーの格好しかしてないので、ピンクのタッターソールのボタンダウンやブレザーを着ると、いきなり青年らしくなって、イイ感じ。リトルKはガッチリしているのでなかなかブレザーが似合います。わたしは昔から、男の子はトラッドが一番好きな格好だったので、自分の子どもがそうゆう格好してくれて(させてるんだけど)チョ〜嬉しいです!(でも、レジメンタルタイの後ろ側はゴムなんです〜子ども〜)
  卒業式は泣けるものでした。リトルKはずっと笑ってたけど。そういえば、女の子もネクタいの子が多かった。たいていの子がタータンチェックのプリーツスカートとお揃いのネクタイで、とってもかわいかったです。

 この日はWBCの決勝の日で、家に帰ると丁度8回裏。それから緊迫する試合を二人で見ていたのだけど、リトルKは野球に興味がないので、サッサと遊びに行ってしまい、わたし一人でイチローのモデル歩きなんぞを見て笑っていた。周到に用意したと思われる例えがな〜んかおもしろくもなくて、かえって笑える。でも、やっぱスターなんだなあ、あの場面で打てるんだから。

 その後チィちゃんの散歩をしたら、いつもはサッカーの子が多い公園の球技場がキャッチボール親子で溢れていた。

 夜は謝恩会というのがある。今年はしながわ水族館の隣のレストランだった。小学校が終わってしまうと、ちょっと寂しいですねえ・・・・楽しいだけなんだもんね。

 きのうは渋谷ハンズで、表札を作ってもらう。依頼されて愛猫のイラストを描いて名前の横につけてみたのだが、これが思った以上にかわいくできたので、自分んちのもやりたいなあ、とちょいと思ってしまった。そこから松濤のバーディへ。バーディからチィちゃんのご飯を買っているのでお支払い。表札を見せたら、ここでも好印象でありました。

 きょうは銀座へ。松屋のデザインコミッティのコーナーを一巡りしたあと、伊東屋へ。請求書と納品。数枚売れていたので良かった良かった。伊勢丹新宿店の方には全然行けない状態で、売れてるかなあ・・・?とちょっと心配なんだけど、あと数日で終わってしまうし、日曜日あたり覗いてこようと思っちょります。伊勢丹の売り場は、途中でレイアウトが変わるようなので、どんな風になっているのか見てこなくっちゃ。31日までやってますので、みなさま、よろしくね。


◆2009年3月20日(fri) 伊勢丹銅版画展はじまりました

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伊勢丹新宿店5階でやってます。31日まで

家具売り場にもありました。立派な家具に合わせてもらって嬉しいです。

●伊勢丹作品展です
 18日から始まっています。伊勢丹新宿店での作品展です。

 きのうちょっとだけ寄ることができました。本館の5階です。ギャラリーとは違いますが、年賀状にした「HAPPINESS UNDER THE WILLOW」などは、凝った額装にしていただいていて、いつもとはちょっと違った雰囲気になっていて新鮮でした。

 伊勢丹の5階は楽しくて好きです。売り場近くの家具のコーナーにもわたしの「on the clouds」がかけられてました。 部屋においてある感じで見られるから、こうゆう展示もいいもんだなあ、と思いました。
 旧作が多いですが、ブラリと覗いてみてくださいね。

 さて、そのそばで、4月始めまで、北欧の食器の展示があって、そこでしばし見とれてました。北欧といえば、アラビア社のムーミンマグ。これは家族全員で使ってます。ほかにも、ウチには、果物柄のお皿と、バレンシアという藍色の取り皿があります。でも最近は、もう少し古いデザインの方が北欧のかわいらしさがあってイイナアと思ってます。そのあたらりがたくさん並べられていてウットリしてきました。フィンランドのもいいけど、スェーデンのもかわいい。グスタフスベリが最近好きです。欲しいけど、買いだしたらキリがなさそうだし、アラビア社ほど高価ではないながらも、やっぱり安くはないのでなかなか買えません。ホーローの鍋やポットも、女の子の絵や植物が素朴でおしゃれでいいんですよねー。
 ブルーもいいけど、最近はグリーンへ。

●そろそろ卒業
下の子がそろそろ卒業です。小学校。きょうは学校職員、父兄、6年生だけでやるお別れ会というのがあって、卒業式よりも親密度があるものです。お菓子なんかも出てゆったり楽しめて良いのでした。スライドや演奏などもあります。先生が歌ったり踊ったりも楽しいです。そして、父兄も合唱するのですが、わたしは遅刻したり忙しかったりで一度も練習に参加できず、ぶっつけ本番。今年はキロロの「未来へ」という曲を歌うことになっていたのですが、まったく知らないので、状況としてはお笑い芸人TKOのネタ「知ったかぶり」状態ですね。でも、ワンフレーズで、だいたい次どんなメロディになるかわかってしまうんですねえ、最近の曲は。だから、結構ちゃんと歌えました。みんなで歌うのは楽しいです。上の子の時には「ゆず」の曲でしたが、こちらもまるで知らない曲でした。こちらの方が練習しないと歌えない複雑さがあったかも。「知ったかぶり」はおもしろいです。TKOを思い出してしまって、満面笑みで歌いましたとサ。


◆2009年3月18日(wed) 小説っていいもんですねえ

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 とあるシトシト雨のヒトケの無い日に、とあるギャラリーでオーナーとおしゃべりをしていたら、いつも手ぶらのかっこいいTさんがフラッと現れて、「これおもしろいから」とむき出しの単行本を1冊貸してくれた。いつものことながら、所作がイケメン(女なんだけどサ)。アーダコーダ解説つきで差し出されたら、小説ほとんど読まないわたしは断ったと思うけれど、こんな差し出され方をされたら、サッと受け取らなくっちゃイケメンとはいえない。
 本は小川洋子『猫を抱いて、象と海を泳ぐ』だった。日本の小説は「ノルウエーの森」で面倒くさい気分になって以来読む気力を失い、まったく読んでなかった(ムラカミ氏に詳しい人によると、あの本を最初に読んでムラカミ文学がおぞましいと思ってしまった人が多いとかで、ほかを読めば良かったのにねぇ、とのことだった。でももういいのだ。わたしがつい敬遠してしまうのはなぜなんだろう?ルックスだったりして。タイトルがアザトサを感じるのかもしれない。そこにわたしもはまって読んでしまって、そんな自分にガッカリなのかもしれない。イナシテないのが嫌なのかもしれない。なんだろうか・・・向かう方向が同じでも、表す時の設定なんかがわたしにはちょっと恥ずかしいから駄目なんだろう。先日の受賞の時の卵のくだりは良くわかる。だって、わたしは卵の歌も作ってるし、卵の絵も描いているから。とてもうまいのになぁ・・・翻訳もうまいのになぁ・・・でも、やっぱり設定が恥ずかしいと思って読んだなあ)。ファンが多いからケンカを売るようなもんだが、ヘソマガリだから仕方がないのだ。そのほか読んでないのでこれ以上わたしに語ることはない(相当語ったけど)。
 小川洋子のこの小説は良かった。多分ほかの小説でもそうなんだろうけれど、アザトサがなかったからで、ハッキリいって「不思議ちゃん」だらけだけれど、嫌な感じがしない。設定が魅力的だった。最後のところでは不覚にも涙さえ出てしまった。小説を読んで涙が出たなんて、「オオカミ王ロボ」と「フランダースの犬」以来なんじゃないかなあ。

 くわしい内容はどこかに書いてあるでしょう。または読んでください。この主人公「リトル・アリョーヒン」は特殊なんですが、それは、ブリキの太鼓のように大きくなることを拒否して小さいままでいることや、生まれた時に唇がくっついてしまっていて、うまく手術で唇ははなれたけれども、無口であり、からだが育たなくなっても、この唇だけは毛がはえていて、大人になっている、そのどれをも受け入れ、自らの意志で選んだという前向きな特殊といえると思う。チェステーブルの下にこもり美しい詩のような棋譜を残した。感慨深いのは、その彼のまわりのひとたちが、それを自然のこととしてうけいれていることで、彼は尊敬と愛を持ってその人々と静かにやさしく、でもシッカリと関わって生きていることだ。彼らもそれぞれがアリョーヒンに尊敬と愛でもって接してる。その静かに燃える、そして真摯な尊敬と愛によって涙を誘ってしまうのだ。
 小説って、いいなあ、ともう一度思わせてくれた一冊だった。

 それでも、わたしはそのあとは「身辺図像学入門』という新書モンを読んでしまっているんだけどね。 「高砂」やら「天使」やら「風神雷神」やら普段なにげなく受け入れている図像についてのウンチク話。もっと語り口がおもしろければ、ウンチクなんてこと言わないんだけど。一緒に歩いてて、見えてるものをいちいち解説されたら、ウヘ〜、と辟易っちゃうよねえ。話が笑えるようならいいけどね。どうもなんだかオヤジ臭ばかりが気になって、頭に入ってこない。最後まで読めるかなあ・・・・

 「悪魔」についても、なーんかわかりにくい書き方で、サタン、デーモン、ルシファー、等々もっと簡潔に説明してもらいたいんだけど、ああ、もう、こんなだったらやっぱしネットの方がイイじゃん、と思ってしまうンヨ。

 ほかにも最近読書している。が、ほとんど誰も興味のないようなものなのでありました。


◆2009年3月16日(mon) 鉄骨に立つ

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Look down Windowに立つ

 田町での用事のあと、あまりにもポカポカしていたので、そのまま芝公園を抜けて東京タワーまで行ってきた。

 東京タワー50歳ですヨ・・・・・・たまにフラ〜っと行っているところとはいえ、やっぱり鉄骨きれいですねー。50th.ということで、悲しげだったお土産コーナーも(中身はそんなに変わってないんだけど)箱だけはきれいになってた。カフェがあったりで変わったなー。
  展望台に上ると、液晶モニターで一日の景色の変化など見られるし、楽しい。それに、あの真下を覗ける超怖い『Look down Window』の大きいタイプのものができていた。乗ってみました。ス〜っとします。 高所恐怖症で閉所恐怖症なので、高いところに行くエレベーターにのるとクラクラする。それでも、行きたくなるというマゾだった。

 蝋人形館はいかず、マザー牧場カフェでヨーグルトドリンク飲んで、増上寺お参り(というのか知らないが)して帰宅。増上寺は桜がきれいだけれど、まだまだ蕾もふくらんではいなかった。
春よ来い


◆2009年3月12日(thu) NIPPONのデザイン

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沖縄のオキコラーメンと佐賀のジンジャーエール『n.e.o』













 家にいると、やってもやっても終わらない用事で飽和状態になり絵を描くどころではないので、たまに山盛りの用事を捨て去り近所のコーヒー屋に1時間半ほど逃げ出す。3時間いられればいいけど、2時間でも遊び過ぎだ、という罪悪感にかられてしまうのが現実。

 何日か前、銀座の松屋に寄りました。7階の食器を見ようと思ったのだけど、それよりもおもしろいものをやっていた。「NIPPON VISION(47都道府県からの贈り物)」。「日本の伝統、地域をデザインの視点で眺め、感じる」企画展ということです。日本デザインコミッティの企画の2回目だったのかな。1回目は昨年のだったと思う。それは入場料をとるものだったけれど、今回行ったのは(偶然遭遇しただけなんだけど)誰でも見られる状態だった。
  <「日本の現状や底力、魅力、問題、課題」なんかを真上から眺めてみて、「あぁ、意外とニッポンって・・・」とかを考えたいと企画を続けます。>と、企画のデザイナー(コミッショナー)のナガオカさんのブログには書いてあった。 47都道府県のギフトが、だいたい同じ大きさのシルバーの箱に箱詰めされています。これが整然としていてきれい。売っているものもあって、わたしは佐賀の「ジンジャーエール」(小さくてかわいいし、しょうがが下にたまってる)と沖縄のラーメンを買ってかえりました。何を言ってるのかわかりにくいと思うので、是非you tubehttp://www.youtube.com/user/ddepartmentprojectを見てみてね。各2分くらいの説明でいろんな物産が見られます。ナガオカさんが説明してます。
  わたしの生まれた北海道では、熊の小さな木彫りとかサッポロビールが。一番長くいる東京は、資生堂みたいなデザインの雷おこしとセルロイドのペンケースなど。セルロイドのペンケースはわたしが小学校入学の時には当然のように買ってもらっていたものだけど、今セルロイドを作っているのは、東京のこの紹介されている会社1社だけなんだって。へぇ〜〜〜、と思うことばかりでおもしろいです。日本のデザインは美しいものいっぱいあるねー。

 インターネットや雑誌、大型スーパーやファストフード店が全国どこでも画一化に拍車をかける。そんな事も考えてのことなのだろう。47都道府県の特徴を引き出すということと共に、地場産業の紹介にもなっているのだろう。上に書いたように、やはり自分が生まれた場所、育った場所にはみんな思い入れがある。嫌な思いでがあっても。まあ、そんな堅苦しい事考えなくても、イイですけどね。単に、「へえー、こんなのあるんだー」「このデザインは美しいなあ」と思うだけでも良いかと思います。

 松屋のこのフロアにはグッドデザインギャラリー(だったかな?)があります。よりすぐられたステーショナリーやキッチンツールや、椅子やら時計やら、ステッキやらがあります。通販生活に載ってそうだなあ、と思うと、へそまがりのわたしは「あ、いらないや」と思っちゃうけどね。でも、つい手がでそうになるものはある。ステッドラーの鉛筆とか。真鍮の鉛筆削りは持っるものだった。

 さて、佐賀の『PREMIUM GINGER ALEーーn.e.o』の味は。ピリッとします!そのあと甘くなります。甘すぎだよ〜ん。カクテルサイズと説明されてたけど、カクテルにした方がいいね。あ・・・・コレって・・・・・京都の「ひやしあめ」に似てるかも〜〜〜。味わいはありますねえ。いきなり身体がポカポカしますよー。でも、やっぱりウイルキンソンの方が好きだな。
ゴメン、佐賀。


◆2009年3月10日(tue) 谷中/朝倉彫塑館

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朝倉彫塑館
ダリ美術館みたいに、屋根には作品がドーンとのっかってます。













 石井理恵子さんの新刊は出てまもないですが、もう次の本の打ち合わせです。今度は点数が多いみたいで、版画とペン画で描かせていただきます。場所は谷中。谷中在住翻訳家さんがメンバーにいたからでした。静かな街並みにあるイタリアンのお店でランチをとりつつ。今度の本では人を描きます。楽しそうー
 その後、その同じ通りにある 朝倉彫塑館へ行きました。モダンな建物も朝倉さんデザインで、光のたくさん入るアトリエも二階の和室も屋上もみんな素敵です。書庫も外国にあるような天井まであるもので、置いてあるものもひとつひとつ良いものでした。白州正子さんも見たかしらね?庭も大きな石や木々がギュッと構図よくあって、どこの部屋、廊下からも見られて素敵でした。温室のような二階には猫のブロンズがたくさん。みんな表情豊かでした。15匹くらいを常に飼っていたそうで、多分、大きな仕事の合間に、猫を愛でながら、眺めながら、作った作品たちなんだと思います。飼ってる人にしかわからない顔つき、姿態でした。屋上から見る街も、あまりビルもなくてのどかです。4月から大改築(耐震のためだそうです)に入り、2015年まで見られません。400円だす。元のままの雰囲気で残してね。
 こんな家に住みたいですー

 そのあとはブラブラと上野方面へ向かう。何度か来ているので、だんだん土地勘が出てきましたねえ。迷わず芸大の方へ出られました。途中、数年前に入った『愛玉子(オーギョーチー)』のお店へ。ごちそうになりました。変な食べ物だ。寒天みたいなのに、説明書きを読むと、お米と同じカロリーなんだって。しかもシロップがオロナミンCみたいなんで、よっぽど精がつくんだろう、と思うのでした。
 さらにブラブラして子ども図書館で何故かお勉強。子どもの本は簡潔でわかりやすいのぉ。そしてまだ桜の咲いてない動物園の前へでるのでした。桜が咲きだすと、ここは人だらけになります。

 帰宅後、やらねばならぬ事があまりに多いので呆然となりました。絵が描きたいなあ・・・
OSを新しくしたりして、イラストレーターほかアイコンも変わって、慣れない。しかし、このOSについている自動のバックアップ機能は便利・・・いやホントに便利です。これでCD-Rにやいておいたりしなくてすむわけで、物が増えなくてよい。FAXも壊れたので、購入。SDカードに入れて、パソコンで見れるというタイプのものになったので、これまた紙の無駄遣いがなくなる。イイ事だわー


◆2009年3月9日(mon) 伊勢丹作品展です。Savoy Truffle食べたいな。

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伊勢丹新宿店の5階アートポスターコーナー「松本里美特集』
  伊勢丹さんの方でこの絵を選んでくださって、タイトルが「お茶をいかが?We live Tea」

くわしくは、画像をクリックしてね。

















●Savoy Truffle
 食べ物のタイトルが好きなので、わたしにも「Lovely Gravy』『Eel Pie』という曲がある。The Rutles『Cheese & Onion』好き。先日書いたミンガスの『Pork Pie』。The Beatlesの『Savoy Truffle』はどう??
  これはホワイトアルバムの中にあるジョージの曲。 これを聞いていた頃はサヴォイのことも、トリュフという名前のチョコレートがあることもわたしは知らない子どもだった。ジョンやポールのようなキラリ〜とした曲ではないので、口に出して発音したことがなかったことに今気がつきました。が、歌ってる発音は「サヴォイトラッファ〜」と聞こえていたので、フランス語のなんたるかをまるで知らなかった中高校生にはそれがあの高級きのこトリュフに似た形の「トリュフチョコレート」であるとは思いもしなかったのでありました。
  実際にどんなものかは見たこともないけれど、多分高級な生チョコなのに違いない。それをクラプトンが山のように食べていたんだな、確か。それで虫歯になってたのでからかった、とかなんとかそうゆうんだった。この曲にはたくさんの甘い食べ物の名前が出てくるけれど、外国の食べ物は今でもそうだけれど、昔はもっともっと知らなかったから、想像だけが膨らんで面白いし、好きなのだ。「montelimatモンテリマ〜」ってなんの呪文よ?とずっと思っていたので、さっき調べてみたら、どうもフランスのヌガーで有名な場所らしいので、ヌガーのことなのでしょう。そうゆう疑問が好きなのだ。
Creme tangerine and montelimat
A ginger sling with a pineapple heart
A coffee dessert--yes you know it's good news
But you'll have to have them all pulled out
After the Savoy truffle.

http://www.youtube.com/watch?v=g-gTcF6K4Wk

 マッキントッシュ社(コンピュータじゃなく)で出てたらしい。あのKitKatがたしかここだった。あのキルトとバグパイプのCM懐かしいなあ。ビクトリア駅にできたKitKatの人間販売機はいいな。わたしもつい買ってしまいそう。

 先日書いたジェフ・ベックには『Icecream Cake」という曲もある。そのジェフ・ベックの『Rice Pudding』という曲をたまたま聞いていた。イギリス人ならではの曲名で、こうゆうのが楽しい。Rice Puddingは日本では食べたことがなく、イギリスに行った時にスーパーで見つけて食べた。気持ち悪いと思っていたのだけど、パンプディングは食べられるので勇気をだして食べてみたら、案外おいしかった。しかも、買って一日たっていて、さらに常温にしていたのにわたしのお腹は全然大丈夫だった。イギリスって、乳製品がとても充実している。本当に種類が豊富でスーパーが楽しいのです。

 で、その『Rice Pudding』(インスト曲です)をキッチンで聞いていたら、4分20秒くらいのところで、 ヴィンス・ガラルディのチャーリー・ブラウンの曲になった!!!「エエ!?〜〜」と、サザエさんのダンナのような声を心の中で出してとなりの部屋のテレビを見たら、ホンダのCMにスヌーピー&チャーリーが出ていて、その曲がかかっていたのでした。でも、スピーカーからもそんな音が聞こえたよねえ・・・・と首をかしげながら、もう一度4分20秒くらいから聞き直したところ、ニッキー・ホプキンスのピアノがそのあたりから、間違いなくスヌーピーになっているのだ!なっているというか、似てるのね。それがしばらくつづくので、笑った。ニッキー・ホプキンスは好きだった。
 

●伊勢丹新宿店の作品展

 そんなこんなで、今だに外国の食べ物への探究心が衰えないわたしですが、今月18日から「英国フード記A to Z』の表紙がDMになった作品展が伊勢丹新宿店の5階アートポスターコーナーで企画されています。「松本里美特集』だそうです。みなさんよろしくね。
  伊勢丹さんの方でこの絵を選んでくださって、タイトルが「お茶をいかが?We love Tea」になっているのでした。 そんなわけで、そんな感じのものを選んで、きょうなんとか30点ほど送りました。ホッとします・・・・荷物がなくなると。ほかに、昨年の新作も少し出してますので、見逃した方は是非、見てくださいね。31日までやってますので、新宿ブラ〜っとする機会がありましたら、寄ってみてくださいね。ギャラリーではないので、わたしはいませんが、たまには顔を出すと思います。となりのコーナーが栗原はるみさんのコーナーでちょっと素敵です。欲しいお皿があるのです。油ものの時にそのまま出せる網のついたもの。そのとなりはイイ鍋いっぱい。楽しい鍋実演コーナーもあるし、高級洋食器売り場もあるので、目の保養ができてとっても楽しいです。わたしはどのデパートにいっても、食器売り場くらいしか行かないです。

ではでは、みなさま、よろしくね〜〜〜!


◆2009年3月5日(thu) マディの子どもたち

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マディ”泥水”ウォーターの面構えを見よ!

















●マディ・ウォーターズ
 ジェフ・ベックが、ロンドンのロニー・スコットというジャズクラブでやったライブがBSで放送されていて、何故か版画のお客様がダビングしたものを送ってくださった。ありがたや〜
わたしの版画を買ってくださる方にはきっとロックな人が多いに違いない!と確信しました。嬉しいな。

 埼玉のスタジアムでクラプトンと一緒にやったのは知っていた。通訳さんと知り合いになっていたし・・・。一体どんな感じになるんだろう、ヤードバーズ化はあるのだろうか??などと思いめぐらしていたのでした。DVDを送ってくださった方はこのコンサートに行ったので、熱く様子を伺うことができました。ヤードバーズ化はなかったらしいけれど、どうやらR&Bで締めくくったような感じにうけとった。

 BSのライブでは、ほとんどがジェフ・ベックほか最近一緒のメンツでの演奏で、ボーカルのゲストが二人。そしてアンコールの時に落ち着き払ったクラプトンが出てきて、同じフェンダーのストラトでマディ・ウォーターズの『You Need Love』をやった。マディ・ウォーターズといえばストーンズ、とわたしなんぞはすぐに思っちゃうのだけど(カヴァーは勿論、バンド名がマディの曲からつけているからーーブライアンが)、あの頃のイギリスのバンドがカヴァーしたこういった粗っぽさがあるシンプルなデルタ・ブルースは、わたしは大好きなところなのだ。あくまでシンプルな編成で、ハーモニカが入るのが好みだな。ストーンズの「I'm a man」は良かったな。あのアルバムは良かったな。「12×5』
 ロバート・ジョンソンをエレクトリックに、ハイに、グルーヴィに、マッチョにしたマディ・ウォーターズばんざい!あんたがいたからロックは生まれた。
 ストーンズとはいえ、これはもうブライアン・ジョーンズの魂と言っても良い。ブライアンはギターもハーモニカも良かったな・・・

 ベックの丁寧なギターも良かった。あんなにアップで見られると、その指つかいにかえって緊張するもんで不思議だった。右の指が器用にヴォリュームやアームをソォ〜ッと動かす様子がちょっと感動的でした。でも、演奏はストレートだよね。ストレートなギターだと思う。ギター1本、ふざけたことも小賢しいことも何ひとつせず、清い感じさえした。
 クラプトンは、特に何も思うこともなく(昔から何も思うことがなかったのだった)・・・・あ、そうそう、この人のギターは時々津軽じょんがら節になるんで、顔が赤くなります。でも、マディの曲での軽いカッティングはさすがに小気味が良かったですねー(うーん、でもこうゆう人はいっぱいいるからなあ)。もちょっと衣装に気合いを入れてほしいです。ロッカーに見えねえ・・・・

●Goodbye Pork Pie Hat
 最近はよくミンガスとアイラーとチャーリー・ヘイデンを聞いている。なんというか闘うモノが多い。ミンガスの曲は明るさがあり、メロディアスなので、一番聞いているかもしれない。ジェフ・ベックがミンガスの『Goodbye Pork Pie Hat」を柔らかく弾いていたので、ちょっと喜んでしまった。 レパートリーの一つだったのね。よかった、よかった


◆2009年3月3日(tue) 音と儀式ーハギス、インド、波紋

ブログ● +P里美の『Bronze & Willow』はこうして作られた
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六本木ヒルズ森美術館スカイデッキから見た東京。榎忠の作品のようだ。



ハギスセレモニー


ジャン・ピエール・テンシン(奥)さんの個展『みんな修行中』でのインスタレーション
演奏した永田砂知子さんとお友達のパーカッショニストの方。













●ワークショップ参加者さんの作品です



海老一さんと海老太郎さんです〜

 女の子はわたし一人の家ですが、きょうはちらし寿司をつくりました。

●ハギスセレモニーとインドのアート

 2月26日六本木へ。スコットランドのイベントに行く。目的はハギスセレモニーだったが、少し遅刻して、ちょっとした見られなかった。ロバート・バーンズの詩を読み上げる人がいて。モルトウィスキーを飲む。丸いハギス二個を捧げ持つ人がいて、横でバグパイパーがスコットランド国歌を奏でます。『英国フード記A toZ』で描いたような丸いハギス、バグパイプ、キルトの男、モルトウィスキーをいれるUisge Beathe というケルト独特の杯も使われていたので、ちょっとは気分を味わえた。英国モノに触れる機会が多いので、すっかりキルト姿の男にも慣れてしまい、全然違和感がありません。変なファッションショーもついていたが、THE GLENLIVET のミニボトルをお土産にもらったのでヨシとする。タータンチェックはかわいいな。変にアレンジしない方がいいのだヨ。

 この日はHさんと一緒に近くのイタリアンバールでランチをしてからの参加でした。ここのバリスタは有名らしく、さすがにカフェマッキヤートがおいしかった。こんなにおいしいのは初めてのような気がする。Hさんが持っていたモリ美術館のチケットで今やっているインドのコンテンポラリーアート展『チャロー!インディア』を鑑賞。一つ、とてもおもしろいのがありました。シルパ・グプタのインスタレーション作品。部屋に入ると、スクリーンにわたしの影がうつります。するとセンサーによってスクリーンのわたしにむかって糸(の影)がおりてきて、上から人形や機械などいろんなものが降りてきてくっつきます。動いてもとれず、自分の姿もどんどん埋もれていきます。ためしにHさんにくっついてみると、Hさんにくっついたものがわたしに飛び火したりもします。ほとんど自分が見えなくなったころ、下から瓦礫の山が競り上がり、ついには我々は影の中に埋もれて無くなってしまうのでした。
ダイナミックであり、警告であり、そしてユーモアがあって、一番好きだった。相当大笑いしたり動いたりして騒ぎながら見ました。こうゆう参加型のものは楽しいな。
 全体的には、インド社会における格差・・・というか貧富の差に対するシニカルな作品が多かったと思う。

 スカイデッキというのに初めていった。美術館の入り口からさらに少しエレベーターで上にいったところにある。 ヘリコプターが降りられるビルのテッペン。グルッと東京が見渡せるし、ビルのテッペンのダクトがもろに見えてモエ〜だった。

 曇り空がうつくしい。
『東京にわ、空がない』と千恵子は言ったが、わたしには空は見えている。


●インスタレーション

 国立にも行った。ギャラリー「亀福」でジャン・ピエール・テンシンさんの「みんな修行中」という展覧会を見に行く。彫刻家・斉藤鉄平 作の音具を使っての永田砂知子さんの 波紋音(HAMON)という演奏がありました。ジャンさんはコマ撮りアニメーションも撮っていて、それもかわいくて良いのだけど、昨年は大岩オスカールの展覧会で見た、同年代(昭和40年か会)のアーティストによる作品「晴れたり曇ったり」の撮影者でもある。なにかと興味のあるところにいる方で、今回は永田さんの演奏つきのインスタレーションが見られるという日を選んで行ってきたのでした。
  鉄の音具は美しいしきれいな音でした。急遽ご一緒にやることになったらしいのだけど、即興だし、どんな感じのものかはお互いにわかっていたみたいなので、シックリとすすむ。ジャンさんの作った「びんずる」さん(座像です)をみんなで磨きました。参加型は楽しい。磨き方はそれぞれ違っていて、丁寧だったり、おそるおそるだったり、踊ったり、いろいろ。わたしはいろんな人のいろんな痛みを思い出しながらそこをなでました。隣は台湾のお茶のカフェで、しばしそこへ。

  さて、波紋音はわたしの音の記憶列のどこかにあり、その後「あ」と思い出しました。チェロ即興マツモト氏が一緒に演奏した原田和男さんの鉄の音具でした。 調べてみたら、
原田和男(鉄の楽器シデロホイス(ΣΙΔΕΡΟ ΗΧΟΣ)は、音響彫刻と言っているらしい) に、クリストフ・シャルル(電子音)、永田砂知子(perc.)と参加。(日仏学院ホール) という記述があり、1991年だった。1992年には滑川五郎さんと原田さんとクリストフ・シャルルでのパフォーマンスがあり、これはわたしもスタッフで参加した。
 というわけで、永田さんはやっぱし「このあたり」の方だったので、うっすらと活動の範囲の想像がつくのでした。そして、ああ、そうなのね、やっぱしあの人とかこの人とかとやってるのね、と思うのでした。

 波紋音は、きれいだったけれど、ずっと聞いているともっと違う音階や響きや・・そしてなによりメロディが聞きたくなる。わたしはメロディが好きなのだなあ、やっぱり。ハギスセレモニーの時に聞いたバグパイプもとてもきれいでよかったです。これも聞いているうちにトランス状態になりがちで、これはメロディとは別に低音でドローンが響いているからだ。波紋音も、音が途切れるということがなく、場所によって気持ちよくなったり気持ち悪くなったりするかもしれない。
 ま、とにかく、帰りの長い長い電車の中ではiPodに入っているタップリのメロディを聞いたわたしだった。

 そういえば、 カフェの方ではハープのライブもあったのだけど、まったく衣装が違うのでおかしかった。黒い作務衣風衣装とピンクのシフォンのドレスだったら、わたしはピンクのドレスの方を着るでしょう。

●ワークショップ作品
 先月のワークショップで海老を制作したAさんが、額装したものの写真を送ってくれました。「海老一」と「海老太郎」です。刷り方で全然違いますねえ。でも、どちらも勢いがあって明るくてよいですね。太郎の方は透き通った感じが桜えびみたいだし、上はお正月のお重に入ってる甘く煮たもののように見えるし、おもしろいですねー
どうもありがとう!お互いに良い記念になりましたね。




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